医療用医薬品 : 硝酸イソソルビド

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医薬品情報


総称名 硝酸イソソルビド
一般名 硝酸イソソルビド
欧文一般名 Isosorbide Dinitrate
製剤名 硝酸イソソルビド注射液
薬効分類名 冠血管拡張剤
薬効分類番号 2171
ATCコード C01DA08
KEGG DRUG D00516 硝酸イソソルビド
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG01270 硝酸イソソルビド
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2016年11月 改訂 (第14版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
硝酸イソソルビド注5mg/10mL「タカタ」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE 高田製薬 2171404A1042 158円/管 処方箋医薬品
硝酸イソソルビド注50mg/100mL「タカタ」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE 高田製薬 2171404A4033 1232円/瓶 処方箋医薬品
硝酸イソソルビド注5mg/5mL「タカタ」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE 高田製薬 2171404A2030 162円/管 処方箋医薬品
硝酸イソソルビド注50mg/50mL「タカタ」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE 高田製薬 2171404A5056 1184円/瓶 処方箋医薬品
硝酸イソソルビド注100mg/100mL「タカタ」 (後発品) ISOSORBIDE DINITRATE 高田製薬 2171404A6052 1995円/瓶 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[血管拡張作用により、更に血圧を低下させ、症状を悪化させるおそれがある。]

Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症の患者[血圧低下によりショックを起こすことがある。]

右室梗塞の患者[血圧低下によりショックを起こすことがある。]

脱水症状のある患者[血圧低下によりショックを起こすことがある。]

神経循環無力症の患者[本剤の効果がなく、本剤投与により血圧低下等があらわれることがある。]

閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。](「3.相互作用」の項参照)

効能・効果及び用法・用量

効能効果

効能・効果用法・用量
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.1〜0.001%(ただし、0.05%注の場合は0.05〜0.001%)溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5〜8mgを点滴静注する。投与量は、患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。
不安定狭心症通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.1〜0.001%(ただし、0.05%注の場合は0.05〜0.001%)溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2〜5mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。
冠動脈造影時の冠攣縮寛解通常、成人には、冠動脈造影時に本剤を注射液そのまま、硝酸イソソルビドとして5mgをカテーテルを通し、バルサルバ洞内に1分以内に注入する。なお、投与量は患者の症状に応じて適宜増減するが、投与量の上限は10mgまでとする。

用法用量

効能・効果用法・用量
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.1〜0.001%(ただし、0.05%注の場合は0.05〜0.001%)溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり1.5〜8mgを点滴静注する。投与量は、患者の病態に応じて適宜増減するが、増量は1時間あたり10mgまでとする。
不安定狭心症通常、成人には、本剤を注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等で希釈して0.1〜0.001%(ただし、0.05%注の場合は0.05〜0.001%)溶液とし、硝酸イソソルビドとして1時間あたり2〜5mgを点滴静注する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減する。
冠動脈造影時の冠攣縮寛解通常、成人には、冠動脈造影時に本剤を注射液そのまま、硝酸イソソルビドとして5mgをカテーテルを通し、バルサルバ洞内に1分以内に注入する。なお、投与量は患者の症状に応じて適宜増減するが、投与量の上限は10mgまでとする。

用法用量に関連する使用上の注意

冠動脈造影時に冠攣縮を誘発した場合は、迅速に攣縮寛解のための処置を行うこと。また、まれに完全閉塞寛解時にreperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈や血圧低下を起こすことがあるので、電気的除細動などの適切な処置を行うこと。

使用上の注意

慎重投与

低血圧の患者[更に血圧を低下させるおそれがある。]

左室充満圧の低い患者[血圧低下及び心拍出量低下のおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤投与中は、頻回の血圧測定と血行動態のモニターを行うこと。また、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に行うこと。

投与中に血圧低下などの異常が観察された場合には、減量又は投与を中止すること。また、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

血圧低下の可能性のある患者や心拍出量が低下している患者に投与する場合には、カテコールアミン系薬剤などと併用することが望ましい。

投与中に左心不全状態が改善した場合は、患者の様子をみて投与を中止すること。

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)、
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)、
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

利尿剤血圧低下等が増強されるおそれがある。
過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血圧低下作用を増強させる。
血管拡張剤、
硝酸・亜硝酸エステル系薬剤
血圧低下等が増強されるおそれがある。
過度の血圧低下が起こった場合には、減量又は投与を中止し、必要に応じて昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。
血管拡張作用が増強される。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

ショック

ショックがあらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、昇圧剤投与等の適切な処置を行うこと。

心室細動、心室頻拍

冠動脈造影時の冠攣縮寛解に際し、reperfusion injuryによると考えられる心室細動などの危険な不整脈があらわれることがある。このような場合には、電気的除細動などの適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
循環器血圧低下、めまい、動悸、四肢浮腫、心拍出量低下、徐脈、期外収縮、心房細動
精神神経系頭痛、全身倦怠感、興奮、陽気
消化器嘔気、嘔吐、食欲低下
血液動脈血酸素分圧の低下、メトヘモグロビン血症
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇
過敏症発疹

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では、一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

