1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[
8.2、
9.1.2、
11.1.1参照]
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
5.1 根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められていない患者を対象とすること。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の
EGFR遺伝子変異又は
ALK融合遺伝子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.2参照]
<非小細胞肺癌における術前・術後補助療法>
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の病期、
EGFR遺伝子変異又は
ALK融合遺伝子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.3参照]
<進展型小細胞肺癌>
5.4 臨床試験に組み入れられた患者の進展型の基準等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.4参照]
<限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
5.5 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.6 根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められていない患者を対象とすること。
<切除不能な肝細胞癌>
5.7 局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
5.8 臨床試験に組み入れられた患者の肝機能障害の程度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.6参照]
<治癒切除不能な胆道癌>
5.9 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
<進行・再発の子宮体癌>
5.10 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.11 臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.8参照]
5.12 本剤の有効性は、PD-L1発現状況により異なる傾向が示唆されている。PD-L1発現状況別の有効性について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.8参照]
<膀胱癌における術前・術後補助療法>
5.13 臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.9参照]
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
トレメリムマブ(遺伝子組換え)及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回、60分間以上かけて点滴静注する。その後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<非小細胞肺癌における術前・術後補助療法>
術前補助療法では、他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回まで、60分間以上かけて点滴静注する。その後、術後補助療法では、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で12回まで、60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<進展型小細胞肺癌>
白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回、60分間以上かけて点滴静注する。その後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は24カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<切除不能な肝細胞癌>
通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<治癒切除不能な胆道癌>
ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、3週間間隔で、1回1500mgを60分間以上かけて点滴静注する。3週間間隔での繰り返し投与後、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<進行・再発の子宮体癌>
カルボプラチン及びタキサン系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1120mgを3週間間隔で、60分間以上かけて点滴静注する。その後の維持療法において、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合、維持療法における1回投与量は、20mg/kg(体重)とする。
<膀胱癌における術前・術後補助療法>
術前補助療法では、ゲムシタビン塩酸塩及びシスプラチンとの併用において、通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを3週間間隔で4回まで、60分間以上かけて点滴静注する。その後、術後補助療法では、デュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1500mgを4週間間隔で8回まで、60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。
<効能共通>
7.1 本剤投与により副作用が発現した場合には、下表を参考に、本剤の休薬等を考慮すること。
| 副作用 | 程度※ | 処置 |
| 間質性肺疾患 | Grade2の場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
| Grade3又は4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 肝機能障害 | AST若しくはALTが基準値上限の3〜10倍、又は総ビリルビンが基準値上限の1.5〜3倍まで増加した場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
・AST若しくはALTが基準値上限の10倍超、又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超まで増加した場合 ・AST若しくはALTが基準値上限の3倍超、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超まで増加し、本剤以外に原因がない場合 | 本剤の投与を中止する。 |
