医療用医薬品 : ロンサーフ

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医薬品情報


総称名 ロンサーフ
一般名 トリフルリジン
チピラシル塩酸塩
欧文一般名 Trifluridine
Tipiracil Hydrochloride
製剤名 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合錠
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4299
ATCコード L01BC59
KEGG DRUG
D10526 トリフルリジン・チピラシル塩酸塩
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2024年10月 改訂(第4版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ロンサーフ配合錠T15 Lonsurf combination tablets 大鵬薬品工業 4299100F1026 2511円/錠 劇薬, 処方箋医薬品
ロンサーフ配合錠T20 Lonsurf combination tablets 大鵬薬品工業 4299100F2022 3369.2円/錠 劇薬, 処方箋医薬品

1. 警告

1.1 本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、これらの薬剤との併用療法(ホリナート・テガフール・ウラシル療法等)、抗真菌剤フルシトシン又は葉酸代謝拮抗剤(メトトレキサート及びペメトレキセドナトリウム水和物)との併用により、重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがあるので注意すること。[10.2参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

4. 効能または効果

○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
○がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌

5. 効能または効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤の一次治療及び二次治療としての有効性及び安全性は確立していない。
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
<治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌>
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.117.1.2参照]

6. 用法及び用量

通常、成人には初回投与量(1回量)を体表面積に合わせて次の基準量とし(トリフルリジンとして約35mg/m2/回)、朝食後及び夕食後の1日2回、5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。これを2回繰り返したのち14日間休薬する。これを1コースとして投与を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜減量する。
体表面積(m2初回基準量
(トリフルリジン相当量)
1.07未満35mg/回(70mg/日)
1.07以上〜1.23未満40mg/回(80mg/日)
1.23以上〜1.38未満45mg/回(90mg/日)
1.38以上〜1.53未満50mg/回(100mg/日)
1.53以上〜1.69未満55mg/回(110mg/日)
1.69以上〜1.84未満60mg/回(120mg/日)
1.84以上〜1.99未満65mg/回(130mg/日)
1.99以上〜2.15未満70mg/回(140mg/日)
2.15以上75mg/回(150mg/日)

7. 用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 空腹時に本剤を投与した場合、食後投与と比較してトリフルリジン(FTD)のCmaxの上昇が認められることから、空腹時投与を避けること。[16.2.1参照]
7.2 本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に必要に応じて、減量又は休薬すること。[8.参照]
・各コース開始時、「投与開始基準」を満たさない場合は本剤を投与しない。また、「休薬基準」に該当する有害事象が発現した場合は本剤を休薬し、「投与再開基準」まで回復を待って投与を再開する。
 投与開始基準
投与再開基準
休薬基準
血色素量8.0g/dL以上7.0g/dL未満
好中球数1,500/mm3以上1,000/mm3未満
血小板数75,000/mm3以上50,000/mm3未満
総ビリルビン1.5mg/dL以下2.0mg/dLを超える
AST(GOT)、ALT(GPT)施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)以下施設基準値上限の2.5倍(肝転移症例では5倍)を超える
クレアチニン1.5mg/dL以下1.5mg/dLを超える
末梢神経障害Grade 2以下Grade 3以上
非血液毒性Grade 1以下(脱毛、味覚異常、色素沈着、原疾患に伴う症状は除く)Grade 3以上
・重度の腎機能障害患者に対しては、投与開始基準を参考に本剤投与の可否を検討し、投与する際は減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し副作用の発現に十分注意すること。[9.216.6.1参照]
・前コース(休薬期間を含む)中に、「減量基準」に該当する有害事象が発現した場合には、本剤の投与再開時において、コース単位で1日単位量として10mg/日単位で減量する。ただし、最低投与量は30mg/日までとする。
 減量基準
好中球数500/mm3未満
血小板数50,000/mm3未満
7.3 本剤50mg/日を投与する場合は、朝食後に20mgを、夕食後に30mgを投与する。
<治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌>
7.4 本剤とベバシズマブ以外の他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.5 ベバシズマブとの併用に際しては、「17.臨床成績」の項の内容、特に用法及び用量を十分に理解した上で投与すること。[17.1.2参照]
<がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌>
7.6 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

