医療用医薬品 : カーバグル

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医薬品情報


総称名 カーバグル
一般名 カルグルミン酸
欧文一般名 Carglumic Acid
製剤名 カルグルミン酸製剤
薬効分類名 高アンモニア血症治療剤
薬効分類番号 3999
ATCコード A16AA05
KEGG DRUG
D07130 カルグルミン酸
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2025年6月 改訂(第4版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
カーバグル分散錠200mg CARBAGLU dispersible tablets レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン 3999041X1026 16596.9円/錠 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

下記疾患による高アンモニア血症

5. 効能または効果に関連する注意

適切な食事指導を行った上で、本剤を投与すること。

6. 用法及び用量

通常、1日に体重kgあたり100mg〜250mgより開始し、1日2〜4回に分けて、用時、水に分散して経口投与する。その後は患者の状態に応じて適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 投与開始時及び投与中も定期的に、血中アンモニア濃度等の臨床検査値、臨床症状等を確認し、患者の状態に応じて投与量を決定すること。
7.2 食事による血中アンモニア濃度の上昇を抑制するため、可能な限り食前に投与することが望ましい。
7.3 風邪、過激な運動、食事又は便秘等により高アンモニア血症が悪化した場合は適宜増量すること。また、高アンモニア血症の急性増悪が認められた場合には他の治療法も検討すること。
7.4 中等度以上の腎機能障害患者では、開始用量を減量すること。中等度(30≦eGFR<60mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者では1日に体重kgあたり50mg〜125mg、重度(eGFR<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者では1日に体重kgあたり15mg〜40mgを目安に投与を開始することが望ましい。[9.2.116.6.1参照]
<イソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症による高アンモニア血症>
7.5 高アンモニア血症が間欠的に生じることから、投与中は定期的に血中アンモニア濃度等の臨床検査値、臨床症状等を確認し、継続投与の必要性を検討すること。[17.1.117.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度以上(eGFR<60mL/min/1.73m2)の腎機能障害患者
開始用量を減量すること。腎排泄の遅延により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[7.416.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に、生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 2%以上2%未満頻度不明
精神障害高揚状態注)  
神経系障害 神経系障害、味覚異常頭痛
皮膚および皮下組織障害 多汗症発疹
胃腸障害  下痢、嘔吐
一般・全身障害および投与部位の状態  発熱
心臓障害  徐脈
臨床検査  トランスアミナーゼ増加

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 外箱等で光を避けた状態で、ボトルごと交付すること。
14.1.2 以下の注意点を患者に指導すること。
(1)服用時
・本剤を噛み砕いたり、丸ごと飲み込んだりせず、水に分散させて服用すること。分散に際しては、水以外の液体は使用しないこと。
・コップや経口用シリンジ等の容器に本剤1錠あたり2.5mL以上の水を加え、静かに振盪して、速やかに分散させること。経口投与が困難な場合は経鼻胃管等による投与を考慮すること。
・分散後は速やかに服用すること。
・本剤は完全には水に溶けないことから、本剤が容器に残った場合は、再度水に分散させて服用すること。経鼻胃管等の場合は再度水で流して投与すること。
(2)保存時
・開封前は2〜8℃で冷蔵保存し、開封時には室温に戻してから使用すること。開封後はボトルの蓋をしっかりと閉め、湿気を避けて30℃以下の室温で保存すること。
・未使用の錠剤及び分割錠はボトルの中で保存すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験において、ヒトに1日250mg/kgを投与した場合の曝露量(AUC)の約1.7〜1.8倍以上の曝露量で、心臓における弁粘液腫様変化及び僧帽弁血栓症の発現頻度の増加及び増悪、血栓に起因する腎梗塞が認められたとの報告がある1)

