医療用医薬品 : スーグラ

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医薬品情報


総称名 スーグラ
一般名 イプラグリフロジン L-プロリン
欧文一般名 Ipragliflozin <sub>L</sub>-Proline
製剤名 イプラグリフロジン L-プロリン錠
薬効分類名 選択的SGLT2阻害剤−糖尿病治療剤−
薬効分類番号 3969
ATCコード A10BK05
KEGG DRUG D10200 イプラグリフロジンL-プロリン
商品一覧 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
スーグラ錠25mg Suglat Tablets 25mg アステラス製薬 3969018F1022 131.8円/錠 処方箋医薬品
スーグラ錠50mg Suglat Tablets 50mg アステラス製薬 3969018F2029 197.5円/錠 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡[輸液、インスリン製剤による速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない。]

重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

効能・効果及び用法・用量

効能効果
効能効果に関連する使用上の注意

効能共通

重度の腎機能障害のある患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の効果が期待できないため、投与しないこと。(「重要な基本的注意(6)」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)

中等度の腎機能障害のある患者では本剤の効果が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。(「重要な基本的注意(6)」、「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)

1型糖尿病

本剤の適用はあらかじめ適切なインスリン治療を十分に行った上で、血糖コントロールが不十分な場合に限ること。

用法用量

2型糖尿病

通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。

1型糖尿病

インスリン製剤との併用において、通常、成人にはイプラグリフロジンとして50mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら100mg1日1回まで増量することができる。

用法用量に関連する使用上の注意

効能共通

重度の肝機能障害のある患者に対しては低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。(「慎重投与」の項参照)

1型糖尿病

本剤はインスリン製剤の代替薬ではない。インスリン製剤の投与を中止すると急激な高血糖やケトアシドーシスが起こるおそれがあるので、本剤の投与にあたってはインスリン製剤を中止しないこと。(「重要な基本的注意(9)」及び「副作用」の項参照)

本剤とインスリン製剤の併用にあたっては、低血糖リスクを軽減するためにインスリン製剤の減量を検討すること。ただし、過度な減量はケトアシドーシスのリスクを高めるので注意すること。なお、臨床試験では、インスリン製剤の1日投与量は15%減量することが推奨された。(「重要な基本的注意(1)(9)」、「副作用」及び「臨床成績」の項参照)

使用上の注意

慎重投与

次に掲げる患者又は状態[低血糖を起こすおそれがある。]

脳下垂体機能不全又は副腎機能不全

栄養不良状態、るいそう、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態

激しい筋肉運動

過度のアルコール摂取者

重度の肝機能障害のある患者[使用経験がなく安全性が確立していない。(「薬物動態」の項参照)]

他の糖尿病用薬(特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬)を投与中の患者[併用により低血糖を起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(1)」、「相互作用」、「副作用」及び「臨床成績」の項参照)]

尿路感染、性器感染のある患者[症状を悪化させるおそれがある。(「重要な基本的注意(7)」の項参照)]

脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)[本剤の利尿作用により脱水を起こすおそれがある。(「重要な基本的注意(8)」、「相互作用」、「副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)]

重要な基本的注意

本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬と併用する場合には、これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。ただし、1型糖尿病患者においてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシス等のリスクが高まるため、過度の減量に注意すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>、(「相互作用」、「副作用」及び「臨床成績」の項参照)

糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。

本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

本剤投与中は、血糖値等を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3カ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切な治療法への変更を考慮すること。

投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併症等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値に留意の上、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。

本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査するとともに、腎機能障害患者における治療にあたっては経過を十分に観察すること。

尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。(「副作用」の項参照)

本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者や利尿剤併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。(「相互作用」、「副作用」及び「高齢者への投与」の項参照)

本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「副作用」の項参照)

悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

特に、1型糖尿病患者、インスリン分泌能の低下、インスリン製剤の減量や中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。

患者に対し、以下の点を指導すること。

ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)。

ケトアシドーシスの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診すること。

血糖値が高値でなくともケトアシドーシスが発現しうること。

特に、1型糖尿病患者に対しては、上記3点に加えて、ケトアシドーシス発現リスクが高いことも説明すること。

排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。

本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。

低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は主としてUGT2B7によるグルクロン酸抱合代謝を受ける。(「薬物動態」の項参照)

