医療用医薬品 : サデルガ

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医薬品情報


総称名 サデルガ
一般名 エリグルスタット酒石酸塩
欧文一般名 Eliglustat Tartrate
製剤名 エリグルスタット酒石酸塩
薬効分類名 グルコシルセラミド合成酵素阻害薬
薬効分類番号 3999
ATCコード A16AX10
KEGG DRUG D09894 エリグルスタット酒石酸塩
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年2月 改訂 (第4版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
サデルガカプセル100mg CERDELGA サノフィ 3999037M1023 78350.5円/カプセル 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

本剤の血中濃度が大幅に上昇するおそれがある以下の患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

チトクロームP450(CYP)2D6の活性が通常の患者(Extensive Metabolizer、EM)で、以下に該当する患者

中等度以上の肝機能障害(Child-pugh分類B又はC)がある患者

軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)があり、中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を使用中の患者

軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)があり、弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を使用中の患者

肝機能が正常であり、中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を使用中の患者

CYP2D6の活性が低い患者(Intermediate Metabolizer、IM)で、以下に該当する患者

肝機能障害(Child-pugh分類A、B又はC)がある患者

肝機能が正常であり、中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を使用中の患者

CYP2D6の活性が欠損している患者(Poor Metabolizer、PM)で、以下に該当する患者

肝機能障害(Child-pugh分類A、B又はC)がある患者

肝機能が正常であり、中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を使用中の患者

QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)[「薬物動態」の項参照]

クラスIa(キニジン、プロカインアミド等)及びクラスIII(アミオダロン、ソタロール等)の抗不整脈薬又はベプリジル塩酸塩を使用中の患者[「相互作用」の項参照]

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善

効能効果に関連する使用上の注意

本剤はゴーシェ病と確定診断された患者にのみ使用すること。

ゴーシェ病II型及びIII型に対する本剤の使用経験はないため、使用する場合は、患者に十分説明した上で、有益性がリスクを上回ると判断される場合にのみ投与すること。

ゴーシェ病の神経症状に対する本剤の効果は期待できない。

用法用量

通常、CYP2D6 Extensive Metabolizer及びIntermediate Metabolizerの成人にはエリグルスタット酒石酸塩として1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤投与開始前にCYP2D6遺伝子型、肝機能、及び併用薬剤を確認すること。また、本剤投与中も肝機能及び併用薬剤の状況に注意すること。[「禁忌」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

CYP2D6の活性が通常の患者(EM)では、下表を参考に、1回の投与量を100mgとして用法・用量の調整を行うこと。なお、中等度以上の肝機能障害(Child-pugh分類B又はC)がある患者には投与しないこと。[「禁忌」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

肝機能が正常な患者

 CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)
併用なし弱い阻害作用を有する薬剤を併用中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用
CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注) 併用なし1日2回1日2回1日1回
弱い阻害作用を有する薬剤を併用1日2回1日2回1日1回
中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用1日1回1日1回禁忌

軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者

 CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)
併用なし弱い阻害作用を有する薬剤を併用中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用
CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注) 併用なし1日2回1日1回1日1回
弱い阻害作用を有する薬剤を併用1日1回1日1回禁忌
中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用禁忌禁忌禁忌

CYP2D6の活性が低い患者(IM)では、下表を参考に、1回の投与量を100mgとして用法・用量の調整を行うこと。なお、肝機能障害(Child-pugh分類A、B、又はC)がある患者には投与しないこと。[「禁忌」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

肝機能が正常な患者

 CYP3A阻害作用を有する薬剤の併用注)
併用なし弱い阻害作用を有する薬剤を併用中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用
CYP2D6阻害作用を有する薬剤の併用注) 併用なし1日2回1日2回禁忌
弱い阻害作用を有する薬剤を併用1日2回1日2回禁忌
中程度以上の阻害作用を有する薬剤を併用1日1回1日1回禁忌

CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)には、本剤の血中濃度が上昇するため投与を避けることが望ましいが、投与する場合は、1回100mg1日1回投与を目安とし、慎重に投与すること。ただし、肝機能障害(Child-pugh分類A、B、又はC)がある場合、又は中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合は投与しないこと。[「禁忌」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

CYP2D6の活性が過剰な患者(Ultra Rapid Metabolizer、URM)では本剤の血中濃度が低くなり、効果が減弱するおそれがあるため、投与を避けることが望ましい。[「薬物動態」の項参照]

