非オピオイド鎮痛剤では疼痛が改善しない、オピオイド鎮痛剤非使用のがん疼痛患者を対象に、無作為化二重盲検比較試験を実施した。本剤1mg又は対照薬オキシコドン塩酸塩散2.5mgを1日4回にて経口投与を開始し、適宜増減しながら5日間投与したところ、主要評価項目の投与前後の視覚的評価スケール(VAS)値の変化量の最小二乗平均値の群間差は−3.4mmであり、95%信頼区間の上限値の3.1mmが非劣性限界値の10mmを下回ったことから、本剤のオキシコドン塩酸塩に対する非劣性が検証された
12)。
| | ヒドロモルフォン群 | オキシコドン群 |
| 評価例数 | 88 | 84 |
| 投与前VAS値(mm)a) | 54.8±15.44 | 53.9±12.09 |
| 投与終了/中止時VAS値(mm)a) | 24.7±22.11 | 27.9±21.05 |
| VAS値変化量(mm)a) | −30.0±24.12 | −26.0±23.65 |
| 最小二乗平均値(mm)b) | −29.7 | −26.4 |
| 最小二乗平均値の差(mm)、[95%信頼区間]b) | −3.4[−9.8〜3.1] |
副作用発現頻度はヒドロモルフォン群で61.4%(54/88例)であり、主な副作用はヒドロモルフォン群で傾眠25.0%(22/88例)、便秘22.7%(20/88例)、嘔吐17.0%(15/88例)、悪心14.8%(13/88例)であった。
オピオイド鎮痛剤使用中、オピオイド鎮痛剤非使用、及び本剤第III相比較試験に参加したがん疼痛患者を対象に、長期投与試験を実施した。オピオイド鎮痛剤使用患者群では前治療オピオイド鎮痛剤の投与量に基づく用量、オピオイド鎮痛剤非使用患者群では4mg/日、第III相比較試験参加患者群では第III相比較試験の投与終了時の用量を初回用量として本剤を1日4〜6回に分けて経口投与を開始し、適宜増減しながら最長12週間投与したところ、投与1週後及び投与終了/中止時の有効率
注1)は、80.9%(38/47例)及び66.0%(31/47例)であった。なお、各種オピオイド鎮痛剤(モルヒネ経口剤、オキシコドン経口剤、フェンタニル貼付剤又はトラマドール経口剤)から本剤に切り替え1週後及び投与終了/中止時の有効率
注1)は、80.0%(24/30例)及び73.3%(22/30例)であり、また、一時的な疼痛の増強に対して本剤を臨時追加投与したところ、投与60分後の鎮痛効果の有効率
注2)は50.0%(20/40件)であった
13)。
副作用発現頻度は60.4%(29/48例)であり、主な副作用は悪心27.1%(13/48例)、嘔吐22.9%(11/48例)、傾眠22.9%(11/48例)、便秘16.7%(8/48例)、めまい6.3%(3/48例)であった。
注1)疼痛評価(VAS値)より、切り替え改善度判定基準「コントロール改善」、「コントロール良好」、又は鎮痛改善度判定基準「著明改善」、「中等度改善」のいずれかに該当した症例の割合
注2)疼痛緩和スコア(0.全くおさまっていない、1.多少おさまった、2.適度におさまった、3.かなりおさまった、4.完全におさまった)が2以上であった投与件数の割合