次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。
本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡した例が報告されている。[
9.1.7参照]
11.1.2 突然死、心室頻拍(いずれも頻度不明)
血圧低下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の平低化や逆転、二峰性T波ないしU波の出現等)に続く突然死、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)が報告されているので、特にQT部分に変化があれば投与を中止すること。
また、フェノチアジン系化合物投与中の心電図異常は、大量投与されていた例に多いとの報告がある。
11.1.3 再生不良性貧血、溶血性貧血2)、無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)[
9.1.2参照]
11.1.4 麻痺性イレウス(0.1%未満)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。
なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。[
8.2参照]
11.1.5 遅発性ジスキネジア(0.1〜5%未満)、遅発性ジストニア(頻度不明)
長期投与により、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア等の不随意運動があらわれ、投与中止後も持続することがある。
11.1.6 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(0.1%未満)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと
3)4)。
11.1.7 眼障害(頻度不明)
長期又は大量投与により、角膜・水晶体の混濁、網膜・角膜の色素沈着があらわれることがある。
11.1.8 SLE様症状(頻度不明)
11.1.9 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[
9.3参照]
11.1.10 横紋筋融解症(頻度不明)
CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。
11.1.11 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[
9.1.8参照]
注)本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については文献、自発報告等を参考に集計した。