CYP2D6遺伝子型によりCYP2D6代謝能が判別不能の患者には投与を避けることが望ましい。

本剤の服用を忘れた場合は、1回分を次の服用時間に服用し、一度に2回分を服用しないよう患者に指導すること。

注)CYP2D6阻害作用を有する薬剤とCYP3A阻害作用を有する薬剤については「相互作用」の項を参照し、禁忌又は用法・用量の調整が必要な薬剤に該当するかを確認すること。

使用上の注意

慎重投与

心疾患(うっ血性心不全、虚血性心疾患、心筋症、徐脈、心ブロック、重篤な心室性不整脈)のある患者又は失神の既往のある患者[「重要な基本的注意」の項参照]

腎機能障害のある患者。[使用経験が少ない。「薬物動態」の項参照]

CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)[「薬物動態」の項参照]

重要な基本的注意

CYP2D6又はCYP3A阻害作用を有する薬剤等と併用した場合、本剤の血中濃度が高値となるおそれがあるため、本剤の使用にあたっては、次の点を患者に指導すること。[「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「相互作用」、「薬物動態」の項参照]

患者カード等を携帯し、他の医療機関・薬局を利用する場合には、本剤の使用を医師、歯科医師又は薬剤師に伝えること。

患者が併用するすべての医薬品等(CYP阻害作用を有する食品やサプリメントを含む)を担当医師に伝えること。

患者が併用する薬剤について、CYP2D6又はCYP3A阻害作用を有する薬剤に該当するのか確認し、必要に応じて代替薬剤への切替えや本剤投与の中止を行うこと。[「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「相互作用」の項参照]

本剤の血中濃度が大幅に上昇した場合、QT間隔、PR間隔、QRS間隔の延長のおそれがあるので、心疾患(うっ血性心不全、虚血性心疾患、心筋症、徐脈、心ブロック、重篤な心室性不整脈)のある患者又は失神の既往のある患者では投与を避けることが望ましい。[「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]

本剤の血中濃度が大幅に上昇した場合、QT間隔、PR間隔、QRS間隔の延長のおそれがあるので、本剤投与開始時及び投与中は定期的に12誘導心電図(必要に応じてホルター心電図)を測定し、異常が認められた場合には必要に応じて本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[「禁忌」、「慎重投与」、「薬物動態」の項参照]

酵素補充療法との併用に関する有効性及び安全性は確立されていない。

めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意させること。

鉄が不足している場合は、貧血の十分な改善効果を得るために、鉄分の補給を行うこと。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2D6及び部分的にCYP3A4で代謝される。また、本剤はP糖タンパク質の基質である。[「薬物動態」の項参照]

「禁忌」、「用法・用量に関する使用上の注意」、「重要な基本的注意」及び「相互作用」におけるCYP2D6又はCYP3A阻害作用を有すると考えられる薬剤の薬剤名は、下表のとおり。

 薬剤名
CYP2D6阻害作用を有する薬剤強いCYP2D6阻害作用を有する薬剤
パロキセチン塩酸塩水和物(パキシル)
シナカルセト塩酸塩(レグパラ)
テルビナフィン塩酸塩(ラミシール)等
中程度のCYP2D6阻害作用を有する薬剤
デュロキセチン塩酸塩(サインバルタ)
ミラベグロン(ベタニス)等
弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤
アビラテロン(ザイティガ)
リトナビル(ノービア)
セレコキシブ(セレコックス)等
CYP3A阻害作用を有する薬剤強いCYP3A阻害作用を有する薬剤
クラリスロマイシン(クラリス)
イトラコナゾール(イトリゾール)
コビシスタット(スタリビルド)
インジナビル硫酸塩エタノール付加物(クリキシバン)
リトナビル(ノービア)
テラプレビル(テラビック)
ボリコナゾール(ブイフェンド)
ネルフィナビルメシル酸塩(ビラセプト)
サキナビルメシル酸塩(インビラーゼ)等
中程度のCYP3A阻害作用を有する薬剤
エリスロマイシン(エリスロシン)
フルコナゾール(ジフルカン)
アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)
シクロスポリン(サンディミュン)
アプレピタント(イメンド)
ジルチアゼム塩酸塩(ヘルベッサー)等
弱いCYP3A阻害作用を有する薬剤
シロスタゾール(コートリズム)
ラニチジン(ザンタック)
タクロリムス(グラセプター)等
注)強い阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを5倍以上上昇又はクリアランスを1/5以下に減少させると考えられる薬剤中程度の阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを2倍以上5倍未満に上昇又はクリアランスを1/5から1/2以下に減少させると考えられる薬剤弱い阻害作用を有する薬剤:典型基質のAUCを1.25倍以上2倍未満に上昇又はクリアランスを1/2から1/1.25以下に減少させると考えられる薬剤

