医療用医薬品 : シングレア

List   Top

医薬品情報


総称名 シングレア
一般名 モンテルカストナトリウム
欧文一般名 Montelukast Sodium
製剤名 モンテルカストナトリウム錠・モンテルカストナトリウム口腔内崩壊錠
薬効分類名 ロイコトリエン受容体拮抗薬, 気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療薬
薬効分類番号 4490
ATCコード R03DC03
KEGG DRUG D00529 モンテルカストナトリウム
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2021年5月 改訂 (第31版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
シングレア錠5mg SINGULAIR Tablets 5mg オルガノン 4490026F3039 94円/錠
シングレア錠10mg SINGULAIR Tablets 10mg オルガノン 4490026F2059 112.3円/錠
シングレアOD錠10mg SINGULAIR OD Tablets 10mg オルガノン 4490026F4035 112.3円/錠

禁忌

次の患者には投与しないこと

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果
用法用量

<気管支喘息>

通常、成人にはモンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与する。

<アレルギー性鼻炎>

通常、成人にはモンテルカストとして5〜10mgを1日1回就寝前に経口投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

シングレア錠5mg

モンテルカストフィルムコーティング錠はモンテルカストチュアブル錠と生物学的に同等でなく、モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため1)、モンテルカストフィルムコーティング錠5mgとモンテルカストチュアブル錠5mgをそれぞれ相互に代用しないこと。

気管支喘息及びアレルギー性鼻炎を合併し本剤を気管支喘息の治療のために用いる成人患者には、モンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与すること。

シングレア錠10mg

モンテルカストフィルムコーティング錠はモンテルカストチュアブル錠と生物学的に同等でなく、モンテルカストチュアブル錠はモンテルカストフィルムコーティング錠と比較してバイオアベイラビリティが高いため1)、モンテルカストフィルムコーティング錠5mgとモンテルカストチュアブル錠5mgをそれぞれ相互に代用しないこと。

気管支喘息及びアレルギー性鼻炎を合併し本剤を気管支喘息の治療のために用いる成人患者には、モンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与すること。

シングレアOD錠10mg

気管支喘息及びアレルギー性鼻炎を合併し本剤を気管支喘息の治療のために用いる成人患者には、モンテルカストとして10mgを1日1回就寝前に経口投与すること。

使用上の注意

重要な基本的注意

本剤は、喘息の悪化時ばかりでなく、喘息が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう、喘息患者に十分説明しておくこと。

本剤は気管支拡張剤、ステロイド剤等と異なり、すでに起こっている喘息発作を緩解する薬剤ではないので、このことは患者に十分説明しておく必要がある。

気管支喘息患者に本剤を投与中、大発作をみた場合は、気管支拡張剤あるいはステロイド剤を投与する必要がある。

長期ステロイド療法を受けている患者で、本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。

本剤投与によりステロイド維持量を減量し得た患者で、本剤の投与を中止する場合は、原疾患再発のおそれがあるので注意すること。

本剤との因果関係は明らかではないが、うつ病、自殺念慮、自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告されているので、患者の状態を十分に観察すること。〔「その他の注意」の項参照〕

本剤を含めロイコトリエン拮抗剤使用時に好酸球性多発血管炎性肉芽腫症様の血管炎を生じたとの報告がある。これらの症状は、おおむね経口ステロイド剤の減量・中止時に生じている。本剤使用時は、特に好酸球数の推移及びしびれ、四肢脱力、発熱、関節痛、肺の浸潤影等の血管炎症状に注意すること。

本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP)2C8/2C9及び3A4で代謝される。〔「薬物動態」の項参照〕

