医療用医薬品 : アリピプラゾール

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医薬品情報


総称名 アリピプラゾール
一般名 アリピプラゾール
欧文一般名 Aripiprazole
製剤名 アリピプラゾール製剤
薬効分類名 抗精神病薬
薬効分類番号 1179
ATCコード N05AX12
KEGG DRUG D01164 アリピプラゾール
商品一覧 米国の商品 相互作用情報
KEGG DGROUP DG00906 アリピプラゾール
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 薬効薬理 理化学的知見 取扱い上の注意 包装 主要文献

商品情報 詳細

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アリピプラゾール錠3mg「アメル」 (後発品) ARIPIPRAZOLE 共和薬品工業 1179045F1058 15.7円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
アリピプラゾール錠6mg「アメル」 (後発品) ARIPIPRAZOLE 共和薬品工業 1179045F2054 29.8円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
アリピプラゾール錠12mg「アメル」 (後発品) ARIPIPRAZOLE 共和薬品工業 1179045F3050 55.5円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
アリピプラゾール錠24mg「アメル」 (後発品) ARIPIPRAZOLE 共和薬品工業 1179045F9032 108.5円/錠 劇薬 , 処方箋医薬品
アリピプラゾール散1%「アメル」 (後発品) ARIPIPRAZOLE 共和薬品工業 1179045B1030 49.8円/g 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は高血糖の徴候・症状に注意すること。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与することとし、投与にあたっては、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。

投与にあたっては、あらかじめ上記副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の異常に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(「1.慎重投与(4)」の項、「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

禁忌

次の患者には投与しないこと

昏睡状態の患者[昏睡状態を悪化させるおそれがある。]

バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。]

アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)(「3.相互作用」の項参照)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

統合失調症

用法用量

通常、成人にはアリピプラゾールとして1日6〜12mgを開始用量、1日6〜24mgを維持用量とし、1回又は2回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量は30mgを超えないこと。

用法用量に関連する使用上の注意

本剤が定常状態に達するまでに約2週間を要するため、2週間以内に増量しないことが望ましい。

本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。(増量による効果の増強は検証されていない。)

他の抗精神病薬から本剤に変更する患者よりも、新たに統合失調症の治療を開始する患者で副作用が発現しやすいため、このような患者ではより慎重に症状を観察しながら用量を調節すること。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]

心・血管疾患、低血圧又はそれらの疑いのある患者[一過性の血圧降下があらわれるおそれがある。]

てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣閾値を低下させることがある。]

糖尿病又はその既往歴を有する患者、もしくは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者[血糖値が上昇することがある。](「警告」の項、「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者[自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。]

高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

興奮、敵意、誇大性等の精神症状が悪化することがあるので、観察を十分に行い、悪化が見られた場合には他の治療方法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
前治療薬からの切り替えの際には前治療薬の用量を徐々に減らしつつ、本剤の投与を行うことが望ましい。

急性に不安、焦燥、興奮の症状を呈している患者に対し、本剤投与にて十分な効果が得られない場合には、鎮静剤の投与等、他の対処方法も考慮すること。

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡等の死亡に至ることもある重大な副作用が発現するおそれがあるので、本剤投与中は、口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「警告」の項、「1.慎重投与(4)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡」の項参照)

低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中は、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状に注意するとともに、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。(「4.副作用(1)重大な副作用 7)低血糖」の項参照)

本剤の投与に際し、あらかじめ上記4.及び5.の副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、高血糖症状(口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等)、低血糖症状(脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等)に注意し、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。(「警告」の項、「1.慎重投与(4)」の項及び「4.副作用(1)重大な副作用 6)糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、7)低血糖」の項参照)

原疾患による可能性もあるが、本剤投与後に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害があらわれたとの報告がある。衝動制御障害の症状について、あらかじめ患者及び家族等に十分に説明を行い、症状があらわれた場合には、医師に相談するよう指導すること。また、患者の状態及び病態の変化を注意深く観察し、症状があらわれた場合には必要に応じて減量又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

本剤の投与により体重の変動(増加、減少)を来すことがあるので、本剤投与中は体重の推移を注意深く観察し、体重の変動が認められた場合には原因精査(合併症の影響の有無等)を実施し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

他の抗精神病薬を既に投与しているなど血清プロラクチン濃度が高い場合に本剤を投与すると、血清プロラクチン濃度が低下し月経が再開することがあるので、月経過多、貧血、子宮内膜症などの発現に十分注意すること。

嚥下障害が発現するおそれがあるので、特に誤嚥性肺炎のリスクのある患者に本剤を投与する場合には、慎重に経過を観察すること。

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること。(「4.副作用(1)重大な副作用 10)肺塞栓症、深部静脈血栓症」の項参照)