肝機能障害 (ベースラインのAST若しくはALTが基準値上限を超えている肝悪性腫瘍を有する患者) | ・AST若しくはALTがベースラインの2.5〜7倍、かつ基準値上限の20倍以下に増加した場合 ・AST若しくはALTがベースラインの2.5〜5倍、かつ基準値上限の20倍以下に増加し、加えて総ビリルビンが基準値上限の1.5〜2倍に増加し、本剤以外に原因がない場合 | ベースラインの2.5倍未満に回復するまで本剤を休薬する。 |
・AST若しくはALTがベースラインの7倍超、又は基準値上限の20倍超に増加した場合 ・総ビリルビンが基準値上限の3倍超まで増加した場合 ・AST若しくはALTがベースラインの2.5倍超、かつ総ビリルビンが基準値上限の2倍超まで増加し、本剤以外に原因がない場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 大腸炎・下痢 | Grade2の場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
| Grade3の場合 | ・Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 ・トレメリムマブ(遺伝子組換え)との併用の場合は、本剤の投与を中止する。 |
| Grade4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 消化管穿孔 | 全Grade | 本剤の投与を中止する。 |
| 甲状腺機能亢進症、副腎機能不全、下垂体機能低下症 | Grade2〜4の場合 | 症状が安定するまで本剤を休薬する。 |
| 腎機能障害 | 血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの1.5〜3倍まで増加した場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
| 血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの3倍超まで増加した場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 筋炎 | Grade2又は3の場合 | ・Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 ・30日以内にGrade1以下まで回復しない場合又は呼吸機能不全の徴候があらわれた場合は、本剤の投与を中止する。 |
| Grade4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 心筋炎 | Grade2〜4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 重症筋無力症 | Grade2〜4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 脳炎 | Grade2〜4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 神経障害 | Grade2の場合 | ・Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 ・30日以内にGrade1以下まで回復しない場合又は呼吸機能不全の徴候があらわれた場合は、本剤の投与を中止する。 |
・Grade3又は4の場合 ・Grade2〜4のギラン・バレー症候群の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 皮膚障害 | ・Grade2で1週間以上継続した場合 ・Grade3の場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
・Grade4の場合 ・皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)又は中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| Infusion reaction | Grade1又は2の場合 | 本剤の投与を中断又は投与速度を50%減速する。 |
| Grade3又は4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
| 赤芽球癆 | 全Grade | 本剤の投与を中止する。 |
| オラパリブとの併用投与下の自己免疫性溶血性貧血 | 全Grade | 本剤及びオラパリブの投与を中止する。 |
上記以外の副作用 (甲状腺機能低下症、1型糖尿病を除く) | Grade2又は3の場合 | Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。 |
| Grade4の場合 | 本剤の投与を中止する。 |
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
7.2 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
7.3 併用する他の抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。[
17.1.2参照]
<非小細胞肺癌における術前・術後補助療法>
7.4 併用する他の抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。[
17.1.3参照]
<限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
7.5 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
<切除不能な肝細胞癌>
7.6 本剤の用法及び用量は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、併用投与及び単独投与の有効性及び安全性を十分に理解した上で、選択すること。[
17.1.6参照]
<進行・再発の子宮体癌>
7.7 カルボプラチン及びパクリタキセルとの併用において投与を開始すること。
<膀胱癌における術前・術後補助療法>
7.8 本剤と併用するシスプラチンの用法及び用量は、「17.臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で選択すること。[
17.1.9参照]
8.1 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。
8.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。[
1.2、
9.1.2、
11.1.1参照]
8.3 甲状腺機能障害、副腎機能障害及び下垂体機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。[
11.1.3-
11.1.5参照]
