17.1.1 国際共同第III相試験(単剤療法、成人)
新規に又は最近てんかんと診断された部分発作(二次性全般化発作を含む)又は未分類の全般性強直間代発作を有する16歳以上の患者を対象として、本剤200〜600mg/日
注1)又はカルバマゼピン徐放錠(CBZ-CR)400〜1200mg/日
注2)を単剤にて経口投与したとき、主要評価項目であるKaplan-Meier法により推定した最終評価用量における6ヵ月間発作消失率は下表のとおりであり、群間差の95%信頼区間の下限値は予め設定された非劣性限界値(−12%)を上回ったこと、CBZ-CR群の6ヵ月間発作消失率に対する群間差の95%信頼区間の下限値の比(相対差)は予め、設定した非劣性限界値(−20%)を上回ったことから、CBZ-CRに対する本剤の非劣性が確認された
17)。
解析対象集団 | 投与群 | 例数 | 発作が消失した患者数(割合(%)) | 発作消失率(%)[95%信頼区間]a) | 群間差(%)[95%信頼区間]a)b) | 相対差(%)c) |
FASd) | 本剤群 | 444f) | 327(73.6) | 89.8[86.8,92.8] | −1.3[−5.5,2.8] | −6.0 |
CBZ-CR群 | 442g) | 308(69.7) | 91.1[88.2,94.0] |
PPSe) | 本剤群 | 408h) | 307(75.2) | 91.5[88.6,94.3] | −1.3[−5.3,2.7] | −5.7 |
CBZ-CR群 | 397i) | 285(71.8) | 92.8[90.0,95.5] |
なお、事後解析結果による本剤群で400mg/日超への増量が必要となった患者を効果不十分例として扱った場合のFASにおける発作が消失した患者数(割合(%))は308注3)/444例(69.4%)であり、Kaplan-Meier法により推定した発作消失率[95%信頼区間]は84.1%[80.5,87.6]であった。
副作用発現頻度は、本剤群で37.2%(165/444例)であった。主な副作用は、浮動性めまい7.9%(35/444例)、疲労5.6%(25/444例)、傾眠4.5%(20/444例)であった。
注1)本剤の承認された1日最高用量は400mgである。
注2)カルバマゼピン徐放錠は本邦では承認されていない。
注3)200〜400mg/日投与で発作が消失した患者数。
17.1.2 国内第III相試験(単剤療法、成人)
1剤の既存の抗てんかん薬を投与している16歳以上の部分発作を有するてんかん患者を対象として、本剤200〜600mg/日
注4)経口投与による単剤療法へ切り替えたとき、6ヵ月間発作消失患者の割合は46.2%(6/13例)であった。なお、事後解析として400mg/日超への増量が必要となった患者を効果不十分例として扱った場合の、6ヵ月間発作消失患者の割合は30.8%(4/13例)であった
18)。
副作用発現頻度は、84.2%(16/19例)であった。主な副作用は、浮動性めまい42.1%(8/19例)、傾眠31.6%(6/19例)、回転性めまい、悪心が各10.5%(2/19例)であった。
注4)本剤の承認された1日最高用量は400mgである。
17.1.3 国際共同第III相試験(併用療法、成人)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分発作を有する16歳以上の日本人及び中国人のてんかん患者547例(日本人患者142例を含む)を対象として、本剤200、400mg/日又はプラセボを16週間経口投与(既存の抗てんかん薬1〜3剤との併用)したとき、主要評価項目である観察期間に対する維持期間の28日あたりの部分発作回数変化量は下表のとおりであり、プラセボ群と本剤200mg/日及び400mg/日群との間で統計学的に有意な差が認められた。なお、各群における50%レスポンダーレート(28日あたりの部分発作回数が観察期間と比べて50%以上改善した患者の割合)は、プラセボ群19.7%(36/183例)、本剤200mg/日群38.5%(70/182例)及び本剤400mg/日群49.2%(88/179例)であった
19)。
| 例数a) | 28日あたりの部分発作回数の変化量b) | p値c) | プラセボ群に対する減少率d)[95%信頼区間] |
プラセボ群 | 183 | −1.22 | / | / |
200mg/日群 | 182 | −3.33 | <0.001 | 29.4[18.7,38.7] |
400mg/日群 | 179 | −4.50 | <0.001 | 39.6[30.5,47.6] |
副作用発現頻度は、本剤群で47.7%(173/363例)であった。主な副作用は、浮動性めまい22.9%(83/363例)、傾眠8.8%(32/363例)、複視4.4%(16/363例)であった。
17.1.4 国際共同長期継続投与試験(成人)