薬物代謝酵素用語

CYP2C8

薬物代謝酵素用語

CYP2C9

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

併用注意

フェノバルビタール本剤の作用が減弱するおそれがある。フェノバルビタールがCYP3A4を誘導し、本剤の代謝が促進される。〔「薬物動態」の項参照〕

副作用

副作用発現状況の概要

<気管支喘息>

国内で実施された臨床試験において、523例中46例(8.8%)に66件の副作用が認められた。主な副作用は下痢9件(1.7%)、腹痛7件(1.3%)、嘔気6件(1.1%)、胸やけ5件(1.0%)、頭痛5件(1.0%)等であった。臨床検査値の異常変動は、507例中49例80件に認められ、主なものはALT(GPT)上昇(505例中14件)、γ-GTP上昇(463例中9件)、Al-P上昇(476例中8件)等であった。(承認時)

国内で実施された特定使用成績調査における安全性評価対象3,891例中94例(2.4%)に116件(臨床検査値異常を含む)の副作用が認められ、主な副作用は、肝機能異常、LDH増加、Al-P上昇、発疹各8件(0.2%)、そう痒症6件(0.2%)であった。(再審査終了時)

<アレルギー性鼻炎>

国内で実施された臨床試験において、1,678例中70例(4.2%)に88件の副作用が認められた。主な副作用は口渇14件(0.8%)、傾眠13件(0.8%)、胃不快感9件(0.5%)、頭痛5件(0.3%)、下痢5件(0.3%)、倦怠感5件(0.3%)等であった。1%以上の頻度で認められたものはなかった。また、臨床検査値の異常変動は、1,672例中46例51件に認められ、主なものはALT(GPT)上昇(1,672例中9件)、白血球数増加(1,670例中6件)、尿潜血(1,671例中6件)等で、気管支喘息と同様であった。(承認時)

国内で実施された製造販売後調査(使用成績調査及び特定使用成績調査)における安全性評価対象1,365例中9例(0.7%)に9件(臨床検査値異常を含む)の副作用が認められ、主な副作用は、傾眠2件(0.1%)、全身性そう痒症2件(0.1%)であった。(再審査終了時)

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

アナフィラキシー(頻度不明)

アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。

血管浮腫(頻度不明)

血管浮腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。

劇症肝炎(頻度不明)、肝炎(頻度不明)、肝機能障害(0.01%)、黄疸(頻度不明)

劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(0.01%)

中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

血小板減少(頻度不明)

血小板減少(初期症状:紫斑、鼻出血、歯肉出血等の出血傾向)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

*副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験及び製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)の結果を合わせて算出した。

その他の副作用

 0.1〜1%未満0.1%未満頻度不明
過敏症皮疹、そう痒蕁麻疹肝臓の好酸球浸潤
精神神経系頭痛、傾眠情緒不安、不眠、幻覚、めまい、感覚異常(しびれ等)異夢、易刺激性、痙攣、激越、振戦、夢遊症、失見当識、集中力低下、記憶障害、せん妄、強迫性症状
呼吸器  肺好酸球増多症
消化器系下痢、腹痛、胃不快感、嘔気胸やけ、嘔吐、便秘、口内炎消化不良
肝臓肝機能異常、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇  
筋骨格系 筋痙攣を含む筋痛、関節痛 
その他口渇、尿潜血血尿、尿糖、浮腫、倦怠感、白血球数増加、尿蛋白、トリグリセリド上昇、出血傾向(鼻出血、紫斑等)、動悸、頻尿、発熱、脱毛挫傷、脱力、疲労、遺尿
*副作用の頻度は、錠剤、チュアブル錠剤、細粒剤での国内臨床試験及び製造販売後調査等(使用成績調査、特定使用成績調査、製造販売後臨床試験)の結果を合わせて算出した。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。海外の市販後において、妊娠中に本剤を服用した患者から出生した新生児に先天性四肢奇形がみられたとの報告がある。これらの妊婦のほとんどは妊娠中、他の喘息治療薬も服用していた。本剤とこれらの事象の因果関係は明らかにされていない。〕

