医療用医薬品 : アビガン

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医薬品情報


総称名 アビガン
一般名 ファビピラビル
欧文一般名 Favipiravir
製剤名 ファビピラビル錠
薬効分類名 抗インフルエンザウイルス剤
薬効分類番号 6250
KEGG DRUG D09537 ファビピラビル
商品一覧 相互作用情報
KEGG DGROUP DG03029 抗インフルエンザウイルス薬
商品一覧
JAPIC 添付文書(PDF)

添付文書情報 2019年4月 改訂 (第7版)


警告 禁忌 効能・効果及び用法・用量 使用上の注意 薬物動態 臨床成績 薬効薬理 理化学的知見 承認条件 包装 主要文献

商品情報 組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アビガン錠200mg AVIGAN 富士フイルム富山化学 625004XF1022 劇薬 , 処方箋医薬品

警告

動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと(「禁忌」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。

妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。

本剤は精液中へ移行する1)ことから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」及び「薬物動態 2.分布」の項参照)。

治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること(「禁忌」、「2.重要な基本的注意」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。

本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

禁忌

次の患者には投与しないこと

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人〔動物実験において初期胚の致死及び催奇形性が認められている(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)〕

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能効果

新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(ただし、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る。)

効能効果に関連する使用上の注意

本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。

本剤は細菌感染症には効果がない(「2.重要な基本的注意」の項参照)。

小児等に対する投与経験はない(「7.小児等への投与」の項参照)。

用法用量

通常、成人にはファビピラビルとして1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与する。総投与期間は5日間とすること。

用法用量に関連する使用上の注意

インフルエンザ様症状の発現後速やかに投与を開始すること。

使用上の注意

慎重投与

痛風又は痛風の既往歴のある患者及び高尿酸血症のある患者〔血中尿酸値が上昇し、症状が悪化するおそれがある(「4.副作用」の項参照)〕

重要な基本的注意

承認用法及び用量における本剤の有効性及び安全性が検討された臨床試験は実施されていない。承認用法及び用量は、インフルエンザウイルス感染症患者を対象としたプラセボ対照第I/II相試験成績及び国内外薬物動態データに基づき推定。また、海外で実施した肝機能障害患者での薬物動態を検討した臨床試験において、肝機能障害患者では、本剤の血漿中濃度が上昇した2)(「薬物動態」及び「臨床成績」の項参照)。

抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無又は種類にかかわらず、インフルエンザ罹患時には、異常行動を発現した例が報告されている(「重大な副作用」の項参照)。
異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも発熱から2日間、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じること、について患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いこと、が知られている。

細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合及び細菌感染症が疑われる場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと(「効能又は効果に関連する使用上の注意」の項参照)。

相互作用

相互作用序文

3)4)

本剤はチトクロームP-450(CYP)で代謝されず、主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により代謝される。また、AO及びCYP2C8を阻害するが、CYPの誘導作用はない(「薬物動態」の項参照)。

薬物代謝酵素用語

CYP

薬物代謝酵素用語

アルデヒドオキシダーゼ(AO)

薬物代謝酵素用語

キサンチンオキシダーゼ(XO)

薬物代謝酵素用語

CYP2C8

併用注意

3)4)

ピラジナミド血中尿酸値が上昇する。
ピラジナミド1.5g1日1回、本剤1200/400mg1日2回が投与されたとき、血中尿酸値は、ピラジナミド単独投与時及び本剤併用投与時でそれぞれ11.6及び13.9mg/dLであった。
腎尿細管における尿酸の再吸収を相加的に促進させる。
レパグリニドレパグリニドの血中濃度が上昇し、レパグリニドの副作用が発現するおそれがある。CYP2C8を阻害することにより、レパグリニドの血中濃度を上昇させる。
テオフィリン5) 本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。XOを介した相互作用により本剤の血中濃度を上昇させることが考えられる。
ファムシクロビル
スリンダク
これらの薬剤の効果を減弱させるおそれがある。本剤がAOを阻害する3)ことにより、これらの薬剤の活性化体の血中濃度を低下させることが考えられる。