薬物代謝酵素用語

UGT2B7

併用注意

糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア剤
チアゾリジン系薬剤
ビグアナイド系薬剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
速効型インスリン分泌促進剤
GLP-1受容体作動薬
DPP-4阻害剤
糖尿病用薬との併用時には、低血糖の発現に注意すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討すること。ただし、1型糖尿病患者においてインスリン製剤を減量する場合、ケトアシドーシス等のリスクが高まるため、過度の減量に注意すること。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること。糖尿病用薬(特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬)との併用時には、低血糖のリスクが増加するおそれがある。
血糖降下作用を増強する薬剤
β-遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
フィブラート系薬剤
左記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の増強によりさらに血糖が低下する可能性があるため、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。左記薬剤との併用により血糖降下作用が増強されるおそれがある。
血糖降下作用を減弱する薬剤
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン
左記薬剤と本剤を併用する場合には、血糖降下作用の減弱により血糖が上昇する可能性があるため、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。左記薬剤との併用により血糖降下作用が減弱されるおそれがある。
利尿作用を有する薬剤
ループ利尿薬
サイアザイド系利尿薬
左記薬剤と本剤の併用により、利尿作用が過剰にみられるおそれがあるため、必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。左記薬剤との併用により利尿作用が増強されるおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

2型糖尿病

承認時までの国内の臨床試験では、1,669例中549例(32.9%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は頻尿149例(8.9%)、口渇71例(4.3%)、便秘53例(3.2%)、尿中β2ミクログロブリン増加41例(2.5%)、体重減少39例(2.3%)であった。(承認時:2014年1月)

1型糖尿病

承認時までの国内の臨床試験では、201例中197例(98.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が認められた。主な副作用は低血糖196例(97.5%)、血中ケトン体増加21例(10.4%)、体重減少12例(6.0%)、膀胱炎9例(4.5%)、頻尿8例(4.0%)、口渇7例(3.5%)、ケトーシス6例(3.0%)、陰部そう痒症6例(3.0%)、便秘6例(3.0%)、頭痛4例(2.0%)、細菌尿4例(2.0%)であった。(効能・効果追加時:2018年12月)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

低血糖(1.0%注1))

他の糖尿病用薬(特にインスリン製剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤又はGLP-1受容体作動薬)との併用で低血糖があらわれることがある。また、他の糖尿病用薬と併用しない場合も低血糖が報告されている。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。(「重要な基本的注意(1)」及び「臨床成績」の項参照)

腎盂腎炎(0.1%)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽) (頻度不明)、敗血症(頻度不明)

腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(7)」の項参照)

脱水(0.2%)

脱水があらわれることがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分に行うこと。口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されているので、十分注意すること。(「重要な基本的注意(8)」及び「高齢者への投与」の項参照)

ケトアシドーシス(頻度不明)

ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重要な基本的注意(9)」の項参照)

注1)承認時までの国内の臨床試験(他の糖尿病薬と併用しない場合)の試験結果に基づいている。

その他の副作用

 5%以上1〜5%未満1%未満頻度不明
血液及びリンパ系障害  貧血 
眼障害  糖尿病網膜症眼瞼浮腫
胃腸障害 便秘下痢、胃炎、胃食道逆流性疾患、上腹部痛、腹部膨満、齲歯、悪心嘔吐
全身障害及び投与局所様態 口渇、体重減少空腹、倦怠感顔面浮腫、脱力感
肝胆道系障害  肝機能異常、脂肪肝 
感染症 膀胱炎鼻咽頭炎、外陰部膣カンジダ症、細菌尿 
代謝及び栄養障害  ケトーシス 
筋骨格系及び結合組織障害  筋痙縮筋肉痛、背部痛
神経系障害  糖尿病性ニューロパチー、浮動性めまい、体位性めまい、頭痛、感覚鈍麻 
腎及び尿路障害頻尿多尿尿管結石、腎結石症 
生殖系及び乳房障害 陰部そう痒症  
呼吸器、胸郭及び縦隔障害  上気道の炎症 
皮膚及び皮下組織障害注2)  湿疹、発疹、蕁麻疹、薬疹、そう痒症 
血管障害  高血圧 
臨床検査 尿中β2ミクログロブリン増加、血中ケトン体増加尿中β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿潜血陽性、尿中アルブミン/クレアチニン比増加、尿中ケトン体陽性、尿中α1ミクログロブリン増加、尿量増加 
注2)投与初期に比較的多く発現していることから、投与後は十分な観察を行い、症状がみられた場合は投与を中止するなどし、必要に応じて皮膚科専門医と相談して適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

