17.1.1 国際共同第III相試験(ZOSTER-006試験)
50歳以上の者14759例(日本人603例含む)を対象に実施したプラセボ対象、観察者盲検、国際共同第III相試験(ZOSTER-006試験)において、本剤を2回接種した際の帯状疱疹に対する有効性及び本剤の安全性を評価した。その結果、本剤の有効性は97.16%(95%信頼区間:93.72-98.97)であった(表1)
2)。
なお、帯状疱疹後神経痛の発症例数は本剤群0例、プラセボ群18例であった。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った4379例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は81.5%(3570/4379例)であり、疼痛79.1%(3463/4379例)、発赤38.0%(1665/4379例)、腫脹26.3%(1153/4379例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は58.2%(2543/4372例)であった。主なものは、筋肉痛41.4%(1812/4372例)、疲労40.1%(1755/4372例)、頭痛33.9%(1484/4372例)であった
3)。
表1 帯状疱疹に対する有効性注1),注2)
本剤群 | プラセボ群 | 有効性(%)[95%CI] |
N | n | n/T | N | n | n/T |
7344 | 6 | 0.3 | 7415 | 210 | 9.1 | 97.16[93.72,98.97] |
17.1.2 国際共同第III相試験(ZOSTER-022試験)
70歳以上の者13163例(日本人563例含む)を対象に実施したプラセボ対象、観察者盲検、国際共同第III相試験(ZOSTER-022試験)において、本剤を2回接種した際の帯状疱疹に対する有効性及び本剤の安全性を評価した。その結果、本剤の有効性は89.79%(95%信頼区間:84.29-93.66)であった(表2)
4)。
なお、帯状疱疹後神経痛の発症例数は本剤群4例、プラセボ群28例であった。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った505例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は74.1%(374/505例)であり、疼痛68.7%(347/505例)、発赤39.2%(198/505例)、腫脹22.6%(114/505例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は43.8%(221/504例)であった。主なものは、疲労27.8%(140/504例)、筋肉痛27.2%(137/504例)、頭痛20.6%(104/504例)であった
5)。
表2 帯状疱疹に対する有効性注1),注2)
本剤群 | プラセボ群 | 有効性(%)[95%CI] |
N | n | n/T | N | n | n/T |
6541 | 23 | 0.9 | 6622 | 223 | 9.2 | 89.79[84.29,93.66] |
17.1.3 海外第III相試験(ZOSTER-026試験)
50歳以上の者を対象に実施した非盲検、第III相試験(ZOSTER-026試験)において、0、2ヵ月と0、6ヵ月の接種間隔を比較するため液性免疫応答を評価した。2回目接種後1ヵ月目時点の抗gE抗体のワクチン応答率は0、2ヵ月接種群で96.6%(95%信頼区間:91.5-99.1)、0、6ヵ月接種群で96.5%(97.5%信頼区間:90.4-99.2)であった
6)。
0、2ヵ月接種群において、本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った119例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は84.0%(100/119例)であり、疼痛76.5%(91/119例)、発赤40.3%(48/119例)、腫脹21.8%(26/119例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は64.7%(77/119例)であった。主なものは、筋肉痛47.9%(57/119例)、疲労41.2%(49/119例)、頭痛34.5%(41/119例)であった
7)。
0、6ヵ月接種群において、本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った119例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は84.9%(101/119例)であり、疼痛79.8%(95/119例)、発赤42.0%(50/119例)、腫脹23.5%(28/119例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は63.9%(76/119例)であった。主なものは、疲労48.7%(58/119例)、筋肉痛43.7%(52/119例)、頭痛31.9%(38/119例)であった
7)。
17.1.4 国際共同第III相試験(ZOSTER-002試験)
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の自家造血幹細胞移植施行者1846例(日本人80例含む)を対象に実施したプラセボ対照、観察者盲検、国際共同第III相試験(ZOSTER-002試験)において、自家造血幹細胞移植施行後50〜70日目に本剤の1回目接種を行い、1〜2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種をした際の帯状疱疹に対する有効性、本剤の免疫原性及び安全性を評価した
8)。その結果、主要評価項目である本剤の有効性は68.2%(95%信頼区間:55.5-77.6)であった(表3)。
なお、帯状疱疹後神経痛の発症例数は本剤群1例、プラセボ群9例であった。