8.4 1型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。[
11.1.6参照]
8.5 肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[
11.1.7参照]
8.6 腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[
11.1.8参照]
8.7 筋炎、横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行うこと。[
11.1.9参照]
8.8 心筋炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。[
11.1.10参照]
8.9 重症筋無力症があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行うこと。[
11.1.11参照]
8.10 Infusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもInfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与時には毎回患者の状態を十分に観察すること。[
11.1.14参照]
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
9.1.2 間質性肺疾患(放射線肺臓炎を含む)のある患者又はその既往歴のある患者
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[
9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の生殖発生毒性試験において、妊娠カニクイザルに妊娠成立時から分娩まで本剤を投与したときに、AUC比較で臨床用量(1,500mgを3週間間隔又は4週間間隔で投与)における曝露量の約3.4倍に相当する曝露量で、対照群と比較して妊娠後期における胎児の死亡及び新生児の死亡の増加が認められた。ヒトIgG1は胎盤を通過することが知られている。また、PD-1/PD-L1経路は母体胎児間免疫寛容による妊娠維持に重要であり、同種異系妊娠マウスにおいてPD-L1経路の阻害により流産率が増加することが報告されている。[
9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。また、妊娠カニクイザルを用いた実験において用量依存的な本剤の乳汁への移行が認められている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.2 大腸炎(1.2%)、重度の下痢(0.8%)
持続する下痢、腹痛、血便等の症状が認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
11.1.3 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(10.1%)、甲状腺機能亢進症(6.1%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。[
8.3参照]
11.1.4 副腎機能障害
副腎機能不全(0.8%)等の副腎機能障害があらわれることがある。[
8.3参照]
11.1.5 下垂体機能障害
下垂体機能低下症(0.4%)等の下垂体機能障害があらわれることがある。[
8.3参照]
11.1.6 1型糖尿病
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(0.2%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。1型糖尿病が疑われた場合には、インスリン製剤を投与する等の適切な処置を行うこと。[
8.4参照]
11.1.7 肝機能障害、肝炎、硬化性胆管炎
AST、ALT、γ-GTP、Al-P、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害(7.9%)、肝炎(1.9%)、硬化性胆管炎(0.1%未満)があらわれることがある。[
8.5参照]
11.1.8 腎障害
尿細管間質性腎炎(0.1%未満)、糸球体腎炎(0.1%未満)、腎炎(0.3%)等の腎障害があらわれることがある。[
8.6参照]
11.1.9 筋炎(0.4%)
、横紋筋融解症(頻度不明)[
8.7参照]
11.1.11 重症筋無力症(0.2%)
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。[
8.9参照]
11.1.12 免疫性血小板減少症(0.1%未満)
11.1.13 脳炎(0.1%未満)
11.1.14 Infusion reaction(1.6%)
Infusion reactionが認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。[
8.10参照]
11.1.15 重度の皮膚障害
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)等があらわれることがある。また、類天疱瘡(0.1%)があらわれることがあるので、水疱、びらん等が認められた場合には皮膚科医と相談すること。
11.1.16 神経障害
末梢性ニューロパチー(1.4%)、多発ニューロパチー(0.2%)、ギラン・バレー症候群(頻度不明)等の神経障害があらわれることがある。
11.1.17 赤芽球癆(0.1%未満)
11.1.18 溶血性貧血(1.6%)注)
本剤とオラパリブとの併用において、溶血性貧血があらわれることがある。
注)発現頻度は、国際共同第III相試験(DUO-E試験)における、本剤及びオラパリブ併用投与時から集計した。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 10%以上 | 1〜10%未満 | 1%未満 | 頻度不明 |
| 皮膚 | 発疹 | そう痒症 | 皮膚炎 | |
| 呼吸器 | | 咳嗽・湿性咳嗽 | 発声障害、インフルエンザ、上気道感染、肺炎 | |
| 血液 | | | 発熱性好中球減少症 | |
| 口腔内 | | | 口腔カンジダ、歯周病(歯肉炎、歯周炎、歯感染) | 口腔感染 |
| 内分泌 | | | TSH上昇、TSH低下 | 尿崩症 |
| 腎・泌尿器 | | | 排尿困難 | |
| 消化器 | | 下痢、腹痛 | 膵炎、消化管穿孔 | |
| 筋骨格系 | | 筋肉痛 | 関節炎 | |
| その他 | | 発熱、末梢性浮腫 | 寝汗 | |
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤のバイアルは1回使い切りであり、保存剤を含まない。本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。
14.1.2 調製前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。本剤は、無色〜微黄色の澄明〜乳白光を呈する液である。濁り、変色又は不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.3 バイアルは振盪せず、激しく攪拌しないこと。