高齢者では脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与せず、インスリン製剤等を使用すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立されていない。類薬の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、本剤の動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。]

授乳婦

授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

臨床検査結果に及ぼす影響

本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖、血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

その他の注意

雌雄ラットに本剤12.5、40、125、250mg/kg/日(250mg/kg/日群は雌のみで実施)を104週間反復経口投与したがん原性試験において、40mg/kg/日以上の雄及び125mg/kg/日以上の雌で副腎髄質の褐色細胞腫の発生頻度増加が認められた。ラットに本剤40mg/kg/日(雄)又は125mg/kg/日(雌)を反復経口投与したときの曝露量(AUC24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回100mg)の約10倍又は約60倍であった。

薬物動態

血中濃度

単回投与

健康成人男性に本剤1〜300mgを空腹時単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度は投与後1〜3時間でCmaxに達し、その後速やかに消失した[1]

(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。

単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ

投与量nCmax(ng/mL)Tmax(h)t1/2(h)AUCinf(ng・h/mL)
1mg618±40.75±0.274.35±1.0559±11
3mg654±160.92±0.2010.01±2.28245±35
10mg6174±140.92±0.2013.34±4.99855±168
30mg6524±1031.58±1.1112.43±5.052896±363
100mg61392±4232.33±1.2111.71±2.009696±2242
300mg53421±6902.60±1.3410.34±1.5927299±4622
(平均値±標準偏差)

2型糖尿病患者(8例)に、本剤50mgを食前単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移及び薬物動態パラメータは下図及び下表のとおりである[2]

本剤50mg単回投与時の血漿中未変化体濃度推移

本剤50mg単回投与時の血漿中薬物動態パラメータ

投与量Cmax(ng/mL)Tmax(h)t1/2(h)AUCinf(ng・h/mL)
50mg1045±3481.43±1.8614.97±4.584821±1558
(平均値±標準偏差、n=8)

反復投与

2型糖尿病患者(各群9例)に本剤50又は100mgを1日1回14日間食前反復経口投与したとき、最終投与後のCmaxは1225及び2030ng/mL、AUC24hは4808及び9213ng・h/mLであった[3]。1型糖尿病患者(各群10、12又は10例)に本剤25、50又は100mgを1日1回14日間食前反復経口投与したとき、最終投与後のCmaxは694、1400及び2680ng/mL、AUC24hは2510、5790及び10600ng・h/mLであった[4]

食事の影響

健康成人男性(30例)に本剤50mgを空腹時、食前又は食後単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食前投与のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は1.23(1.14〜1.33)及び1.04(1.01〜1.07)、空腹時投与に対する食後投与のCmax及びAUClastの幾何平均比(90%信頼区間)は0.82(0.76〜0.89)及び1.00(0.97〜1.03)であった[2]

吸収(外国人データ)

健康成人男女(14例)に本剤25mgを空腹時1時間持続静脈内投与又は100mgを空腹時単回経口投与したとき、イプラグリフロジンの絶対バイオアベイラビリティは90.2%と高く、本剤の吸収は良好と考えられた[5]

分布

イプラグリフロジンの血漿蛋白結合率は94.6%〜96.5%であり、主要結合蛋白質はアルブミンであった(in vitro試験)[6][7]

代謝

イプラグリフロジンは主にグルクロン酸抱合代謝を受け、ヒト血漿中には4種のグルクロン酸抱合代謝物が認められた[8]。また、1種の硫酸抱合代謝物が少量認められた。イプラグリフロジンの主代謝酵素はUGT2B7であり、UGT2B4、UGT1A8及びUGT1A9も寄与することが示された(in vitro試験)[9]

イプラグリフロジンの各種CYP及びUGT分子種に対する阻害作用は弱く、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用もほとんど示さなかった(in vitro試験)[10][11][12]

排泄

イプラグリフロジンはP-gpの基質であった(in vitro試験)[13]

健康成人男性に本剤1〜300mgを空腹時単回経口投与したとき、未変化体の尿中排泄率は約1%であった[1]

外国人健康成人男性(6例)に14C-イプラグリフロジン100mgを空腹時単回経口投与したとき、投与後48時間までに大部分(84.4%)の放射能が排泄された。投与後144時間までの放射能の尿中及び糞中排泄率はそれぞれ67.9%及び32.7%(合計100.6%)であり、投与した放射能のほとんどは尿中又は糞中に排泄された。呼気中には放射能は検出されなかった[14]

