医療用医薬品 : アミヴィッド

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医薬品情報


総称名 アミヴィッド
欧文一般名 florbetapir(18F)
薬効分類名 放射性医薬品
アミロイドイメージング剤
薬効分類番号 4300
ATCコード V09AX05
KEGG DRUG
D09617 フロルベタピル
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年8月 改訂(効能変更)(第5版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アミヴィッド静注 AMYViD Injection PDRファーマ 4300453A1028 184203円/瓶 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化
○抗アミロイドベータ抗体薬投与後の脳内アミロイドベータプラークの可視化

5. 効能または効果に関連する注意

<アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化>
アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症前診断を目的として無症候者に対して本剤を用いたPET検査を実施しないこと。アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の発症予測に関する有用性は確立していない。

6. 用法及び用量

フロルベタピル(18F)として370MBqを静脈内投与し、投与30分後から50分後までに撮像を開始する。撮像時間は10分間とする。

8. 重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
8.2 本剤を用いて撮像した画像の読影は、本剤を用いたPET検査に関する読影訓練を受けた医師が行うこと。
<アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症が疑われる患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化>
8.3 アルツハイマー病による軽度認知障害又は認知症の診断は、軽度認知障害及び認知症に関する十分な知識と経験を有する医師が、本剤を用いたPET検査所見に加えて、他の関連する検査結果や臨床症状等に基づき総合的に判断すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 アルコールに対し強い反応を示す患者
本剤はエタノールを含有する。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。投与する場合は、本剤の体内動態を考慮し、投与後24時間は授乳を中止するよう指導すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
 0.1〜1%未満頻度不明
皮膚注射部位反応(刺激)、そう痒症注入部位発疹、注射部位反応(出血、疼痛)、蕁麻疹
循環器高血圧 
消化器悪心、便秘、血尿 
その他倦怠感、頭痛、味覚異常、潮紅、悪寒、冷感、四肢痛、頚部痛、嗅覚錯誤、不眠症 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
14.1.1 本剤の投与ルート内の残留を防ぐため、本剤の投与に引き続いて日局生理食塩液を急速静注すること。
14.1.2 本剤は、患者ごとに適切な投与量となるように製造された製剤であることから、本剤の取違え防止のため、投与にあたっては、本剤の製剤ラベルの表示を確認し、意図した患者へ確実に投与すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
遺伝毒性試験のうち、細菌を用いる復帰突然変異試験及びヒト末梢血リンパ球を用いる染色体異常試験において、陽性の結果が報告されている1)

