医療用医薬品 : ニトログリセリン

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医薬品情報


総称名 ニトログリセリン
一般名 ニトログリセリン
欧文一般名 Nitroglycerin
薬効分類名 ニトログリセリン シリンジ製剤
薬効分類番号 2149 2171
ATCコード C01DA02 C05AE01
KEGG DRUG D00515 ニトログリセリン
商品一覧 商品一覧(他薬効を含む) 米国の商品 相互作用情報
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年2月 改訂(取扱い上の注意の改訂等) (第3版)


禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 その他の説明 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニトログリセリン静注25mg/50mLシリンジ「TE」 (後発品) Nitroglycerin inj.25mg/50mL syringe「TE」 トーアエイヨー 2171403G1032 1316円/筒 劇薬 , 処方箋医薬品

禁忌

次の患者には投与しないこと

硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]

高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者[本剤とこれらの薬剤との併用により降圧作用が増強され、過度に血圧を低下させることがある。「相互作用」の項参照]

効能・効果及び用法・用量

効能効果

手術時の低血圧維持

手術時の異常高血圧の救急処置

急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)

不安定狭心症

用法用量

本剤は、注射液そのまま、又は生理食塩液、5%ブドウ糖注射液、乳酸リンゲル液等で希釈し、ニトログリセリンとして0.005〜0.05%(1mL当たり50〜500μg)溶液を点滴静注する。

本剤は、通常1分間に体重1kg当たりニトログリセリンとして、効能・効果ごとに下記に基づき投与する。

効能・効果用法・用量
手術時の低血圧維持1〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
手術時の異常高血圧の救急処置0.5〜5μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的値まで血圧を下げ、以後血圧をモニターしながら点滴速度を調節する。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)0.05〜0.1μg/kg/分の投与量で投与を開始し、目的とする血行動態を得るまで血圧、左心室充満圧などの循環動態をモニターしながら5〜15分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し、最適点滴速度で維持する。
不安定狭心症0.1〜0.2μg/kg/分の投与量で投与を開始し、発作の経過及び血圧をモニターしながら約5分ごとに0.1〜0.2μg/kg/分ずつ増量し、1〜2μg/kg/分で維持する。効果がみられない場合には20〜40μg/kgの静注を1時間ごとに併用する。なお、静注する場合は1〜3分かけて緩徐に投与する。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤は塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セットに吸着されるので、本剤点滴時にはガラス製、ポリエチレン製又はポリプロピレン製の輸液容器を使用すること。また、輸液セットへの吸着は点滴速度が遅い程及び輸液セットの長さが長くなる程吸着率が大きくなるので注意すること。[「適用上の注意」の項(1)参照]

用法及び用量のうち急性心不全及び不安定狭心症については吸着のない輸液セットを使用した場合の用法及び用量であり、従って塩化ビニル製の輸液セットを用いる場合には多量を要することがあるので注意すること。

使用上の注意

慎重投与

新生児及び乳幼児[「小児等への投与」の項参照]

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

メトヘモグロビン血症の患者[メトヘモグロビン血症をさらに悪化させるおそれがある。]

頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]

著しく血圧の低い患者[血圧低下をさらに悪化させるおそれがあるので、必要ならばドパミン塩酸塩等の昇圧剤を併用すること。]

肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]

重要な基本的注意

本剤の作用には個人差がみられるので、本剤投与中は必ず並行して血圧のモニターを行うこと。急性心不全に対して本剤を用いる場合にはSwan-Ganzカテーテル等を使用し、肺動脈拡張期圧、肺動脈楔入圧等の血行動態をモニターしながら投与すること。また、循環機能検査、動脈血検査、尿量の検査をあわせて行うなど、患者の全身状態を十分に管理しながら投与すること。

本剤の過剰投与により血圧が低下し過ぎた場合には投与を中止すること。また、速やかに血圧を回復させたい場合には昇圧剤を投与すること。

手術後は、患者の血圧が完全に回復するまで管理を行うこと。

本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。

相互作用

併用禁忌

ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
併用により、降圧作用を増強することがある。本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。