(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。

腎機能低下患者

腎機能の程度が異なる2型糖尿病患者(25例)に、本剤50mgを食前単回経口投与したとき、腎機能正常患者(8例)に対する軽度腎機能低下患者(eGFR:60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満、9例)のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.12(0.83〜1.52)及び0.94(0.69〜1.26)、中等度腎機能低下患者(eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満、8例)のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.17(0.85〜1.60)及び1.21(0.89〜1.65)であった。1日あたりの尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量は、腎機能正常患者で約71g、軽度腎機能低下患者で約61g、中等度腎機能低下患者で約38gであり、腎機能低下患者で低かった[2]。一方、腎機能の程度が異なる外国人2型糖尿病患者に本剤100mgを空腹時単回経口投与したとき、腎機能正常患者(8例)に対する重度腎機能低下患者(8例)のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.05(0.85〜1.31)及び1.47(1.12〜1.92)であった。20時間あたりの尿中グルコース排泄量は、腎機能正常患者で約49g(ベースライン値:約1g)であったのに対し、重度腎機能低下患者では約12g(ベースライン値:約2g)であった[2]

肝機能低下患者(外国人データ)

中等度(Child-Pugh分類B、スコア7〜9)の肝機能低下患者(8例)に本剤100mgを空腹時単回経口投与したとき、健康成人(8例)に対する中等度肝機能低下患者のCmax及びAUCinfの幾何平均比(90%信頼区間)は1.27(0.93〜1.73)及び1.25(0.94〜1.66)であった[15]

高齢者(外国人データ)

健康な高齢(25例)及び非高齢(24例)男女に本剤100mgを食前反復経口投与したとき、非高齢男性に対する高齢男性のCmax及びAUC24hの幾何平均比(90%信頼区間)は0.99(0.84〜1.16)及び1.21(1.06〜1.38)であった。一方、非高齢女性に対する高齢女性のCmax及びAUC24hの幾何平均比(90%信頼区間)は1.25(1.06〜1.49)及び1.45(1.27〜1.67)であった[2]

相互作用

イプラグリフロジンが及ぼす影響

イプラグリフロジンは以下の薬物の薬物動態に明らかな影響を及ぼさなかった。

シタグリプチン[17]、メトホルミン[16]、ミグリトール注)[2]、ピオグリタゾン[17]、グリメピリド[17]、ミチグリニド注)[2]、フロセミド[2]

イプラグリフロジンが受ける影響

以下の薬物はイプラグリフロジンの薬物動態に明らかな影響を及ぼさなかった。

シタグリプチン[17]、ミグリトール注)[2]、ピオグリタゾン[17]、グリメピリド[17]、ミチグリニド注)[2]

注)日本人データ

臨床成績

いずれの試験もLOCF(Last observation carried forward)法を適用した。

2型糖尿病

単独療法

第II相二重盲検比較試験[18]

食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤(12.5、25、50、100mg)又はプラセボを1日1回12週間投与した。HbA1c値(NGSP値)のベースラインから最終評価時までの変化量について、プラセボ(69例)との調整済み平均値の差[95%信頼区間]は25mg(74例)で−0.97%[−1.210,−0.721]、50mg(72例)で−1.29%[−1.536,−1.041]、100mg(72例)で−1.31%[−1.554,−1.060]であった。低血糖症状の副作用発現割合は本剤100mgで1.4%(72例中1例)、本剤12.5mg、25mg、50mg、プラセボは0%(74例、74例、72例、69例中0例)であった。

(注)本剤の承認された1回用量は50mg(効果不十分な場合は100mgまで)である。

第III相二重盲検比較試験[19]

食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回16週間投与した。結果は次表のとおりであった。低血糖症状の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ0%(62例中0例)及び0%(67例中0例)であった。

第III相二重盲検比較試験の結果(最終評価時)

投与群HbA1c(%)空腹時血糖(mg/dL)
ベースラインの平均値(標準偏差)ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]a ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]b
プラセボ(n=67)8.25(0.678)0.54(1.003)6.3(30.05)
本剤50mg(n=62)8.40(0.857)−0.76(0.697)−1.24[−1.537,−0.950]−40.2(33.34)−45.8[−55.50,−36.10]
a:共分散分析(投与群、スクリーニング期開始前8週以内の血糖降下薬投与の有無及びベースラインのHbA1c値をモデルに含む)b:共分散分析(投与群、スクリーニング期開始前8週以内の血糖降下薬投与の有無及びベースラインの空腹時血糖値をモデルに含む)※:P<0.001

