医療用医薬品 : アレセンサ

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医薬品情報


総称名 アレセンサ
一般名 アレクチニブ塩酸塩
欧文一般名 Alectinib Hydrochloride
製剤名 アレクチニブ塩酸塩カプセル
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
ALK注1)阻害剤 注1)ALK:Anaplastic Lymphoma Kinase(未分化リンパ腫キナーゼ)
薬効分類番号 4291
ATCコード L01ED03
KEGG DRUG
D10450 アレクチニブ塩酸塩
KEGG DGROUP
DG03136 ALK阻害薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2020年2月 改訂(効能変更)(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アレセンサカプセル150mg ALECENSA Capsules 中外製薬 4291032M3021 6737.1円/カプセル 劇薬, 処方箋医薬品注2)

1. 警告

1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。[8.19.1.111.1.1参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

4. 効能または効果

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
○再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫

5. 効能または効果に関連する注意

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断薬等を用いて測定すること。
5.2 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
<再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫>
5.3 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、ALK融合遺伝子陽性が確認された患者に投与すること。

6. 用法及び用量

ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
通常、成人にはアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。
<再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫>
通常、アレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与する。ただし、体重35kg未満の場合の1回投与量は150mgとする。

8. 重要な基本的注意

8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。また、胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察すること。必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。[1.29.1.111.1.1参照]
8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.311.1.2参照]
8.3 好中球減少、白血球減少等があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。[1.28.111.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害が増悪するおそれがある。[8.211.1.2参照]
本剤の血漿中濃度が上昇するとの報告がある。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、ウサギ)において、胚・胎児の死亡、流産、内臓異常、骨格変異等が報告されている。[2.29.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中への移行については不明である。
9.7 小児等
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
<再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫>
低体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は、チトクロームP450(主にCYP3A4)によって代謝される。また、in vitro試験においてP-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の阻害が認められた。
薬物代謝酵素用語
CYP
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
薬物代謝酵素用語
P-糖蛋白
薬物代謝酵素用語
乳癌耐性蛋白(BCRP)
10.2 併用注意
CYP3A阻害剤
イトラコナゾール等
16.7.2参照]
本剤の血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が高まるおそれがあることから、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、CYP3A阻害剤との併用により、本剤の代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。
CYP3A誘導剤
リファンピシン等
16.7.1参照]
本剤の血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあることから、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、CYP3A誘導剤との併用により、本剤の代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(5.3%)[1.28.19.1.1参照]
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、ビリルビン等の増加を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.29.3参照]
11.1.3 好中球減少(11.1%)、白血球減少(8.2%)[8.3参照]
11.1.4 消化管穿孔(頻度不明)