副作用

副作用発現状況の概要

承認用法及び用量における投与経験はない。
なお、国内臨床試験及び国際共同第III相試験(承認用法及び用量より低用量で実施された試験)では、安全性評価対象症例501例中、副作用が100例(19.96%)に認められた(臨床検査値異常を含む)。主な副作用は、血中尿酸増加24例(4.79%)、下痢24例(4.79%)、好中球数減少9例(1.80%)、AST(GOT)増加9例(1.80%)、ALT(GPT)増加8例(1.60%)等であった(「臨床成績」の項参照)。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用

異常行動(頻度不明)

因果関係は不明であるものの、インフルエンザ罹患時には、転落等に至るおそれのある異常行動(急に走り出す、徘徊する等)があらわれることがある(「2.重要な基本的注意」の項参照)。

重大な副作用及び副作用用語

重大な副作用 (類薬)

他の抗インフルエンザウイルス薬で次のような重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

ショック、アナフィラキシー

肺炎

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

急性腎障害

白血球減少、好中球減少、血小板減少

精神神経症状(意識障害、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)

出血性大腸炎

その他の副作用

注1)

 1%以上0.5〜1%未満0.5%未満
過敏症 発疹湿疹、そう痒症
肝臓AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加 血中ALP増加、血中ビリルビン増加
消化器下痢(4.79%)悪心、嘔吐、腹痛腹部不快感、十二指腸潰瘍、血便排泄、胃炎
血液好中球数減少、白血球数減少 白血球数増加、網状赤血球数減少、単球数増加
代謝異常血中尿酸増加(4.79%)、血中トリグリセリド増加尿中ブドウ糖陽性血中カリウム減少
呼吸器  喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、鼻咽頭炎
その他  血中CK(CPK)増加、尿中血陽性、扁桃腺ポリープ、色素沈着、味覚異常、挫傷、霧視、眼痛、回転性めまい、上室性期外収縮

注1)国内臨床試験及び国際共同第III相試験(承認用法及び用量より低用量で実施された試験)で認められた副作用。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら投与すること。

妊婦・産婦・授乳婦等への投与

6)7)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔動物実験において、臨床曝露量と同程度又は下回る用量で初期胚の致死(ラット)及び催奇形性(サル、マウス、ラット及びウサギ)が認められている〕

授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること。〔本剤の主代謝物である水酸化体がヒト母乳中へ移行することが認められている〕

小児等への投与

8)

小児等に対する投与経験はない。〔動物実験において、幼若イヌ[8週齢]に1ヵ月間投与した試験では、若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]の致死量より低用量(60mg/kg/日)で投与20日以降に途中死亡例が認められている。幼若動物(ラット[6日齢]及びイヌ[8週齢])では、異常歩行、骨格筋線維の萎縮及び空胞化、心乳頭筋の変性/壊死及び鉱質沈着などが認められている〕

適用上の注意

薬剤交付時

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

その他の注意

9)10)

動物実験において、ラット[12週齢]及び若齢イヌ[7〜8ヵ月齢]で精巣の病理組織学的変化、マウス[11週齢]で精子の異常が認められている。なお、いずれも休薬により回復又は回復傾向が認められている。

使用上の注意その他

本剤は、他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分な新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生し、本剤を当該インフルエンザウイルスへの対策に使用すると国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品である。本剤の使用に際しては、国が示す当該インフルエンザウイルスへの対策の情報を含め、最新の情報を随時参照し、適切な患者に対して使用すること。
新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症に対する本剤の投与経験はない。添付文書中の副作用、臨床成績等の情報については、承認用法及び用量より低用量で実施した国内臨床試験に加え海外での臨床成績に基づき記載している。

薬物動態

血中濃度

健康成人8例に本剤を1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から6日目は1回600mgを1日2回(6日目は1回のみ)経口投与(1600mg/600mgBID)したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。

本剤の薬物動態パラメータ

投与方法 Cmax注2)(μg/mL)AUC注2)注3)(μg・hr/mL)Tmax注4)(hr)t1/2 注5)(hr)
1600mg/600mgBID1日目64.56[17.2]446.09[28.1]1.5[0.75,4]4.8±1.1
6日目64.69[24.1]553.98[31.2]1.5[0.75,2]5.6±2.3
注2)幾何平均[変動係数%]注3)1日目はAUC0-∞、6日目はAUCτ注4)中央値[最小値,最大値]注5)平均値±標準偏差

図1 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)