長期投与試験(24週)[20]

食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(174例)を対象に、本剤50mgを1日1回24週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースライン(7.65±0.663%)から最終評価時までの変化量は−0.32±0.671%であった。低血糖症状の副作用発現割合は1.7%(174例中3例)であった。

長期投与試験(52週)[21]

食事療法、運動療法のみで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(182例)を対象に、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回52週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースライン(7.93±0.791%)から最終評価時までの変化量は−0.51±0.806%であった。また、朝食前及び朝食後投与における検討において、食前・食後の投与による効果に影響はみられなかった。低血糖症状の副作用発現割合は1.1%(182例中2例)であった。

併用療法

メトホルミン[22]、ピオグリタゾン[23]、スルホニルウレア剤[24]との併用試験

二重盲検比較試験

食事療法、運動療法に加えてメトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回24週間投与した。結果は次表のとおりであった。併用療法における低血糖症状の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれメトホルミン併用時0%(112例中0例)及び0%(56例中0例)、ピオグリタゾン併用時1.0%(97例中1例)及び0%(54例中0例)、スルホニルウレア剤併用時0.6%(166例中1例)及び1.3%(76例中1例)であった。

メトホルミン、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤との併用試験の結果(最終評価時)

試験名
投与群
HbA1c(%)
ベースラインの平均値(標準偏差)ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]a
メトホルミン併用試験
メトホルミン単独投与(n=56)8.38(0.738)0.38(0.708)
本剤50mg併用投与(n=112)8.25(0.719)−0.87(0.655)−1.30[−1.501,−1.095]
ピオグリタゾン併用試験
ピオグリタゾン単独投与(n=54)8.39(0.644)0.22(0.811)
本剤50mg併用投与(n=97)8.24(0.670)−0.64(0.609)−0.88[−1.108,−0.648]
スルホニルウレア剤併用試験
スルホニルウレア剤単独投与(n=75)8.34(0.727)0.32(0.963)
本剤50mg併用投与(n=165)8.38(0.641)−0.83(0.717)−1.14[−1.348,−0.936]
a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む)※:P<0.001

長期継続投与試験

上記1)の二重盲検比較試験終了後、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回28週間(合計52週間)継続投与した。HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースラインから最終評価時までの変化量はメトホルミンを併用した群(112例)で−0.95±0.671%、ピオグリタゾンを併用した群(97例)で−0.74±0.694%、スルホニルウレア剤を投与した群(165例)で−0.84±0.714%であった[22][23][24]。低血糖症状の副作用発現割合はメトホルミン併用時0%(112例中0例)、ピオグリタゾン併用時1.0%(97例中1例)、スルホニルウレア剤併用時3.0%(166例中5例)であった。

α-グルコシダーゼ阻害剤[25]、DPP-4阻害剤[26]、ナテグリニド[27]との併用試験

食事療法、運動療法に加えてα-グルコシダーゼ阻害剤、DPP-4阻害剤、ナテグリニドで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回52週間投与した。HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースラインから最終評価時までの変化量はα-グルコシダーゼ阻害剤を併用した群(109例)で−0.82±0.712%、DPP-4阻害剤を併用した群(105例)で−0.81±0.617%、ナテグリニドを併用した群(118例)で−0.75±0.720%であった(ベースラインはそれぞれ、7.96±0.820%、7.84±0.767%、7.99±0.801%であった)。低血糖症状の副作用発現割合はα-グルコシダーゼ阻害剤併用時0%(113例中0例)、DPP-4阻害剤併用時0.9%(106例中1例)、ナテグリニド併用時2.5%(122例中3例)であった。

インスリン製剤との併用試験

二重盲検比較試験[28]

インスリン製剤単独療法又はインスリン製剤とDPP-4阻害剤との併用(インスリン製剤:中間型、持効型溶解、混合型のいずれか単剤を使用、1日投与量は8単位以上40単位以下)で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回16週間投与した。結果は次表のとおりであった。併用療法における低血糖症状の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ29.1%(175例中51例)、14.9%(87例中13例)であった。

インスリン製剤との併用試験の結果(最終評価時)