14.1.4 必要量をバイアルから抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液の点滴バッグに注入し、最終濃度を1〜15mg/mLとする。点滴バッグをゆっくり反転させて混和すること。希釈液を凍結又は振盪させないこと。
14.1.5 調製後は速やかに使用すること。希釈液をすぐに使用せず保存する場合、2〜8℃では30日以内、室温保存では12時間以内に投与を開始すること。
14.1.6 本剤は1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
14.1.7 バイアル中の残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は、無菌の蛋白結合性の低い0.2又は0.22μmインラインフィルター(ポリエーテルスルホン製等)を使用して点滴静注すること。
14.2.2 同一の点滴ラインを使用して他剤を併用同時投与しないこと。
15.1 臨床使用に基づく情報
国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
第I相試験(D4190C00002試験)で日本人の進行性固形癌患者に本剤を10mg/kgの用量で投与
注)したときの血清中濃度時間推移と薬物動態パラメータを示す。
| Cmax(μg/mL) | AUC14days(day・μg/mL) | Tmax(day) |
| 145(51.2) | 826(51.4) | 0.047(0.044,0.073) |
第I相試験(D4880C00010試験)で日本人の進行性固形癌患者に本剤1,500mgとトレメリムマブ75mgを投与したときの本剤の薬物動態パラメータを示す。
| Cmax(μg/mL) | AUC28days(day・μg/mL) | Tmax(day) |
| 439(15.8) | 4,680(15.7) | 0.048(0.044,0.076) |
16.1.2 反復投与
国際共同第III相試験(PACIFIC試験)で切除不能な局所進行の非小細胞肺癌患者に、本剤10mg/kgを2週間間隔で反復静脈内持続投与
注)したときの血清中濃度を示す(日本人を含む)。
| 評価時点 | 血清中濃度(μg/mL) 幾何平均値(例数、変動係数) |
| 初回投与後 | 191(n=385,72.4%) |
| 8週目(投与前) | 120(n=289,62.2%) |
| 24週目(投与前) | 177(n=225,47.9%) |
| 24週目(投与終了時) | 373(n=207,43.6%) |
| 48週目(投与前) | 186(n=213,67.4%) |
国際共同第III相試験(CASPIAN試験)で進展型小細胞肺癌患者に、本剤1,500mgを3週間間隔で反復静脈内持続投与(併用療法としてエトポシド及び白金製剤を投与)したときの本剤の血清中濃度を示す(日本人を含む)。
| 評価時点 | 血清中濃度(μg/mL) 幾何平均値(例数、変動係数) |
| 初回投与後 | 502.9(n=227,30.46%) |
| 3週目(投与前) | 109.9(n=236,64.41%) |
| 12週目(投与前) | 240.9(n=199,49.70%) |
国際共同第III相試験(HIMALAYA試験)で切除不能な肝細胞癌患者に、本剤1,500mg及びトレメリムマブ300mgを1日目に、さらに4週後から本剤1,500mgを4週間間隔で反復静脈内持続投与したとき、及び本剤単独で1,500mgを4週間間隔で反復静脈内持続投与したときの本剤の血清中濃度を示す(日本人を含む)。
| 評価時点 | 血清中濃度(μg/mL) 幾何平均値(例数、変動係数) |
| トレメリムマブ併用群 | 本剤群 |
| 4週目(投与前) | 59.9(n=314,101.6%) | 74.7(n=340,86.7%) |
| 12週目(投与前) | 77.5(n=253,280.1%) | 113.9(n=252,116.2%) |
| 12週目(投与終了時) | 539.3(n=248,38.6%) | 556.9(n=255,32.7%) |
注)本剤の承認された単独投与の用法及び用量は「通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
<切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
17.1.1 国際共同第III相試験(PACIFIC試験)
少なくとも2サイクルの白金系抗悪性腫瘍剤を用いた根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められなかった切除不能な局所進行の非小細胞肺癌患者(WHO Performance Status 0又は1)713例(本剤群476例、プラセボ群237例)(日本人112例[本剤群72例、プラセボ群40例]を含む)を対象に、化学放射線療法終了後42日以内に本剤10mg/kgまたはプラセボの投与
注1)を開始し、2週間間隔で点滴静注したときの有効性及び安全性を検討した
1)2)。
二つの主要評価項目の一つである全生存期間(中央値[95%信頼区間])(299件のイベント)の結果は、本剤群でNE
注2)[34.7〜NE]カ月、プラセボ群で28.7[22.9〜NE]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.68[0.53〜0.87]、p=0.00251[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.00274]、2018年3月22日データカットオフ)。
注1)切除不能な局所進行の非小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法における本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはデュルバルマブ(遺伝子組換え)として、1回1,500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。投与期間は12カ月間までとする。ただし、体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg(体重)とする。」である。
注2)推定不能(以下、同様)
また、もう一つの主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])(371件のイベント)の結果は、本剤群で16.8[13.0〜18.1]カ月、プラセボ群で5.6[4.6〜7.8]カ月であり、本剤はプラセボに対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.52[0.42〜0.65]、p<0.0001[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.01104]、2017年2月13日データカットオフ)。
