腎動脈から血液によって腎臓に運ばれ、腎臓の糸球体及び尿細管からその全量が尿中に排泄されてしまい、腎静脈中には全く検出されないような物質のクリアランスを測定すれば、その値が腎血漿流量を示すことになる
4)。血漿中濃度が低い場合(5mg/dL以下)には、パラアミノ馬尿酸クリアランス値(C
PAH)は腎排泄組織を流れる血漿量(有効腎血漿流量Effective Renal Plasma Flow、ERPF)に等しくなる。有効腎血漿流量は全腎血漿流量の85〜90%であるからパラアミノ馬尿酸クリアランス(C
PAH)は厳密には全腎血漿流量を表すものとはいえないが、一般にパラアミノ馬尿酸クリアランス(C
PAH)をもって腎血漿流量(RPF)としている。臨床診断上、RPFは腎疾患時にはその疾患の進行とともに低下し
5)、全身の循環不全(うっ血性心不全及びショック時)時は減少する
6)。
なお、全腎血漿流量は腎静脈カテーテル法を応用してパラアミノ馬尿酸の除去率(Extraction Ratio、E
PAH)を求めることにより測定される。除去率(E
PAH)は急性糸球体腎炎、高血圧症などで腎障害が進行した場合には減少する
7)。
また臨床的に腎血管性高血圧が疑われる症例に、本剤による分腎機能検査を行うことにより、腎動脈の狭窄という解剖学的異常と高血圧という機能的異常とを結びつけて、手術成績を予測判断することが可能である
3)。