授乳中の婦人に投与する場合は慎重に投与すること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕

小児等への投与

<気管支喘息>

6歳以上の小児に対しては、モンテルカストチュアブル錠5mgを1日1回就寝前に投与すること。

1歳以上6歳未満の小児に対しては、モンテルカスト細粒4mgを1日1回就寝前に投与すること。

1歳未満の乳児、新生児、低出生体重児に対するモンテルカスト製剤の安全性は確立していない。〔国内でのモンテルカスト製剤の使用経験がない。〕

<アレルギー性鼻炎>

小児等に対するモンテルカスト製剤の安全性は確立していない。〔国内でのモンテルカスト製剤の使用経験がない。〕

適用上の注意

シングレア錠5mg、シングレア錠10mg

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

シングレアOD錠10mg

薬剤交付時

以下の点について指導すること。

ブリスターシートから取り出して服用すること。〔ブリスター包装の誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発するおそれがある。〕

ブリスターシートからの取り出しは、裏面のシートを完全に剥がした後、錠剤をていねいに取り出すこと。OD錠は錠剤と比べて性質上柔らかく、割れることがあるので、シートを剥がさずに押し出さないこと。欠けや割れが生じた場合は全量服用すること。

吸湿性を有するため、使用直前にブリスターシートから取り出すこと。

服用時

舌の上で崩壊するので、水なし又は水ありで服用できる。

シングレア錠5mg、シングレア錠10mg、シングレアOD錠10mg

食事の有無にかかわらず投与できる。

その他の注意

プラセボ対照臨床試験41試験を対象に統合解析を行った結果、本剤投与群9,929例中1例において自殺念慮が認められたのに対して、プラセボ群7,780例において自殺念慮は認められなかった。2)
また、プラセボ対照臨床試験46試験を対象に統合解析を行った結果、行動変化に関連する事象(不眠、易刺激性等)が、本剤投与群11,673例中319例(2.73%)、プラセボ群8,827例中200例(2.27%)において認められたが、統計学的な有意差は認められなかった。3)

薬物動態

血中濃度

国内試験成績

健康成人8例にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを空腹時に単回経口投与したとき、モンテルカストの血漿中濃度は投与3.9時間後に最高値(Cmax)526ng/mLに達し、消失半減期(t1/2)4.6時間で消失した(図1)。Cmax及び血漿中濃度−時間曲線下面積(AUC0-∞)は2〜50mgの範囲で投与量に比例して増大した(表1)。4)

図1 健康成人におけるモンテルカストフィルムコーティング錠10mg経口投与後の血漿中濃度推移

表1 健康成人における薬物動態パラメータ

投与量(mg)Tmax(hr)Cmax(ng/mL)t1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
22.8±0.9108±23.14.34±0.76753±242
103.9±1.5526±1384.57±0.393840±906
503.6±1.22550±12504.63±0.4119100±7910

健康成人8例にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを食後投与したとき、空腹時に比べてAUC0-∞は3420±598ng・hr/mLから4240±1120ng・hr/mLに24%増加した。最高血漿中濃度到達時間(Tmax)(空腹時:4.0±1.1時間、食後:4.4±1.8時間)及びt1/2(空腹時:4.31±0.58時間、食後:4.30±0.35時間)には差がなかった。4)

健康成人8例にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを1日1回7日間反復経口投与したときのCmaxは1日目が580±136ng/mL、7日目が660±124ng/mLであったが、投与7日目のAUC0-24hrは投与1日目のAUC0-∞と一致しており、連続投与による蓄積性は認められなかった。4)

クロスオーバー法により健康成人男性(120例)に空腹時、モンテルカストOD錠10mg(1錠、水なし若しくは水あり)又はモンテルカストフィルムコーティング錠10mg(1錠、水あり)でそれぞれ単回経口投与したとき、モンテルカストの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。得られた薬物動態パラメータ(Cmax及びAUC0-t)の幾何平均比について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、Log(0.80)〜Log(1.25)の範囲内であり、モンテルカストOD錠10mgは水なし又は水とともに服用した場合のいずれにおいても、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(水あり)と生物学的に同等であることが示された。5)

表2 健康成人における薬物動態パラメータ(空腹時)