異常が認められた場合には、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.5 血栓塞栓症(頻度不明)
肺塞栓症等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 15%以上5%以上〜15%未満5%未満頻度不明
精神神経系味覚異常(24.3%)頭痛末梢性ニューロパチー、不眠症、傾眠 
消化器便秘(29.8%)口内炎、悪心、下痢胃腸炎、嘔吐、歯周病、腹痛 
循環器  徐脈、心電図T波逆転 
呼吸器 上気道感染気管支炎、咳嗽、肺炎、肺感染、気胸 
血液 貧血リンパ球数減少血小板数減少
皮膚発疹(24.6%) 皮膚乾燥、ざ瘡様皮膚炎、爪の障害、爪囲炎、手掌・足底発赤知覚不全症候群、そう痒症、湿疹、光線過敏症 
筋骨格系 筋肉痛関節痛、筋痙縮 
肝臓血中ビリルビン増加、AST増加ALT増加、血中Al-P増加硬化性胆管炎、LDH増加 
腎臓血中クレアチニン増加 腎機能障害 
  眼乾燥、結膜炎、麦粒腫、黄斑症 
その他血中CK増加倦怠感、浮腫発熱、血中トリグリセリド増加、高尿酸血症、疲労、中耳炎、膀胱炎、回転性めまい、食欲減退、血中ブドウ糖増加、血中マグネシウム減少、細菌性前立腺炎、腫瘍出血、高リン酸塩血症 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
遺伝毒性試験において、異数性誘発作用が認められたが、遺伝子突然変異誘発性又は染色体構造異常誘発性は認められなかった1)
ラットを用いた反復投与毒性試験において、切歯への影響(白色化及び短縮)並びに大腿骨及び胸骨への影響(活性化破骨細胞の増加及び骨梁の減少)が認められたが、臨床推奨用量での曝露量の1.9倍相当では認められなかった2)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
150mgカプセル又は20/40mgカプセル注1)を用いてALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者34例に1回300mgを空腹時(投与前2時間、投与後1時間絶食)に1日2回10日間反復経口投与したときの血漿中アレクチニブ濃度の推移と薬物動態パラメータ、20/40mgカプセル注1)に対する150mgカプセルのCmax、AUClastの幾何平均値の比及びその90%信頼区間を以下に示した3)
150mgカプセル又は20/40mgカプセルを300mg1日2回反復経口投与時(空腹時)の血漿中アレクチニブ濃度推移(平均値±標準偏差)
300mg1日2回反復経口投与時(空腹時)の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
 NTmax(h)Cmax(ng/mL)AUClast(ng・h/mL)t1/2(h)
150mgカプセル344.54±1.87390±1033230±91413.4±8.15a)
20/40mgカプセル344.20±1.77460±1223710±104012.6±4.94b)
20/40mgカプセルに対する150mgカプセルのAUClast及びCmaxの幾何平均値の比及びその90%信頼区間
薬物動態パラメータ幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
AUClast0.8680.801-0.941
Cmax0.8460.784-0.913
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
(1)150mgカプセルを用いてALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者31例に1回300mgを空腹時(投与前2時間、投与後1時間絶食)又は食後に1日2回10日間反復経口投与したとき、Tmaxは食事の影響を受けなかったが、AUC、Cmaxは空腹時投与に比べて食後投与でおよそ1.2倍に増加した3)
(2)20/40mgカプセル注1)を用いて、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者6例に300mgを絶食下(投与前10時間、投与後2時間絶食)又は食後に単回経口投与したときの血漿中アレクチニブ濃度の推移を以下の図に示した。また、20/40mgカプセル注1)を用いて20〜300mg注2)を単回、1日2回21日間反復投与時の食事条件別の薬物動態パラメータを以下に示した。単回投与時は、食後投与でAUCとCmaxはともに、絶食下投与のおよそ1.8倍に増加し、Tmaxの平均値も食後投与で5.89時間に延長した。なお、反復投与開始から8日目までに血漿中アレクチニブ濃度は定常状態に達することが示され、反復投与時のアレクチニブの体内動態では1回20mg1日2回投与から1回300mg1日2回投与の範囲で線形性が認められた4)5)
300mg単回経口投与時の血漿中アレクチニブ濃度推移(平均値±標準偏差)
単回経口投与時の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与量食事条件NTmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-72(ng・h/mL)t1/2(h)
20mg絶食下15.974.5214342.4
40mg絶食下13.9712.324826.6
80mg絶食下13.9841.467016.1
160mg絶食下32.62±1.1860.3±42.21030±71722.3±6.88
240mg絶食下32.69±1.2158.6±15.6920±34117.7±5.14
食直後34.63±1.08118±52.22200±80417.1±2.06
300mg絶食下62.38±0.79984.1±35.81540±56019.3±1.95
食直後65.89±2.07162±63.62700±103016.4±4.14
1日2回反復経口投与時の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
1回投与量食事条件NTmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-10(ng・h/mL)t1/2(h)
20mg空腹時14.0025.522039.1
40mg空腹時13.8363.94799.37
80mg空腹時12.00150131014.1
160mg空腹時34.61±1.15300±1042310±59815.1±2.04a)
240mg空腹時33.33±1.15385±1002970±93720.9±15.8
食直後35.24±1.13380±82.83300±83818.5b)
300mg空腹時63.99±2.17575±3224970±326012.4±3.17c)
食直後65.32±1.58528±1384220±119016.5±3.83d)
16.2.2 バイオアベイラビリティ