治験薬が投与された患者のうち、本剤群の475例(日本人72例を含む)中460例(96.8%)に有害事象が認められた。本剤群でみられた主な有害事象は、咳嗽168例(35.4%)、疲労113例(23.8%)、呼吸困難106例(22.3%)及び放射線性肺臓炎96例(20.2%)であった。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
17.1.2 国際共同第III相試験(POSEIDON試験)
化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者
注3)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)675例(本剤
注4)+トレメリムマブ
注4)+白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法
注5)[本剤併用群338例]、白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法
注5)単独[対照群337例])(日本人49例[本剤併用群21例、対照群28例]を含む)を対象に、本剤、トレメリムマブ及び白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法を併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した
3)。
全生存期間(中央値[95%信頼区間])(536件のイベント)の結果は、本剤併用群で14.0[11.7〜16.1]カ月、対照群で11.7[10.5〜13.1]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.77[0.650〜0.916]、p=0.00304[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.00797]、2021年3月12日データカットオフ)。
注3)体重30kg超であり、EGFR遺伝子変異陰性かつALK融合遺伝子陰性の患者が対象とされた。ただし、扁平上皮癌患者又はKRAS遺伝子変異陽性の患者はEGFR遺伝子変異及びALK融合遺伝子変異の検査を実施しないことが許容された。
注4)本剤1,500mg及びトレメリムマブ75mgを第0、3、6、9週目に各1回投与し、その後第12週目から本剤1,500mgを4週間間隔で投与した。また、第16週目にトレメリムマブ75mgを1回投与した。
注5)3週間を1サイクルとして、[1]パクリタキセル(アルブミン懸濁型)(第1、8、15日目に100mg/m2を投与)+カルボプラチン(第1日目にAUC5又は6を投与)、[2]ゲムシタビン(第1、8日目に1,000mg/m2又は1,250mg/m2を投与)+シスプラチン(第1日目に75mg/m2を投与)若しくはカルボプラチン(第1日目にAUC5又は6を投与)(扁平上皮癌のみ)、又は[3]ペメトレキセド(第1日目に500mg/m2を投与)+シスプラチン(第1日目に75mg/m2を投与)若しくはカルボプラチン(第1日目にAUC5又は6を投与)(非扁平上皮癌のみ)のいずれかを4サイクル投与した。対照群では、必要と判断された場合さらに2サイクルまで追加可とした。[3]ペメトレキセド+白金系抗悪性腫瘍剤投与後に病勢が進行していない患者は、ペメトレキセド(500mg/m2)維持療法(本剤併用群では4週間間隔投与、対照群では3週間又は4週間間隔投与)に移行した。
本剤併用群で治験薬が投与された330例(日本人20例を含む)中321例(97.3%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、貧血164例(49.7%)、悪心137例(41.5%)、好中球減少症99例(30.0%)、食欲減退93例(28.2%)、疲労81例(24.5%)及び下痢71例(21.5%)であった。[
5.2、
7.3参照]
<非小細胞肺癌における術前・術後補助療法>
17.1.3 国際共同第III相試験(AEGEAN試験)
臨床病期IIA〜IIIBの周術期の非小細胞肺癌患者
注6)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)802例(本剤併用群
注7)400例、対照群
注7)402例)(日本人79例[本剤併用群37例、対照群42例]を含む)を対象に、術前補助療法としての白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の併用下で、本剤とプラセボの術前・術後補助療法としての有効性及び安全性を検討した
4)。なお、
EGFR遺伝子変異陽性又は
ALK融合遺伝子陽性が確認された患者は有効性解析対象から除かれた(有効性解析対象[修正ITT集団]:本剤併用群366例、対照群374例)。
主要評価項目の一つである盲検下独立中央判定による無イベント生存期間の1回目の中間解析の結果(中央値[95%信頼区間])(236件のイベント)は、本剤併用群でNE
注2)[31.9〜NE]カ月、対照群で25.9[18.9〜NE]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.68[0.53〜0.88]
注8)、p=0.003902[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.009899]、2022年11月10日データカットオフ)。
注6)American Joint Committee on Cancer(AJCC)/Union for International Cancer Control(UICC)病期分類(第8版)に基づくIIA、IIB、IIIA又はIIIB(T3N2、T4N2)の切除可能な患者が対象とされた。なお、T4の場合は、原発腫瘍の大きさ(7cm超)のみに基づいてT4と判断された場合に限り適格とされた。縦隔リンパ節については、PET及びCT画像が陽性の場合、又はPET及びCT画像が陰性かつ原発腫瘍の大きさが3cm超、中枢腫瘍若しくはPET及びCT画像でN1と判断された場合に病理学的な確定診断が推奨された。
注7)本剤併用群は、術前補助療法期に白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法との併用で本剤1,500mgを3週間間隔で最大4回静脈内投与し、術後補助療法期に本剤1,500mgを4週間間隔で最大12回静脈内投与、対照群は、術前補助療法期に白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法との併用でプラセボを3週間間隔で最大4回静脈内投与し、術後補助療法期にプラセボを4週間間隔で最大12回静脈内投与することとされた。術前補助療法として、扁平上皮癌に対しては、3週間を1サイクルとして、[1]パクリタキセル(第1日目に200mg/m2)+カルボプラチン(第1日目にAUC 6mg・min/mL相当量)、[2]ゲムシタビン(第1、8日目に1,250mg/m2(日本では1,000mg/m2))+シスプラチン(第1日目に75mg/m2)のいずれか、非扁平上皮癌に対しては、3週間を1サイクルとして、[3]ペメトレキセド(第1日目に500mg/m2)+シスプラチン(第1日目に75mg/m2)、[4]ペメトレキセド(第1日目に500mg/m2)+カルボプラチン(第1日目にAUC 5mg・min/mL相当量)のいずれかを投与した。なお、シスプラチンに対する忍容性がないと判断された場合には、シスプラチンをカルボプラチン1回AUC 5mg・min/mL相当量に変更可能とされた。
