肺動脈性肺高血圧症患者30例を対象に、マシテンタン10mgを1日1回24週間投与した結果、肺血管抵抗では、ベースラインと比べて39.5%低下し、投与前後で有意な改善が認められた。さらに、6分間歩行距離、WHO機能分類がベースラインから改善した。
投与24週後のベースラインからの変化
| | マシテンタン10mg |
| 肺血管抵抗 | n=28 |
| 平均値±標準偏差(dyn・sec/cm5) | −250±230 |
| 変化率注) | 60.5 |
| 幾何平均値(95%信頼区間)(%) | (52.4,69.9) |
| 6分間歩行距離 | n=30 |
| 平均値±標準偏差(m) | 66±81 |
| WHO機能分類の改善 | 13例/30例(43.3%) |
安全性解析対象症例30例中21例(70.0%)41件に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛9例(30.0%)、潮紅7例(23.3%)、貧血、浮腫及び末梢性浮腫が各2例(6.7%)であった
4)5)。
肺動脈性肺高血圧症患者742例に、プラセボ、マシテンタン3mg又は10mgを盲検下長期投与するプラセボ対照第III相試験を実施した。
最初のmorbidity/mortality
注)の発現のプラセボに対するハザード比は、マシテンタン10mgでは0.547(97.5%信頼区間:0.392〜0.762、logrank p<0.0001)であり、マシテンタン10mgの投与で45%のmorbidity/mortalityイベント発現リスク減少効果が認められた。
最初に起こったmorbidity/mortalityのKaplan-Meier曲線
注)morbidity/mortalityの定義:死亡、重大な合併症イベント(心房中隔切開術、肺移植、プロスタノイドの静脈内投与又は皮下投与の開始)又は、その他の肺動脈性肺高血圧症悪化(次のすべてを満たす:6分間歩行距離が投与前から15%以上短縮、肺動脈性肺高血圧症の症状の悪化、追加的な肺動脈性肺高血圧症治療薬の開始)
さらに、表に示すとおり投与6カ月後に肺血管抵抗、6分間歩行距離及びWHO機能分類の改善が認められた。
投与6カ月後のベースラインからの変化
| | プラセボ | マシテンタン10mg |
| 肺血管抵抗 | n=50 | n=48 |
| 平均値±標準偏差(dyn・sec/cm5) | 156±353 | −226±395 |
| 変化率注1) | 115.8 | 71.3 |
| 幾何平均値(95%信頼区間)(%) | (104.7,128.1) | (62.4,81.4) |
| 6分間歩行距離 | n=249 | n=242 |
| 平均値±標準偏差(m) | −9.4±100.59 | 12.5±83.54 |
| 治療効果注2) | − | 22.0 |
| WHO機能分類の改善 | 32例/249例(12.9%) | 54例/242例(22.3%) |
| 治療効果注3) | − | 1.74 |
安全性解析対象症例242例中56例(23.1%)に副作用が認められた。主な副作用は、頭痛12例(5.0%)、貧血9例(3.7%)、浮動性めまい及び末梢性浮腫が各6例(2.5%)であった
17)18)。また、基準値上限の8倍を超える肝酵素(AST、ALT)値上昇の発現率がプラセボ群では0.4%であったのに対し、マシテンタン10mg投与では2.1%であった。
生後3カ月以上15歳未満の肺動脈性肺高血圧症患者7例を対象に、マシテンタン分散錠を年齢及び体重区分に応じて1.0mg(生後6カ月未満)、2.5mg(生後6カ月以上2歳未満)、3.5、5.0、7.5又は10mg(2歳以上で体重15kg未満、15〜25kg、25〜50kg又は50kg以上)を1日1回52週間投与した
注1)ときの有効性、安全性、及び薬物動態を評価した。ベースライン時のWHO機能分類の内訳はクラスIIが3例
注2)、肺動脈性肺高血圧症の臨床分類の内訳は特発性肺動脈性肺高血圧症が3例、先天性心疾患に伴う肺動脈性肺高血圧症が4例であった。
主要有効性評価項目である投与24週時の肺血管抵抗係数(PVRI)の各症例の成績は以下のとおりであり、ベースラインからの変化率の幾何平均値[95%信頼区間]は59.43[32.019,110.303]%であった
19)。
ベースラインから投与24週時までの肺血管抵抗係数の変化
| 年齢 | PVRI(Wood単位・m2) |
| ベースライン | 投与24週時 | 変化量 |
| 21カ月 | 5.3 | 2.7注3) | -2.6 |
| 22カ月 | 6.7 | 1.3 | -5.4 |
| 30カ月 | 4.9 | 1.5 | -3.3 |
| 3歳 | 4.5 | 4.9 | 0.4 |
| 9歳 | 12.3 | 12.1 | -0.2 |
| 11歳 | 17.7 | 20.6 | 2.8 |
| 13歳 | 15.0 | 10.0 | -5.0 |
安全性解析対象症例7例に副作用は認められなかった。
生後1カ月以上18歳未満の肺動脈性肺高血圧症患者157例を対象に、標準治療(SoC)
注1)を対照として、マシテンタン分散錠を年齢及び体重区分に応じて1.0mg(生後6カ月未満)、2.5mg(生後6カ月以上2歳未満)、3.5、5.0、7.5又は10mg(2歳以上で体重15kg未満、15〜25kg、25〜50kg又は50kg以上)で1日1回投与した
注2)。本試験は薬物動態の評価を主目的に実施し、安全性のデータも得られている。
本試験には1歳以上2歳未満の患者9例(全例マシテンタン分散錠群)、2歳以上の患者148例(マシテンタン分散錠群73例、SoC群75例)が組み入れられた
20)。
注1)マシテンタン及びプロスタグランジンI2系注射剤を除く肺動脈性肺高血圧症治療薬の単剤投与又は2剤併用投与。
注2)本剤の小児に対する承認用量は、50kg以上の患者のみ対象としている。
安全性解析対象症例のうちマシテンタン分散錠群の81例中15例(18.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、ヘモグロビン減少3例(3.7%)、頭痛2例(2.5%)、貧血2例(2.5%)であった。