適用上の注意

調製時

使用に際して、硝酸イソソルビドが吸着しないポリエチレン製の輸液セットを用いること。

ポリ塩化ビニル製の輸液セットを用いる場合には、硝酸イソソルビドはポリ塩化ビニル製の輸液セットに吸着し、その吸着量は輸液の流速が遅いほど、また、管が長いほど増加するので、できるかぎり希釈し、短い管を用いて流速を上げることが望ましい。

アンプルカット時

アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットすること。

薬物動態

血漿中濃度

心不全患者6例に硝酸イソソルビド2.5mg/hrを1.75時間静脈内投与し、投与終了後6時間までの硝酸イソソルビド(ISDN)、2-モノ硝酸イソソルビド(2-ISMN)及び5-モノ硝酸イソソルビド(5-ISMN)の血漿中濃度を測定した。点滴終了時、ISDNの血漿中濃度は9〜16ng/mLで、その後急速に減少し、点滴終了後約5時間で0.5ng/mLとなった。2-ISMN及び5-ISMNの血漿中濃度は点滴終了後数分で最高値に達し、それぞれ7及び28ng/mLであった。ISDN、2-ISMN及び5-ISMNの消失半減期はそれぞれ2.33、2.95及び5.98時間であった。1)(外国人によるデータ)

硫酸イソソルビド2.5mg/hrを1.75時間持続点滴時の血漿中濃度

代謝

硝酸イソソルビドは主に肝臓で脱ニトロ化され、2種の活性代謝物(2-ISMN、5-ISMN)及びイソソルビドに代謝される。2)(外国人によるデータ)

臨床成績

承認時における急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)及び不安定狭心症を対象とした一般臨床試験での有効率は下表のとおりであった。3)4)5)6)

疾患名硝酸イソソルビド0.05%製剤硝酸イソソルビド0.1%製剤
有効例数/有効性評価対象例数有効率
(%)
有効例数/有効性評価対象例数有効率
(%)
急性心不全
(慢性心不全の急性増悪期を含む)
26/4755.323/4156.1
不安定狭心症6/712/1485.7

薬効薬理

薬理作用

静脈(容量血管)を拡張することにより、静脈還流の減少、肺動脈楔入圧及び左室拡張終期圧の低下(前負荷の軽減)をもたらし、同時に末梢動脈を拡張して、総末梢血管抵抗を減少(後負荷の軽減)させることにより、心筋の酸素需要を軽減させる。7)

急性心筋梗塞等に伴う急性心不全に対して速やかに血行動態を改善し、肺うっ血や呼吸困難等を軽減、消失させることが認められている。8)

冠動脈を拡張し冠血管抵抗を減少させるとともに側副血行路も拡張し、虚血部心筋への酸素供給を増加させる。その効果はニトログリセリンより弱いが、持続時間は長い。9)

作用機序

血管平滑筋に直接作用して血管を拡張する。9)

cGMP産生作用が認められている。10)

有効成分に関する理化学的知見

一般名硝酸イソソルビド
一般名(欧名)Isosorbide Dinitrate
化学名1,4:3,6-Dianhydro-D-glucitol dinitrate
分子式C6H8N2O8
分子量236.14
性状白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはないか、又は僅かに硝酸ようのにおいがある。
N,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに極めて溶けやすく、クロロホルム又はトルエンに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
急速に熱するか又は衝撃を与えると爆発する。
旋光度[α]20 D:+134〜+139°(脱水物に換算したもの1g、エタノール(95)、100mL、100mm)
KEGG DRUGD00516

取扱い上の注意

安定性試験11)

最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、36ヵ月)の結果、3年間安定であることが確認された。

包装

硝酸イソソルビド注5mg/10mL「タカタ」

10管(ガラスアンプル)

硝酸イソソルビド注50mg/100mL「タカタ」

10バイアル(ガラスバイアル)

硝酸イソソルビド注5mg/5mL「タカタ」

10管(ガラスアンプル)

硝酸イソソルビド注50mg/50mL「タカタ」

10バイアル(ガラスバイアル)

硝酸イソソルビド注100mg/100mL「タカタ」

10バイアル(ガラスバイアル)

主要文献


1. Santoni,Y.,et al.,  J.Pharmacokinet.Biopharm.,  14 (6),  1,  (1986)
2. Shane,S.J.,et al.,  Br.J.Clin.Pharmacol.,  6,  37,  (1978) »PubMed
3. 早崎和也他,  新薬と臨牀,  43 (8),  1561,  (1994)
4. 早崎和也他,  臨牀と研究,  71 (4),  1119,  (1994)
5. 早崎和也他,  新薬と臨牀,  43 (10),  2051,  (1994)
6. 早崎和也他,  臨牀と研究,  71 (8),  2208,  (1994)
7. 平川千里他,  最新医学,  29 (1),  170,  (1974)
8. 広沢弘七郎他,  呼吸と循環,  33 (7),  903,  (1985)
9. 高山幸男他,  脈管学,  21 (5),  351,  (1981)
10. Matlib,M.A.,et al.,  Am.Heart J.,  110 (1),  204,  (1985) »PubMed
11. 高田製薬(株)社内資料(安定性)

作業情報


改訂履歴

2014年12月 改訂
2016年11月 改訂 (第14版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
高田製薬株式会社
336-8666
さいたま市南区沼影1丁目11番1号
0120-989-813

業態及び業者名等

製造販売
高田製薬株式会社
さいたま市西区宮前町203番地1


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版