注8)有意水準に対応した99.0101%信頼区間:0.48〜0.96
治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の401例(日本人37例を含む)中387例(96.5%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、貧血140例(34.9%)、便秘104例(25.9%)、悪心103例(25.7%)、食欲減退74例(18.5%)、脱毛症69例(17.2%)、好中球減少症68例(17.0%)及び好中球数減少66例(16.5%)であった(2024年5月10日データカットオフ)。[
5.3、
7.4参照]
<進展型小細胞肺癌>
17.1.4 国際共同第III相試験(CASPIAN試験)
化学療法歴のない進展型小細胞肺癌患者
注9)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)537例(本剤と白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エトポシド[本剤併用群
注10)268例]、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)+エトポシド[対照群
注11)269例])(日本人34例[本剤併用群18例、対照群16例]を含む)を対象に、本剤、白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)及びエトポシドを併用投与した場合の有効性及び安全性を検討した
5)。
中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])(336件のイベント)は、本剤併用群で13.0[11.5〜14.8]カ月、対照群で10.3[9.3〜11.2]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.73[0.591〜0.909]、p=0.0047[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.0178]、2019年3月11日データカットオフ)。
注9)体重30kg超かつ[1]AJCC(第7版)のIV期又は[2]広範囲にわたる複数の肺結節がある若しくは腫瘍/結節量が大きいことにより耐容可能な放射線治療計画で単一照射野内に収まりきらないT3〜4の患者が組み入れられた。
注10)本剤1,500mg及びカルボプラチン(AUC5〜6)又はシスプラチン(75〜80mg/m2)のいずれかを各サイクルの1日目に、さらにエトポシド(80〜100mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で最大4サイクル投与後、本剤1,500mgを単独で4週間間隔で投与した。
注11)カルボプラチン(AUC5〜6)又はシスプラチン(75〜80mg/m2)のいずれかを各サイクルの1日目に、さらにエトポシド(80〜100mg/m2)を各サイクルの1、2、3日目に3週間間隔で最大6サイクル投与した。
治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の265例(日本人18例を含む)中260例(98.1%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、好中球減少症111例(41.9%)、貧血102例(38.5%)、悪心89例(33.6%)及び脱毛症83例(31.3%)であった。[
5.4参照]
<限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法>
17.1.5 国際共同第III相試験(ADRIATIC試験)
根治的化学放射線療法
注12)後に疾患進行が認められなかった限局型小細胞肺癌患者(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)530例(本剤群264例、プラセボ群266例)(日本人50例[本剤群19例、プラセボ群31例]を含む)を対象に、化学放射線療法終了後42日以内に本剤1,500mg
注13)又はプラセボを投与した場合の有効性及び安全性を検討した
6)。
中間解析の結果、二つの主要評価項目の一つである全生存期間(中央値[95%信頼区間])(261件のイベント)の結果は、本剤群で55.9[37.3〜NE
注2)]カ月、プラセボ群で33.4[25.5〜39.9]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.73[0.569〜0.928]、p=0.01042[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.01679]、2024年1月15日データカットオフ)。
注12)体重30kg超かつAJCC(第8版)のI〜III期(I又はII期の患者は手術が不可能である者)の患者が組み入れられた。化学療法として、白金系抗悪性腫瘍剤(シスプラチン又はカルボプラチン)とエトポシドとの併用投与を4サイクル繰り返し投与した。放射線療法として、6週間で総線量60〜66Gyを投与する1日1回の通常分割照射法又は3週間で総線量45Gyを投与する1日2回の加速過分割照射法のいずれかを選択した。予防的全脳照射は治験責任(分担)医師の判断で実施可能とされ、化学放射線療法施行後に実施し、無作為化及び治験薬の初回投与前1〜42日以内に完了することとした。
注13)本剤1,500mgを4週間間隔で病勢進行若しくは投与中止基準に該当するまで又は最大24カ月間(26サイクル)投与を継続した。
また、もう一つの主要評価項目である中央判定による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])(308件のイベント)の結果は、本剤群で16.6[10.2〜28.2]カ月、プラセボ群で9.2[7.4〜12.9]カ月であり、本剤群はプラセボ群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.76[0.606〜0.950]、p=0.01608[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.02805]、2024年1月15日データカットオフ)。