8. 重要な基本的注意

本剤の投与により骨髄機能が抑制され、感染症等の重篤な副作用が増悪又はあらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.29.1.19.1.211.1.111.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄抑制のある患者
骨髄抑制が増強するおそれがある。[8.、11.1.1参照]
9.1.2 感染症を合併している患者
骨髄抑制により、感染症が悪化するおそれがある。[8.、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
骨髄抑制等の副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度肝機能障害患者
重度肝機能障害患者は臨床試験で検討していない。
9.3.2 中等度肝機能障害患者
中等度肝機能障害患者で重度の血中ビリルビン増加が発現したとの報告がある。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には性腺に対する影響を考慮すること。[15.2.2参照]
9.4.2 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.515.2.1参照]
9.4.3 男性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への影響(胎児発育抑制及び胚致死作用)及び催奇形性が報告されている。[2.29.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。動物実験(ラット)で終生成長する切歯への影響が報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

相互作用序文
In vitro試験で、トリフルリジン(FTD)はヒト濃縮型ヌクレオシドトランスポーターCNT1の基質、チピラシル塩酸塩(TPI)はヒト有機カチオントランスポーターOCT2の基質であることが示された。
薬物代謝酵素用語
ヒト濃縮型ヌクレオシドトランスポーターCNT1
薬物代謝酵素用語
ヒト有機カチオントランスポーターOCT2
10.2 併用注意
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤
(カペシタビン、テガフール、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、テガフール・ウラシル配合剤、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)
1.2参照]
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。
本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
ホリナート・テガフール・ウラシル療法
レボホリナート・フルオロウラシル療法
1.2参照]
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。
本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
抗真菌剤フルシトシン
1.2参照]
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。
本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
葉酸代謝拮抗剤
(メトトレキサート、ペメトレキセドナトリウム水和物)
1.2参照]
重篤な骨髄抑制等の副作用が発現するおそれがある。チミジル酸合成酵素阻害作用を有するフッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の併用により、トリフルリジン(FTD)のDNA取り込みが増加する可能性がある。
本剤中のチピラシル塩酸塩(TPI)がチミジンホスホリラーゼ(TPase)を阻害することにより、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤等の代謝に影響を及ぼす可能性がある。
他の抗悪性腫瘍剤、放射線照射等骨髄抑制、消化管障害等が増強することがあるので、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。骨髄抑制、消化管障害等が相互に増強される。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
好中球減少(58.2%)、貧血(29.6%)、白血球減少(21.0%)、血小板減少(18.0%)、リンパ球減少(4.3%)、発熱性好中球減少症(2.4%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.、9.1.19.1.2参照]
11.1.2 感染症(5.6%)
肺炎(0.8%)、敗血症(0.4%)等の感染症があらわれ、死亡に至る症例が報告されている。[8.参照]
11.1.3 間質性肺疾患(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 10%以上5〜10%未満5%未満頻度不明
消化器下痢、悪心、嘔吐、食欲減退口内炎、腹痛便秘、イレウス、腸炎、胃炎 
全身症状疲労、無力症 発熱、浮腫、脱水 
肝臓胆道系  血中ビリルビン増加、血中アルブミン減少 
腎臓  尿中蛋白陽性 
循環器  心房細動心筋虚血、心房粗動
精神神経  味覚異常、頭痛、めまい、末梢性感覚障害 
筋骨格系  筋肉痛 
皮膚皮下組織  脱毛症、皮疹/落屑、手足症候群、そう痒症 
その他  体重減少、血中ナトリウム減少、血中カリウム減少、インフルエンザ様症状、鼻出血、低血圧、結膜炎尿糖陽性