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
外国人健康成人男性12例にカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった2)(外国人データ)。
外国人健康成人男性にカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC0-t(ng・h/mL)tmax(h)t1/2(h)Vd/F(L)CLr(mL/min)
2708±81821126±65803.00[2.00,4.00](*1)6.00±1.50(*2)2783±1107295±73
16.1.2 反復投与
日本人のイソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症及びプロピオン酸血症による高アンモニア血症患者(男性4例、6〜16歳)に本剤を反復経口投与したときの各被験者の血漿中未変化体濃度は、下表のとおりであった3)
日本人患者における血漿中未変化体濃度
病型1日用量(mg/kg)採血直前の用量(mg/kg)評価時期血漿中未変化体濃度(ng/mL)(*1)
イソ吉草酸血症11858.8投与1日目924
投与4日目1850
メチルマロン酸血症11538.5投与1日目2680
投与3日目5350
プロピオン酸血症10332.6投与1日目1940
投与5日目2900
プロピオン酸血症11036.6投与1日目1380
投与5日目2880
16.4 代謝
外国人健康成人男性3例に14C標識化したカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、主な代謝物は確認されなかった4)(外国人データ)。
カルグルミン酸はCYP1A1/2、2B6、3A4/5及び2Cに対して誘導作用を示さず、CYP1A2、2A6、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5に対して阻害作用を示さなかった5)in vitroデータ)。
16.5 排泄
外国人健康成人男性3例に14C標識化したカルグルミン酸100mg/kgを空腹時に単回経口投与したとき、大部分が未変化体として排泄され、投与168時間後までに投与量の約8%が尿中に、最大約60%が糞中に未変化体として排泄された。投与24時間後までの総放射能に対する呼気中累積排泄率は0.53〜3.8%であった4)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能正常者(eGFR≧90mL/min/1.73m2)、軽度(60≦eGFR<90mL/min/1.73m2)、中等度(30≦eGFR<60mL/min/1.73m2)及び重度(eGFR<30mL/min/1.73m2)の腎機能障害者にカルグルミン酸80mg/kg又は40mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは、下表のとおりであった6)(外国人データ)。[7.49.2.1参照]
腎機能正常者及び腎機能障害者にカルグルミン酸80mg/kg又は40mg/kgを空腹時に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ
腎機能正常軽度中等度正常重度
投与量80mg/kg40mg/kg
被験者数88888
t1/2β(h)28.3±5.035.3±9.545.5±7.028.3±4.759.6±19.5
Cmax(ng/mL)2983±5524310±19376129±18541890±9018377±3815
AUC0-t(ng・h/mL)28313±620439545±1210979766±1970820212±6186143075±55910
被験者数76887
CLr(L/h)16.41±3.8516.36±3.709.53±2.4919.32±3.763.45±1.12

