2.1 本剤に対し過敏症の患者
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させる。]
2.3 本剤を投与中の患者には、ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤を投与しないこと[
10.1参照]
2.4 イソプレナリン等のカテコールアミン製剤を投与中の患者[
10.1参照]
2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[
9.5参照]
2.6 重篤な末梢血管病変(糖尿病性壊疽等)のある血液透析患者[症状が悪化するおそれがある。]
○
パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)におけるすくみ足、たちくらみの改善
○下記疾患における起立性低血圧、失神、たちくらみの改善
○起立性低血圧を伴う血液透析患者における下記症状の改善
<パーキンソン病の場合>
5.1 Yahr重症度分類でステージIIIと判定された患者への適用であること。
5.2 他剤の治療効果が不十分で、すくみ足又はたちくらみが認められる患者にのみ本剤の投与を考慮すること。
<血液透析患者の場合>
5.3 透析終了後の起立時に収縮期血圧が15mmHg以上低下する患者への適用であること。なお、本薬の作用機序は不明であり、治療後の血圧低下の減少度は個体内変動を超えるものではない。
<パーキンソン病の場合>
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量100mg、1日1回の経口投与より始め、隔日に100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
<シャイドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチーの場合>
通常成人に対し、ドロキシドパとして1日量200〜300mgを2〜3回に分けて経口投与より始め、数日から1週間毎に1日量100mgずつ増量、最適投与量を定め維持量とする(標準維持量は1日300〜600mg、1日3回分割投与)。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日900mgを超えないこととする。
<血液透析患者の場合>
通常成人に対し、ドロキシドパとして1回量200〜400mgを透析開始30分から1時間前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。1回量は400mgを超えないこととする。
<血液透析患者の場合>
1ヵ月間投与しても効果が認められない場合には、投与を中止すること。
<効能共通>
8.1 本剤の投与は、少量から開始し観察を十分に行い慎重に維持量まで増量すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤、昇圧剤の投与を中止する必要はない。
8.2 過度の昇圧反応を起こすことがあるので、過量投与にならないように注意すること。[
13.1参照]
<パーキンソン病の場合>
8.3 効果が認められない場合には、漫然と投与しないよう注意すること。
<血液透析患者の場合>
8.4 用法(透析開始30分から1時間前に経口投与)及び用量を遵守し、透析後の追加など過剰投与(過度の昇圧反応が見られることがある)にならないように十分注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 コカイン中毒の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。コカインは神経終末においてカテコールアミンの再取り込みを阻害するため、本剤の作用が増強するおそれがある。
9.1.2 心室性頻拍のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。症状が悪化するおそれがある。
9.1.3 高血圧の患者
9.1.4 動脈硬化症の患者
9.1.5 甲状腺機能亢進症の患者
9.1.6 心疾患のある患者
9.1.7 重篤な肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
9.1.8 慢性開放隅角緑内障の患者
9.1.9 糖尿病を合併した血液透析患者
糖尿病の程度(末梢循環、血圧、血糖管理などの状態や、血管合併症の程度など)に十分留意すること。重度の糖尿病を合併した血液透析患者では末梢循環障害を生じるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験で胎児の波状肋骨の増加が、また、他剤(
dl-ノルアドレナリン)で子宮血管の収縮により胎児が仮死状態となることが報告されている。[
2.5参照]
9.5.1 器官形成期投与試験
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、200mg/kg以上で胎児の体重低値及び波状肋骨の発現頻度の増加が認められたが、生後に修復する程度のものであった
1)。
9.5.2 周産期・授乳期投与試験
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、600mg/kgで妊娠期間の短縮が認められた
1)。
9.5.3 胎児への移行
妊娠20日目のラットに
14C-ドロキシドパを10mg/kg1回経口投与した場合、投与後1時間目の胎児の脳、肝臓、腎臓及び血清中の
14C放射活性は母体と同じか少し低いレベルであった