 飲水NCmax(ng/mL)AUC0-t(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
OD錠10mg
(算術平均±標準偏差)
なし120588±1293917±10012.4±1.14.6±2.4
あり119531±1383638±10362.1±0.94.2±0.5
フィルムコーティング錠10mg
(算術平均±標準偏差)
あり119495±1053517±8783.6±1.44.2±0.6
OD錠10mg(水なし)/フィルムコーティング錠10mg
幾何平均比(90%信頼区間)
1.17
(1.10-1.24)
1.10
(1.05-1.15)
OD錠10mg(水あり)/フィルムコーティング錠10mg
幾何平均比(90%信頼区間)
1.06
(1.01-1.11)
1.03
(0.99-1.07)

図2 健康成人におけるOD錠10mg及びフィルムコーティング錠10mg経口投与後の血漿中濃度推移(空腹時)

外国試験成績(参考)

健康高齢者(65歳〜73歳)にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを単回経口投与したとき、2.8時間後にCmax495ng/mLに達し、t1/26.6時間で消失した。高齢者のAUC0-∞(3423.2±1344.7ng・hr/mL)は健康非高齢者(20歳〜48歳)のAUC0-∞(3624.0±1257.8ng・hr/mL)と比較して有意差はなかった。6)

軽度から中等度の肝機能障害のある肝硬変患者にモンテルカストフィルムコーティング錠10mgを単回経口投与したとき、4.0時間後にCmax313ng/mLに達し、t1/28.6時間で消失した。t1/2は健康成人の4.7時間に比べて遅くなり、AUC0-∞は2248.7±812.1ng・hr/mLから3167.2±1300.5ng・hr/mLに41%増加した。7)

健康成人における生物学的利用率は、58〜67%であった。8)

分布

モンテルカストのヒト血漿蛋白との結合率は99.6%であった。モンテルカストは生理的な濃度のアルブミン及びα1-酸性糖蛋白質の両方に99%以上結合した。9)

代謝

ヒトにおけるモンテルカストの主要代謝物は側鎖メチル基の水酸化体及びベンジル位メチレン基の水酸化体であった。これら代謝物の生成にはそれぞれチトクロームP450(CYP)の分子種であるCYP2C8/2C9及び3A4が関与しており、CYP2C8がモンテルカストの主要代謝酵素であった。更に側鎖メチル基の水酸化体はカルボン酸体まで酸化的代謝を受けることが確認されている。In vitro試験により治療時の血漿中濃度では、モンテルカストはCYP3A4、2C9、1A2、2A6、2C19又は2D6を阻害しないことが示された。10)11)12)13)
また、in vitro試験によりモンテルカストはCYP2C8を阻害することが示されたが、in vivoにおいてはモンテルカストは主にCYP2C8で代謝される代表的な薬剤であるロシグリタゾンとの臨床薬物相互作用試験で、CYP2C8を阻害しないことが示された(外国試験成績 参考)。14)したがって、モンテルカストはCYP2C8で代謝される薬剤(パクリタキセル等)の代謝に影響を及ぼさないと考えられる。

排泄

国内試験成績

健康成人にモンテルカストカプセル剤400mgを単回経口投与したとき尿中に未変化体は検出されなかった。4)

外国試験成績(参考)

健康成人に14C標識モンテルカストカプセル剤102mgを単回経口投与した後5日間の糞中及び尿中放射能排泄率はそれぞれ約86%及び0.1%であった。15)

他剤との併用(外国試験成績 参考)

フェノバルビタール16)

健康成人にフェノバルビタール100mg(14日間反復)を経口投与したとき、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(単回)を経口投与により併用するとモンテルカストのAUC0-∞は約40%減少した。

テオフィリン17)

健康成人にモンテルカストカプセル剤を高用量(200mgを1日1回6週間反復あるいは1日3回8日間反復)で経口投与し、テオフィリンの経口投与(250mg単回)あるいは静脈内投与(5mg/kg単回)を併用したとき、血漿中テオフィリン濃度の低下が認められたが、モンテルカストフィルムコーティング錠10mg(10日間反復)の経口投与とテオフィリン5mg/kg(単回)の静脈内投与の併用では血漿中テオフィリン濃度の変化は認められなかった。