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
本剤に含まれるトリフルリジン(FTD)はヌクレオシド系抗癌剤であり、抗ウィルス薬のうちチミジン誘導体(ジドブジン、サニルブジン等)と同様の活性化経路を有しており、本剤と他のチミジン誘導体を併用した場合、両剤の効果が減弱される可能性が考えられる。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 遺伝毒性に関して、細菌を用いた復帰突然変異試験、哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験、及びマウスの骨髄細胞を用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。[9.4.29.4.3参照]
15.2.2 ラットに反復投与した場合に、黄体数の増加が報告されている。[9.4.1参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
日本人固形癌患者に本剤を15〜35mg/m2/回の用量で1日2回(朝・夕食後)5日間連続経口投与した後2日間休薬、これを2回繰り返したときのFTD及びTPIの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータを図表に示す。血漿中FTD濃度は反復投与により増加し、単回投与時と比較してCmaxは1.4倍、AUCは2.6倍に増加したが、血漿中TPI濃度に蓄積は認められなかった。15〜35mg/m2/回の用量範囲でFTD及びTPIのCmax及びAUC0-10hrは概ね用量に応じて増加した1)
本剤を15〜35mg/m2/回で単回投与及び1日2回反復投与したときの午前投与後の血漿中FTDの薬物動態パラメータ
用量(mg/m2/回)nCmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-10hr(ng・hr/mL)t1/2(hr)
15161009±4911.7±1.32037±7731.39±0.38a)
1261205±4211.6±0.75478±28492.44±1.57
20131840±7371.2±0.84347±5351.17±0.15
1232747±6101.7±0.69994±21091.52±0.34
25132450±10211.5±0.94281±13801.49±0.59
1232757±11731.3±0.68656b)1.96±0.10
30133677±14591.2±0.88229±14411.88±0.73
1235437±16851.3±0.623672±78442.33±1.26
35163338±7671.3±0.58678±1786a)1.41±0.38
1264752±16971.9±1.620950±22371.97±0.51
本剤を15〜35mg/m2/回で単回投与及び1日2回反復投与したときの午前投与後の血漿中TPIの薬物動態パラメータ
用量(mg/m2/回)nCmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-10hr(ng・hr/mL)t1/2(hr)
151625.8±14.72.6±1.6117±842.27±0.74
12644.1±51.82.8±1.5234±2832.89±0.83
201343.1±6.51.7±0.6166±291.53±0.17
12341.8±14.72.7±1.2161±411.82±0.18
251354.2±28.51.7±0.6214±791.78±0.27
12350.2±13.12.7±1.2300b)4.01±3.57
3013136±772.7±1.2521±3381.66±0.37
12399.6±43.82.7±1.2447±2782.21±0.62
351676.6±32.12.3±0.8281±99a)1.67±0.22
12670.0±43.42.3±0.8317±1822.37±0.93
本剤を35mg/m2/回で単回投与及び1日2回反復投与したときの午前投与後の血漿中FTD及びTPI濃度推移
FTD
TPI