2)。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験で乳汁中への移行が、また、母獣への授乳期投与において児の発育抑制が報告されている。
9.6.1 周産期・授乳期投与試験
SD系ラットに60、200、600mg/kg/日連続経口投与した実験で、60mg/kg以上で出生児の生後発育の抑制が認められた
1)。
9.6.2 乳汁中への移行
授乳中の母ラットに
14C-ドロキシドパを10mg/kg1回経口投与した場合、乳汁中に
14Cの移行が認められた
2)。
9.7 小児等
9.8 高齢者
過量投与にならないように注意すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CKの上昇等があらわれることがあるので、このような場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと。
11.1.2 白血球減少、無顆粒球症、好中球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 1%以上 | 0.3〜1%未満 | 0.3%未満 | 頻度不明 |
| 精神神経系 | 幻覚、頭痛・頭重感(3.4%)、めまい | 妄想、神経過敏(いらいら感、焦燥感、興奮等)、不安、抑うつ、不眠、不随意運動、頭がぼーっとする | 精神症状の増悪、悪夢、感情失禁、パーキンソン症状の増悪、知覚異常、振戦、固縮、すくみ、言語障害の悪化、眠気 | 夜間せん妄、健忘 |
| 消化器 | 悪心、食欲不振、胃痛(胃部不快感等) | 嘔吐、口渇、腹痛、消化不良(胸やけ等)、便秘、下痢、流涎 | 腹部膨満感、舌のあれ | |
| 循環器 | 血圧上昇(2.2%)、動悸 | 胸痛(胸部不快感、胸部絞扼感等) | 不整脈、チアノーゼ、四肢冷感 | 狭心症 |
| 肝臓 | | AST、ALTの上昇 | ALP、LDHの上昇 | |
| 過敏症 | | 発疹 | そう痒 | |
| 眼 | | | 羞明 | |
| 泌尿器 | | | 頻尿、尿失禁、尿閉 | |
| その他 | | 倦怠感、ほてり(顔面潮紅等) | 浮腫、眼瞼浮腫、脱力感、発熱、両手の痛み、肩こり | のぼせ、発汗、CK上昇 |
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<パーキンソン病(Yahr重症度ステージIII)>
17.1.1 国内臨床試験
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、すくみ足、たちくらみを指標とした臨床改善度は29.4%(15/51)であった。また、上記二重盲検比較試験を含む臨床試験において、すくみ足、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上31.6%(61/193)であった
9)10)。
<シャイドレーガー症候群>
17.1.2 国内臨床試験
プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験において、起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上40.9%(9/22)であった
11)。また、上記二重盲検比較試験を含む臨床試験において、起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上32.4%(22/68)であった。
<家族性アミロイドポリニューロパチー>
17.1.3 国内臨床試験
起立性低血圧、失神、たちくらみを指標とした臨床改善度は、中等度改善以上37.9%(11/29)であった
12)。
<血液透析患者>
17.1.4 国内後期第II相試験
起立性低血圧症状を伴う透析患者152例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤200mg、400mg又はプラセボを透析開始約30分前(週3回)に4週間投与したとき、起立性低血圧を指標とした臨床改善度(中等度改善以上)は、プラセボ群12.8%(6/47)、本剤200mg群43.5%(20/46)、本剤400mg群60.4%(29/48)であった。本剤投与群の副作用発現頻度は200mg群で4.1%(2/49例)、400mg群で5.9%(3/51例)であり、両群いずれにも発現した副作用は、頭重感、血圧上昇2.0%(各群1例)であった
13)。
17.1.5 国内第III相試験
起立性低血圧症状を伴う透析患者107例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤400mg又はプラセボを透析開始約30分前(週3回)に4週間投与したとき、起立性低血圧を指標とした臨床改善度(中等度改善以上)は、プラセボ群14.6%(6/41)、本剤400mg群53.3%(24/45)であった。本剤400mg投与群の副作用発現頻度は5.8%(3/52例)であり、2例以上発現した副作用は嘔気3.8%(2例)、倦怠感3.8%(2例)であった
14)。
17.1.6 国内第III相試験(長期投与試験)
起立性低血圧症状を伴う透析患者76例を対象とした長期投与試験において、本剤200mg〜400mgを透析開始約30分前(週3回)に6ヵ月以上(最長1年間)投与したとき、起立性低血圧を指標とした最終臨床改善度(中等度改善以上)は、48.4%(31/64)であった。副作用発現頻度は12.2%(9/74例)であり、主な副作用は血圧上昇5.4%(4例)、頭痛2.7%(2例)等であった
15)。