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

P糖タンパク質

薬物代謝酵素用語

CYP3A

併用禁忌

<CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者>
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を併用併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。これらの薬剤のCYP2D6及びCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
クラスIa抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
ベプリジル塩酸塩
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

<CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で肝機能が正常な患者>
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤と中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤の両方を併用併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。これらの薬剤のCYP2D6及びCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
クラスIa抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
ベプリジル塩酸塩
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

<CYP2D6の活性が低い患者(IM)>
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。これらの薬剤のCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
クラスIa抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
ベプリジル塩酸塩
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

<CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)>
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤併用により本剤の血中濃度が上昇することによりQT延長等を生じるおそれがある。これらの薬剤のCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害される。
クラスIa抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
ベプリジル塩酸塩
併用によりQT延長等を生じるおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。

併用注意

<患者全体>
グレープフルーツジュース本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。本剤の服用中はグレープフルーツジュースを飲用しないよう注意する。グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A誘導薬(リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン等)本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある(「薬物動態」の項参照)。これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
セントジョーンズワート本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。本剤の服用中はセントジョーンズワートを摂取しないよう注意する。セントジョーンズワートの肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進されるおそれがある。
P糖タンパク質の基質薬(ジゴキシン、コルヒチン、ダビガトラン、フェニトイン等)本剤の併用によりジゴキシンの血中濃度が上昇することが報告されている。併用する場合は、これらの薬剤の用量に注意すること。本剤がP糖タンパク質を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP2D6の基質薬(メトプロロール、三環系抗うつ剤(ノルトリプチリン、アミトリプチリン、イミプラミン)、フェノチアジン系薬剤、クラスIc抗不整脈薬(プロパフェノン、フレカイニド)等)本剤の併用によりメトプロロールの血中濃度が上昇することが報告されている。併用する場合は、これらの薬剤の用量に注意すること。本剤がCYP2D6を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

<CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で軽度肝機能障害(Child-pugh分類A)がある患者>
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤(CYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
弱いCYP2D6阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
弱いCYP3A阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く)本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

<CYP2D6の活性が通常の患者(EM)で肝機能が正常な患者>
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く) 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
中程度以上のCYP3A阻害作用を有する薬剤(中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤を併用する場合を除く) 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

<CYP2D6の活性が低い患者(IM)>
中程度以上のCYP2D6阻害作用を有する薬剤本剤の血中濃度が上昇し、本剤の作用が増強されるおそれがある。
本剤の用法・用量の調整を行うこと。
これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。

副作用

副作用発現状況の概要

国内外で実施されたゴーシェ病I型患者を対象とした第II相及び第III相臨床試験において、日本人10例を含む393例に本剤が投与された。393例中、副作用が報告された症例は、159例(40.5%)であった。主な副作用は、頭痛21例(5.3%)、浮動性めまい18例(4.6%)、下痢17例(4.3%)、消化不良16例(4.1%)であった。日本人10例中、副作用が報告された症例は2例、5件であった。報告された副作用は悪心、嘔吐、失神、嗅神経障害、皮膚炎が各1件であった。(申請時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

失神(1%未満注))

失神がみられることがあるので、観察を十分に行い、異常がみられた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

注)国内外臨床試験成績より算出した。

その他の副作用

 5%以上1〜5%
消化器 下痢、消化不良、便秘、悪心、上腹部痛、腹痛、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、鼓腸
精神神経系頭痛浮動性めまい
全身障害 疲労
筋骨格系 関節痛

高齢者への投与

一般的に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、慎重に投与すること。高齢者に対する安全性は確立していない。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)において、胎児の骨格異常及び脳室拡張が認められている]

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない]

