2.1 出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。]
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大による排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある。]
2.4 重篤な心疾患のある患者[心拍数を増加させ、症状を悪化させるおそれがある。]
2.5 麻痺性イレウスの患者[消化管運動を抑制し、症状を悪化させるおそれがある。]
2.6 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
ブチルスコポラミン臭化物として、通常成人1回10〜20mgを静脈内又は皮下、筋肉内注射する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
8.1 まれにショックを起こすことがあるので、本剤の使用に際しては、救急処置の準備を行うこと。[
11.1.1参照]
8.2 投与に際し、ショック発現を完全に防止する方法はないが、出来る限り回避するために次の事項に注意すること。[
11.1.1参照]
・患者の体調について、十分に問診を行うこと。
・注射後は、患者の状態を観察し、異常があれば直ちに救急処置を行うこと。
8.3 眼の調節障害、眠気、めまい等を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 細菌性下痢患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。治療期間の延長をきたすおそれがある。
9.1.2 前立腺肥大のある患者(排尿障害のある患者を除く)
9.1.3 うっ血性心不全のある患者
9.1.4 不整脈のある患者
9.1.5 潰瘍性大腸炎の患者
9.1.6 甲状腺機能亢進症の患者
9.1.7 高温環境にある患者
汗腺分泌を抑制し、体温調節を障害するおそれがある。
9.1.8 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
慎重に投与すること。前立腺肥大を伴っている場合が多い。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
悪心・嘔吐、悪寒、皮膚蒼白、血圧低下、呼吸困難、気管支攣縮、浮腫、血管浮腫等があらわれることがある。[
8.1、
8.2参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| 5%以上 | 0.1〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
眼 | | 調節障害 | | 散瞳、閉塞隅角緑内障 |
消化器 | 口渇 | 悪心・嘔吐 | | |
泌尿器 | | 排尿障害 | | |
精神神経系 | | 頭痛、頭重感、眠気、めまい | | |
循環器 | | 心悸亢進 | | |
過敏症 | | | 発疹 | 蕁麻疹、紅斑、そう痒症 |
その他 | | 顔面紅潮 | | |
13.1 症状
口渇、眼の調節障害、せん妄、心悸亢進、血圧上昇等を引き起こす可能性がある。
13.2 処置