健康成人6例を対象にアレクチニブ600mg注2)を単回経口投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは約37%であった6)(外国人データ)。
16.3 分布
In vitro試験の結果、アレクチニブのヒト血漿蛋白結合率は99%以上であり、主にアルブミンに結合し、α1-酸性糖蛋白への結合はほとんど認められなかった7)。また、ヒトにおける血球移行率は約80%であった8)
白色ラットに14C標識アレクチニブを1mg/kgの用量で単回経口投与したとき、放射能は各組織に速やかに分布し、ハーダー腺、副腎、肺、褐色脂肪組織及び肝臓に高い分布を示し、大脳、小脳、脊髄への分布も確認された。有色ラットに14C標識アレクチニブを10mg/kgの用量で単回経口投与したときメラニン含有組織であるブドウ膜及び有色皮膚に高い放射能が検出された9)
16.4 代謝
In vitro代謝試験の結果、アレクチニブはヒト肝臓において、主にCYP3A4により代謝されて主要代謝物(M-4、モルフォリン部の開環後、脱アルキル化した化合物)を生成することが示された10)。また、M-4は、アレクチニブと同程度のALKチロシンキナーゼ阻害活性が示された11)。20/40mgカプセル注1)を用いてALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者6例に1回300mgを空腹時又は食直後に1日2回21日間反復経口投与したときのM-4のAUC0-10(平均値±標準偏差)は、それぞれ1980±596ng・h/mL及び2030±563ng・h/mLであった。未変化体に対するM-4のAUC0-10の比率(平均値±標準偏差)は空腹時及び食直後投与時でそれぞれ47.2±15.8%及び49.8±13.1%であった4)
16.5 排泄
健康成人6例を対象に14C-標識アレクチニブ600mg注2)を単回経口投与したとき、投与から168時間までに投与放射能の98.3%が回収され、糞中に97.8%、尿中に0.467%の放射能が排泄された。また、糞中及び尿中に排泄されたアレクチニブの未変化体は、それぞれ投与量の84.0%及び0.1%未満であった6)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
中等度(Child-Pugh分類B)及び重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者各8例を対象に、アレクチニブ300mgを単回経口投与したときの薬物動態を健康成人各8例と比較し、肝機能障害がアレクチニブの薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す12)(外国人データ)。[9.3参照]
健康成人に対する中等度の肝機能障害患者におけるアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間
薬物動態パラメータ化合物健康成人に対する肝機能障害患者の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
AUC0-∞未変化体1.601.05-2.43
代謝物(M-4)0.8060.502-1.30
未変化体+M-4注3)1.360.947-1.96
Cmax未変化体1.280.865-1.88
代謝物(M-4)0.6460.362-1.15
未変化体+M-4注3)1.160.786-1.72
健康成人に対する重度の肝機能障害患者におけるアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間
薬物動態パラメータ化合物健康成人に対する肝機能障害患者の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
AUC0-∞未変化体2.201.31-3.69
代謝物(M-4)0.6560.269-1.60
未変化体+M-4注3)1.760.984-3.15
Cmax未変化体1.000.551-1.83
代謝物(M-4)0.6080.266-1.39
未変化体+M-4注3)0.9810.517-1.86
16.6.2 小児等
再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫小児患者(6歳以上15歳未満)4例を対象に、アレクチニブ1回300mg(体重35kg以上)あるいは150mg(体重35kg未満)を1日2回21日間反復経口投与したときの血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータを以下に示した13)
1日2回反復経口投与時の血漿中アレクチニブの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
投与群1回投与量NTmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-10(ng・h/mL)
体重35kg未満150mg23.96±0.0589507±2343500±1680
体重35kg以上300mg24.93±1.47713±3175820±2260
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP3A誘導剤
健康成人24例を対象にCYP3A誘導剤であるリファンピシンの併用がアレクチニブ600mg注2)単回投与時の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す14)(外国人データ)。[10.2参照]
CYP3A誘導剤の非併用時に対する併用時のアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間
薬物動態パラメータ化合物N非併用時に対する併用時の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
AUC0-∞未変化体240.2680.238-0.301
代謝物(M-4)1.791.58-2.02
未変化体+M-4注3)0.8160.740-0.901
Cmax未変化体240.4860.435-0.543
M-42.201.90-2.55
未変化体+M-4注3)0.9610.877-1.05
16.7.2 その他の薬剤
健康成人16例を対象にCYP3A阻害剤であるポサコナゾール(国内未承認)の併用がアレクチニブ300mg単回経口投与時の薬物動態に与える影響を検討した結果を表に示す14)(外国人データ)。[10.2参照]
CYP3A阻害剤の非併用時に対する併用時のアレクチニブ薬物動態パラメータの幾何平均値の比及びその信頼区間
薬物動態パラメータ化合物N非併用時に対する併用時の幾何平均値の比幾何平均値の比の90%信頼区間
AUC0-∞未変化体161.751.57-1.95
代謝物(M-4)0.7510.644-0.877
未変化体+M-4注3)1.361.24-1.49
Cmax未変化体161.181.02-1.37