相互作用

相互作用序文

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2D6で代謝される。

薬物代謝酵素用語

CYP3A4

薬物代謝酵素用語

CYP2D6

併用禁忌

アドレナリン
(アナフィラキシーの救急治療に使用する場合を除く)
ボスミン
アドレナリンの作用を逆転させ、血圧降下を起こすおそれがある。アドレナリンはアドレナリン作動性α、β受容体の刺激剤であり、本剤のα受容体遮断作用によりβ受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。

併用注意

中枢神経抑制剤
バルビツール酸誘導体、麻酔剤等
中枢神経抑制作用があるので、減量するなど注意すること。ともに中枢神経抑制作用を有する。
降圧剤相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。ともに降圧作用を有する。
抗コリン作用を有する薬剤抗コリン作用を増強させることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。ともに抗コリン作用を有する。
ドパミン作動薬
レボドパ製剤
ドパミン作動作用を減弱するおそれがあるので、投与量を調整するなど慎重に投与すること。本剤はドパミン受容体遮断作用を有する。
アルコール
(飲酒)
相互に中枢神経抑制作用を増強させることがある。ともに中枢神経抑制作用を有する。
CYP2D6阻害作用を有する薬剤
キニジン、パロキセチン等
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。本剤の主要代謝酵素であるCYP2D6を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール、クラリスロマイシン等
本剤の作用が増強するおそれがあるので、本剤を減量するなど考慮すること。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
肝代謝酵素(特にCYP3A4)誘導作用を有する薬剤
カルバマゼピン、リファンピシン等
本剤の作用が減弱するおそれがある。本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4の誘導により本剤の血中濃度が低下するおそれがある。

副作用

副作用発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

(頻度不明)

悪性症候群

無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それにひきつづき発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。

遅発性ジスキネジア

長期投与により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、投与中止後も症状が持続することがある。

麻痺性イレウス

腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、投与を中止すること。

アナフィラキシー

アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

横紋筋融解症

横紋筋融解症があらわれることがあるので、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等に注意すること。

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡

糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡から死亡に至るなどの致命的な経過をたどった症例が報告されているので、本剤投与中は口渇、多飲、多尿、頻尿、多食、脱力感等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、インスリン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(4)、(6)」の項参照)

低血糖

低血糖があらわれることがあるので、脱力感、倦怠感、冷汗、振戦、傾眠、意識障害等の低血糖症状が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(5)、(6)」の項参照)

痙攣

痙攣があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

無顆粒球症、白血球減少

無顆粒球症、白血球減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

肺塞栓症、深部静脈血栓症

抗精神病薬において、肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意(11)」の項参照)