プレドニゾン、プレドニゾロン

健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg(6週間反復)とプレドニゾン20mg(単回)を経口投与により併用したとき、プレドニゾンのAUC0-∞がプラセボ群と比較して有意に低下したが、同一被験者のモンテルカストカプセル剤200mg投与前後の比較では変化はなく、活性代謝物であるプレドニゾロンの薬物動態も変化はなかった。また、健康成人にモンテルカストカプセル剤200mg(6週間反復)とプレドニゾロン20mg(単回)を静脈内投与により併用したとき、プレドニゾン及びプレドニゾロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった。

経口避妊薬18)(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg)

健康成人にモンテルカストカプセル剤100mg(8日間反復)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール35μg/ノルエチンドロン1mg単回)を経口投与により併用したとき、エチニルエストラジオール及びノルエチンドロンの薬物動態はいずれも影響を受けなかった。

ジゴキシン19)

健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg(7日間反復)とジゴキシン0.5mg(単回)を経口投与により併用したとき、免疫反応性ジゴキシンの薬物動態は影響を受けなかった。

ワルファリン20)

健康成人にモンテルカストフィルムコーティング錠10mg(7日間反復)とワルファリン30mg(単回)を経口投与により併用したとき、ワルファリンの血漿中総薬物濃度は影響を受けなかった。また、プロトロンビン時間への影響もなかった。

(注)

成人の気管支喘息における承認用量は1回10mgである。

成人のアレルギー性鼻炎における承認用量は1回5〜10mgである。

臨床成績

国内の臨床試験において、健康成人で1日量400mgまで忍容性が認められている。4)

<気管支喘息>

国内で実施された二重盲検比較試験を含む成人気管支喘息患者を対象とした臨床試験における本剤10mg群の最終全般改善度の有効率は55.6%(145/261例)であった。なお、65歳以上の高齢者における有効率は56.1%(32/57例)で、65歳未満の症例における有効率の55.4%(113/204例)と同様であった。また、副作用発現率においても、65歳以上の高齢者では9.0%(10/111例)で、65歳未満の症例の8.7%(36/412例)と同様であった。

気管支喘息患者における第III相二重盲検比較試験の結果、本剤10mg群の最終全般改善度の有効率は58.5%(83/142例)であり、プランルカスト水和物450mg群[46.0%(63/137例)]に対する非劣性が検証された(非劣性マージンΔ=10%)。21)

<アレルギー性鼻炎>

季節性アレルギー性鼻炎患者における第II相至適用量設定試験(約900例)の結果、総合鼻症状点数[日中鼻症状点数*と夜間鼻症状点数**の平均(治療期2週間の平均)]のベースラインからの変化量の最小二乗平均(LS mean)は、モンテルカストフィルムコーティング錠5mg群で−0.47点、10mg群で−0.47点であり、プラセボ群(−0.37点)と比較して有意に改善した。22)

季節性アレルギー性鼻炎患者における第III相二重盲検比較試験(約1,400例)の結果、総合鼻症状点数[日中鼻症状点数*と夜間鼻症状点数**の平均(治療期2週間の平均)]のベースラインからの変化量のLSmeanは、モンテルカストフィルムコーティング錠5mg群で−0.19点、10mg群で−0.19点であり、プランルカスト水和物450mg群(−0.20点)に対する非劣性が検証された(非劣性マージンΔ=0.085点)。23)

*:鼻閉、鼻汁、くしゃみ発作の症状点数を集計

**:鼻閉、入眠困難度、夜間覚醒度の症状点数を集計

(注)

成人の気管支喘息における承認用量は1回10mgである。

成人のアレルギー性鼻炎における承認用量は1回5〜10mgである。

薬効薬理

作用機序

<気管支喘息>

モンテルカストは、システイニルロイコトリエン タイプ1受容体(Cys LT1受容体)に選択的に結合し、炎症惹起メディエーターであるLTD4やLTE4による病態生理学的作用(気管支収縮、血管透過性の亢進、及び粘液分泌促進)を抑制する。この作用機序に基づき、モンテルカストは抗喘息作用として、喘息性炎症の種々の因子を改善する。

