医療用医薬品 : ゾーフィゴ

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医薬品情報


総称名 ゾーフィゴ
一般名 塩化ラジウム(223Ra)
欧文一般名 Radium(<sup>223</sup>Ra)chloride
薬効分類名 放射性医薬品, 抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4291
ATCコード V10XX03
KEGG DRUG D10398 塩化ラジウム
商品一覧 米国の商品
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2018年10月 改訂 (第3版)


警告 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ゾーフィゴ静注 Xofigo バイエル薬品 4291432A1025 697614円/回分 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法及び放射線治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること.また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること.

効能・効果及び用法・用量

効能効果

骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌

効能効果に関連する使用上の注意

内臓転移のある前立腺癌における有効性及び安全性は確立していない.

「臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと.

用法用量

通常,成人には,1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで,緩徐に静脈内投与する.

用法用量に関連する使用上の注意

外科的又は内科的去勢術と併用しない場合の有効性及び安全性は確立していない.

副作用があらわれた場合は,重症度等に応じて以下の基準を考慮して,本剤の投与を延期又は中止すること.[「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照]

本剤の投与延期・中止の目安

副作用処置
グレード3以上の好中球減少,貧血,血小板減少グレード2以下に回復するまで投与を延期し,回復を確認後,投与を再開する.前回投与から6週間以内にグレード2以下に回復しない場合には,投与を中止する.
グレード3以上の下痢,悪心,嘔吐,便秘グレード2以下に回復するまで投与を延期し,回復を確認後,投与を再開する.
グレード4のその他の事象7日を超えて持続する場合は,投与を中止する.
グレードはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)v3.0に準じる.

使用上の注意

慎重投与

骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増強するおそれがある.「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照]

炎症性腸疾患(クローン病,潰瘍性大腸炎等)の患者[本剤の主な排泄経路は糞中であるため,症状を増悪させるおそれがある.]

重要な基本的注意

骨髄抑制があらわれることがあるので,本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い,患者の状態を十分に観察すること.異常が認められた場合には,本剤の投与延期又は中止等の適切な処置を行うこと.[「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重大な副作用」の項参照]

脊髄圧迫のある患者又は脊髄圧迫の可能性のある患者には,本剤投与前に適切な処置を行うこと.

本剤は放射性医薬品のため,本剤投与中及び投与後6ヵ月間は適切な避妊を行うよう指導すること.また,生殖可能な年齢の患者に投与する場合には,性腺に対する影響を考慮すること.

化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者において,アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロン併用投与時に本剤群ではプラセボ群と比較して,死亡率及び骨折の発現率が高い傾向が認められたことから,化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者に対する本剤とアビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾロンの併用投与は推奨されない.[「その他の注意」の項参照]

注1)Brief Pain Inventory-Short Form (BPI-SF)の項目の3(過去24時間で最悪の疼痛)のスコア(0〜10)が0(無症候性)又は1〜3(軽度症候性)

副作用

副作用発現状況の概要

骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相試験において,本剤が投与された49例中27例(55.1%)に副作用が認められた.主な副作用は,貧血15例(30.6%),リンパ球減少12例(24.5%),血小板減少6例(12.2%),下痢5例(10.2%),悪心5例(10.2%)等であった.(承認時)

骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国外第III相試験において,本剤が投与された600例中386例(64.3%)に副作用が認められた.主な副作用は,悪心125例(20.8%),貧血110例(18.3%),下痢100例(16.7%),骨痛95例(15.8%),疲労73例(12.2%)等であった.(承認時)

副作用の頻度は,骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相試験及び国外第III相試験の本剤群の集計に基づき記載した.

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

骨髄抑制

好中球減少(3.9%),血小板減少(7.4%),貧血(19.3%),白血球減少(3.2%),リンパ球減少(2.0%),汎血球減少(1.7%)等があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察し,異常が認められた場合には,本剤の投与延期又は中止等の適切な処置を行うこと.[「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重要な基本的注意」の項参照]

その他の副作用

 5%以上1〜5%未満1%未満
精神神経系 浮動性めまい,嗜眠,頭痛 
消化器悪心,下痢,嘔吐,食欲減退便秘,腹痛上腹部痛
呼吸器 呼吸困難咳嗽
肝臓  AST(GOT)上昇,γ-GTP上昇
筋・骨格系骨痛関節痛筋骨格痛
その他疲労発熱,体重減少,無力症,味覚異常,末梢性浮腫,脱水全身健康状態低下,倦怠感,尿路感染,注射部位反応,悪寒

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない.[使用経験がない.]

過量投与

臨床試験において,本剤を過量投与した症例は報告されていない.国外第I相臨床試験において,本剤単回投与の最高用量である276kBq/kgでは用量制限毒性は認められなかった.

本剤に特異的な解毒剤はない.過量投与の場合は血液毒性や胃腸障害が発現する可能性があるため,患者の状態を十分に観察し,症状に応じて一般的な対症療法を行うこと.