肝機能障害

AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
精神神経系不眠、神経過敏、不安、傾眠、めまい、頭痛、うつ病、幻覚、リビドー亢進、リビドー減退、昏迷、自殺企図、攻撃的反応、異常思考、拒食、独語、知覚減退、注意力障害、もやもや感、末梢神経障害、持続勃起、射精障害、勃起不全、失神、感情不安定、錯乱、神経症、妄想、譫妄、躁病反応、精神症状、双極性障害、認知症、健忘、嗜眠、睡眠障害、鎮静、舌麻痺、気力低下、激越(不安、焦燥、興奮)、パニック反応、片頭痛、顔面痙攣、錯感覚、記憶障害、びくびく感、夢遊症、悪夢、衝動制御障害(病的賭博、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等)
錐体外路症状アカシジア、振戦、流涎、寡動、歩行異常、ジストニア(筋緊張異常)、ジスキネジア、構音障害、筋強剛、嚥下障害、からだのこわばり、筋緊張、口のもつれ、眼瞼下垂、パーキンソン症候群、眼球挙上、眼球回転発作、錐体外路障害、反射亢進
循環器頻脈、高血圧、心悸亢進、徐脈、低血圧、起立性低血圧、心電図異常(期外収縮、QT延長等)、起立血圧異常、狭心症
消化器便秘、悪心、嘔吐、腹痛、下痢、食欲不振、食欲亢進、胃炎、びらん性胃炎、胃腸炎、腸炎、十二指腸炎、消化不良、口内炎、口唇炎、口唇腫脹、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、歯周病、膵炎、歯肉痛、舌障害
血液赤血球減少、白血球減少、白血球増多、好中球減少、好中球増多、好酸球減少、単球増多、リンパ球減少、リンパ球増多、ヘモグロビン低下、ヘマトクリット値低下、貧血、赤血球増多、好塩基球減少、好塩基球増多、好酸球増多、単球減少、血小板減少、血小板増多、ヘモグロビン上昇、ヘマトクリット値上昇
内分泌プロラクチン低下、月経異常、プロラクチン上昇、血中甲状腺刺激ホルモン増加、卵巣障害
肝臓ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇、脂肪肝、Al-P低下、LDH低下、総ビリルビン上昇、総ビリルビン低下、肝炎、黄疸
腎臓BUN上昇、BUN低下、蛋白尿、尿沈渣異常、クレアチニン上昇、尿糖、尿ウロビリノーゲン上昇、尿ビリルビン上昇、尿中NAG上昇、尿比重上昇、尿比重低下、血中尿素減少、血中尿酸減少、尿量減少、ケトン尿
泌尿器尿潜血、排尿障害、血尿、膀胱炎、尿閉、頻尿、多尿、尿失禁
過敏症発疹、光線過敏性反応、湿疹、紅斑、そう痒症、酒さ、血管浮腫、蕁麻疹、薬物過敏症
皮膚ざ瘡、皮膚炎、皮膚乾燥、皮膚剥脱、乾皮症、色素沈着障害、脂漏、男性型多毛症、真菌感染、脱毛
代謝異常CK(CPK)上昇、口渇、コレステロール低下、HDL-コレステロール上昇、トリグリセライド上昇、リン脂質低下、多飲症、高血糖、水中毒、高尿酸血症、高脂血症、脂質代謝障害、コレステロール上昇、HDL-コレステロール低下、トリグリセライド低下、CK(CPK)低下、血中ブドウ糖変動、血中インスリン増加
呼吸器鼻炎、咽頭炎、気管支炎、気管支痙攣、咽喉頭症状、しゃっくり、鼻乾燥、嚥下性肺炎
霧視、眼乾燥、視力障害、調節障害、羞明、眼の異常感、眼痛、眼のチカチカ
その他体重増加、体重減少、倦怠感、脱力感、発熱、多汗、総蛋白減少、グロブリン分画異常、ナトリウム低下、カリウム低下、クロール低下、疲労、ほてり、熱感、灼熱感、背部痛、四肢痛、関節痛、筋痛、頚部痛、肩こり、筋痙縮、悪寒、末梢冷感、性器出血、流産、胸痛、膿瘍、歯ぎしり、睡眠時驚愕、鼻出血、末梢性浮腫、挫傷、気分不良、味覚異常、耳鳴、寝汗、四肢不快感、薬剤離脱症候群、顔面浮腫、握力低下、転倒、総蛋白上昇、A/G上昇、A/G低下、アルブミン上昇、アルブミン低下、ナトリウム上昇、カリウム上昇、クロール上昇、低体温、疼痛、顎痛、乳頭痛、乳腺炎、外陰膣乾燥、無オルガズム症、死亡、関節脱臼、歯牙破折、筋攣縮

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。なお、アリピプラゾール製剤の臨床試験において流産の報告がある。]

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。[ヒトで乳汁移行が認められている[1]。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

過量投与

徴候、症状

他社が実施した外国の臨床試験及び市販後自発報告において、最高1,260mgまで偶発的又は企図的に急性過量投与された成人において嗜眠、傾眠、血圧上昇、頻脈、嘔吐等の症状が報告されている。また最高195mgまで偶発的に服用した小児において、一過性の意識消失、傾眠等の症状が発現した。

処置

特異的解毒剤は知られていない。本剤を過量に服用した場合は、補助療法、気道確保、酸素吸入、換気及び症状管理に集中すること。直ちに心機能のモニターを開始し、心電図で不整脈の発現を継続的にモニターしながら患者が回復するまで十分に観察すること。活性炭の早期投与は有用である。血液透析は有用でないと考えられる。なお、他剤服用の可能性が考えられる場合はその影響にも留意すること。

適用上の注意

薬剤交付時

以下の点に注意するよう指導すること。

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

小児の手の届かない所に保管すること。

その他の注意

アリピプラゾール製剤による治療中原因不明の突然死が報告されている。

他社が実施したげっ歯類(マウス、ラット)のがん原性試験において、乳腺腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上、雌ラット10mg/kg/日)及び下垂体腫瘍(雌マウス3mg/kg/日以上)の発生頻度の上昇が報告されている。これらの腫瘍はげっ歯類では血中プロラクチンの上昇と関連した変化としてよく知られている。ラットのがん原性試験において、60mg/kg/日(最高臨床推奨用量の100倍に相当)の雌の投与群で副腎皮質腫瘍の発生頻度の上昇が報告されている。

