1〜3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注1)646例(日本人患者60例を含む)を対象とし,本剤
注2)及びレナリドミド
注3)+デキサメタゾン
注4)(E-Ld群)とレナリドミド
注3)+デキサメタゾン
注4)(Ld群)との有効性及び安全性を比較検討する,ランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)及び奏効割合[修正EBMT(欧州血液骨髄移植グループ)基準により部分奏効以上の効果を示した患者の割合]であり,独立評価委員会による評価を行った。その結果,PFSの中央値は,E-Ld群で19.4ヵ月,Ld群で14.9ヵ月であり,E-Ld群はLd群に比べてPFSが有意に延長した[ハザード比0.70,97.61%信頼区間:0.55,0.88,層別log-rank検定p=0.0004(有意水準0.0239)]。奏効割合は,E-Ld群で78.5%(252/321例,95%信頼区間:73.6,82.9),Ld群で65.5%(213/325例,95%信頼区間:60.1,70.7)であり,E-Ld群はLd群に比べて奏効割合が有意に改善した[共通オッズ比1.94(99.5%信頼区間:1.17,3.23),Cochran-Mantel-Haenszel検定p=0.0002(有意水準0.005)]
3)。(2014年10月29日データカットオフ)
また,副次評価項目である全生存期間(OS)の中間解析の結果,OSの中央値はE-Ld群で43.7ヵ月(95%信頼区間:40.3,推定不可),Ld群で39.6ヵ月(95%信頼区間:33.3,推定不可)であり,統計学的に有意な延長は認められていない[ハザード比:0.77,98.6%信頼区間:0.58,1.03,層別log-rank検定p=0.0257(有意水準=0.014)]。(2015年10月29日データカットオフ)
図1:CA204004試験での無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
注1)レナリドミドの前治療歴を有する場合は,次の条件を満たす患者を対象とした。[1]最良総合効果が部分奏効以上であること,[2]レナリドミドと関連のあるGrade 3以上の有害事象によって投与中止となっていないこと,[3]レナリドミドの投与サイクル数が9サイクル以下,かつレナリドミド投与中又は投与終了後9ヵ月以内に疾患進行がないこと。
注2)本剤の用法及び用量
28日間を1サイクルとし,1回10mg/kgを,最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15及び22日目),3サイクル以降は2週間間隔で2回(1及び15日目)静脈内投与する。
注3)レナリドミドの用法及び用量
28日間を1サイクルとし,1日1回25mgを21日間経口投与した後,7日間休薬する。
注4)デキサメタゾンの用法及び用量
E-Ld群では,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは分割投与(28mgの経口投与と8mgの静脈内投与)を1,8,15及び22日目(本剤投与日)に行う。3サイクル以降は,分割投与を1及び15日目(本剤投与日)に行い,1日1回40mgを8及び22日目に経口投与する。
Ld群では,28日間を1サイクルとし,1日1回40mgを1,8,15及び22日目に経口投与する。
副作用発現頻度は,E-Ld群で92.1%(293/318例)であった。主な副作用は,疲労28.9%(92/318例),好中球減少28.3%(90/318例),血小板減少20.8%(66/318例),下痢18.6%(59/318例),筋痙縮16.4%(52/318例),不眠症16.0%(51/318例),貧血15.1%(48/318例),便秘14.5%(46/318例),末梢性浮腫14.5%(46/318例),高血糖13.8%(44/318例),発熱12.6%(40/318例),悪心12.3%(39/318例),無力症11.6%(37/318例)であった。
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注5)117例(日本人患者20例を含む)を対象とし,本剤
注6)及びポマリドミド
注7)+デキサメタゾン
注8)(E-Pd群)とポマリドミド
注7)+デキサメタゾン
注8)(Pd群)との有効性及び安全性を比較検討する,ランダム化非盲検国際共同第2相試験を実施した。主要評価項目は治験責任医師の評価による無増悪生存期間(PFS)とした。その結果,PFSの中央値は,E-Pd群で10.25ヵ月,Pd群で4.67ヵ月であった[ハザード比:0.54,95%信頼区間:0.34,0.86,層別log-rank検定p=0.0078(有意水準0.2)]
4)。(2018年2月21日データカットオフ)
全生存期間(OS)の中間評価の結果では,OSの中央値はE-Pd群で未到達(95%信頼区間:24.94,推定不可),Pd群で17.41ヵ月(95%信頼区間:13.83,推定不可)であった(ハザード比:0.54,95%信頼区間:0.30,0.96)。(2018年11月29日データカットオフ)
図2:CA204125試験での無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
注5)次の[1]及び[2]の条件を満たす患者を対象とした。[1]直近の治療中又は治療後60日以内に疾患進行が認められた患者,[2]次のいずれかを満たす患者(i)レナリドミドとプロテアソーム阻害剤の併用療法による治療中又は治療後60日以内に疾患進行が認められた,(ii)レナリドミド若しくはプロテアソーム阻害剤の単独又は両薬剤の併用療法により少なくとも部分奏効を達成したものの,6カ月以内に疾患進行が認められた。
注6)本剤の用法及び用量
28日を1サイクルとし,1回10mg/kgを最初の2サイクルは1週間間隔で4回(1,8,15及び22日目),3サイクル以降は1回20mg/kgを1日目に静脈内投与する。
注7)ポマリドミドの用法及び用量
28日間を1サイクルとし,1日1回4mgを21日間経口投与した後,7日間休薬する。
注8)デキサメタゾンの用法及び用量
E-Pd群では,28日間を1サイクルとし,最初の2サイクルは分割投与(28mgの経口投与と8mgの静脈内投与。75歳を超える患者には8mgの経口投与と8mgの静脈内投与。)を1,8,15及び22日目(本剤投与日)に行う。3サイクル以降は,分割投与を1日目(本剤投与日)に行い,1日1回40mg(75歳を超える患者には20mg)を8,15及び22日目に経口投与する。
Pd群では,28日間を1サイクルとし,1日1回40mg(75歳を超える患者には20mg)を1,8,15及び22日目に経口投与する。
副作用発現頻度は,E-Pd群で78.3%(47/60例)であった。主な副作用は,好中球減少21.7%(13/60例),高血糖18.3%(11/60例),血小板減少13.3%(8/60例),発熱11.7%(7/60例),便秘11.7%(7/60例),不眠症11.7%(7/60例),疲労10.0%(6/60例),無力症10.0%(6/60例),貧血10.0%(6/60例),リンパ球減少10.0%(6/60例)であった。