医療用医薬品 : イフェクサー |
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総称名 | イフェクサー |
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一般名 | ベンラファキシン塩酸塩 |
欧文一般名 | Venlafaxine Hydrochloride |
製剤名 | ベンラファキシン塩酸塩徐放性カプセル |
薬効分類名 | セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 |
薬効分類番号 | 1179 |
ATCコード | N06AX16 |
KEGG DRUG |
D00821
ベンラファキシン塩酸塩
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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イフェクサーSRカプセル37.5mg | EFFEXOR SR CAPSULES | ヴィアトリス製薬 | 1179055N1021 | 114.5円/カプセル | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
イフェクサーSRカプセル75mg | EFFEXOR SR CAPSULES | ヴィアトリス製薬 | 1179055N2028 | 189.9円/カプセル | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 セレギリン塩酸塩(エフピー) ラサギリンメシル酸塩(アジレクト) サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ) [2.2参照] | 本剤又は他の抗うつ剤で、併用により発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合は14日間以上、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合は7日間以上の間隔をおくこと。 | 主にMAO阻害剤による神経外アミン総量の増加及び抗うつ剤によるモノアミン作動性神経終末におけるアミン再取り込み阻害によると考えられる。 |
アルコール(飲酒) | 本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。 | 本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。 |
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) [11.1.1参照] | セロトニン症候群があらわれるおそれがある。 | 左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。 |
セロトニン作用薬 炭酸リチウム、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)及び選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、トラマドール塩酸塩含有製剤、メサドン塩酸塩、ペンタゾシン含有製剤、ペチジン塩酸塩含有製剤、タペンタドール塩酸塩、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤、フェンタニル含有製剤、トリプタン系薬剤、L-トリプトファン含有製剤、リネゾリド等 [11.1.1参照] | 相互にセロトニン作用を増強することにより、セロトニン症候群等があらわれるおそれがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、相互にセロトニン作用が増強することがある。 |
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 [11.1.1参照] | 相互にセロトニン作用を増強することにより、セロトニン症候群等があらわれるおそれがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、相互にセロトニン作用が増強することがある。 |
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 [11.1.1参照] | 本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。 | セイヨウオトギリソウが本剤の代謝酵素(CYP3A4)を誘導すると考えられる。 |
アドレナリン、ノルアドレナリン | これらの薬剤(特に注射剤)との併用により、心血管作用(血圧上昇等)が増強することがあるので、本剤及びこれらの薬剤の用量を減量するなど注意して投与すること。 | 本剤はノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、アドレナリン作用が増強することがある。 |
出血傾向が増強する薬剤 アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤、ワルファリン等の抗凝固剤 [9.1.9参照] | 出血傾向が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。 | SNRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。 |
ハロペリドール [16.7.1参照] | ハロペリドールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | 機序不明 |
イミプラミン塩酸塩 [16.7.3参照] | イミプラミンの活性代謝物の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | 機序不明 |
シメチジン [16.7.5参照] | 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、注意して投与すること。 | シメチジンの薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6)阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
CYP3A4阻害剤 ケトコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル等 [16.7.4参照] | 本剤及びO-脱メチル体の血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | CYP3A4阻害剤であるケトコナゾール(経口剤)の併用による本剤の副代謝経路の阻害が報告されている。 |
メトプロロール酒石酸塩 [16.7.6参照] | メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | 機序不明 |
メトプロロール酒石酸塩 [16.7.6参照] | メトプロロールの降圧作用が減弱するおそれがあるので注意して投与すること。 | 本剤のノルアドレナリン再取り込み阻害作用によると考えられる。 |
インジナビル硫酸塩エタノール付加物 [16.7.8参照] | インジナビルの血中濃度が低下するおそれがあるので注意して投与すること。 | 機序不明 |