過量投与

徴候、症状

外国人健康成人を対象とした第I相単回投与用量漸増試験において、推奨用量の約21倍を服用した被験者で、本剤の最高血漿中濃度が通常の治療条件より59倍に上昇した時点で、平衡異常を伴うめまい、低血圧、徐脈、悪心及び嘔吐が報告されている。

処置

過量投与となった場合には、患者を注意深く観察し、対症療法を実施すること。

適用上の注意

以下の点について指導すること。

本剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている]

その他の注意

動物実験において、ラット雄性生殖能への影響がみられている。

薬物動態

血漿中濃度

単回投与1)

日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。T1/2z(平均値±標準偏差)はCYP2D6の活性が低い患者(IM)及び通常の患者(EM)で、それぞれ7.62±0.299及び8.18±3.91時間であった。

日本人ゴーシェ病I型患者に本剤50mgを単回経口投与したときのエリグルスタットの薬物動態パラメータ

CYP2D6NCmax(ng/mL)Tmax(h)a) AUC(ng・h/mL)
IM319.2±16.01.53
(1.50,6.00)
150±140
EM67.58±4.221.25
(0.500,1.50)
40.0±24.2
平均±標準偏差a)中央値(最小値、最大値)

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

反復投与1)

日本人ゴーシェ病I型患者にエリグルスタット酒石酸塩50、100又は150mgを1日2回反復経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

日本人ゴーシェ病I型患者に本剤50、100又は150mgを1日2回反復経口投与したときのエリグルスタットの薬物動態パラメータ

投与量a)(mg)測定時期(週)CYP2D6NCmax(ng/mL)Tmax(h)b) AUC0-12(ng・h/mL)
502IM322.6±4.071.50
(1.47,4.00)
152±45.9
2EM612.1±9.811.24
(1.00,4.03)
60.4±43.2
10013EM136.81.00277
15013EM466.2±55.11.98
(0.50,3.00)
310±258
平均±標準偏差a)1回あたりの投与量b)中央値(最小値、最大値)

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

食事の影響(外国人データ)2)

外国人健康成人(24例)にエリグルスタット酒石酸塩300mgを絶食下又は高脂肪食摂取後に単回経口投与したとき、絶食下に対する高脂肪食摂取後の血漿中未変化体濃度のCmax及びAUC0-lastの幾何平均値の比(食後/絶食下)とその90%信頼区間は、0.85[0.68,1.07]及び1.05[0.89,1.23]であった。絶食下及び高脂肪食摂取後におけるTmax(中央値(最小値,最大値))は2.00(0.95,4.00)及び3.00(1.00,6.00)時間であった。

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

CYP2D6の遺伝子型別の薬物動態

ゴーシェ病I型患者における薬物動態について母集団薬物動態解析を用いて検討した結果、エリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したとき、CYP2D6の活性が欠損している患者(PM)におけるCmax及びAUC0-12hは活性が通常の患者(EM)と比較してそれぞれ9.3及び11.2倍高く、活性が低い患者(IM)ではEMと比較してそれぞれ2.7及び2.8倍高くなると推定された。活性が過剰な患者(URM)ではいずれもEMの約47%程度と推定された。また、生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、PMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日1回反復投与したときのAUC0-24hはIMにエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのAUC0-24hと同程度と推定された。

注)CYP2D6遺伝子型

URM:CYP2D6*1/*1X2、CYP2D6*1/*2X2

EM:CYP2D6*1/*1、CYP2D6*1/*10、CYP2D6*1/*10X2、CYP2D6*1/*2、CYP2D6*1/*21、CYP2D6*1/*4、CYP2D6*1/*5、CYP2D6*2X2/*5、CYP2D6*2/*10、CYP2D6*2/*5

IM:CYP2D6*10/*10、CYP2D6*10/*10X2、CYP2D6*5/*10

PM:CYP2D6*5/*14

肝機能障害者(外国人データ)3)

CYP2D6の活性が通常(EM)である肝機能正常者、軽度肝機能障害者(Child-pugh分類A)、及び中等度肝機能障害者(Child-pugh分類B)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