投与群HbA1c(%)
ベースラインの平均値(標準偏差)ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]a
インスリン単独投与(n=87)8.62(0.86)0.27(0.65)
本剤50mg併用投与(n=168)8.67(0.77)−0.79(0.66)−1.07[−1.24,−0.91]
a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値、DPP-4阻害剤使用の有無をモデルに含む)※:P<0.001

長期継続投与試験[29]

上記1)の二重盲検比較試験終了後、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回36週間(合計52週間)継続投与した。HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースラインから最終評価時までの変化量は−0.83±0.72%(168例)であった。低血糖症状の副作用発現割合は36.0%(175例中63例)であった。

GLP-1受容体作動薬との併用試験[30]

GLP-1受容体作動薬単独療法又はGLP-1受容体作動薬とスルホニルウレア剤との併用療法で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者(103例)を対象に、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回52週間投与した結果、HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースライン(8.81±0.89%)から最終評価時までの変化量は−0.92±0.80%であった。低血糖症状の副作用発現割合は8.7%(103例中9例)であった。

腎機能低下患者での効果

二重盲検比較試験[31]

食事療法、運動療法もしくはα-グルコシダーゼ阻害剤、ピオグリタゾン、スルホニルウレア剤で血糖コントロールが不十分かつ軽度(eGFR:60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)から中等度(eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)の腎機能低下を伴う2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回24週間投与した。結果は次表のとおりであった。低血糖症状の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ軽度腎機能低下患者で0%(61例中0例)及び0%(23例中0例)、中等度腎機能低下患者で1.7%(58例中1例)及び0%(23例中0例)であった。

腎機能低下患者での二重盲検比較試験の結果(最終評価時)

HbA1c(%)全体(軽度〜中等度)腎機能低下患者軽度腎機能低下患者中等度腎機能低下患者
プラセボ(n=46)本剤50mg(n=118)プラセボ(n=23)本剤50mg(n=60)プラセボ(n=23)本剤50mg(n=58)
ベースラインの平均値(標準偏差)7.52(0.536)7.52(0.550)7.57(0.523)7.45(0.485)7.47(0.554)7.59(0.605)
ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)−0.17(0.516)−0.42(0.514)−0.26(0.522)−0.56(0.397)−0.09(0.507)−0.28(0.581)
プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]−0.25a[−0.415,−0.080]−0.35b[−0.545,−0.153]−0.17b[−0.449,0.103]
P値P=0.004a P<0.001b P=0.215b
a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値及びeGFRのカテゴリーをモデルに含む)b:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む)

長期継続投与試験[31]

上記(1)の二重盲検比較試験終了後、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回28週間(合計52週間)継続投与した。HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースラインから最終評価時までの変化量は−0.44±0.595%であった。腎機能別にサブグループ解析した結果、軽度腎機能低下患者では−0.54±0.478%、中等度腎機能低下患者では−0.33±0.684%であった。低血糖症状の副作用発現割合は軽度腎機能低下患者で6.6%(61例中4例)、中等度腎機能低下患者で3.4%(58例中2例)であった。

1型糖尿病(併用療法)

第III相二重盲検比較試験[32]

インスリン製剤で血糖コントロールが不十分な1型糖尿病患者を対象に、本剤50mg又はプラセボを1日1回24週間投与した。併用薬であるインスリン製剤の投与量は、併用開始時に、ベースラインから6週間前の時点におけるインスリン製剤の1日投与量から15%減量することが推奨された。結果は次表のとおりであった。低血糖の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ97.4%(115例中112例)及び85.0%(60例中51例)であった。また、第三者の介助が必要な低血糖症状の副作用発現割合は本剤50mg及びプラセボでそれぞれ0%(115例中0例)及び1.7%(60例中1例)であった。

第III相二重盲検比較試験の結果(最終評価時)

投与群HbA1c(%)総インスリン1日投与量(IU)
ベースラインの平均値(標準偏差)ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]a ベースラインの平均値(標準偏差)ベースラインからの変化量の平均値(標準偏差)プラセボとの調整済み平均値の差[95%信頼区間]b
プラセボ(n=59)8.67(0.79)−0.11(0.64)50.48(24.95)0.63(4.52)
本剤50mg(n=115)8.68(0.81)−0.47(0.74)−0.36[−0.57,−0.14]49.24(22.58)−6.64(6.22)−7.35※※[−9.09,−5.61]
a:共分散分析(投与群、ベースラインのHbA1c値をモデルに含む)b:共分散分析(投与群、ベースラインの総インスリン投与量をモデルに含む)※:P=0.001、※※:P<0.001