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<イソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症による高アンモニア血症>
17.1.1 国内第III相試験
日本人のイソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症及びプロピオン酸血症による高アンモニア血症患者(男性4例、6〜16歳)に本剤を経口投与したときの各被験者の血中アンモニア濃度は下表のとおりであった。投与期間は原則として5日間とされたが、治験担当医師により継続投与が必要と判断された場合は2週間とされた3)
日本人患者における血中アンモニア濃度
病型イソ吉草酸血症メチルマロン酸血症プロピオン酸血症プロピオン酸血症
用法・用量118mg/kg/日,分2115mg/kg/日,分3103mg/kg/日,分3110mg/kg/日,分3
1回毎の用量(mg)1000,10001000,1000,10001600,1400,14001200,1200,1200
投与期間(日)4655
血中アンモニア濃度(μg/dL)
投与開始前184987454
投与1日目(*1)40709922
投与3〜5日目(*2)28516739
副作用発現頻度は25.0%(1/4例)であり、発現した副作用は高揚状態であった。[7.5参照]
17.1.2 海外レトロスペクティブ研究
外国人のイソ吉草酸血症、メチルマロン酸血症及びプロピオン酸血症による高アンモニア血症患者57例(男性27例、女性30例)において、67回の高アンモニア血症が発現した。カルグルミン酸投与開始時における年齢(中央値[最小値,最大値]、以下同様)は0[0,265]ヵ月、体重は3.3[1.9,75.3]kgであった。新生児は37例であった。
高アンモニア血症発現毎の1日用量、血中アンモニア濃度の推移は下表のとおりであった。なお、1回の高アンモニア血症に対する評価期間はカルグルミン酸の投与終了時又は最大投与15日目までとされ、評価期間は4.0[1,16]日間であった。16日間を超えて継続投与されたのは、67回の高アンモニア血症中3回であった7)
高アンモニア血症発現毎の1日用量及び血中アンモニア濃度の推移(全体(*1)
 1日用量(mg/kg)血中アンモニア濃度(μg/dL)
投与開始前387.0[136.8,2939.4](48回)
投与1日目105.3[17.9,909.1](67回)306.9[17.6,1098.9](32回)
投与2日目98.8[20.0,909.1](59回)170.1[39.6,747.9](44回)
投与3日目94.9[16.7,909.1](44回)115.4[43.2,332.1](32回)
投与4日目86.7[20.0,909.1](38回)80.1[26.1,236.7](22回)
最終評価時94.9[6.6,909.1](67回)93.6[27.0,284.4](48回)
病型別の高アンモニア血症発現毎の1日用量及び血中アンモニア濃度の推移
 イソ吉草酸血症(5例)メチルマロン酸血症(24例)プロピオン酸血症(27例)
年齢(月齢)0[0,45]0[0,118]7[0,265]
体重(kg)2.6[2.0,16.0]2.9[1.9,26.5]7.6[1.9,75.3]
評価期間(日)5[2,5]5[1,15]4[1,16]
1日用量(mg/kg)
投与1日目150.0[50.0,200.0](5回)117.6[17.9,259.3](28回)100.0[30.0,909.1](33回)
最終評価時150.0[25.0,355.8](5回)74.1[16.6,204.1](28回)100.0[6.6,909.1](33回)
血中アンモニア濃度(μg/dL)
投与開始前783.0[295.2,2939.4](4回)446.0[137.0,1562.4](25回)383.4[136.8,2160.0](19回)
最終評価時81.0[48.6,167.4](4回)104.4[77.4,171.0](25回)75.6[57.6,114.7](19回)
血中アンモニア濃度が60μmol/L(108μg/dL)以下に到達するまでの期間は、69%の患者で2日以内、81%の患者で3日以内であった。
副作用発現頻度は1.8%(1/57例)であり、発現した副作用は神経系障害であった。[7.5参照]
<N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症による高アンモニア血症>
17.1.3 海外レトロスペクティブ研究
外国人のN-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症患者23例(男児14例、女児9例)について、カルグルミン酸投与開始時において新生児は9例、2〜11ヵ月齢は9例、1〜13歳は5例、体重(中央値[最小値,最大値]、以下同様)は5.3[2.6,43.0]kgであった。1日用量、血中アンモニア濃度の推移は下表のとおりであり、最終評価時におけるカルグルミン酸の投与期間は95.1[7.4,248.5]ヵ月であった8)
1日用量及び血中アンモニア濃度の推移
 1日用量(mg/kg)血中アンモニア濃度(μg/dL)
投与開始前255.6[52.2,2570.4](20例)
投与1日目142.0[100,396](19例)
投与2日目140.0[59,325](7例)110.7[45.0,2142.0](14例)
投与3日目118.0[36,194](4例)97.2[19.8,459.0](11例)
投与4日目106.0[98,231](3例)53.1[21.6,223.2](6例)
最終評価時16.0[5,47](15例)45.0[12.6,754.2](21例)
副作用発現頻度は17.4%(4/23例)であり、主な副作用は味覚異常、多汗症であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
N-アセチルグルタミン酸合成酵素(NAGS)欠損症は、尿素サイクル異常症の一つであり、NAGS遺伝子変異による常染色体劣性遺伝疾患である。尿素サイクルの最初のステップを担うカルバミルリン酸合成酵素I(CPSI)の活性化に必要なN-アセチルグルタミン酸(NAG)を合成出来ないことにより、高アンモニア血症を呈する。
メチルマロン酸血症、プロピオン酸血症及びイソ吉草酸血症は、有機酸代謝異常症に分類されており、アミノ酸代謝経路の酵素欠損による常染色体劣性遺伝疾患である。蓄積した中間代謝物によりNAGSが阻害されることにより、タンパク異化ストレスを契機に間欠的に高アンモニア血症を呈する。
カルグルミン酸はNAGの構造類似体であり、NAGに代わってCPSIを活性化し、尿素サイクルを賦活化させることにより血中アンモニア濃度を低下させる。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カルグルミン酸

一般的名称 カルグルミン酸
一般的名称(欧名) Carglumic Acid
化学名 (2S)-2-(Carbamoylamino)pentanedioic acid
分子式 C6H10N2O5
分子量 190.15
融点 159〜163℃
物理化学的性状 白色の粉末又は無色の結晶である。本品は水にやや溶けにくく、有機溶媒にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D07130

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

22. 包装

5錠、60錠[バラ、乾燥剤入りポリプロピレン製キャップ並びにポリエチレン製ボトル]

23. 主要文献

  1. 社内資料:がん原性試験(2016年9月28日承認、CTD2.6.6.5)
  2. 社内資料:薬物動態試験(外国)(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.2)
  3. 社内資料:第III相臨床試験(国内)(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.5)
  4. 社内資料:マスバランス試験(外国)(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.3)
  5. 社内資料:薬物相互作用試験(2016年9月28日承認、CTD2.7.2.2.1)
  6. 社内資料:薬物動態試験(外国)(RCD-P0-027)
  7. 社内資料:レトロスペクティブ研究(外国:有機酸代謝異常症)(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.7)
  8. 社内資料:レトロスペクティブ研究(外国:N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症)(2016年9月28日承認、CTD2.7.6.6)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社 コンタクトセンター
〒107-0052 東京都港区赤坂4-8-18
電話:0120-108-100
製品情報問い合わせ先
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社 コンタクトセンター
〒107-0052 東京都港区赤坂4-8-18
電話:0120-108-100

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
レコルダティ・レア・ディジーズ・ジャパン株式会社
東京都港区赤坂4-8-18

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版