平均値+標準偏差(n=6)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人固形癌患者(14例)に本剤を35mg/m2/回で食後に単回経口投与したとき、空腹時と比較してFTDのAUCは変化しなかったが、FTDのCmax、TPIのCmax及びAUCは食事によりそれぞれ61%、56%及び56%に低下した2)。[7.1参照]
16.3 分布
In vitro試験においてFTDのヒト血漿蛋白結合率は96.7〜97.3%であり、主な結合蛋白はアルブミンであった。TPIの蛋白結合率は1.3〜7.1%であった。In vitro試験で、FTDはヒトCNT1の基質であることが示された3)
16.4 代謝
FTDはチミジンホスホリラーゼ(TPase)によりトリフルオロチミン(FTY)に代謝され、更に5-カルボキシウラシルに代謝される。ヒト血漿及び尿中でTPIの代謝物はほとんど認められなかった。
16.5 排泄
16.5.1 日本人固形癌患者21例を対象に、本剤を15〜35mg/m2/回の用量で単回投与したときのFTD及びTPIの投与後10時間までの尿中排泄率はいずれの用量においても概ね一定であり、それぞれ0.963〜7.64%及び19.0〜22.9%であった。FTYの尿中排泄率はFTDの用量の11.9〜27.2%であり、FTDは主にFTYに代謝され尿中に排泄された。In vitro試験で、TPIはヒトOCT2の基質であることが示された1)
16.5.2 固形癌患者を対象に14Cで標識したFTD又はTPIを配合した本剤を60mgで単回投与したとき(それぞれ4例)、FTDは、投与量の60%が体外に排泄され、その55%がFTYとFTDのグルクロン酸抱合体として尿中に排泄された。排泄された放射能は投与後24時間までに、ほぼ尿中に回収された。一方TPIは、投与量の77%が体外に排泄され、50%が糞中に、27%が尿中に排泄された4)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
固形癌患者に本剤を35mg/m2/回(重度腎機能障害患者は20mg/m2/回)の用量で1日2回(朝・夕食後)5日間連続経口投与した後2日間休薬、これを2回繰り返したとき、軽度(12例)、中等度(10例)及び重度(6例)の腎機能障害(CLcrはそれぞれ60〜89mL/min、30〜59mL/min及び15〜29mL/min)のある患者におけるFTD及びTPIのDay 12の薬物動態パラメータを表に示す(外国人データ)。[7.2参照]
腎機能障害患者に本剤を35mg/m2/回(重度腎機能障害患者は20mg/m2/回)で1日2回反復投与したときの血漿中FTD及びTPIの薬物動態パラメータ
nFTDTPI
Cmax(ng/mL)AUCtau(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)AUCtau(ng・hr/mL)
A12105235±266220131±739848.78±21.88247.27±99.68c)
B12124763±257322539±1332077.62±43.25401.89±116.10d)
C12106014±227330398±7742a)111.67±53.49602.09±321.17a)
D1264162±172830614±18278b)126.33±54.022185.00、1254.68e)
16.6.2 肝機能障害患者
固形癌患者に本剤を35mg/m2/回の用量で1日2回(朝・夕食後)5日間連続経口投与した後2日間休薬、これを2回繰り返したとき、軽度(8例)及び中等度(3例)の肝機能障害(それぞれ、NCI分類のGroup B及びC)のある患者におけるFTD及びTPIのDay 12の薬物動態パラメータを表に示す。重度の肝機能障害のある患者の薬物動態は検討していない5)(外国人データ)。
肝機能障害患者に本剤を35mg/m2/回で1日2回反復投与したときの血漿中FTD及びTPIの薬物動態パラメータ
nFTDTPI
Cmax(ng/mL)AUCtau(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)AUCtau(ng・hr/mL)
A1284669±199620392±5609a)72.50±60.77335.44±230.06a)
B1283860±123217489±737960.18±21.07304.98±112.05a)
C1234277±15315406±124498.87±65.27494.65±287.56

