本試験は本剤と酵素補充療法(アガルシダーゼ アルファ又はベータ)の有効性及び安全性を評価するランダム化非盲検実薬対照試験である。酵素補充療法を実施中の日本人を含む18〜72歳の男女ファブリー病患者57例(男性25例、女性32例、eGFR≧30mL/min/1.73m
2)を対象に、ミガーラスタット123mgが18ヵ月間隔日経口投与又は酵素補充療法が2週間に1回18ヵ月間点滴静脈内投与された。その後、12ヵ月間の非盲検継続投与期では全例にミガーラスタット123mgが隔日経口投与された。本剤に反応性のある
GLA遺伝子変異を有する52例(本剤群34例(日本人5例)、酵素補充療法群18例(日本人1例))が解析対象とされた。主要評価項目である投与18ヵ月時までの糸球体ろ過量の年間変化量の結果は、下表のとおりであり、本剤群で酵素補充療法群と同等であった。
表8 糸球体ろ過量の年間変化量の結果
| | 本剤群 | 酵素補充療法群 |
| eGFRCKD-EPI* | ベースライン | 88.7±20.2(34例) | 94.7±20.2(18例) |
| 投与18ヵ月時 | 85.3±20.5(34例) | 89.7±21.2(17例) |
| 年間変化量 | −0.40[−2.27,1.48](34例) | −1.03[−3.64,1.58](18例) |
| mGFRiohexol* | ベースライン | 82.3±16.9(34例) | 81.4±23.9(18例) |
| 投与18ヵ月時 | 75.6±19.9(34例) | 82.9±23.4(16例) |
| 年間変化量 | −4.35[−7.65,−1.06](34例) | −3.24[−7.81,1.33](18例) |
また、左室重量係数及び血漿中lyso-Gb
3濃度の結果は下表のとおりであった。
表9 左室重量係数及び血漿中lyso-Gb3濃度の結果
| | 本剤群 | 酵素補充療法群 |
| 左室重量係数(g/m2) | ベースライン | 95.3±22.8(33例) | 92.9±25.7(16例) |
| 投与18ヵ月時 | 89.4±22.8(32例) | 90.6±36.7(13例) |
| 変化量 | −6.6[−11.0,−2.1](31例) | −2.0[−11.0,7.0](13例) |
| 血漿中lyso-Gb3濃度(nmol/L) | ベースライン | 6.35(0.80,59.07)(32例) | 9.65(0.85,73.40)(17例) |
| 投与18ヵ月時 | 7.40(1.01,87.37)(31例) | 6.41(0.84,62.50)(15例) |
| 変化量 | 0.55(−2.27,28.30)(31例) | −0.04(−11.90,2.57)(15例) |
投与18ヵ月時までに複合臨床的アウトカム
*(腎イベント、心イベント、脳血管イベント又は死亡)を発現した被験者割合は、本剤群で29%(10/34例)、酵素補充療法群で44%(8/18例)であった。
なお、本剤を30ヵ月間投与した被験者におけるeGFR
CKD-EPI及びmGFR
iohexol年間変化量は−1.72[−2.65、−0.78]mL/min/1.73m
2(31例)及び−2.75[−4.81、−0.68]mL/min/1.73m
2(30例)、左室重量係数の変化量は−3.8[−8.9、1.3]g/m
2(28例)、複合臨床的アウトカムを発現した被験者割合は32%(10/31例)であった。[
9.2.1参照]
*複合臨床的アウトカムは腎イベント、心イベント、脳血管イベント及び死亡からなり、各イベントの定義は以下のとおり。
腎イベント
[1]ベースラインと比較してeGFRCKD-EPIが15mL/min/1.73m2以上低下かつeGFRCKD-EPIが90mL/min/1.73m2未満、又は[2]24時間尿タンパクがベースラインと比較して33%以上増加かつ24時間尿タンパクが300mg以上と定義された。
心イベント
心筋梗塞、不安定狭心症、新規の症候性不整脈(抗不整脈薬の投与、直流除細動、ペースメーカー又は植込み型除細動器を要する)、又はニューヨーク心臓協会分類III度又はIV度のうっ血性心不全と定義された。
脳血管イベント
投与30ヵ月時までの本剤投与群の副作用の発現率は37.3%(19/51例)であり、主な副作用は頭痛13.7%(7/51例)であった
23)。
本試験は本剤の有効性及び安全性を評価するランダム化二重盲検プラセボ対照試験である。酵素補充療法を未実施又は6ヵ月以上実施していない16〜74歳の外国人男女ファブリー病患者67例(男性24例、女性43例、eGFR≧30mL/min/1.73m
2)を対象に、ミガーラスタット123mg又はプラセボが6ヵ月間隔日経口投与された。その後、18ヵ月間の非盲検継続投与期では全例にミガーラスタット123mgが隔日経口投与された。本剤に反応性のある
GLA遺伝子変異を有する50例(プラセボ群22例、本剤群28例)における腎間質毛細血管あたりのGL-3封入体数の変化量は下表のとおりであった。
表10 腎間質毛細血管あたりのGL-3封入体数の変化量の結果
| | ベースライン | 投与6ヵ月時 | 投与6ヵ月時までの変化量 | 投与12ヵ月時 | 投与0/6〜12ヵ月*時までの変化量 |
| プラセボ−本剤群 | 0.493±0.594(20例) | 0.565±0.975(20例) | 0.071±0.563(20例) | 0.312±0.628(17例) | −0.330±0.626(17例) |
| 本剤−本剤群 | 0.649±1.229(25例) | 0.389±0.792(26例) | −0.250±0.513(25例) | 0.429±0.861(22例) | −0.239±0.500(22例) |
本剤を18〜24ヵ月間投与した被験者におけるeGFR
CKD-EPI年間変化量は−0.30[−1.65、1.04]mL/min/1.73m
2(41例)、左室重量係数の変化量は−7.7[−15.4、−0.0]g/m
2(27例)であった。[
9.2.1参照]
投与24ヵ月時までの本剤投与群の副作用の発現率は45.3%(29/64例)であり、主な副作用は下痢7.8%(5/64例)、頭痛7.8%(5/64例)、悪心6.3%(4/64例)及び錯感覚6.3%(4/64例)であった
24)。
本試験は、本剤の安全性、薬物動態、薬力学、有効性を評価する多施設共同非盲検試験である。酵素補充療法を未実施、又は酵素補充療法を実施していた場合はスクリーニングの14日以上前に酵素補充療法による治療を中止した12歳以上18歳未満かつ体重45kg以上の、本剤に反応性のある
GLA遺伝子変異を有する外国人ファブリー病患者21例を対象にミガーラスタット123mgが12ヵ月間隔日経口投与された。
本剤を12ヵ月間投与した被験者におけるベースラインからのeGFR(改変シュワルツ推算式)の変化量(平均値±標準偏差)は−1.6±15.40mL/min/1.73m
2(19例)、左室重量係数の変化量(平均値±標準偏差)は−3.9±13.53g/m
2(18例)であり、血漿中lyso-Gb
3濃度の変化量(中央値(範囲))は0.2(−65.4,115.8)ng/mL(19例)であった。
投与12ヵ月時までの副作用発現率は23.8%(5/21例)であり、主な副作用は頭痛9.5%(2/21例)であった
25)。[
9.7参照]