国際共同第III相試験(併用療法)を完了した日本及び中国の患者473例(日本人患者123例を含む)を対象として、本剤100〜400mg/日を1日2回に分けて経口投与したとき(中間報告、最長767日投与)、先行試験の観察期間からの28日あたりの部分発作回数減少率の中央値は55.23%、50%レスポンダーレートは56.3%(265/471例)であった
20)。
副作用発現頻度は、本剤群で42.9%(203/473例)であった。主な副作用は、浮動性めまい17.8%(84/473例)、傾眠5.7%(27/473例)、頭痛3.8%(18/473例)であった。
17.1.5 海外第III相試験(小児)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない部分発作を有する4歳以上17歳未満の小児てんかん患者343例を対象として、本剤(体重30kg未満の患者は8〜12mg/kg/日、体重30〜50kg未満の患者は6〜8mg/kg/日、体重50kg以上の患者は300〜400mg/日)又はプラセボを16週間経口投与(既存の抗てんかん薬1〜3剤との併用)したとき、主要評価項目である観察期間に対する維持期間の28日あたりの部分発作回数変化量は下表のとおりであり、プラセボ群と本剤群との間で統計学的に有意な差が認められた
21)。
| 例数a) | 28日あたりの部分発作回数の変化量b) | p値c) | プラセボ群に対する減少率d)[95%信頼区間] |
プラセボ群 | 170 | −1.55 | / | / |
本剤群 | 170 | −3.05 | 0.0003 | 31.72[16.342,44.277] |
副作用発現頻度は、本剤群で33.9%(58/171例)であった。主な副作用は、傾眠14.0%(24/171例)、浮動性めまい8.8%(15/171)であった。
17.1.6 国際共同第II相長期継続投与試験(小児)
4歳から17歳の直接登録された小児てんかん患者136例(日本人46例、外国人90例)を対象として、本剤12mg/kg/日(体重50kg以上の患者は600mg/日
注5))までを1日2回に分けて経口投与したとき、観察期間からの全治療期間における部分発作回数変化率の中央値は−52.73%(日本人で−27.63%、外国人で−60.56%)であった
22)。
副作用発現頻度は、56.2%(77/137例)であった。主な副作用は、浮動性めまい20.4%(28/137例)、傾眠19.7%(27/137例)、振戦8.0%(11/137例)であった。
注5)本剤の承認された1日最高用量は、成人及び体重50kg以上の小児には400mg、体重30kg以上50kg未満の小児には8mg/kg、体重30kg未満の小児には12mg/kgである。
17.1.7 国際共同第III相試験(成人及び小児)
既存の抗てんかん薬で十分な発作抑制効果が得られない強直間代発作を有する4歳以上のてんかん患者242例(日本人患者30例を含む)を対象として、本剤(体重30kg未満の小児患者は8〜12mg/kg/日、体重30〜50kg未満の小児患者は6〜8mg/kg/日、体重50kg以上の小児及び成人患者は300〜400mg/日)又はプラセボを最長で24週間経口投与(既存の抗てんかん薬1〜3剤との併用)したとき、主要評価項目である24週間の治療期間における2回目の強直間代発作が発現するまでの時間は下表及び下図のとおりであり、プラセボと本剤群との間で統計学的に有意な差が認められた
23)。
投与群 | 例数a) | イベント発現までの日数(日)b)[95%信頼区間] | ハザード比c)[95%信頼区間] | p値c) |
プラセボ群 | 121 | 77.0[49.0,128.0] | 0.540[0.377,0.774] | <0.001 |
本剤群 | 118 | −[144.0,−] |
治療期間における2回目の強直間代発作が発現するまでの時間のKaplan-Meier曲線
副作用発現頻度は、本剤群で46.3%(56/121例)であった。主な副作用は、浮動性めまい17.4%(21/121例)、傾眠13.2%(16/121例)、悪心7.4%(9/121例)であった。
17.1.8 国際共同長期継続投与試験(成人及び小児)
国際共同第III相試験(成人及び小児)を完了した患者及び当該試験での適格性基準のうち強直間代発作回数の基準のみを満たさなかった患者239例(日本人患者37例を含む)を対象として、本剤(体重50kg未満の小児患者は4〜12mg/kg/日、体重50kg以上の小児患者は200〜600mg/日、成人患者は200〜800mg/日
注6))を1日2回に分けて経口投与したとき(中間報告、最長1416日投与)、先行試験の観察期間からの治療期間における28日あたりの強直間代発作回数変化率の中央値は−88.52%であった
24)。
副作用発現頻度は、34.7%(83/239例)であった。主な副作用は、浮動性めまい10.9%(26/239例)、傾眠5.9%(14/239例)、回転性めまい及び悪心3.8%(9/239例)であった。
注6)本剤の承認された1日最高用量は、成人及び体重50kg以上の小児には400mg、体重30kg以上50kg未満の小児には8mg/kg、体重30kg未満の小児には12mg/kgである。