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<結腸・直腸癌>
17.1.1 国際共同第III相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカン、オキサリプラチン及び抗VEGFモノクローナル抗体、並びにKRAS遺伝子が野生型の場合は少なくとも1種類以上の抗EGFRモノクローナル抗体を含む2レジメン以上の前治療歴を有していた進行又は再発結腸・直腸癌患者(本剤534例、プラセボ266例)を対象とした第III相比較試験の結果、本剤はプラセボに比較して、全生存期間を有意に延長した6)。[5.3参照]
全生存期間の結果
治療群症例数
(日本人)
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)
P値(片側)a)ハザード比b)
(95%信頼区間)
本剤534
(178)
7.1
(6.5,7.8)
<0.00010.68
(0.58,0.81)
プラセボ266
(88)
5.3
(4.6,6.0)
全生存期間のKaplan-Meier曲線
0369121518
本剤(例)53445929413764237
プラセボ(例)266198107472493
副作用発現率は85.7%(457/533例)であった。主な副作用は、好中球減少53.8%(287例)、悪心39.6%(211例)、ヘモグロビン減少32.1%(171例)、白血球減少31.0%(165例)、疲労28.1%(150例)、食欲減退26.5%(141例)、下痢23.6%(126例)、嘔吐20.1%(107例)、血小板減少19.9%(106例)であった。
17.1.2 海外第III相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、イリノテカン、オキサリプラチン及び抗VEGFモノクローナル抗体、並びにKRAS遺伝子が野生型の場合は少なくとも1種類以上の抗EGFRモノクローナル抗体を含む2レジメン以下の前治療歴を有していた進行又は再発結腸・直腸癌患者(本剤とベバシズマブとの併用投与注)246例、本剤単剤投与246例)を対象とした第III相比較試験の結果、本剤とベバシズマブの併用投与は本剤の単独投与に比較して、全生存期間を有意に延長した7)。[5.37.5参照]
全生存期間の結果
治療群症例数全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)
P値(片側)a)ハザード比
(95%信頼区間)b)
本剤/ベバシズマブ24610.8
(9.4,11.8)
<0.0010.61
(0.49,0.77)
本剤2467.5
(6.3,8.6)
0369121518
本剤+ベバシズマブ(例)24623018313188372
本剤(例)2462051439563162
本剤とベバシズマブの併用投与による副作用発現率は90.7%(223/246例)であった。主な副作用は、好中球減少症60.2%(148例)、悪心33.3%(82例)、貧血23.6%(58例)、無力症19.1%(47例)、嘔吐16.7%(41例)、疲労16.3%(40例)、血小板減少症15.4%(38例)、下痢15.4%(38例)、好中球数減少13.8%(34例)、食欲減退12.2%(30例)、口内炎10.6%(26例)、血小板数減少8.9%(22例)であった。
注)本剤35mg/m2/回を1日2回、5日間連続投与したのち2日間休薬した。これを2回繰り返したのち14日間休薬した。これを1コースとして投与を繰り返した。ベバシズマブは各サイクルの1日目および15日目に5mg/kgを静脈内投与した。
<胃癌>
17.1.3 国際共同第III相試験
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、白金系抗悪性腫瘍剤並びにタキサン系抗悪性腫瘍剤及び/又はイリノテカンを用いた化学療法並びにヒト上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)/neu陽性(HER2+)が判明している場合は抗HER2療法を含む2レジメン以上の治療歴を有していた治癒切除不能な進行・再発胃癌又は食道胃接合部癌(腫瘍の中心が食道胃接合部より上下5cm以内に位置する腺癌)患者(本剤337例、プラセボ170例)を対象とした第III相比較試験の結果、本剤はプラセボに比較して、全生存期間を有意に延長した8)
全生存期間の結果
治療群症例数
(日本人)
全生存期間中央値(月)
(95%信頼区間)
P値(片側)a)ハザード比b)
(95%信頼区間)
本剤337
(46)
5.7
(4.8,6.2)
0.00030.69
(0.56,0.85)
プラセボ170
(27)
3.6
(3.1,4.1)
全生存期間のKaplan-Meier曲線
0369121518
本剤(例)3372401246631117
プラセボ(例)17010147291050
副作用発現率は80.9%(271/335例)であった。主な副作用は、好中球減少51.3%(172例)、ヘモグロビン減少31.3%(105例)、悪心25.4%(85例)、白血球減少21.8%(73例)、疲労21.5%(72例)、食欲減退18.2%(61例)、下痢16.1%(54例)、血小板減少15.2%(51例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ヒト腫瘍由来細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、DNAに取り込まれたFTDの量と腫瘍増殖抑制効果が相関したことから、本剤の腫瘍増殖抑制効果はFTDに基づき、また、DNAにFTDが取り込まれることによって腫瘍増殖抑制効果が発揮されると推測される。
また、サルにFTDを単独で経口投与した場合、血中にFTDはほとんど認められないが、FTDの分解酵素であるTPaseを阻害するTPIを併用することによりFTDの血中濃度が維持された9)10)11)
18.2 抗腫瘍効果
ヒト結腸・直腸癌由来COL-1細胞株及びHCT-116細胞株、並びにヒト胃癌由来SC-2細胞株を皮下移植したヌードマウスにおいて、本剤は腫瘍増殖抑制効果を示した。また、ヒト結腸・直腸癌由来KM20C細胞株を腹腔内移植したヌードマウスにおいて、本剤は延命効果を示した12)13)14)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. トリフルリジン