なお、AO活性がほとんどないと考えられる健康成人1例に本剤を7日間反復経口投与注6)したとき、投与1日目及び投与7日目の未変化体のAUCの推定値は、それぞれ1452.73μg・hr/mL及び1324.09μg・hr/mLであった。11)

注6)1日目初回は1200mg、1日目2回目は400mg、2日目から6日目は1回400mgを1日2回、7日目は400mgを1回投与した。なお、本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」である。

分布

(外国人データ)

健康成人男性20例に本剤を1日目は1回1200mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1200mg/800mgBID)注7)したときの本剤の精液中濃度(幾何平均)は投与3日目及び投与終了後2日目でそれぞれ18.341μg/mL及び0.053μg/mLであり、投与終了後7日目にはすべての被験者で定量下限(0.02μg/mL)未満となった。また、精液/血漿中濃度比(平均値)は投与3日目及び投与終了後2日目でそれぞれ0.53及び0.45であった。

注7)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

本剤のヒト血清蛋白結合率は、0.3〜30μg/mLの濃度において、53.4〜54.4%であった(in vitro、遠心限外濾過法)。

<参考>動物でのデータ12)

サルに14C-ファビピラビルを単回経口投与したとき、各組織に広く移行した。各組織の放射能濃度は投与後0.5時間に最高値を示した後、血漿中放射能濃度と平行した推移を示した。投与後0.5時間の肺内放射能濃度の血漿中濃度比は0.51であり、投与後、感染部位と考えられる呼吸器系組織に速やかに移行した。また、投与後0.5時間の腎臓中放射能濃度は血漿中よりも高く、血漿中濃度比は2.66であった。骨を除く各組織の放射能濃度は、投与後24時間までに最高濃度の2.8%以下に低下した。

代謝3)

本剤はチトクロームP-450(CYP)で代謝されず、主にアルデヒドオキシダーゼ(AO)、一部はキサンチンオキシダーゼ(XO)により水酸化体に代謝された。ヒト肝サイトゾルを用いて本剤の代謝を検討した結果、水酸化体の生成は3.98〜47.6pmol/mg protein/minであり、AO活性には最大で12倍の個体間差が認められた。また、水酸化体以外の代謝物として、ヒト血漿中及び尿中にグルクロン酸抱合体が認められた。

排泄11)

本剤は主に水酸化体として尿中に排泄され、未変化体はわずかであった。健康成人6例に本剤を7日間反復経口投与注8)したときの最終投与後48時間までの未変化体及び水酸化体の累積尿中排泄率は、それぞれ0.8%及び53.1%であった。

注8)1日目初回は1200mg、1日目2回目は400mg、2日目から6日目は1回400mgを1日2回、7日目は400mgを1回投与した。なお、本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

肝機能障害患者2)

(外国人データ)

軽度及び中等度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスA及びB、各6例)に、本剤を1日目は1回1200mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1200mg/800mgBID)注9)したとき、投与5日目のCmax及びAUCは、健康成人に同様の用法及び用量で投与した場合と比べて、軽度肝機能障害患者ではそれぞれ約1.6倍及び約1.7倍、中等度肝機能障害患者ではそれぞれ約1.4倍及び約1.8倍であった。

重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類クラスC、4例)に、本剤を1日目は1回800mgを1日2回、2日目から3日目は1回400mgを1日2回経口投与(800mg/400mgBID)注9)したとき、投与3日目のCmax及びAUCは、健康成人に同様の用法及び用量で投与した場合と比べて、それぞれ約2.1倍及び約6.3倍であった。

注9)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

薬物相互作用3)4)

In vitro

本剤はIn vitroで濃度及び時間依存的にAO活性を不可逆的に阻害し、また、濃度依存的にCYP2C8を阻害した。一方、本剤のXOに対する阻害作用は認められず、CYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用も弱かった。本剤の代謝物である水酸化体のCYP1A2、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4に対する阻害作用は弱かった。
本剤のCYPに対する誘導作用は認められなかった。