患者集団NCmax(ng/mL)AUC(ng・h/mL)
肝機能正常者710.4±7.4069.0±49.1
軽度肝機能障害者622.4±30.2172±293
肝機能正常者との幾何平均値の比[90%信頼区間]1.22
[0.46-3.23]
1.15
[0.41-3.19]
中等度肝機能障害者739.5±43.4575±696
肝機能正常者との幾何平均値の比[90%信頼区間]2.81
[1.10-7.17]
5.16
[1.93-13.74]
平均値±標準偏差

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、CYP2D6 EMの軽度肝機能障害患者にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-12hは2.38倍及び2.85倍、1日1回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-24hは1.84倍及び2.40倍、CYP2D6 EMの肝機能正常患者に比べ高くなると推定された。また、CYP2D6 EMの中等度肝機能障害患者にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回反復投与したときのエリグルスタットのCmax及びAUC0-12hは6.41倍及び8.86倍、1日1回反復投与したときのCmax及びAUC0-24hは4.66倍及び8.72倍、CYP2D6 EMの肝機能正常患者に比べ高くなると推定された。

腎機能障害者(外国人データ)4)

CYP2D6の活性が通常(EM)である腎機能正常者(クレアチニンクリアランス80mL/min超)及び重度腎機能障害者(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。

患者集団NCmax(ng/mL)AUC(ng・h/mL)
腎機能正常者717.6±13.2118±71.1
重度腎機能障害者712.7±4.85107±42.1
腎機能正常者との幾何平均値の比[90%信頼区間]0.88
[0.46-1.67]
0.99
[0.61-1.60]
平均値±標準偏差

吸収(外国人データ)5)

外国人健康成人(10例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを単回経口投与又は50mgを1時間かけて単回静脈内投与したとき、AUC0-∞から算出された絶対的バイオアベイラビリティ(平均値±標準偏差)は4.49±4.13%であった。

タンパク結合率(in vitro)6)

ヒトにおけるエリグルスタット(0.01〜1μmol/L)の血漿タンパク結合率(平均値、迅速平衡透析法)は、76.4〜82.9%であった。

代謝、排泄(in vitro、外国人データ)5)

エリグルスタット酒石酸塩の代謝には主にCYP2D6及びCYP3A4が関与し、エリグルスタット酒石酸塩はCYP2D6及びCYP3Aに対する阻害作用(エリグルスタットのKiはそれぞれ5.8及び27.0μmol/L)が認められた。エリグルスタット酒石酸塩はP糖タンパク質の基質であり、P糖タンパク質に対する阻害作用(エリグルスタットのIC50は22μmol/L)が認められた。外国人健康成人(10例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回5日間反復経口投与後に、14C-エリグルスタット酒石酸塩100mg(約100μCi)を単回経口投与したとき、投与放射能に対する総放射能の回収率は93.2%であり、尿中及び糞中排泄率(平均値±標準偏差)は41.8±5.12及び51.4±3.96%であった。血漿中において21種類の代謝物が確認され、そのうち血漿中総放射能の曝露量(AUC)に対する代謝物の曝露量の割合が10%以上の代謝物は5-カルボキシ体(15.9%)であった。

薬物相互作用(外国人データ)

パロキセチン塩酸塩との薬物相互作用7)

外国人健康成人(36例、CYP2D6 EM:33例、IM:1例、URM:2例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回とパロキセチン30mgを1日1回併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hの幾何平均値の比(併用投与時/エリグルスタット酒石酸塩単独投与時)とその90%信頼区間は、7.31[5.85,9.13]及び8.93[7.15,11.10]であった。

ケトコナゾールとの薬物相互作用8)

外国人健康成人(36例、CYP2D6 EM:34例、URM:2例)にエリグルスタット酒石酸塩100mgを1日2回とケトコナゾール400mgを1日1回併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hの幾何平均値の比(併用投与時/エリグルスタット酒石酸塩単独投与時)とその90%信頼区間は、3.84[3.41,4.33]及び4.27[3.87,4.71]であった。

その他の薬剤との薬物相互作用9)10)11)12)13)

