遺伝子診断、あるいは臨床症状及びADA活性によりADA欠損症と診断されたADA欠損症患者(4例、3ヵ月〜25歳)に本剤0.1〜0.267mg/kgを週1回21週間筋肉内投与した
注1)。投与量の調節については、[1]赤血球中Deoxyadenosine nucleotide(dAXP)トラフ値が0.02μmol/mL超、[2]血清中ADA活性トラフ値が1100U/L未満、[3]肺炎や下痢等の臨床症状の発現・不変・悪化又は免疫機能や肝機能等の臨床検査値の変動又は異常値、[4]安全性への懸念、のいずれかに該当した場合に検討することとされた。dAXP及びADA活性の結果は下表のとおりであった
1)。
| 生化学検査項目 | 時期 | 被験者1 | 被験者2 | 被験者3 | 被験者4注1) |
| 赤血球中dAXPトラフ値(μmol/mL) | 前 | 0.125 | <0.002 | − | − |
| 21週 | <0.002 | <0.002 | − | − |
| 血中dAXPトラフ値(μmol/mL) | 前 | 0.0952 | 0.000407 | 0.0107 | 0.0293 |
| 21週 | 0.00167 | 0.00114 | 0.00449 | 0.00189注2) |
| 血漿中ADA活性トラフ値(μmol/h/mL) | 前 | <9.0 | <9.0 | − | − |
| 21週 | 28.73 | 18.66 | − | − |
| 血清中ADA活性トラフ値(U/L) | 前 | 20.7 | 223.7 | 884.0 | − |
| 21週 | 1550.6 | 998.7 | 1482.0 | 1451.2注2) |
注1)1例は投与開始時から全身状態が不良であったため、0.2mg/kg/回を週2回投与し、投与開始107日目に中止した。
注2)投与開始98日目の値
前:スクリーニング時、21週:評価期終了時(投与開始148日目)又は中止時
本試験における安全性評価対象4例において、副作用は認められなかった。[
7.1、
7.2参照]
類薬(ADA酵素補充療法剤pegademase bovine、国内未承認)を投与していた免疫不全を伴うADA欠損症患者(3例、19〜37歳)に、本剤0.188〜0.224mg/kgを週1回21週間筋肉内投与した結果、dAXP及びADA活性は下表のとおりであった
2)。
| 生化学検査項目 | 時期 | 被験者1 | 被験者2 | 被験者3 |
| 赤血球中dAXPトラフ値(μmol/mL) | 本剤投与開始時 | <0.002 | <0.002 | <0.002 |
| 本剤投与開始21週時 | <0.002 | <0.002 | <0.002 |
| 血漿中ADA活性トラフ値(μmol/h/mL) | 本剤投与開始時 | 10.9 | 10.2 | 17.4 |
| 本剤投与開始21週時 | 28.2 | 31.4 | 28.9 |
本試験における安全性評価対象6例中2例に副作用が認められた。その副作用は、注射部位疼痛(1例2件)及び注射部位不快感(1例7件)であった。[
7.1、
7.2参照]