臨床相互作用試験:本剤の薬物動態に及ぼす併用薬剤の影響

併用薬剤及び用量本剤の用量例数投与時期本剤の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間](併用投与/単独投与)
CmaxAUC
テオフィリン5)
1〜9日目に200mg1日2回、10日目に200mg1日1回
6日目に600mg1日2回、7〜10日目に600mg1日1回106日目1.33[1.19,1.48]1.27[1.15,1.40]
7日目1.03[0.92,1.15]1.17[1.04,1.31]
オセルタミビル13)
1〜5日目に75mg1日2回、6日目に75mg1日1回
5日目に600mg1日2回、6日目に600mg1日1回106日目0.98[0.87,1.10]1.01[0.91,1.11]
ラロキシフェン
1〜3日目に60mg1日1回注10)
1日目に1200mg1日2回、2日目に800mg1日2回、3日目に800mg1日1回171日目1.00[0.90,1.10]1.03[0.95,1.12]
3日目0.90[0.81,0.99]0.85[0.79,0.93]
ヒドララジン
1、5日目に5mg1日1回
1日目初回に1200mg、2回目に400mg、2〜4日目に400mg1日2回、5日目に400mg1日1回141日目0.99[0.92,1.06]0.99[0.92,1.07]
5日目0.96[0.89,1.04]1.04[0.96,1.12]
注10)外国人データ

併用薬剤の薬物動態に及ぼす本剤の影響

併用薬剤及び用量本剤の用量例数投与時期併用薬剤の薬物動態パラメータの比[90%信頼区間](併用投与/単独投与)
CmaxAUC
テオフィリン5)
1〜9日目に200mg1日2回、10日目に200mg1日1回
6日目に600mg1日2回、7〜10日目に600mg1日1回107日目0.93[0.85,1.01]0.92[0.87,0.97]
10日目0.99[0.94,1.04]0.97[0.91,1.03]
オセルタミビル13)
1〜5日目に75mg1日2回、6日目に75mg1日1回
5日目に600mg1日2回、6日目に600mg1日1回106日目1.10[1.06,1.15]1.14[1.10,1.18]
アセトアミノフェン
1、5日目に650mg1日1回注11)
1日目に1200mg1日2回、2〜4日目に800mg1日2回、5日目に800mg1日1回281日目1.03[0.93,1.14]1.16[1.08,1.25]
5日目1.08[0.96,1.22]1.14[1.04,1.26]
ノルエチンドロン/エチニルエストラジオール配合剤
1〜5日目に1mg/0.035mg1日1回注11)
1日目に1200mg1日2回、2〜4日目に800mg1日2回、5日目に800mg1日1回2512日目注12) 1.23[1.16,1.30]1.47[1.42,1.52]
12日目注13) 1.48[1.42,1.54]1.43[1.39,1.47]
レパグリニド
13日目に0.5mg1日1回注11)
1日目に1200mg1日2回、2〜4日目に800mg1日2回、5日目に800mg1日1回1713日目1.28[1.16,1.41]1.52[1.37,1.68]
ヒドララジン
1、5日目に5mg1日1回
1日目初回に1200mg、2回目に400mg、2〜4日目に400mg1日2回、5日目に400mg1日1回141日目0.73[0.67,0.81]0.87[0.78,0.97]
5日目0.79[0.71,0.88]0.91[0.82,1.01]
注11)外国人データ注12)ノルエチンドロン注13)エチニルエストラジオール

臨床成績

(外国人データ)

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象として、プラセボを対照とした第I/II相試験[本剤を1日目は1回1800mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1800mg/800mgBID)及び本剤を1日目初回は2400mg、2回目及び3回目は1回600mg、2日目から5日目は1回600mgを1日3回経口投与(2400mg/600mgTID)注14)]を実施した。主要評価項目である罹病期間注15)について、プラセボ群(88例)と本剤1800mg/800mgBID群(101例)との対比較では、統計学的に有意な差が認められたが(p=0.01、Gehan-Wilcoxon test)、本剤2400mg/600mgTID群(82例)との対比較では、統計学的に有意な差は認められなかった(p=0.414、Gehan-Wilcoxon test)。

図2 インフルエンザ主要症状罹病期間

注14)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

注15)インフルエンザ主要6症状(咳嗽、咽頭痛、頭痛、鼻閉、筋肉痛、全身倦怠感)及び発熱の持続時間

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象として、プラセボを対照とした第III相試験[本剤を1日目は1800mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1800mg/800mgBID)注16)]について、主要評価項目をインフルエンザ主要症状罹病期間注17)と設定し、2試験(試験[1]及び試験[2])実施した結果は以下のとおりであった。

主要解析結果(ITTI集団)

