医療用医薬品 : アシクロビル

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医薬品情報


総称名 アシクロビル
一般名 アシクロビル
欧文一般名 Aciclovir
薬効分類名 抗ヘルペスウイルス外用剤
薬効分類番号 6250
ATCコード D06BB03 J05AB01
KEGG DRUG
D00222 アシクロビル
KEGG DGROUP
DG02840 抗ヘルペスウイルス薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2023年7月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
アシクロビル軟膏5%「ラクール」 (後発品) ACICLOVIR OINTMENT 5%「RAKOOL」 東光薬品工業 6250701M1086 72.5円/g
アシクロビルクリーム5%「ラクール」 (後発品) ACICLOVIR CREAM 5%「RAKOOL」 東光薬品工業 6250701N1057 72.5円/g

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分あるいはバラシクロビル塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

単純疱疹

6. 用法及び用量

通常、適量を1日数回塗布する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の使用は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に使用を開始することが望ましい。
7.2 本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている1)
9.7 小児等
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%〜1%未満0.1%未満頻度不明
皮膚投与部位の刺激感、接触皮膚炎、そう痒、紅斑性発疹投与部位の疼痛、皮膚乾燥灼熱感、皮膚薄片剥離
過敏症  血管性浮腫、蕁麻疹

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
<製剤共通>
14.1.1 投与経路
眼科用として角膜、結膜に使用しないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
<クリーム>
14.2.1 治療終了後の未使用分は廃棄させること。
14.2.2 本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化させ、破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人の正常皮膚に5%アシクロビル軟膏100mgを単回塗布又は1日5回5日間連続塗布した場合の血漿中アシクロビル濃度は、いずれも検出限界(<0.007μg/mL)以下であった2)
16.3 分布
ラットの正常皮膚に5%3H-アシクロビル軟膏50mgを単回塗布した後8時間の尿中放射活性回収率は、0.42%で経皮吸収性は低かったが、角質層下の表皮及び真皮中の推定アシクロビル濃度は57μg/cm3に達した3)
16.5 排泄
健康成人の正常皮膚にアシクロビル軟膏100mgを単回塗布又は1日5回5日間連続塗布した場合の尿中アシクロビル濃度は、いずれも検出限界(<0.11μg/mL)以下であった2)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
国内延べ55施設において総計270例につき実施された臨床試験の結果は以下のとおりであった4)5)6)7)8)9)
(1)単純疱疹に対する有効率は85.7%(222/259例)であった。また、プラセボを対照とした比較試験において5%アシクロビル軟膏の有用性が認められた。
(2)小児37例における有効率は、97.3%であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
アシクロビルは、単純ヘルペスウイルスが感染した細胞内に入ると、ウイルス性チミジンキナーゼにより一リン酸化された後、細胞性キナーゼによりリン酸化され、アシクロビル三リン酸(ACV-TP)となる。ACV-TPは正常基質であるdGTPと競合してウイルスDNAポリメラーゼによりウイルスDNAの3’末端に取り込まれると、ウイルスDNA鎖の伸長を停止させ、ウイルスDNAの複製を阻害する10)11)12)13)
アシクロビルリン酸化の第一段階である一リン酸化は感染細胞内に存在するウイルス性チミジンキナーゼによるため、ウイルス非感染細胞に対する障害性は低いものと考えられる。
18.2 抗ウイルス作用
18.2.1 アシクロビルは、単純ヘルペスウイルス1型及び2型のin vitroにおける増殖を抑制し、IC50はそれぞれ0.01〜1.25μg/mL及び0.01〜3.20μg/mLであった14)15)
18.2.2 モルモットの背部に単純ヘルペスウイルス1型を接種し、48時間目より1日4回5日間塗布した実験では、平均病巣スコア及びウイルス価の有意な低下がみられた16)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. アシクロビル

一般的名称 アシクロビル
一般的名称(欧名) Aciclovir
化学名 2-Amino-9-[(2-hydroxyethoxy)methyl]-1,9-dihydro-6H-purin-6-one
分子式 C8H11N5O3
分子量 225.25
物理化学的性状 白色〜微黄白色の結晶性の粉末である。水に溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。0.1mol/L塩酸試液又は希水酸化ナトリウム試液に溶ける。
KEGG DRUG D00222

22. 包装

軟膏
5g[1チューブ]×5
クリーム
5g[1チューブ]×5

23. 主要文献

  1. Stahlmann R, et al., Infection., 15, 261-262, (1987) »PubMed
  2. 新村眞人ほか, 臨床医薬, 6, 15-22, (1990)
  3. Yamashita F,et al., Int J Pharm., 89, 199-206, (1993)
  4. 新村眞人ほか, 臨床医薬, 8, 281-287, (1992)
  5. 新村眞人ほか, 臨床医薬, 8, 289-297, (1992)
  6. 森島恒雄ほか, 臨床とウイルス, 20, 169-174, (1992)
  7. 早川謙一, 新薬と臨床, 41, 483-488, (1992)
  8. 三島 豊ほか, 医学と薬学, 27, 465-470, (1992)
  9. 新村眞人ほか, 臨床皮膚科, 46, 489-498, (1992)
  10. St Clair MH, et al., Antimicrob Agents Chemother., 18, 741-745, (1980) »PubMed
  11. Furman PA, et al., J Virol., 32, 72-77, (1979) »PubMed
  12. Furman PA, et al., Antimicrob Agents Chemother., 20, 518-524, (1981) »PubMed
  13. Miller WH, et al., J Biol Chem., 255, 7204-7207, (1980) »PubMed
  14. Al-Hasani AM, et al., J Antimicrob Chemother., 18 (Suppl.B), 113-119, (1986)
  15. McLaren C, et al., Am J Med., 73 (1A), 376-379, (1982) »PubMed
  16. Park NH, et al., Arch Dermatol., 116, 672-675, (1980) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641
製品情報問い合わせ先
ラクール薬品販売株式会社 DI室
〒123-0864 東京都足立区鹿浜1丁目9番14号
電話:03-3899-8881
FAX:03-3853-9641

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
東光薬品工業株式会社
東京都足立区新田2丁目16番23号
26.2 発売元
ラクール薬品販売株式会社
東京都足立区鹿浜1丁目9番14号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版