一般的名称 トリフルリジン
一般的名称(欧名) Trifluridine
化学名 2'-Deoxy-5-(trifluoromethyl)uridine
分子式 C10H11F3N2O5
分子量 296.20
融点 約182℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノールに溶けやすく、水及びエタノール(99.5)にやや溶けやすい。
理化学知見その他 19.1 トリフルリジン
KEGG DRUG D00391

19.2. チピラシル塩酸塩

一般的名称 チピラシル塩酸塩
一般的名称(欧名) Tipiracil Hydrochloride
化学名 5-Chloro-6-[(2-iminopyrrolidin-1-yl)methyl]pyrimidine-2,4(1H,3H)-dione monohydrochloride
分子式 C9H11ClN4O2・HCl
分子量 279.12
融点 約241℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水にやや溶けやすく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
理化学知見その他 19.2 チピラシル塩酸塩
KEGG DRUG D10467

22. 包装

<ロンサーフ配合錠T15>
PTP包装(乾燥剤入り)
20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)
<ロンサーフ配合錠T20>
PTP包装(乾燥剤入り)
20錠(10錠×2)、60錠(10錠×2×3)

23. 主要文献

  1. Doi,T.et al., Br.J.Cancer., 107, 429-434, (2012) »PubMed
  2. Yoshino,T.et al., Cancer Sci., 107 (5), 659-665, (2016) »PubMed
  3. Takahashi,K.et al., J.Pharm.Sci., 104 (9), 3146-3153, (2015) »PubMed
  4. Lee,JJ.et al., Cancer Chemother Pharmacol., 77 (3), 515-526, (2016) »PubMed
  5. Saif,MW.et al., Br.J.Clin.Pharmacol., 85 (6), 1239-1246, (2019) »PubMed
  6. Mayer,RJ.et al., NEJM., 372 (20), 1909-1919, (2015) »PubMed
  7. Prager,GW.et al., NEJM., 388 (18), 1657-1667, (2023) »PubMed
  8. Shitara,K.et al., Lancet Oncol., 19, 1437-1448, (2018) »PubMed
  9. Emura,T.et al., Int.J.Mol.Med., 13, 249-255, (2004) »PubMed
  10. Fukushima,M.et al., Biochem.Pharmacol., 59, 1227-1236, (2000) »PubMed
  11. Emura,T.et al., Int.J.Oncol., 27, 449-455, (2005) »PubMed
  12. ヒト大腸癌由来株COL-1及びHCT-116のヌードマウス皮下移植モデルに対するTAS-102の抗腫瘍効果「11TA01試験」(承認年月日:2014年3月24日、CTD2.6.2.2)
  13. ヒト胃癌株SC-2に対するTAS-102の有効用量検索試験「20061-003試験」(承認年月日:2014年3月24日、CTD2.6.2.2)
  14. Tanaka,N.et al., Oncol.Rep., 32, 2319-2326, (2014) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
大鵬薬品工業株式会社 医薬品情報課
〒101-8444 東京都千代田区神田錦町1-27
電話:0120-20-4527
製品情報問い合わせ先
大鵬薬品工業株式会社 医薬品情報課
〒101-8444 東京都千代田区神田錦町1-27
電話:0120-20-4527

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
大鵬薬品工業株式会社
東京都千代田区神田錦町1-27

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版