併用注意

パンクロニウムパンクロニウムの神経筋遮断効果を延長することがある。機序不明
利尿剤
他の血管拡張剤
血圧低下が増強されることがある。ともに血圧低下作用を有する。
ヘパリンヘパリンの作用を減弱するとの報告がある。機序不明

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

急激な血圧低下、心拍出量低下等(頻度不明)

急激な血圧低下、心拍出量低下、心拍数増加、投与終了後の遷延性血圧低下、リバウンド現象等があらわれることがある。このような副作用があらわれた場合には投与を中止すること。また、速やかに血圧を回復させたい場合には、ドパミン塩酸塩等の昇圧剤を投与すること。

その他の副作用

 頻度不明
循環器頻脈注)、不整脈
血液メトヘモグロビン血症
呼吸器PaO2(動脈血酸素分圧)低下
精神神経系頭痛・頭重感
消化器悪心・嘔吐
その他乏尿、代謝性アシドーシス、脳浮腫、胸部不快感、倦怠感、口内乾燥感、あくび
注)頻脈は若年者で発現しやすい。

高齢者への投与

本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では一般に肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、血圧低下等が発現するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

授乳中の婦人には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

新生児及び乳幼児には慎重に投与すること。[メトヘモグロビン還元酵素活性が低いので、メトヘモグロビン血症を起こしやすい。]

適用上の注意

輸液容器・輸液セット等への吸着

ニトログリセリンは、一般的に使用されている塩化ビニル製の輸液容器及び輸液セット等に吸着し、投与量が正確に静脈内に投与されない。吸着率は点滴速度が遅く、投与セットが長い程高くなる。ニトログリセリン濃度は、吸着率の変化に影響を与えない。点滴速度による影響は図のとおりで塩化ビニル管120cmでは点滴速度150mL/h(2.5mL/min)以上であれば投与量の80%以上が静脈内に注入される。1)また、塩化ビニル管の長さが長くなる程吸着率は高くなるので、本剤の使用にあたっては点滴速度、塩化ビニル管の長さに十分注意すること。

点滴速度によるニトログリセリン残存率への影響

測定条件:室温

塩化ビニル管の長さ:120cm

本剤希釈時

本剤をpH10以上のアルカリ性溶液あるいは還元物質(アスコルビン酸など)を含む溶液で希釈すると、速やかにニトログリセリン含量が低下するので、このような溶液で希釈しないよう注意すること。

投与方法(シリンジポンプ使用時)

本剤をシリンジポンプにセットする際には、本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認すること。

薬効薬理

ニトロ化合物は、代謝を受けたり非酵素的に分解されたりして、分子内から一酸化窒素(NO)を遊離する。NOは血管平滑筋の細胞質に存在する可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化することによって細胞内のサイクリックGMP(cGMP)を増加させる。これによりcGMP依存性プロテインキナーゼが活性化され、細胞内の多くのタンパク質がリン酸化されたり脱リン酸化されたりするが、それらの総合的結果として血管平滑筋の弛緩がもたらされる。ニトロ化合物による血管弛緩作用は静脈に対しても強く働き心臓への静脈還流量が減少するので心臓に対する前負荷が軽減される。動脈拡張に基づく後負荷軽減作用も現す。また、主として太い冠動脈を拡張させるので、側副血行路を流れる血流が増加し、虚血部への酸素供給が増加する。2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名ニトログリセリン
一般名(欧名)Nitroglycerin
化学名Glyceryl trinitrate又は1,2,3-Propanetriol trinitrate
分子式C3H5N3O9
分子量227.09
性状ニトログリセリンは、常温では無色澄明の粘稠性の液体で、味は甘く灼熱感があり、衝撃により爆発する。
KEGG DRUGD00515