M-40.2870.231-0.355
未変化体+M-4注3)0.9330.808-1.08
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌患者10例を対象に、アレクチニブ600mg注2)を1日2回反復投与時にCYP3Aの基質であるミダゾラム2mgを単回併用投与したときのミダゾラムの薬物動態に与える影響を検討した。その結果、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時におけるミダゾラム(未変化体)のCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ0.919[0.648,1.31]及び0.971[0.717,1.32]であった14)(外国人データ)。
健康成人24例を対象にプロトンポンプ阻害剤であるエソメプラゾールの併用がアレクチニブ600mg注2)単回経口投与時の薬物動態に与える影響を検討した。その結果、本剤単独投与時に対するエソメプラゾール併用投与時における本剤(未変化体)のCmax及びAUC0-∞の幾何平均値の比(併用投与時/単独投与時)[90%CI]は、それぞれ1.16[1.03,1.32]及び1.22[1.09,1.36]であった15)(外国人データ)。
注1)アレセンサカプセル20/40mgは販売中止。
注2)承認された用法・用量は1回300mg(ただし、体重35kg未満の未分化大細胞リンパ腫は1回150mg)を1日2回経口投与である。
注3)モル濃度換算した薬物動態パラメータを用いて算出した。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
17.1.1 国内第I/II相試験(AF-001JP試験)
1レジメン以上の化学療法歴を有するALK融合遺伝子陽性注1)の進行・再発非小細胞肺癌患者を対象にした第I/II相試験の第II相部分(46例)で本剤を1回300mg1日2回空腹時(投与前2時間、投与後1時間絶食)に連日経口投与された患者における奏効率は93.5%(95%信頼区間:82.1〜98.6%)であった16)
副作用発現頻度は、96.6%(56/58例)であった。主な副作用は、血中ビリルビン増加36.2%(21/58例)、味覚異常34.5%(20/58例)、AST増加32.8%(19/58例)、血中クレアチニン増加31.0%(18/58例)、便秘、発疹各29.3%(17/58例)であった。
注1)免疫組織化学染色(IHC)法及び蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法を用いて、又は逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)法を用いて検査された。
IHC法としてヒストファインALK iAEPキットが使用され、コンパニオン診断薬として製造販売承認されている。また、FISH法として研究機関で確立された検査法が使用され、当該検査法との同等性が確認されたVysis ALK Break Apart FISHプローブキットがコンパニオン診断薬として製造販売承認されている。
17.1.2 国内第III相試験(JO28928試験)
化学療法未治療又は1レジメンの化学療法歴を有するALK融合遺伝子陽性注2)進行・再発非小細胞肺癌患者207例を対象に、クリゾチニブ1回250mgを1日2回連日経口投与する群と、本剤1回300mgを1日2回連日経口投与する群を比較した第III相非盲検ランダム化試験を実施した。主要評価項目である独立判定機関評価による無増悪生存期間は以下のとおりであった17)
注2)ヒストファインALK iAEPキット(IHC法)及びVysis ALK Break Apart FISHプローブキット(FISH法)を用いて、又はRT-PCR法を用いて検査された。ヒストファインALK iAEPキット及びVysis ALK Break Apart FISHプローブキットはコンパニオン診断薬として製造販売承認されている。
独立判定機関評価による無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
無増悪生存期間
無増悪生存期間中央値(月)[95%信頼区間]ハザード比
本剤群クリゾチニブ群
推定不能[20.3-推定不能](N=103)10.2[8.2-12.0](N=104)0.34[99.6826%信頼区間:0.17-0.71]注3)p<0.0001注4)
副作用発現頻度は、88.3%(91/103例)であった。主な副作用は、便秘31.1%(32/103例)、味覚異常18.4%(19/103例)、血中CK増加16.5%(17/103例)、血中ビリルビン増加、発疹各10.7%(11/103例)、AST増加、筋肉痛各9.7%(10/103例)であった。
<再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫>
17.1.3 国内第II相試験(ALC-ALCL試験)
6歳以上の再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性注5)の未分化大細胞リンパ腫患者10例を対象に、本剤を体重35kg以上の患者には1回300mg、体重35kg未満の患者には1回150mgをそれぞれ1日2回連日経口投与した。主要評価項目である中央判定委員会による奏効率は80.0%(両側90%信頼区間:56.2〜95.9%)注6)であった18)。なお、事前に設定された閾値は50%であった。
副作用発現頻度は、100.0%(10/10例)であった。主な副作用は、斑状丘疹状皮疹40.0%(4/10例)、上気道感染、気管支炎、血中Al-P増加各30.0%(3/10例)であった。
注5)IHC法により、ALK融合遺伝子陽性であることが組織学的に確定診断されている未分化大細胞リンパ腫患者を対象とした。
注6)逆正弦変換に基づく方法で算出した信頼区間。一方、二項分布に基づく正確な方法(Clopper-Pearson法)で算出した90%信頼区間は49.3%〜96.3%であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌及び未分化大細胞リンパ腫では、ALKチロシンキナーゼ活性が異常に亢進しており、癌化及び腫瘍増殖に関与している。アレクチニブは、ALKチロシンキナーゼ活性を阻害することにより、ALK融合遺伝子陽性の腫瘍細胞の増殖を抑制する19)
18.2 抗腫瘍効果
アレクチニブ及び主要代謝物(M-4)は、ALK融合遺伝子陽性のヒト非小細胞肺癌由来NCI-H2228細胞株の細胞増殖を抑制した11)。また、アレクチニブは、NCI-H2228細胞株を皮下移植した重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した19)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アレクチニブ塩酸塩