外国人健康成人にエリグルスタット酒石酸塩と各種薬剤を併用投与したときの薬物動態パラメータへの影響は以下のとおりであった。

エリグルスタット酒石酸塩の用法・用量被併用薬とその用量血漿中における測定対象
(例数:単独投与/併用投与)
単独投与時と併用投与時の血漿中薬物動態パラメータの比較
幾何平均値の比
(90%信頼区間)
CmaxAUC
100mg
1日1回
リファンピシンb)
600mg i.v.
エリグルスタット
(6例/6例)
0.97
[0.86,1.10]
0.95h)
[0.88,1.03]
150mg
1日1回
リファンピシンc)
600mg i.v.
エリグルスタット
(19例/19例)
1.19
[0.98,1.44]
1.19
[0.98,1.45]
100mg
1日2回
リファンピシンb)
600mg p.o.
エリグルスタット
(6例/5例)
0.05
[0.04,0.06]
0.04i)
[0.03,0.05]
150mg
1日2回
リファンピシンc)
600mg p.o.
エリグルスタット
(19例/16例)
0.16
[0.11,0.22]
0.15
[0.11,0.21]
100mg又は150mg
1日2回a)
ジゴキシンd)
0.25mg
ジゴキシン未変化体
(28例/27例)
1.70
[1.56,1.84]
1.49j)
[1.33,1.66]
150mg
1日2回
メトプロロール酒石酸塩e)
50mg
メトプロロール未変化体
(14例/14例)
1.53
[1.31,1.79]
2.08h)
[1.82,2.38]
100mg
1日2回
経口避妊薬f)(エチニルエストラジオール0.035mg、ノルエチンドロン1.0mg)エチニルエストラジオール未変化体
(29例/29例)
1.04
[1.00,1.08]
1.02k)
[0.99,1.06]
ノルエチンドロン未変化体
(29例/29例)
1.03
[0.96,1.11]
0.99k)
[0.96,1.03]
100mg
1日1回
制酸薬g)(水酸化アルミニウム1600mg、水酸化マグネシウム1600mg、シメチコン160mg)エリグルスタット(24例/23例)1.15
[0.99,1.32]
1.14h)
[0.99,1.30]
制酸薬g)(炭酸カルシウム1000mg)エリグルスタット
(24例/21例)
1.12
[0.96,1.30]
1.09h)
[0.94,1.26]
パントプラゾールg)
40mg
エリグルスタット
(24例/21例)
1.08
[0.91,1.27]
1.09h)
[0.92,1.28]
a)CYP2D6 PMには100mg、EM、IM、URMには150mgを投与b)CYP2D6 PM:6例c)CYP2D6 EM:12例、IM:2例、URM:5例d)CYP2D6 EM:19例、IM:1例、PM:4例、URM:4例e)CYP2D6 EM:8例、IM:5例、URM:1例f)CYP2D6 EM:24例、PM:3例、URM:2例g)CYP2D6 EM:22例、IM:2例h)AUC0-∞、i)AUC0-12h、j)AUC0-last、k)AUC0-24h

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

テルビナフィン及びフルコナゾール併用時の薬物相互作用14)

生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションから、CYP2D6の活性が通常の患者(EM)にエリグルスタット酒石酸塩100mgとテルビナフィン(250mg)及びフルコナゾール(400mg(負荷用量)+200mg)を併用投与したとき、エリグルスタットのCmax及びAUC0-12hはエリグルスタット酒石酸塩100mgを単独投与時と比べて、8.85及び11.7倍高くなると推定された。

心電図への影響(外国人データ)15)

外国人健康成人(47例)に本剤200、800mg注)、モキシフロキサシン400mg及びプラセボを二重盲検クロスオーバー法により単回投与した。QTcF間隔のベースラインからの変化(プラセボとの差)の片側95%信頼区間の上限は本剤200mgで3.5msec、本剤800mgで9.3msecであった。同じデータを用いた線形混合効果モデルの結果、血中本薬未変化体濃度とPR、QRS及びQTcF間隔の平均変化の間に正の相関が認められた。

注)CYP2D6 EM又はIMに本剤100mgを1日2回投与し、中程度以上のCYP2D6阻害作用を有すると考えられる薬剤(パロキセチン、テルビナフィン)と中程度以上のCYP3A阻害作用を有すると考えられる薬剤(ケトコナゾール、フルコナゾール)の両方を併用した場合の血中本薬未変化体濃度は本剤800mg投与時の曝露量を上回ると想定される。また、CYP2D6 IMに本剤100mg1日1回を中程度以上のCYP3A阻害作用を有すると考えられる薬剤(ケトコナゾール、フルコナゾール)と併用した場合の血中本薬未変化体濃度は本剤800mg投与時の曝露量が同程度以上になると想定される。さらに、CYP2D6 PMに本剤100mg1日1回を中程度以上のCYP3A阻害作用を有すると考えられる薬剤(ケトコナゾール、フルコナゾール)と併用した場合の血中本薬未変化体濃度は本剤800mg投与時の曝露量を上回ると想定される。