他社が実施したサルの反復経口投与試験において胆のう内の沈渣(泥状、胆砂、胆石)が4週間〜52週間試験の25mg/kg/日以上の用量で、肝臓に限局性の肝結石症様病理組織所見が39週間試験の50mg/kg/日以上の用量で報告されている。沈渣はアリピプラゾール由来の複数の代謝物がサル胆汁中で溶解度を超える濃度となり沈殿したものと考えられた。なお、これら代謝物のヒト胆汁中における濃度(1日目15mg/日投与、その後6日間30mg/日反復経口投与時)はサル胆汁中における濃度の5.6%以下であり、また、ヒト胆汁中における溶解度の5.4%以下であった。

外国で実施された認知症に関連した精神病症状(承認外効能・効果)を有する高齢患者を対象とした17の臨床試験において、アリピプラゾール製剤を含む非定型抗精神病薬投与群はプラセボ投与群と比較して、死亡率が1.6〜1.7倍高かったとの報告がある。死因は様々であったが、心血管系(心不全、突然死等)又は感染症(肺炎等)による死亡が多かった。なお、アリピプラゾール製剤の3試験(計938例、平均年齢82.4歳;56〜99歳)では、死亡及び脳血管障害(脳卒中、一過性脳虚血発作等)の発現率がプラセボと比較して高かった。また、外国での疫学調査において、定型抗精神病薬も非定型抗精神病薬と同様に死亡率の上昇に関与するとの報告がある。

薬物動態

<生物学的同等性試験>

アリピプラゾール錠3mg「アメル」及びアリピプラゾール散1%「アメル」と各標準製剤について、下記の通りクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。[2]
また、アリピプラゾール錠6mg「アメル」、アリピプラゾール錠12mg「アメル」及びアリピプラゾール錠24mg「アメル」について、それぞれ「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、アリピプラゾール錠3mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。[3]

標準製剤試験投与量
アリピプラゾール錠3mg「アメル」錠剤、3mgそれぞれ1錠(アリピプラゾールとして3mg)
アリピプラゾール散1%「アメル」散剤、1%それぞれ300mg(アリピプラゾールとして3mg)

判定パラメータ参考パラメータ
AUC(0→168)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
アリピプラゾール錠3mg「アメル」698.61±180.1316.31±3.152.00±0.8257.64±12.04
標準製剤
(錠剤、3mg)
679.60±173.8115.92±3.762.18±1.4459.24±13.17
(Mean±S.D.,n=22)

判定パラメータ参考パラメータ
AUC(0→168)
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
アリピプラゾール散1%「アメル」729.92±221.3616.59±3.691.86±1.1556.95±18.44
標準製剤
(散剤、1%)
696.70±214.1115.95±3.672.05±0.7957.04±13.24
(Mean±S.D.,n=21)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

受容体結合においてDA(ドーパミン)と競合することによって大脳辺縁系のDA機能亢進を減弱させるが、同時に前頭前野において作動薬として働きDA性神経伝達を増強させる。[4]

有効成分に関する理化学的知見

一般名アリピプラゾール
一般名(欧名)Aripiprazole
化学名7-[4-[4-(2,3-dichlorophenyl)-1-piperazinyl]butoxy]-3,4-dihydro-2(1H)-quinolinone
分子式C23H27Cl2N3O2
分子量448.39
性状白色の結晶性の粉末である。
アセトニトリルに極めて溶けにくい。
KEGG DRUGD01164

取扱い上の注意

保管方法

アリピプラゾール錠「アメル」

PTP包装

開封後は高温・多湿を避けて保存すること。

バラ包装

使用の都度キャップをしっかり締めること。

安定性試験[5]

アリピプラゾール錠3mg「アメル」・錠6mg「アメル」・錠12mg「アメル」・散1%「アメル」

最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

アリピプラゾール錠24mg「アメル」

最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、2年)及び加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

包装

アリピプラゾール錠3mg「アメル」

PTP100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

バラ500錠

アリピプラゾール錠6mg「アメル」

PTP100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

バラ500錠

アリピプラゾール錠12mg「アメル」

PTP100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)

バラ500錠

アリピプラゾール錠24mg「アメル」

PTP100錠(10錠×10)

バラ200錠

アリピプラゾール散1%「アメル」

バラ100g

主要文献


1. Schlotterbeck P.,et al.,  Int.J.Neuropsychopharmacol.,  10 (3),  433,  (2007) »PubMed
2. 共和薬品工業株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
3. 共和薬品工業株式会社 社内資料:生物学的同等性試験(溶出挙動比較)
4. グッドマン・ギルマン,  薬理書 第12版,  451,  (2013)  廣川書店
5. 共和薬品工業株式会社 社内資料:安定性試験

作業情報


改訂履歴

2018年4月 改訂
2018年10月 第5版 改訂

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
共和薬品工業株式会社
530-0005
大阪市北区中之島3-2-4
0120-041-189

業態及び業者名等

製造販売元
共和薬品工業株式会社
大阪市北区中之島3-2-4


[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2019/1/23 版