結節性硬化症患者62例(成人35例、小児27例)を対象としたプラセボ対照二重盲検試験において、本剤又はプラセボを1日2回、12週間顔面又は頭部の皮膚病変に塗布した。投与量は病変部50cm
2(両頬の面積に相当)あたり0.125gを目安とし、年齢に応じて1日あたり、5歳以下:0.4g、6〜11歳:0.6g、12歳以上:0.8gを上限とした。また、各年齢区分の標準的な体格(体表面積)から大きく逸脱する場合は、体表面積に応じて、体表面積0.8m
2未満:0.4g、0.8m
2以上1.3m
2未満:0.6g、1.3m
2以上:0.8gを最大塗布量とした。主要評価項目である12週後の血管線維腫の改善度(中央写真判定)の分布は表のとおりであり、プラセボ群と比較して本剤群で有意な改善が認められた(p<0.001:有意水準両側5%、Wilcoxon順位和検定)。
群 (例数) | 改善度 例数(%) |
著明改善 | 改善 | やや改善 | 不変 | やや悪化 | 悪化 | 評価不能 |
本剤 (30例) | 5(16.7) | 13(43.3) | 11(36.7) | 1(3.3) | 0 | 0 | 0 |
プラセボ (32例) | 0 | 0 | 5(15.6) | 26(81.3) | 0 | 0 | 1(3.1) |
副作用の発現率は本剤群で73.3%(22/30例、39件)であった。本剤群の主な副作用(5%以上)は適用部位刺激感36.7%(11/30例)、皮膚乾燥36.7%(11/30例)、そう痒症16.7%(5/30例)、ざ瘡6.7%(2/30例)であった
2)。
結節性硬化症患者94例(成人44例、小児50例)を対象とした、長期投与における安全性及び有効性を検討する非盲検、非対照試験において、本剤を1日2回顔面又は頭部の皮膚病変に塗布し、52週までの有効性を評価した。投与量は病変部50cm
2(両頬の面積に相当)あたり0.125gを目安とし、下表に示す年齢区分に応じた1日あたりの最大塗布量を超えない範囲で塗布した。ただし、各年齢区分の標準的な体格(体表面積)から大きく逸脱する被験者については、体表面積区分に応じて塗布量及び処方本数の上限値を規定した。
年齢(体表面積)区分 | 1日最大塗布量 | 1ヵ月あたりの処方本数の上限 |
5歳以下(0.8m2未満) | 0.4g | 10gチューブ2本 |
6〜11歳(0.8m2以上1.3m2未満) | 0.6g | 10gチューブ2本 |
12歳以上(1.3m2以上) | 0.8g | 10gチューブ3本 |
血管線維腫の改善度(中央写真判定)の分布は表のとおりである。
評価時期 | 例数 | 著明改善 | 改善 | やや改善 | 不変 | やや悪化 | 悪化 | 評価不能 | 改善率a) |
52週 | 65 | 13(20.0) | 36(55.4) | 15(23.1) | 1(1.5) | 0(0.0) | 0(0.0) | 0(0.0) | 49(75.4) |
「有害事象に伴う中止がない症例」の割合(95%信頼区間)は97.9%(91.8〜99.5%)であった。「中止に至った有害事象」の発現率は全体で2.1%(2/94例)、成人で2.3%(1/44例)、小児で2.0%(1/50例)であった。2例とも投与開始後1週以内に認められ、成人の1例で眼刺激及び紅斑が各1件、小児の1例で接触皮膚炎が1件発現し、いずれも本剤との因果関係が認められ、軽度であった。
副作用の発現率は全体で72.3%(68/94例、143件)であった。主な副作用(5%以上)は適用部位刺激感(28.7%)、皮膚乾燥(25.5%)、ざ瘡(12.8%)、そう痒症(8.5%)、眼刺激(7.4%)、ざ瘡様皮膚炎及び紅斑(6.4%)、接触皮膚炎(5.3%)であった
3)。