長期継続投与試験[32]

上記(1)の二重盲検比較試験終了後、本剤50mg又は100mg(増量時)を1日1回28週間(合計52週間)継続投与した。HbA1c値(NGSP値:平均値±標準偏差)のベースラインから最終評価時までの変化量は−0.33±0.72%であった。低血糖の副作用発現割合は100%(115例中115例)であった。第三者の介助が必要な低血糖症状の副作用発現割合は0.9%(115例中1例)であった。

薬効薬理

作用機序

Na+/グルコース共輸送担体(SGLT:Na+-glucose cotransporter)は、Na+の濃度勾配を駆動力としてグルコースを細胞内へ能動輸送するトランスポーターである。ヒトにおけるSGLT1とSGLT2の機能について、消化管におけるグルコース吸収はSGLT1が、腎近位尿細管におけるグルコース再吸収はSGLT2が、それぞれ主たる役割を担っていることが明らかになっている[33]。イプラグリフロジンは腎近位尿細管に発現するSGLT2を阻害し、血液中の過剰なグルコースを体外に排出することで血糖降下作用を発揮する。

薬理作用

ヒトSGLT2阻害作用

イプラグリフロジンは、ヒトSGLT2に対して選択的な阻害作用を示し、その50%阻害濃度(IC50値)は、7.38nmol/Lであった。SGLT1に対するIC50値は、1880nmol/Lであった[34]

尿中グルコース排泄促進作用及び血糖降下作用

イプラグリフロジンは、正常マウス、ニコチンアミド/ストレプトゾトシン誘発軽症2型糖尿病マウス及び2型糖尿病KK-Ayマウスにおいて単回経口投与により投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量を増加させた[35]。また、イプラグリフロジンは、それらのマウスにおいて単回経口投与により液体栄養剤負荷後の血糖値上昇を抑制した[36]。更に、イプラグリフロジンは2型糖尿病KK-Ayマウス並びにdb/dbマウスにおいて、1日1回28日間の反復経口投与によりHbA1c低下作用を示した[37][38]

イプラグリフロジンは、ストレプトゾトシン誘発1型糖尿病ラットにおいて単回経口投与により投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量を増加させ、グルコース溶液負荷後の血糖値上昇を抑制した。更に1日1回28日間の反復経口投与によりHbA1c低下作用を示した[39]

2型糖尿病患者を対象に、本剤50mg、100mg又はプラセボを1日1回14日間投与したところ、本剤投与群において最終投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量が増加した。また、空腹時血糖値のベースラインからの変化量も増加した[3]

1型糖尿病患者を対象に、本剤25mg、50mg、100mg又はプラセボを1日1回14日間投与したところ、本剤投与群において初回投与後及び最終投与後24時間までの累積尿中グルコース排泄量のベースラインからの変化量が増加した。また、空腹時血糖値のベースラインからの変化量も増加した[4]

有効成分に関する理化学的知見

一般名イプラグリフロジン L-プロリン
一般名(欧名)Ipragliflozin L-Proline
化学名(1S)-1,5-Anhydro-1-C-{3-[(1-benzothiophen-2-yl)methyl]-4-fluorophenyl}-D-glucitol-(2S)-pyrrolidine-2-carboxylic acid(1:1)
分子式C21H21FO5S・C5H9NO2
分子量519.58
融点約205℃(分解)
性状イプラグリフロジン L-プロリンは白色〜微帯褐白色の結晶又は粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

錠25mg

100錠(10錠×10)、140錠(14錠×10)

錠50mg

100錠(10錠×10)、140錠(14錠×10)、300錠(バラ)、500錠(10錠×50)

主要文献


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7. 社内報告書(血漿中主要結合蛋白の推定・薬物動態)
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9. 社内報告書(UGT分子種同定・薬物動態)
10. 社内報告書(CYP阻害作用・薬物動態)
11. 社内報告書(UGT阻害作用・薬物動態)
12. 社内報告書(CYP誘導作用・薬物動態)
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36. 社内報告書(液体栄養剤負荷後高血糖の改善作用・薬理試験)
37. 社内報告書(KK-Ayマウス反復投与試験・薬理試験)
38. 社内報告書(db/dbマウス反復投与試験・薬理試験)
39. Tahara,A.et al.,  J.Pharma.Pharmacol.,  66,  975,  (2014)

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2018年12月 改訂
2019年5月 第11版 改訂

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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/11/20 版