16. 薬物動態

16.3 分布
16.3.1 フロルベタピル(18F)は投与後、短時間で急速に全身に分布することが示唆された。フロルベタピル(18F)は脳へ急速に取り込まれ、速やかに排出された。また、循環系からの速やかな消失と肝臓及び胆嚢への分布が認められた。被曝線量が最も高い臓器は胆嚢壁であった。[16.3.2参照]
16.3.2 吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。[16.3.1参照]
臓器吸収線量(mGy/370MBq)
平均標準偏差
副腎4.90.3
5.80.8
乳房2.80.3
胆嚢壁99.261.8
下部大腸壁6.00.7
小腸10.01.9
胃壁4.40.3
上部大腸壁11.12.3
心臓壁6.31.2
腎臓6.51.1
肝臓11.66.3
3.10.2
筋肉3.70.3
卵巣5.10.3
膵臓5.60.6
赤色骨髄5.70.4
骨形成原細胞12.11.4
皮膚2.70.3
脾臓3.90.4
精巣3.40.3
胸腺3.40.5
甲状腺3.40.5
膀胱壁16.410.2
子宮5.40.5
全身4.30.1
実効線量5.5mSv/370MBq0.7mSv/370MBq
16.4 代謝
フロルベタピル(18F)の総放射性活性物質は血中から速やかに消失し、投与1分後には投与量の約20.0%が、投与5分後及び20分後にはそれぞれ約6.7%及び約3.9%が血中に残留していた。投与20分後における主要な血中残留放射性標識化合物はフロルベタピル(18F)(1.4%)、極性代謝物(18F-Polar)(1.4%)及びフロルベタピル(18F)の脱メチル代謝物(1.1%)であった。
16.5 排泄
フロルベタピル(18F)は主に肝クリアランス及び胆嚢や腸への排泄により体内から消失する。膀胱にわずかの蓄積と排泄が認められた。尿中の放射活性は極性代謝物によるものであった。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相臨床試験
神経病理学的評価(modified CERAD基準)を真のスタンダードとして、フロルベタピル(18F)を用いたPET画像の診断能を評価する目的で、PET撮像から24ヵ月以内に剖検された59例を対象に非盲検非対照試験を実施した。PET画像を盲検下読影で定性的(アミロイドベータ(Aβ)陽性/陰性)に評価し多数決判定を行った結果、Probable/definiteアルツハイマー病(AD)の感度及び特異度はそれぞれ92%(95%信頼区間:78〜98%)及び100%(95%信頼区間:80〜100%)であった2)
17.1.2 国内第II/III相臨床試験
日本人のフロルベタピル(18F)を用いたPET画像の特性を評価する目的で、アルツハイマー型認知症患者15例、軽度認知障害(MCI)患者15例、認知機能が正常な被験者18例を対象に非盲検非対照試験を実施した。PET画像を盲検下読影で定性的に評価し多数決判定を行った結果、Aβ陽性と判定された被験者の割合はアルツハイマー型認知症患者、MCI患者、認知機能が正常な被験者でそれぞれ、80.0%、33.3%、16.7%であった。副作用は被験者48例中1例(2.1%)に倦怠感1件が認められた3)

18. 薬効薬理

18.1 測定法
本剤の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
ヒト脳組織ホモジネートを用いたin vitro結合試験において、フロルベタピル(18F)はAβに高い親和性で結合することが示された。また、ヒト脳組織切片を用いたオートラジオグラフィー試験において、フロルベタピル(18F)はAβに選択的かつ定量的に結合することが示された。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1.

一般的名称(欧名) florbetapir(18F)
化学名 4-[(1E)-2-[6-[2-[2-[2-(Fluoro-18F)ethoxy]ethoxy]ethoxy]-3-pyridinyl]ethenyl]-N-methyl-benzenamine
分子式 C20H25[18F]N2O3
分子量 359.43
核物理学的特性
18Fとして)
・物理的半減期:109.739分
・主なγ線エネルギー:0.511MeV
・減衰表
投与時間から(分)MBq
−110741.2
−100695.9
−90653.3
−80613.3
−70575.7
−60540.5
−50507.4
−40476.4
−30447.2
−20419.8
−10394.1
0370.0
10347.4
20326.1
30306.1
40287.4
50269.8
60253.3
70237.8
80223.2
90209.6
100196.7
110184.7
120173.4
130162.8
140152.8
理化学知見その他 19.1 フロルベタピル(18F)

20. 取扱い上の注意

放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 放射性医薬品としての特性を考慮し、製品の出荷の可否判定に用いる製造管理及び品質管理に関する試験検査項目を適切に設定するとともに、当該試験結果に基づき、適切な流通管理が行われるよう製造販売にあたって適正な措置を講ずること。

22. 包装

370MBq(1〜9mL)[1バイアル]

23. 主要文献

  1. 社内資料:細菌を用いる復帰突然変異試験及びヒト末梢血リンパ球を用いる染色体異常試験(2016年12月19日承認、CTD2.6.6.4)
  2. Clark CM,et al., Lancet Neurol., 11, 669-678, (2012) »PubMed
  3. Namiki C,et al., Ann Nucl Med., 29, 570-581, (2015) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話:0120-383-624
製品情報問い合わせ先
PDRファーマ株式会社 製品情報センター
〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング
電話:0120-383-624

25. 保険給付上の注意

本剤は、レカネマブ(遺伝子組換え)製剤の投与の要否を判断する目的でアミロイドβ病理を示唆する所見を確認する場合に限り、保険適用される。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
PDRファーマ株式会社
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビルディング

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/10/23 版