臨床成績

酵素補充療法の治療歴を問わないゴーシェ病I型患者における国際共同治験(第III相試験)1)

日本人を含む酵素補充療法の治療歴を問わない18〜75歳のゴーシェ病I型患者170例(CYP2D6 EMは131例、IMは23例、PMは7例、URMは3例、不明は6例)を対象に、本剤を26〜78週間経口投与した。本剤の用法・用量は1回50mgを1日2回(日本人では投与1日目は1回50mgを1日1回、投与2日目以降は1回50mgを1日2回)投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50、100又は150mgを1日2回に用量調節された。165例中137例が5項目(骨クリーゼ、ヘモグロビン値、血小板数、脾容積及び肝容積)からなる有効性複合評価項目を達成した。日本人10例(CYP2D6 EMは6例、IMは3例、不明は1例)はいずれも酵素補充療法の治療歴がある患者であり、全例で有効性複合評価項目を達成した。

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

海外試験

未治療ゴーシェ病I型患者における海外臨床試験(第III相試験)16)

酵素補充療法の治療歴のない16〜62歳の外国人ゴーシェ病I型患者を対象に、本剤(20例)又はプラセボ(20例)を1日2回39週間経口投与した。本剤群(CYP2D6 EMは18例、IMは1例、URMは1例)の用法・用量は1回50mgを1日2回投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50又は100mgを1日2回に用量調節された。主要評価項目である脾容積の変化率について、本剤群のプラセボ群に対する優越性が示された(p<0.0001)。
本剤群とプラセボ群との群間差(調整済み平均値[両側95%信頼区間])について、脾容積のベースラインからの変化率は−30.03[−36.82,−23.24]%、ヘモグロビン値のベースラインからの変化量は1.22[0.57,1.88]g/dL、血小板数のベースラインからの変化率は41.06[23.95,58.17]%、肝容積のベースラインからの変化率は−6.64[−11.37,−1.91]%であった。

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

未治療ゴーシェ病I型患者における海外臨床試験(第II相試験)17)

酵素補充療法の治療歴のない18〜60歳の外国人ゴーシェ病I型患者に、第1日目は本剤50mgを1日1回経口投与、第2〜19日目は本剤50mgを1日2回経口投与とし、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50又は100mgを1日2回に用量調節された。本剤を48ヵ月間投与したとき(19例:CYP2D6 EMは18例、PMは1例)、ヘモグロビン値のベースラインからの変化量は2.27[1.57,2.97]g/dL(平均値[両側95%信頼区間]、以下同様)、血小板数のベースラインからの変化率は95.0[50.7,139.4]%、脾容積のベースラインからの変化率は−62.5[−68.3,−56.7]%、肝容積のベースラインからの変化率は−28.0[−34.9,−21.2]%であり、改善がみられた。

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

酵素補充療法からの切り替えゴーシェ病I型患者における海外臨床試験(第III相試験)18)

酵素補充療法で治療中の18〜69歳の外国人ゴーシェ病I型患者を対象に、本剤(106例)を1日2回52週間経口投与又は酵素補充療法(イミグルセラーゼ)(53例)を2週間に1回52週間点滴静脈内投与した。本剤群(CYP2D6 EMは84例、IMは12例、PMは4例、URMは4例、不明は2例)の用法・用量は1回50mgを1日2回投与から開始し、血漿中未変化体濃度を確認しながら、1回50、100又は150mgを1日2回に用量調節された。4項目(ヘモグロビン値、血小板数、脾容積及び肝容積)の複合評価項目を満たした患者の割合について、本剤群83.8%(83/99例)、イミグルセラーゼ群93.6%(44/47例)、群間差とその両側95%信頼区間は−9.8[−18.6,3.3]%であり、本剤群のイミグルセラーゼ群に対する非劣性が認められた。

注:本剤の承認用法・用量は1回100mgを1日2回である。

薬効薬理

作用機序19)20)21)22)