取扱い上の注意

本剤は皮膚につけると、動悸、頭痛が起こる場合があるので、直ちに水で洗い流すこと。

<使用前の注意>

本シリンジの使用にあたっては、適合するシリンジポンプを使用すること。

バレル内壁に気泡が付着することがあるため、また、シリンジが破損するおそれがあるため、強い衝撃を避けること。

外袋は使用直前まで開封しないこと。

薬液が漏れている場合や、薬液に着色や混濁等の異常が認められた場合には使用しないこと。

シリンジに破損等の異常が認められるときは使用しないこと。

シリンジ先端のトップキャップを外す際、薬液が飛び散る可能性があるので注意すること。また、トップキャップを外した後、シリンジ先端部に触れないこと。

<投与時の注意>

バレルを強く握らないこと。[液漏れする可能性がある。]

プランジャーを回転させて、ガスケットにしっかりと接続すること。[使用中にプランジャーが外れた場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。また、プランジャーの接続が適切でない場合、ガスケットが歪み、液漏れや気泡混入のおそれがある。]

シリンジポンプにセットする前に、十分注意してバレル内のエアーを抜き取った後、シリンジ先端に、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックすること。[不十分な場合、接合部位のはずれ、接合部位からの液漏れや注入ライン内へのエアー混入が起こることがある。]

シリンジポンプの送り機構(スライダー)のフックに確実にセットすること。[正しくセットされていない場合、サイフォニング(自然落下による急速注入)や逆流が起こるおそれがある。]

シリンジポンプにセットした後、患者に静脈針を穿刺する前には、使用するシリンジポンプの指定する方法に従い、必ずプライミング(注入経路のエアー抜き等)を行うこと。

シリンジポンプと注入ライン先端(投与部位)の落差はできるだけ小さくすること。[高低差によるサイフォニング現象により、薬液の急速注入が起こることがある。また、落差と接合部の装着・ロックが不十分であることが重なると注入ライン内へのエアー混入が助長される可能性がある。]

投与中は注入ラインの破損、接合部の緩み及び薬液漏れ等について定期的に確認すること。

開封後の使用は一回限りとし、使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄すること。

シリンジ内に極端な陰圧がかかる状態で使用しないこと。[ガスケットからプランジャーが外れ、急速注入されることがある。]

シリンジの再滅菌・再使用はしないこと。

<安定性試験>

最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、60%RH、3年)の結果、ニトログリセリン静注25mg/50mLシリンジ「TE」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。3)

包装

ニトログリセリン静注25mg/50mLシリンジ「TE」 5本

その他の説明

【製品仕様(各部の名称)】

【操作方法】

<プランジャーの装着方法>

外袋を開封し、バレル及びプランジャーを取り出す。

バレルにプランジャーを接続する。

注意

プランジャーを回転させてガスケットにしっかり接続する。

<シリンジポンプを用いて投与する場合>

シリンジ先端のトップキャップを外す。

注意

薬液が飛び散る可能性があるので、注意する。

トップキャップを外した後、シリンジ先端部に触れないこと。

シリンジポンプにセットする前に、十分注意してバレル内のエアーを抜き取った後、シリンジ先端に、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックする。

シリンジポンプの取扱い説明書に従って投与する。

主要文献


1. トーアエイヨー社内資料:輸液セット吸着試験
2. 第十七改正日本薬局方解説書,  C-3747,  (2016)  廣川書店
3. トーアエイヨー社内資料:長期保存試験

作業情報


改訂履歴

2016年7月 改訂
2019年2月 改訂(取扱い上の注意の改訂等) (第3版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても、下記にご請求下さい。
トーアエイヨー株式会社
330-0834
さいたま市大宮区天沼町2−293−3

0120-387-999
048-648-1070

お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても、下記にご請求下さい。
トーアエイヨー株式会社
330-0834
さいたま市大宮区天沼町2-300
0120-387-999
048-648-1070

業態及び業者名等

製造販売
トーアエイヨー株式会社
福島県福島市飯坂町湯野字田中1番地

販売
アステラス製薬株式会社
東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/7/22 版