適用上の注意

投与速度

約1分間かけて緩徐に静脈内投与すること.

希釈又は他剤と混合しないこと.

バイアルは一回限りの使用とすること.

投与前に目視による確認を行い,注射液に変色や微粒子が認められる場合,容器に破損が認められる場合等,異常が認められる場合には使用しないこと.

投与前後に,静脈ラインを生理食塩液でフラッシュすること.

投与量は以下の式で算出する.

投与量(mL)=体重(kg)×用量(55kBq/kg)/減衰係数※×1,100kBq/mL

※:「有効成分に関する理化学的知見」の項参照

その他の注意

放射線曝露により,二次発癌や遺伝子異常のリスクが増加する可能性がある.

本剤は,医療法その他の放射線防護に関する法令,関連する告示及び通知(患者退出等を含む)等を遵守し,適正に使用すること.

化学療法未治療で無症候性又は軽度症候性注1)の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者を対象に,アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンとの併用で,本剤又はプラセボを投与する二重盲検無作為化国際共同第III相試験の結果,本剤群ではプラセボ群と比較して,死亡率(本剤群38.5%,プラセボ群35.5%)及び骨折の発現率(本剤群28.6%,プラセボ群11.4%)が高い傾向が認められた1)

注1)Brief Pain Inventory-Short Form (BPI-SF)の項目の3(過去24時間で最悪の疼痛)のスコア(0〜10)が0(無症候性)又は1〜3(軽度症候性)

薬物動態

血中濃度

日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg又は110kBq/kgを単回投与後,血中放射能濃度は速やかに減少した(各々N=3)2)

日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg又は110kBq/kgを単回投与後の血中放射能濃度推移(算術平均値±標準偏差)

日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg又は110kBq/kgを単回投与後の血中放射能の薬物動態学的パラメータ(幾何平均値/幾何CV%)

投与量55kBq/kg(N=3)110kBq/kg(N=3)
AUC(kBq・h/mL)0.674/13.90.812/21.2
Cmax(kBq/mL)0.323/35.60.425/28.3
t1/2(h)18.8/19.715.4/53.3

また,国外第I相試験において検討された用量範囲(51〜276kBq/kg)で薬物動態はおおむね線形性を示すと考えられた3).国外第I相試験の成績から反復投与による本薬の薬物動態への影響は認められず,蓄積性は臨床的に問題にならないと考えられた4).(注:承認用法・用量:1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで,緩徐に静脈内投与する.)

分布

本剤投与後,ラジウム223は主に骨及び骨転移部位に分布,又は腸管内に排出される.日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg及び110kBq/kgを単回投与後,骨への放射能の取り込みは投与2時間後までに最大となり,骨中放射能の投与放射能に対する割合の平均値は52%であった.腸管内放射能は投与6時間後に最大となり,投与放射能に対する割合の平均値は64%であった.心臓,肝臓,腎臓,膀胱,脾臓等の臓器への特異的な取り込みは認められなかった(N=6)2).(注:承認用法・用量:1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで,緩徐に静脈内投与する.)

代謝

ラジウム223は二価陽イオン(223Ra2+)の放射性同位元素であり,アクチニウム系列の壊変により消失し,代謝は受けない.

排泄

本剤投与後のラジウム223の主要排泄経路は糞中排泄である.日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kgを単回投与72時間後の累積糞中排泄率の平均値は56%,単回投与48時間後の累積尿中排泄率の平均値は1.5%であった(N=3).肝胆道系排泄は認められなかった.日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg及び110kBq/kgを単回投与7日後の全身放射能の残存率の平均値は22%であった(N=6)2).(注:承認用法・用量:1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで,緩徐に静脈内投与する.)

吸収線量

日本人去勢抵抗性前立腺癌患者に本剤55kBq/kg及び110kBq/kgを単回投与後の体内分布データから,MIRD法に基づき吸収線量を算出した(N=4).(注:承認用法・用量:1回55kBq/kgを4週間間隔で最大6回まで,緩徐に静脈内投与する.)

臓器・組織平均値(mGy/MBq)変動係数(%)
骨形成細胞76117
赤色骨髄91.617
大腸壁上部24.441
大腸壁下部18.844
全身14.020
小腸壁5.4234
腎臓2.0017
肝臓1.8717
膀胱壁1.5484
心臓壁0.95434
卵巣0.26936
胆嚢壁0.15135
子宮0.14433
胃壁0.0776 32
副腎0.0637 20
筋肉0.0606 25
膵臓0.0605 26
0.049817
脾臓0.0440 26
精巣0.033027
1.17
甲状腺0.0319 17
皮膚0.031321
胸腺0.0224 17
胸部0.0170 18
※:肺における吸収線量はモデルから推定した平均血中放射能濃度推移に基づき算出したため,変動係数については計算できない.