ゴーシェ病はライソゾーム酵素であるグルコセレブロシダーゼの活性が低下することにより、グルコシルセラミドが主にマクロファージのライソゾームに蓄積し、肝及び脾の腫大、貧血及び血小板減少症、骨痛や骨の異常及び変形をもたらす。本剤はグルコシルセラミド合成酵素を選択的に阻害し、グルコシルセラミドの生成を抑制する。

薬理作用

グルコシルセラミド合成酵素阻害作用

ヒトメラノーマ細胞株から調製したミクロソームにおいて、グルコシルセラミド合成酵素を濃度依存的に阻害した(IC50値:19.6±0.68nmol/L)(in vitro)20)

グルコシルセラミド濃度低下作用

本剤を健康成人(外国人、男女)に50、200及び350mgの用量で1日2回反復投与したとき、血漿中グルコシルセラミド濃度は用量依存的に低下した23)

本剤は動物実験で正常ラット血漿中24)及びイヌ末梢組織中25)のグルコシルセラミド濃度を低下させた。

本剤はD409V/nullゴーシェ病I型モデルマウスにおいて、組織へのグルコシルセラミドの経時的な蓄積を抑制した26)。本剤は老齢のD409V/nullゴーシェ病I型モデルマウスにおいて、末梢組織及び血漿中に蓄積したグルコシルセラミドを減少させた27)

ゴーシェ細胞数の低下作用

本剤はD409V/nullゴーシェ病I型モデルマウスにおいて、ゴーシェ病に典型的な活性化した腫大マクロファージ(ゴーシェ細胞)の数を低下させた28)

有効成分に関する理化学的知見

一般名エリグルスタット酒石酸塩
一般名(欧名)Eliglustat Tartrate
化学名N-[(1R,2R)-1-(2,3-Dihydrobenzo[b][1,4]dioxin-6-yl)-1-hydroxy-3-(pyrrolidin-1-yl)propan-2-yl]octanamide hemi-(2R,3R)-tartrate
分子式(C23H36N2O4)2・C4H6O6
分子量959.17
融点168℃
性状白色〜微黄褐色の粉末である。
KEGG DRUGD09894

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

サデルガカプセル100mg

14カプセル 1シート PTP

主要文献


1. 社内資料:酵素補充療法の治療歴を問わないゴーシェ病I型患者における国際共同治験
2. 社内資料:食事の影響試験
3. 社内資料:肝機能障害患者におけるPK及び忍容性試験
4. 社内資料:腎機能障害患者におけるPK及び忍容性試験
5. 社内資料:マスバランス試験
6. 社内資料:タンパク結合試験
7. 社内資料:パロキセチンとの併用試験
8. 社内資料:ケトコナゾールとの併用試験
9. 社内資料:リファンピシンとの併用試験
10. 社内資料:ジゴキシンとの併用試験
11. 社内資料:メトプロロールとの併用試験
12. 社内資料:経口避妊薬との併用試験
13. 社内資料:制酸薬及びプロトンポンプ阻害薬との併用試験
14. 社内資料:PKデータのモデル解析
15. 社内資料:QT/QTc評価試験
16. 社内資料:未治療ゴーシェ病I型患者における臨床第III相試験
17. 社内資料:未治療ゴーシェ病I型患者における臨床第II相試験
18. 社内資料:酵素補充療法からの切り替えゴーシェ病I型患者における海外臨床第III相試験
19. 社内資料:イヌ及びヒト由来赤血球産生細胞株におけるGM1蓄積抑制試験
20. 社内資料:in vitroグルコシルセラミド合成酵素阻害試験
21. 社内資料:β-グルコシダーゼとの薬力学的相互作用試験
22. McEachen KA,et al.,  Mol Genet Mrtab,  91,  259-67,  (2007)
23. 社内資料:健康成人PK及び初期忍容性二重盲検試験
24. 社内資料:ラットを用いた有効性の検討
25. 社内資料:イヌを用いた有効性の検討
26. 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いた有効性評価
27. 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いたGL-1蓄積予防作用の評価
28. 社内資料:D409V/nullゴーシェ病マウスを用いた有効性比較試験

作業情報


改訂履歴

2016年7月 改訂
2019年2月 改訂 (第4版)

文献請求先

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サノフィ株式会社
163-1488
東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
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製造販売
サノフィ株式会社
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/12/15 版