 試験[1]試験[2]
本剤群(301例)プラセボ群(322例)本剤群(526例)プラセボ群(169例)
イベント数288306505163
中央値[95%信頼区間](時間)84.2[77.1,95.7]98.6[94.6,107.1]77.8[72.3,82.5]83.9[76.0,95.5]
p値注18) 0.0040.303

図3 主要評価項目注17)に係るKaplan-Meierプロット図(ITTI集団、試験[1])

図4 主要評価項目注17)に係るKaplan-Meierプロット図(ITTI集団、試験[2])

注16)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

注17)インフルエンザ主要6症状(咳嗽、咽頭痛、頭痛、鼻閉、筋肉痛、全身倦怠感)及び発熱が「改善」するまでの時間。インフルエンザ主要6症状のすべてが消失あるいは軽度となり、かつ発熱が回復した状態を21.5時間持続した場合を「改善」と定義。

注18)Peto-Peto-Prentice検定

<参考:国際共同第III相試験(成人)>

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象として、オセルタミビルリン酸塩(1回75mg1日2回、5日間)を対照とした国際共同第III相試験(成人、承認用法及び用量とは異なる用法及び用量注19))を実施した[640例(日本467例、韓国55例、台湾118例)]。インフルエンザ主要症状罹病期間注20)の中央値[95%信頼区間]は、本剤群(377例)で63.1[55.5,70.4]時間、オセルタミビルリン酸塩群(380例)で51.2[45.9,57.6]時間であり、オセルタミビルリン酸塩群に対する本剤群のハザード比[95%信頼区間]は、0.818[0.707,0.948]であり、本剤の有効性は示されなかった(p=0.007、log-rank test)。

注19)1日目初回は1200mg、1日目2回目は400mg、2日目から5日目は1回400mgを1日2回経口投与した。なお、本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

注20)治験薬投与開始後から7つのインフルエンザ主要症状[咳嗽、咽喉頭痛、頭痛、鼻閉、熱感、筋肉痛及び全身倦怠感]がすべて「改善」するまでの時間(すべてのスコアが「1」以下に達した時点)。患者日誌をもとに治験責任医師又は治験分担医師がスコア化したインフルエンザ症状が「1」以下となってから21.5時間以上そのスコアを維持した状態を「改善」と定義。

<参考:海外第II相試験(成人)>

A型又はB型インフルエンザウイルス感染症患者を対象として、プラセボを対照とした海外第II相試験[本剤を1日目は1回1000mgを1日2回、2日目から5日目は1回400mgを1日2回経口投与(1000mg/400mgBID)、本剤を1日目は1回1200mgを1日2回、2日目から5日目は1回800mgを1日2回経口投与(1200mg/800mgBID)及びプラセボを1日2回経口投与]注21)を実施した。インフルエンザ主要症状罹病期間注22)の中央値[95%信頼区間]は、本剤1000mg/400mgBID群(88例)で100.4[82.4,119.8]時間、本剤1200mg/800mgBID群(121例)で86.5[79.2,102.1]時間、プラセボ群(124例)で91.9[70.3,105.4]時間であり、プラセボ群との対比較において、本剤群のいずれにおいても、統計学的に有意な差は認められなかった(p>0.05、Gehan-Wilcoxon test、検定の多重性はStep-down法で調整)。

注21)本剤の承認用法及び用量は、「1日目は1回1600mgを1日2回、2日目から5日目は1回600mgを1日2回経口投与」

注22)インフルエンザ主要6症状(咳嗽、咽頭痛、頭痛、鼻閉、筋肉痛、全身倦怠感)がすべて「改善」するまでの時間(すべてのスコアが「1」以下に低下した時点)及び発熱が20歳以上65歳未満の患者では38℃以下、65歳以上の患者では37.8℃以下を21.5時間以上維持した状態。

薬効薬理

In vitro抗ウイルス活性14)15)

A型及びB型インフルエンザウイルス実験室株に対するEC50値は、0.014〜0.55μg/mLであり、抗ウイルス活性を示した。
アダマンタン(アマンタジン及びリマンタジン)、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む季節性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は、それぞれ0.03〜0.94μg/mL及び0.09〜0.83μg/mLであった。
豚由来A型及び高病原性株を含む鳥由来A型(H5N1、H7N9株を含む)をはじめとするA型インフルエンザウイルス(アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル耐性株を含む)に対するEC50値は、0.06〜3.53μg/mLであった。
アダマンタン、オセルタミビル及びザナミビル全てに耐性のA型及びB型インフルエンザウイルスに対するEC50値は0.09〜0.47μg/mLであり、交差耐性を示さなかった。