<アレルギー性鼻炎>

アレルギー性鼻炎では、抗原曝露後に、即時相及び遅発相のいずれにおいてもシステイニルロイコトリエンが鼻粘膜から放出される。その放出はアレルギー性鼻炎の症状発現と関連がある。また、システイニルロイコトリエンの鼻腔内投与は鼻腔通気抵抗を上昇させ、鼻閉症状を増悪させることが示されている。モンテルカストはロイコトリエン受容体の作用を遮断することにより、アレルギー性鼻炎症状の緩和に重要な役割を果たすことが示唆されている。

LT受容体拮抗作用(受容体結合試験)

受容体結合試験(モルモット肺細胞膜、U937細胞膜及びTHP-1細胞膜)で、LTD4の受容体結合を強力に阻害し、その作用は血液成分による影響を受けなかった。LTC4及びLTB4に対する受容体拮抗作用は弱かった。24)

気管支収縮抑制作用(摘出臓器及び動物試験)

モルモット摘出気管におけるLTD4の収縮を競合的に阻害した。また、モルモット及びリスザルにおいてLTD4誘発気管支収縮反応に対して強力かつ持続的な阻害作用を示した。一方、モンテルカストは、LTC4(LTC4の代謝を阻害した条件下)による摘出組織の収縮を阻害しなかった。また、モルモットを用いたヒスタミン、アラキドン酸、セロトニン及びアセチルコリン誘発の気管支収縮をほとんど阻害しなかった。24)

抗原誘発による気管支収縮抑制作用

感作した近交系喘息ラット、モルモット及びリスザルの抗原誘発による気管支収縮反応を静脈内投与及び経口投与で抑制した。24)海外の臨床試験において、抗原投与による即時型及び遅発型気管支収縮をそれぞれ75%、57%抑制した。25)

即時型及び遅発型気管支収縮反応に対する抑制作用

感作リスザルの抗原誘発による即時型及び遅発型気管支収縮反応を経口投与で抑制した。24)

アナフィラキシーショックに対する抑制作用

感作モルモットの卵アルブミンによるアナフィラキシーショックを部分的に抑制した。26)

抗原誘発による鼻腔通気抵抗上昇(鼻閉)に対する抑制効果

感作モルモットを用い、卵アルブミン吸入で誘発される鼻腔通気抵抗の上昇(鼻閉)に対し、モンテルカスト1及び3mg/kg(腹腔内投与)は、それぞれ55%、85%の抑制効果を示した。27)

肺機能の改善作用

軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、1秒量及び最大呼気流量を改善した。28)

好酸球に対する効果

軽症から中等症の慢性気管支喘息患者において、喀痰中の好酸球比率をプラセボに比べて有意に低下させた。29)同様に成人28)、小児患者30)31)における末梢血好酸球比率も有意に低下させた。

有効成分に関する理化学的知見

一般名モンテルカストナトリウム
一般名(欧名)Montelukast Sodium
化学名Monosodium(1-{[((1R)-1-{3-[(1E)-2-(7-chloroquinolin-2-yl)ethenyl]phenyl}-3-[2-(1-hydroxy-1-methylethyl)phenyl]propyl)sulfanyl]methyl}cyclopropyl)acetate
分子式C35H35ClNNaO3S
分子量608.17
性状白色〜微黄白色の粉末である。メタノール及びエタノール(99.5)に極めて溶けやすく、水に溶けやすい。吸湿性である。光によって黄色に変化する。結晶多形が認められる。
KEGG DRUGD00529

包装

シングレア錠5mg

PTP

28錠(14錠×2)

100錠(10錠×10)

140錠(14錠×10)

シングレア錠10mg

PTP

28錠(14錠×2)

100錠(10錠×10)