一般的名称 アレクチニブ塩酸塩
一般的名称(欧名) Alectinib Hydrochloride
化学名 9-Ethyl-6,6-dimethyl-8-[4-(morpholin-4-yl)piperidin-1-yl]-11-oxo-6,11-dihydro-5H-benzo[b]carbazole-3-carbonitrile monohydrochloride
分子式 C30H34N4O2・HCl
分子量 519.08
融点 約302℃(分解)
物理化学的性状 白色〜黄赤みの白色の粉末又は塊のある粉末である。2,2,2-トリフルオロエタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水、アセトニトリル及びアセトンにはほとんど溶けない。
KEGG DRUG D10450

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

28カプセル(PTP14カプセル×2)

23. 主要文献

  1. 遺伝毒性試験(2014年7月4日承認、CTD 2.6.6.4)
  2. 反復投与毒性試験(2014年7月4日承認、CTD 2.6.6.3)
  3. Hida T,et al., Cancer Sci., 107, 1642-6, (2016) »PubMed »J-STAGE
  4. AF-001JP試験の薬物動態の成績(2014年7月4日承認、CTD 2.7.2.2.2.1)
  5. 食事の影響(2014年7月4日承認、CTD 2.7.1.2.1)
  6. Marcos PN,et al., Xenobiotica., 47, 217-29, (2017) »PubMed
  7. In vitro血漿蛋白結合(2014年7月4日承認、CTD 2.7.2.2.1.1)
  8. In vitro血球移行(2014年7月4日承認、CTD 2.7.2.2.1.2)
  9. 組織分布(2014年7月4日承認、CTD 2.6.4.4.1)
  10. ヒト推定代謝経路(2014年7月4日承認、CTD 2.7.2.2.1.3)
  11. ヒト主要代謝物のALKに対する阻害活性(2014年7月4日承認、CTD 2.6.2.2.3)
  12. Morcos PN,et al., J Clin Pharmacol., 58, 1618-28, (2018) »PubMed »J-STAGE
  13. ALC-ALCL試験の薬物動態の成績(2020年2月21日承認、CTD 2.7.2.2.2)
  14. Morcos PN,et al., Clin Pharmacol Drug Dev., 6, 280-91, (2017) »PubMed »J-STAGE
  15. Morcos PN,et al., Clin Pharmacol Drug Dev., 6, 388-97, (2017) »PubMed »J-STAGE
  16. Seto T,et al., Lancet Oncol., 14, 590-8, (2013) »PubMed »J-STAGE
  17. Hida T,et al., Lancet., 390, 29-39, (2017) »PubMed »J-STAGE
  18. ALC-ALCL試験の有効性の成績(2020年2月21日承認、CTD 2.5.4.3)
  19. Sakamoto H,et al., Cancer Cell., 19, 679-90, (2011) »PubMed »J-STAGE

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
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26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
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東京都中央区日本橋室町2-1-1

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2022/11/24 版