動物モデルにおける治療効果14)16)17)18)19)

インフルエンザウイルスA(H7N9)、A(H1N1)pdm09及びA(H3N2)によるマウス感染モデルにおいて、60mg/kg/日以下の5日間経口投与により肺内ウイルス量を低下させた。
インフルエンザウイルスA(H3N2)及びA(H5N1)によるマウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の5日間経口投与により治療効果を示した。
また、インフルエンザウイルスA(H3N2)による重症複合型免疫不全マウス感染モデルにおいて、30mg/kg/日の14日間の経口投与により治療効果を示した。

作用機序14)20)

細胞内でリボシル三リン酸体(ファビピラビルRTP)に代謝され、ファビピラビルRTPがインフルエンザウイルスの複製に関与するRNAポリメラーゼを選択的に阻害すると考えられている。ヒト由来DNAポリメラーゼα、β及びγに対して、ファビピラビルRTP(1000μmol/L)は、αへの阻害作用は示さず、βに対して9.1〜13.5%、γに対して11.7〜41.2%の阻害作用を示した。また、ファビピラビルRTPのヒト由来RNAポリメラーゼIIに対する阻害作用(IC50値)は、905μmol/Lであった。

耐性14)

ファビピラビル存在下で30代まで継代したA型インフルエンザウイルスのファビピラビルに対する感受性に変化はなく、耐性ウイルスは選択されなかった。なお、国際共同第III相試験をはじめとする臨床試験において、本剤耐性インフルエンザウイルスの出現状況に関する情報は得られていない。

有効成分に関する理化学的知見

一般名ファビピラビル
一般名(欧名)Favipiravir
化学名6-Fluoro-3-hydroxypyrazine-2-carboxamide
分子式C5H4FN3O2
分子量157.10
融点187〜193℃
性状白色〜淡黄色の粉末である。アセトニトリル又はメタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール(99.5)に溶けにくい。
KEGG DRUGD09537

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

本剤の使用実態下における有効性及び安全性について十分な検討が必要であることから、適切な製造販売後調査等を実施すること。

厚生労働大臣の要請がない限りは、製造販売を行わないこと。

製造販売する際には、通常のインフルエンザウイルス感染症に使用されることのないよう厳格な流通管理及び十分な安全対策を実施すること。

本剤の投与が適切と判断される症例のみを対象に、あらかじめ患者又はその家族に有効性及び危険性が文書をもって説明され、文書による同意を得てから初めて投与されるよう、厳格かつ適正な措置を講じること。

包装

アビガン錠200mg

100錠(PTP)

主要文献


1. 社内資料(精巣への影響)
2. 社内資料(肝機能障害患者での薬物動態)
3. 社内資料(代謝)
4. 社内資料(薬物相互作用)
5. 社内資料(テオフィリン併用試験)
6. 社内資料(生殖発生毒性試験・ラット)
7. 社内資料(生殖発生毒性試験・マウスほか)
8. 社内資料(毒性試験・幼若イヌほか)
9. 社内資料(毒性試験・イヌ)
10. 社内資料(精巣毒性試験・マウスほか)
11. 社内資料(高用量反復投与試験)
12. 社内資料(体内動態・動物)
13. 社内資料(オセルタミビル併用試験)
14. 高橋和美ほか,  医学と薬学,  66,  429,  (2011)
15. 社内資料(抗ウイルス活性と交差耐性)
16. Ito Y.et al.,  Nature,  460,  1021,  (2009)
17. Watanabe T.et al.,  Nature,  501,  551,  (2013)
18. 社内資料(治療効果・マウス)
19. 社内資料(治療効果・免疫不全マウス)
20. Furuta Y.et al.,  Antimicrob.Agents Chemother.,  49,  981,  (2005)

作業情報


改訂履歴

2018年10月 改訂
2019年4月 改訂 (第7版)

文献請求先

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104-0031
東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル
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業態及び業者名等

製造販売元
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[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2020/3/18 版