リスペリドン [16.7.7参照] | リスペリドンの血中濃度が上昇するおそれがあるので注意して投与すること。 | 本剤の薬物代謝酵素(CYP2D6)の阻害作用により、リスペリドンの代謝が阻害され、血中濃度が上昇すると考えられる。 |
QT延長を起こすことが知られている薬剤 [9.1.8、11.1.4参照] | QT延長を起こすおそれがある。 | 併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。 |
5%以上 | 1〜5% | 1%未満 | 頻度不明 | |
過敏症 | 発疹、そう痒症 | じん麻疹 | 血管浮腫、光線過敏性反応 | |
精神神経系 | 傾眠(26.9%)、浮動性めまい(24.4%)、頭痛(19.3%)、不眠症(16.0%) | 易刺激性、異常感覚(錯感覚、感覚鈍麻等)、筋緊張亢進(筋骨格硬直、筋痙縮等)、振戦 | 躁病、激越、落ち着きのなさ、幻覚、せん妄、異常な夢(悪夢等)、無感情、失神、味覚異常、リビドー減退、アカシジア、ジスキネジー、ミオクローヌス | 錯乱状態、神経過敏、鎮静、離人症、錐体外路障害(ジストニーを含む)、協調運動障害、平衡障害 |
消化器 | 悪心(33.5%)、腹部不快感(腹痛、膨満、便秘等)(27.2%)、口内乾燥(24.3%)、嘔吐、下痢 | 食欲減退 | 膵炎、歯ぎしり | |
感覚器 | 調節障害 | 耳鳴、視覚障害 | 散瞳、閉塞隅角緑内障 | |
循環器 | 動悸(13.2%) | 血圧上昇、頻脈 | 血圧低下、起立性低血圧 | |
血液 | 異常出血(斑状出血、粘膜出血、胃腸出血等) | 出血時間延長 | ||
肝臓 | 肝機能検査値異常(ALT・AST・γ-GTP・LDH・Al-P・血中ビリルビンの上昇等)(10.0%) | 肝炎 | ||
泌尿器・生殖器 | 排尿困難 | 頻尿 | 月経障害、射精障害、勃起不全 | 尿失禁、オルガズム障害、無オルガズム症 |
代謝・内分泌 | 血中コレステロール増加 | 低ナトリウム血症 | 血中プロラクチン増加 | |
その他 | 体重減少、発汗(寝汗等)、無力症(疲労、倦怠感等) | ほてり、体重増加 | あくび、悪寒、呼吸困難、脱毛症、骨折 |
投与量(mg) | 測定物質 | Cmax(ng/mL) | t1/2(h) | AUC0-∞(ng・h/mL) |
37.5 | 未変化体 | 12±7 | 9.3±3.3 | 206±178 |
ODVa) | 54±6 | 11.8±3.2 | 1316±311 | |
75 | 未変化体 | 33±15 | 7.9±2.3 | 505±257 |
ODVa) | 98±19 | 12.3±2.1 | 2462±391 | |
150 | 未変化体 | 89±65 | 9.7±2.5 | 1830±1753 |
ODVa) | 176±42 | 11.1±2.7 | 4598±995 | |
225 | 未変化体 | 101±20 | 7.6±1.6 | 1471±238 |
ODVa) | 322±22 | 11.7±1.1 | 8254±547 |
投与量(mg) | 測定物質 | Cmax(ng/mL) | AUC0-24h(ng・h/mL) | ||
1日目 | 7日目 | 1日目 | 7日目 | ||
75 | 未変化体 | 38±20 | 46±24 | 485±321 | 630±403 |
ODVb) | 104±20 | 149±26 | 1732±272 | 2697±430 | |
150 | 未変化体 | 108±58 | 143±90 | 1521±1021 | 2186±1680 |
ODVb) | 196±64 | 276±87 | 3316±1056 | 5237±1728 |
対象 | 例数 | 測定物質 | AUC0-∞(ng・h/mL) | CL/Fc)(L/h/kg) | CLr(mL/h/kg) |
健康成人 | 18 | 未変化体 | 494±483 | 2.1±1.4 | 73±37 |
ODV | 2044±880 | 0.36±0.15 | 96±36 | ||
軽度腎障害 | 6 | 未変化体 | 458±244 | 2.1±1.8 | 36±12 |
ODV | 2821±886 | 0.26±0.07 | 65±26 | ||
中等度腎障害 | 5 | 未変化体 | 844±839 | 1.3±0.6 | 37±16 |
ODV | 2047±1045 | 0.46±0.25 | 46±17 |
対象 | 例数 | 投与量(mg) | 測定物質 | AUC0-∞(ng・h/mL) | CL/Fd)(L/h/kg) |
健康成人 | 20 | 75 | 未変化体 | 769±763 | 2.25±1.75 |
ODV | 2861±1039 | 0.46±0.53 | |||
Child-PughA | 8 | 37.5 | 未変化体 | 1823±1265e) | 0.90±0.83 |
ODV | 4231±2289e) | 0.28±0.09 | |||
Child-PughB | 11 | 37.5 | 未変化体 | 2407±1874e) | 0.62±0.55 |
ODV | 2651±977e) | 0.94±2.10 |
CYP2D6表現型 | 例数 | 測定物質 | Cmax(ng/mL) | t1/2(h) | AUC0-∞(ng・h/mL) |
EM | 7 | 未変化体 | 40±14 | 10.9±2.4 | 591±246 |
ODV | 104±27 | 13.6±3.2 | 3078±838 | ||
PM | 6 | 未変化体 | 99±11 | 12.7±1.8 | 2548±451 |
ODV | 23±12 | 14.4±3.6 | 844±329 |
投与群 | 例数 | HAM-D17合計点の平均値(標準偏差) | プラセボ群との対比較a) | |||
ベースライン | 最終評価時 | ベースラインからの変化量 | 群間差[95%信頼区間] | p値 | ||
プラセボ群 | 184 | 22.4(4.10) | 13.2(6.73) | −9.2(6.78) | − | − |
75mg/日群 | 174 | 22.6(4.05) | 11.8(7.20) | −10.8(7.26) | 1.50[0.14,2.87] | 0.031 |
75〜225mg/日群 | 177 | 22.3(4.00) | 12.0(6.69) | −10.3(6.55) | 1.12[−0.24,2.48] | 0.106 |
評価時期 | 例数 | HAM-D17合計点 | ベースラインからの変化量 |
ベースライン | 50 | 12.0(6.10) | − |
8週 | 48 | 8.4(4.59) | −3.88(4.61) |
24週 | 44 | 6.8(5.46) | −5.68(5.08) |
44週 | 40 | 5.7(6.00) | −7.08(5.98) |
評価時期 | 例数 | HAM-D17合計点 | ベースラインからの変化量 |
ベースライン | 247 | 10.0(6.09) | − |
8週 | 238 | 7.4(5.79) | −2.60(5.56) |
26週 | 201 | 6.7(5.65) | −3.44(5.64) |
52週 | 167 | 5.0(4.98) | −5.40(5.54) |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/11/22 版 |