治験薬が投与された患者のうち、本剤群の262例(日本人19例を含む)中247例(94.3%)に有害事象が認められた。本剤群でみられた主な有害事象は、放射線肺臓炎60例(22.9%)、食欲減退44例(16.8%)、甲状腺機能低下症42例(16.0%)、咳嗽40例(15.3%)、そう痒症34例(13.0%)、悪心33例(12.6%)、浮動性めまい32例(12.2%)、疲労32例(12.2%)、下痢29例(11.1%)、肺炎29例(11.1%)、肺臓炎28例(10.7%)、発疹28例(10.7%)、便秘27例(10.3%)、甲状腺機能亢進症27例(10.3%)であった。
<切除不能な肝細胞癌>
17.1.6 国際共同第III相試験(HIMALAYA試験)
全身化学療法歴のない切除不能な肝細胞癌患者
注14)(ECOG Performance Status 0又は1)1,171例(本剤+トレメリムマブ
注15)[本剤併用群393例]、本剤単独投与
注16)[本剤単独群389例]、ソラフェニブ[対照群389例])(日本人108例[本剤併用群34例、本剤単独群45例、対照群29例]を含む)を対象に、本剤とトレメリムマブを併用投与した場合及び本剤を単独投与した場合の有効性及び安全性を検討した
7)。
主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])(836件のイベント)は、本剤併用群で16.4[14.2〜19.6]カ月、本剤単独群で16.6[14.1〜19.1]カ月、対照群で13.8[12.3〜16.1]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.78[0.66〜0.92]、p=0.0035[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.0398])。また、本剤単独群について、ハザード比の有意水準に対応した信頼区間の上限が事前に規定した非劣性マージンである1.08を下回ったことから、本剤単独群の対照群に対する非劣性が確認された(ハザード比[95.67%信頼区間]:0.86[0.73〜1.02])(2021年8月27日データカットオフ)。
注14)局所療法の適応とならない、Child-Pugh分類Aの患者が組み入れられた。
注15)本剤1,500mg及びトレメリムマブ300mgを1回、その後4週間の間隔を空けて本剤1,500mgを4週間間隔で投与した。
注16)本剤1,500mgを4週間間隔で投与した。
治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の388例(日本人34例を含む)中378例(97.4%)、及び本剤単独群の388例(日本人45例を含む)中345例(88.9%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、下痢103例(26.5%)、そう痒症89例(22.9%)、発疹87例(22.4%)、食欲減退66例(17.0%)、疲労66例(17.0%)、発熱51例(13.1%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加48例(12.4%)、甲状腺機能低下症47例(12.1%)、悪心47例(12.1%)、腹痛46例(11.9%)、不眠症40例(10.3%)、無力症39例(10.1%)であった。本剤単独群でみられた主な有害事象は、下痢58例(14.9%)、そう痒症56例(14.4%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加56例(14.4%)、食欲減退53例(13.7%)、無力症49例(12.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加44例(11.3%)、便秘42例(10.8%)、発疹40例(10.3%)であった。[
5.8、
7.6参照]
<治癒切除不能な胆道癌>
17.1.7 国際共同第III相試験(TOPAZ-1試験)
化学療法歴のない治癒切除不能な胆道癌患者
注17)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)685例(本剤とゲムシタビン+シスプラチン[本剤併用群341例]、プラセボとゲムシタビン+シスプラチン[対照群344例])(日本人78例[本剤併用群37例、対照群41例]を含む)を対象に、本剤、ゲムシタビン及びシスプラチンを併用投与した場合
注18)の有効性及び安全性を検討した
8)。
中間解析の結果、主要評価項目である全生存期間(中央値[95%信頼区間])(424件のイベント)は、本剤併用群で12.8[11.1〜14.0]カ月、対照群で11.5[10.1〜12.5]カ月であり、本剤併用群は対照群に対し統計学的に有意な延長を示した(ハザード比[95%信頼区間]:0.80[0.66〜0.97]、p=0.021[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.03]、2021年8月11日データカットオフ)。
注17)治癒切除が行われた場合は、6カ月超を経過した後に再発した患者が対象とされた。また、術後補助化学療法又は術後補助放射線療法が行われた場合は、終了後6カ月超を経過した後に再発した患者が対象とされた。
注18)3週間を1サイクルとして、本剤1,500mg又はプラセボを第1日目に、ゲムシタビン1,000mg/m2とシスプラチン25mg/m2を第1、8日目に最大8サイクル投与後、本剤1,500mg又はプラセボを単独で4週間間隔で投与した。
治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の338例(日本人37例を含む)中336例(99.4%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、貧血163例(48.2%)、悪心138例(40.8%)、便秘109例(32.2%)、好中球減少症107例(31.7%)、疲労91例(26.9%)、好中球数減少91例(26.9%)、食欲減退87例(25.7%)、血小板数減少70例(20.7%)及び発熱70例(20.7%)であった。
<進行・再発の子宮体癌>
17.1.8 国際共同第III相試験(DUO-E試験)
化学療法歴のない
注19)進行・再発
注20)の子宮体癌患者
注21)718例([1]本剤+オラパリブ+化学療法群
注22)239例、[2]本剤+化学療法群
注22)238例、[3]化学療法群
注22)241例(日本人88例[それぞれ[1]26例、[2]30例、[3]32例]を含む)を対象に、上記[1]及び[2]と[3]との有効性及び安全性を検討した
9)。
主要評価項目であるRECIST ver.1.1に基づく治験担当医師の評価による無増悪生存期間(中央値[95%信頼区間])の結果は、本剤+オラパリブ+化学療法群で15.1[12.6〜20.7]カ月、本剤+化学療法群で10.2[9.7〜14.7]カ月、化学療法群で9.6[9.0〜9.9]カ月であり、本剤+オラパリブ+化学療法群及び本剤+化学療法群は化学療法群に対して統計学的に有意な延長を示した([1]化学療法群に対する本剤+オラパリブ+化学療法群のハザード比[95%信頼区間]:0.55[0.43〜0.69]、p<0.0001[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.025]、[2]化学療法群に対する本剤+化学療法群のハザード比[95%信頼区間]:0.71[0.57〜0.89]、p=0.003[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.025]、2023年4月12日データカットオフ)。