140錠(14錠×10)

420錠(14錠×30)

シングレアOD錠10mg

ブリスター

60錠(10錠×6)

主要文献


1. Knorr,B.et al.,  J.Clin.Pharmacol.,  39 (8),  786,  (1999) »PubMed »DOI
2. Philip,G.et al.,  J.Allergy Clin.Immunol.,  124 (4),  691,  (2009) »PubMed »DOI
3. Philip,G.et al.,  J.Allergy Clin.Immunol.,  124 (4),  699,  (2009) »PubMed »DOI
4. 大西明弘 他,  臨床医薬,  17 (4),  443,  (2001)
5. モンテルカストの生物学的同等性試験(社内資料)
6. Zhao,J.J.et al.,  Biopharm.Drug Dispos.,  18 (9),  769,  (1997) »PubMed »DOI
7. モンテルカストの肝機能障害患者における薬物動態(社内資料)
8. モンテルカストの生物学的利用率(社内資料)
9. モンテルカストの蛋白との結合(社内資料)
10. Filppula,AM.et al.,  Drug Metab.Dispos.,  39 (5),  904,  (2011) »PubMed »DOI
11. Karonen,T.et al.,  Br.J.Clin.Pharmacol.,  73 (2),  257,  (2012) »PubMed »DOI
12. Karonen,T.et al.,  Clin.Pharmacol.Ther.,  88 (2),  223,  (2010) »PubMed »DOI
13. Chiba,M.et al.,  Drug Metab.Dispos.,  25 (9),  1022,  (1997) »PubMed
14. Friedman,E.et al.,  Clin.Pharmacol.Ther.,  79 (2),  72,  (2006)
15. Balani,S.K.et al.,  Drug Metab.Dispos.,  25 (11),  1282,  (1997) »PubMed
16. Holland,S.et al.,  Clin.Pharmacol.Ther.,  63 (2),  231,  (1998)
17. Malmstrom,K.et al.,  Am.J.Ther.,  5 (3),  189,  (1998) »PubMed »DOI
18. Schwartz,J.et al.,  Clin.Pharmacol.Ther.,  61 (2),  162,  (1997)
19. Depre,M.et al.,  J.Clin.Pharmacol.,  39 (9),  941,  (1999) »PubMed »DOI
20. Van Hecken,A.et al.,  J.Clin.Pharmacol.,  39 (5),  495,  (1999) »PubMed
21. 宮本昭正 他,  臨床医薬,  17 (4),  519,  (2001)
22. Okubo,K.et al.,  Allergol.Int.,  57 (3),  247,  (2008) »PubMed »DOI
23. Okubo,K.et al.,  Allergol.Int.,  57 (4),  383,  (2008) »PubMed »DOI
24. Jones,T.R.et al.,  Can.J.Physiol.Pharmacol.,  73 (2),  191,  (1995) »PubMed »DOI
25. Diamant,Z.et al.,  Clin.Exp.Allergy,  29 (1),  42,  (1999) »PubMed »DOI
26. モンテルカストのアナフィラキシーショックに対する抑制作用(社内資料)
27. モンテルカストの抗原誘発による鼻腔通気抵抗上昇(鼻閉)に対する抑制効果(社内資料)
28. 宮本昭正 他,  臨床医薬,  17 (4),  577,  (2001)
29. Minoguchi,K.et al.,  Chest,  121 (3),  732,  (2002) »PubMed »DOI
30. 古庄巻史 他,  臨床医薬,  17 (4),  609,  (2001)
31. 古庄巻史 他,  臨床医薬,  21 (10),  1019,  (2005)

作業情報


改訂履歴

2019年4月 改訂
2021年5月 改訂 (第31版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
オルガノン株式会社
東京都港区南青山1-24-3
フリーダイヤル 0120-095-213

お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
オルガノン株式会社
東京都港区南青山1-24-3
フリーダイヤル 0120-095-213

業態及び業者名等

製造販売元
オルガノン株式会社
東京都港区南青山1-24-3


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/4/20 版