臨床成績

国内第II相試験5)

ドセタキセル水和物に不応又は不耐で,内臓転移がなく,症候性の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者※1を対象に,標準的治療※2との併用で,本剤55kBq/kgを4週間間隔で6回投与する非盲検非対照試験を実施した.本剤が投与された49例において,主要評価項目である投与開始後12週時点における総ALPのベースラインからの変化率の平均値(95%信頼区間)は−19.3(−28.0〜−10.7)%であった.

国外第III相試験6)

ドセタキセル水和物に不応又は不耐で,内臓転移がなく,症候性の骨転移のある去勢抵抗性前立腺癌患者※1を対象に,標準的治療※2との併用で,本剤55kBq/kg又はプラセボを4週間間隔で6回投与する二重盲検無作為化比較試験を実施した.主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析(本剤群541例,プラセボ群268例)において,プラセボ群と比較して本剤群で統計学的に有意なOSの延長が認められた〔中央値(95%信頼区間):本剤群14.0(12.0〜15.8)ヵ月,プラセボ群11.1(8.8〜12.9)ヵ月,ハザード比(95%信頼区間):0.681(0.542〜0.857),p=0.00096(層別log-rank検定),2010年10月14日データカットオフ〕.

全生存期間のKaplan-Meier曲線

※1:内臓転移又は短径3cmを超えるリンパ節腫脹のある患者,クローン病又は潰瘍性大腸炎の患者,半身外部放射線治療歴のある患者,切迫状態にある又は明らかな脊髄圧迫のある患者は除外した.

※2:局所的な外部放射線治療,鎮痛剤,コルチコステロイド製剤,LH-RHアゴニスト製剤,LH-RHアンタゴニスト製剤,抗アンドロゲン製剤,エストロゲン製剤,ビスホスホネート製剤,デノスマブ(遺伝子組換え)等.なお,デノスマブ(遺伝子組換え)は国内第II相試験でのみ併用が許容された.

薬効薬理

ラジウム223は,カルシウムに類似した性質を有しており,骨転移巣のように骨代謝が亢進している部位に集積し,高エネルギーのアルファ線を放出することにより,近接する腫瘍細胞等に対してDNA二重鎖切断等を誘発し,腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている7)8)9)

有効成分に関する理化学的知見

一般名塩化ラジウム(223Ra)
一般名(欧名)Radium(223Ra)chloride
化学名塩化ラジウム(223Ra)
分子式223RaCl2
分子量293.91
核物理学的特性放射性核種の特性(223Raとして)
物理的半減期:11.43日
アルファ線エネルギー:5.0〜7.5MeV(95.3%)
ベータ線エネルギー(平均):0.445MeV,0.492MeV(3.6%)
ガンマ線エネルギー:0.01〜1.27MeV(1.1%)
減衰表経過日数減衰係数−142.39−132.24−122.11−111.99−101.87−91.76−81.66−71.56−61.47−51.38−41.30−31.22−21.15−11.0801.0210.9620.9030.8540.8050.7560.7170.6780.6390.59100.56110.52120.49130.46140.44注)経過日数は,検定日の前(−)又は後の日数を示す.

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること.

包装

注射剤

6,160kBq 1バイアル

主要文献


1. バイエル薬品社内資料[アビラテロン酢酸エステル及びプレドニゾン(国内未承認)/プレドニゾロンとの併用に関する二重盲検無作為化国際共同第III相試験]
2. Zurth C,  バイエル薬品社内資料[去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第I相臨床試験],  (2015)
3. O'Bryan-Tear G,  バイエル薬品社内資料[骨転移を有する進行性がん患者を対象とした国外第I相臨床試験],  (2012)
4. O'Bryan-Tear G,  バイエル薬品社内資料[去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国外第I相臨床試験],  (2012)
5. Schwarzenberger P,  バイエル薬品社内資料[症候性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国内第II相臨床試験],  (2014)
6. Petrenciuc O,  バイエル薬品社内資料[症候性去勢抵抗性前立腺癌患者を対象とした国外第III相臨床試験],  (2015)
7. Bruland OS et al.,  Clin Cancer Res,  12,  6250s,  (2006) »PubMed »DOI
8. Kassis AI et al.,  J Nucl Med,  46,  4S,  (2005) »PubMed
9. Heier-Baardson H,  バイエル薬品社内資料[塩化ラジウム(223Ra)のDNA分子二重鎖切断誘発作用],  (2008)

作業情報


改訂履歴

2018年9月 改訂
2018年10月 改訂 (第3版)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
バイエル薬品株式会社
530-0001
大阪市北区梅田二丁目4番9号

お問い合わせ先

バイエル薬品株式会社
0120-106-398

業態及び業者名等

製造販売元(輸入)
バイエル薬品株式会社
大阪市北区梅田二丁目4番9号


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2021/4/20 版