注19)術前又は術後の補助療法として抗悪性腫瘍剤が投与された場合には、抗悪性腫瘍剤の最終投与日から再発までの期間が12カ月間以上の患者が対象とされた。
注20)以下のいずれかに該当する患者が対象とされた。
・International Federation of Gynecology and Obstetrics(FIGO)分類(2009年版)III期のうち、手術又は生検後にRECIST ver.1.1に基づく測定可能病変が認められた患者
・FIGO分類(2009年版)IV期の患者(手術又は生検後の残存病変の有無は問わない)
・手術を含む治療により根治する可能性が低い再発の患者
注21)組織型は問わず、病理組織学的に上皮性子宮体癌と診断された患者が対象とされた(癌肉腫は組入れ可能とされ、子宮肉腫は組入れ不可とされた)。
注22)用法・用量は以下のとおりとされた。
| 投与群 | 化学療法併用期 | 維持療法期 |
| 本剤+オラパリブ+化学療法群 | CBDCA及びPTX†1、2との併用で、本剤1,120mgをQ3Wで静脈内投与†3 | ・本剤1,500mgをQ4Wで静脈内投与 ・オラパリブ300mgをBID経口投与 |
| 本剤+化学療法群 | CBDCA及びPTX†1、2との併用で、本剤1,120mgをQ3Wで静脈内投与†3 | ・本剤1,500mgをQ4Wで静脈内投与 ・オラパリブのプラセボをBID経口投与 |
| 化学療法群 | CBDCA及びPTX†1、2との併用で、本剤のプラセボをQ3Wで静脈内投与†3 | ・本剤のプラセボをQ4Wで静脈内投与 ・オラパリブのプラセボをBID経口投与 |
治験薬が投与された患者のうち、本剤+オラパリブ+化学療法群の238例(日本人26例を含む)中237例(99.6%)及び本剤+化学療法群の235例(日本人30例を含む)中232例(98.7%)に有害事象が認められた。本剤+オラパリブ+化学療法群でみられた主な有害事象は、貧血147例(61.8%)、悪心130例(54.6%)及び脱毛症121例(50.8%)であった。本剤+化学療法群でみられた主な有害事象は、脱毛症118例(50.2%)、貧血111例(47.2%)及び悪心96例(40.9%)であった(2023年4月12日データカットオフ)。
PD-L1発現状況(TAP)[[1]細胞膜に染色反応が認められる腫瘍細胞及び[2]細胞膜又は細胞質に染色反応が認められる腫瘍関連免疫細胞が存在する領域の面積を、腫瘍領域全体の面積で除して100を乗じた値]に関する部分集団に基づき、TAP別に解析を行った(2023年4月12日データカットオフ)。[
5.11、
5.12参照]
PD-L1の発現状況別のPFSの解析結果(治験担当医師判定、2023年4月12日データカットオフ)
| | | 本剤+オラパリブ+化学療法群 | 本剤+化学療法群 | 化学療法群 |
TAP ≧1 | 例数 | 150 | 170 | 163 |
中央値 [95%信頼区間](カ月) | 20.8 [15.1,未達] | 11.3 [9.7,15.4] | 9.5 [7.9,9.9] |
ハザード比 [95%信頼区間] | 0.42 [0.31,0.57] | 0.63 [0.48,0.83] | 該当なし |
TAP <1 | 例数 | 82 | 61 | 75 |
中央値 [95%信頼区間](カ月) | 10.1 [9.5,15.0] | 9.7 [7.0,14.7] | 9.9 [7.6,12.5] |
ハザード比 [95%信頼区間] | 0.80 [0.55,1.16] | 0.89 [0.59,1.34] | 該当なし |
<膀胱癌における術前・術後補助療法>
17.1.9 国際共同第III相試験(NIAGARA試験)
臨床病期T2-T4aN0M0又はT2-T4aN1M0の周術期の筋層浸潤性膀胱癌(MIBC)患者
注23)(WHO/ECOG Performance Status 0又は1)1,063例(本剤併用群
注24)533例、対照群
注24)530例)(日本人121例[本剤併用群62例、対照群59例]を含む)を対象に、術前補助療法としての本剤、ゲムシタビン及びシスプラチンの併用投与並びに術後補助療法としての本剤単独投与と、術前補助療法としてのゲムシタビンとシスプラチンとの併用投与の有効性及び安全性を検討した
10)。
主要評価項目の一つである盲検下独立中央判定又は中央病理検査機関判定による無イベント生存期間の2回目の中間解析の結果
注25)(中央値[95%信頼区間])(433件のイベント)は、本剤併用群でNE
注2)[NE〜NE]カ月、対照群で46.1[32.2〜NE]カ月であった(ハザード比[95%信頼区間]:0.68[0.558〜0.817]
注26)、p<0.0001[層別log-rank検定、有意水準(両側)0.04123]、2024年4月29日データカットオフ)。
注23)臨床病期はAJCC病期分類(第8版)に基づく。
注24)本剤併用群は、術前補助療法期にゲムシタビン及びシスプラチンとの併用で本剤1,500mgを3週間間隔で4回静脈内投与し、術後補助療法期に本剤1,500mgを4週間間隔で最大8回静脈内投与、対照群は、術前補助療法期にゲムシタビン及びシスプラチンを3週間間隔で4回静脈内投与することとされた。なお、ゲムシタビン及びシスプラチンの用法及び用量は、クレアチニンクリアランス60mL/min以上の患者には、3週間を1サイクルとして、第1日目にゲムシタビン1,000mg/m2及びシスプラチン70mg/m2、第8日目にゲムシタビン1,000mg/m2を静脈内投与、クレアチニンクリアランス40mL/min以上60mL/min未満の患者には、3週間を1サイクルとして、第1、8日目にゲムシタビン1,000mg/m2及びシスプラチン35mg/m2を静脈内投与とされた。
注25)無イベント生存期間の1回目の中間解析後に改訂された治験実施計画書に基づく解析結果である。
注26)有意水準に対応した95.877%信頼区間:0.554〜0.824
治験薬が投与された患者のうち、本剤併用群の530例(日本人61例を含む)中527例(99.4%)に有害事象が認められた。本剤併用群でみられた主な有害事象は、悪心284例(53.6%)、貧血205例(38.7%)、便秘205例(38.7%)、疲労191例(36.0%)、尿路感染159例(30.0%)、食欲減退141例(26.6%)、好中球減少症137例(25.8%)、発熱110例(20.8%)、下痢109例(20.6%)、嘔吐102例(19.2%)、血中クレアチニン増加98例(18.5%)、無力症93例(17.5%)、好中球数減少81例(15.3%)及びそう痒症80例(15.1%)であった。[
5.13、
7.8参照]
21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、切除不能な肝細胞癌>
21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。