2回目接種後1ヵ月目時点の液性免疫応答を評価した。抗gE抗体のワクチン応答率は67.1%(95%信頼区間:55.8-77.1)、抗gE抗体の幾何平均濃度(GMC)は12753.2mIU/mL(95%信頼区間:7973.0-20399.4)、幾何平均増加率(MGI)(接種後/接種前)は16.72倍(95%信頼区間:10.01-27.92)であった。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った901例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は85.8%(773/901例)であり、疼痛83.9%(756/901例)、発赤33.4%(301/901例)、腫脹18.6%(168/901例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は42.1%(379/901例)であった。主なものは、筋肉痛31.0%(279/901例)、疲労23.3%(210/901例)、悪寒14.5%(131/901例)であった。
表3 帯状疱疹に対する有効性注1),注2)
本剤群 | プラセボ群 | 有効性(%)[95%CI] |
N | n | n/T | N | n | n/T |
870 | 49 | 30.0 | 851 | 135 | 94.3 | 68.2[55.5,77.6] |
17.1.5 海外第II/III相試験(ZOSTER-028試験)
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の固形悪性腫瘍患者232例を対象に実施したプラセボ対照、観察者盲検、第II/III相試験(ZOSTER-028試験)において、化学療法のサイクル開始8〜30日前(PreChemo群)又は開始時(OnChemo群)に本剤の1回目を接種し、1〜2ヵ月の間隔をおいて、続く化学療法のサイクル開始時に2回目の接種をした際の本剤の免疫原性及び安全性を評価した
9)。
2回目接種後1ヵ月目時点の液性免疫応答を評価した。抗gE抗体のワクチン応答率はPreChemo群で93.8%(95%信頼区間:85.0-98.3]、全体が86.2%(95%信頼区間:77.1-92.7]であった(表4)。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った112例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は83.9%(94/112例)であり、疼痛80.4%(90/112例)、発赤35.7%(40/112例)、腫脹16.1%(18/112例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は33.9%(38/112例)であった。主なものは、筋肉痛26.8%(30/112例)、疲労17.0%(19/112例)、頭痛14.3%(16/112例)、悪寒14.3%(16/112例)であった。
表4 2回目接種後1ヵ月目時点の液性免疫応答(抗gE抗体)
| PreChemo群 N=65 | 全体 N=87注1) |
ワクチン応答率(%) [95%CI] | 93.8 [85.0,98.3] | 86.2 [77.1,92.7] |
GMC(mIU/mL) [95%CI] | 22974.3 [19080.0,27663.5] | 18291.7 [14432.1,23183.5] |
MGI(倍)(接種後/接種前) [95%CI] | 22.3 [17.1,29.0] | 17.4 [13.2,23.0] |
17.1.6 海外第III相試験(ZOSTER-039試験)
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の造血器腫瘍患者562例を対象に実施したプラセボ対照、観察者盲検、第III相試験(ZOSTER-039試験)において、がん治療実施中の場合は治療から前後10日以上の間隔をあけて、がん治療完了後の場合は完了から10日以降6ヵ月以内に本剤の1回目の接種を行い、1〜2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種をした際の本剤の免疫原性及び安全性を評価した
10)。
2回目接種後1ヵ月目時点の液性免疫応答を評価した。抗gE抗体のワクチン応答率は65.4%(95%信頼区間:58.7-71.7)、抗gE抗体のGMCは13445.6mIU/mL(95%信頼区間:10158.9-17795.6)、MGI(接種後/接種前)は13.95倍(95%信頼区間:10.39-18.73)であった。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った278例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は83.8%(233/278例)であり、疼痛79.5%(221/278例)、発赤41.4%(115/278例)、腫脹22.7%(63/278例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は37.1%(103/278例)であった。主なものは、疲労22.7%(63/278例)、筋肉痛22.7%(63/278例)、頭痛18.7%(52/278例)であった。
17.1.7 海外第III相試験(ZOSTER-041試験)
帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の腎移植患者(30日間以上の免疫抑制薬の長期治療を受けている)264例を対象に実施したプラセボ対照、観察者盲検、第III相試験(ZOSTER-041試験)において、腎移植の4〜18ヵ月後に本剤の1回目接種を行い、1〜2ヵ月の間隔をおいて2回目の接種をした際の本剤の免疫原性及び安全性を評価した
11)。
2回目接種後1ヵ月目時点の液性免疫応答を評価した。抗gE抗体のワクチン応答率は80.2%(95%信頼区間:71.9-86.9)、抗gE抗体のGMCは19163.8mIU/mL(95%信頼区間:15041.5-24416.0)、MGI(接種後/接種前)は14.1倍(95%信頼区間:11.0-18.1)であった。
本剤接種後7日間(接種当日も含む)の日誌による安全性調査を行った131例のうち、局所(注射部位)の副反応発現頻度は87.8%(115/131例)であり、疼痛87.0%(114/131例)、発赤25.2%(33/131例)、腫脹11.5%(15/131例)であった。また、全身性の副反応発現頻度は26.0%(34/131例)であった。主なものは、筋肉痛16.0%(21/131例)、疲労11.5%(15/131例)、頭痛9.2%(12/131例)、悪寒8.4%(11/131例)であった。