医療用医薬品 : ブロマゼパム |
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総称名 | ブロマゼパム |
一般名 | ブロマゼパム |
欧文一般名 | Bromazepam |
製剤名 | ブロマゼパム錠 |
薬効分類名 | 精神神経用剤 |
薬効分類番号 | 1124 |
ATCコード | N05BA08 |
KEGG DRUG |
D01245
ブロマゼパム
商品一覧 相互作用情報 |
JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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ブロマゼパム錠1mg「サンド」 | Bromazepam Tablets 1mg [SANDOZ] | サンド | 1124020F1041 | 5.7円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
ブロマゼパム錠2mg「サンド」 (後発品) | Bromazepam Tablets 2mg [SANDOZ] | サンド | 1124020F2056 | 5.7円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
ブロマゼパム錠3mg「サンド」 (後発品) | Bromazepam Tablets 3mg [SANDOZ] | サンド | 1124020F3044 | 5.9円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
ブロマゼパム錠5mg「サンド」 (後発品) | Bromazepam Tablets 5mg [SANDOZ] | サンド | 1124020F4059 | 5.9円/錠 | 向精神薬 , 処方箋医薬品 |
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
重症筋無力症の患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある。]
神経症・うつ病の場合
通常、成人にはブロマゼパムとして1日量6〜15mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
心身症の場合
通常、成人にはブロマゼパムとして1日量3〜6mgを1日2〜3回に分けて経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
麻酔前投薬の場合
通常、成人にはブロマゼパムとして5mgを就寝前又は手術前に経口投与する。なお、年齢、症状、疾患により適宜増減する。
慎重投与
次の患者には少量から投与を開始するなど注意すること。
心障害のある患者[ジアゼパムで循環器への影響があらわれたとの報告がある。]
肝障害又は腎障害のある患者
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれやすい。]
小児等(「7.小児等への投与」の項参照)
高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
衰弱患者
中等度呼吸障害又は重篤な呼吸障害(呼吸不全)のある患者[呼吸器への影響があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)。
相互作用
併用注意
アルコール(飲酒) | 中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。アルコールとの併用は避けることが望ましい。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。 |
中枢神経抑制剤 フェノチアジン誘導体 バルビツール酸誘導体 鎮痛薬 麻酔薬等 | 中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。アルコールとの併用は避けることが望ましい。 | ともに中枢神経抑制作用を有するため、相互に作用を増強するおそれがある。 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 | クロルジアゼポキシドで舞踏病が発現したとの報告がある。 | 機序不明 |
シメチジン | 本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。 | 本剤のクリアランスが減少し、血中半減期が延長する。 |
フルボキサミンマレイン酸塩 | 本剤の中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある。 | 肝臓での酸化的代謝が阻害され、本剤のAUCの増加、血中半減期の延長が報告されている。 |
副作用
副作用発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用及び副作用用語
重大な副作用
依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
刺激興奮、錯乱(頻度不明)
刺激興奮、錯乱等があらわれることがある。
その他の副作用
頻度不明 | |
精神神経系 | 眠気、ふらつき、めまい、興奮、気分高揚、歩行失調、不眠、頭痛、性欲への影響、振戦、構音障害、不安、焦躁感、のぼせ、ぼんやり感、しびれ感 |
血液 | 白血球減少 |
肝臓 | AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇、ウロビリノーゲン陽性 |
循環器 | 血圧低下、動悸 |
消化器 | 口渇、食欲不振、嘔気、便秘、胃部不快感、唾液分泌過多 |
過敏症注) | 発疹、そう痒 |
泌尿器 | 排尿困難、尿失禁、頻尿 |
その他 | 疲労感、脱力感、視覚障害、胸部圧迫感、四肢冷感、咽喉閉塞感、発汗 |
高齢者への投与
高齢者へ投与する場合には、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。[運動失調等の副作用が発現しやすい。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム、クロルジアゼポキシド等)を服用していた患者が出産した新生児において、口唇裂、口蓋裂等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。]
妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。また、ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。]
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系化合物(ジアゼパム)で報告されている。また、黄疸を増強する可能性がある。]1)
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
過量投与
本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。
症状
うとうと状態から昏睡までの中枢神経抑制作用に基づく症状
処置
症状に応じて催吐、胃洗浄、活性炭による吸着、フルマゼニルの投与
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、さらには穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。
血中濃度2)
健康成人12名にブロマゼパム5mg錠1錠を経口投与したところ、投与後2時間で最高血中濃度に達し、その後徐々に減少したが、投与後48時間でもわずかに血中に存在した。
生物学的同等性試験3)
ブロマゼパム錠1mg「サンド」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ4錠(ブロマゼパム4mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
ブロマゼパム錠1mg「サンド」投与後の血漿中濃度推移
血中濃度パラメータ
AUC0-72(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | AUC∞(ng・hr/mL) | MRT(hr) | Tmax(hr) | T1/2(hr) | |
ブロマゼパム錠1mg「サンド」 | 1913.1±607.8 | 69.97±14.39 | 2435.9±941.9 | 25.49±2.21 | 1.31±0.52 | 30.97±8.45 |
標準製剤 (錠剤、4mg) | 1888.3±594.3 | 68.75±16.53 | 2311.3±825.3 | 25.23±1.80 | 1.11±0.43 | 28.76±5.91 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
ブロマゼパム錠1mg「サンド」、ブロマゼパム錠2mg「サンド」、ブロマゼパム錠3mg「サンド」及びブロマゼパム錠5mg「サンド」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたブロマゼパム錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
神経症及びうつ病における強迫、恐怖、緊張及び不安等の症状8)9)10)
神経症及びうつ病における強迫、恐怖、緊張及び不安等の症状に対する有効率は、61.7%(50/81)であった。
麻酔前投薬11)
プラセボを対照とした二重盲検比較試験による検討で、有用性が認められた。
マウスのfoot shockによる闘争行動抑制作用において、ジアゼパムの2倍以上の効果を示した。一方、ラットの視床下部に慢性的に電極を植込んでの脳内自己刺激行動に対する抑制作用及びラットの自己刺激行動後の不快刺激と食餌報酬行動における葛藤状態に対する抑制作用もジアゼパムの2倍以上であった。また、ラットでのshuttle box法による条件回避反応もジアゼパムより強力な作用を示した。
その他の中枢作用12)
ウサギの自発脳波及び脳波覚醒反応の抑制作用は、ジアゼパムの約2倍の効果を示した。
安定性試験
ブロマゼパム錠1mg「サンド」
100錠(PTP)
ブロマゼパム錠2mg「サンド」
100錠(PTP)
1000錠(PTP)
2000錠(バラ)
ブロマゼパム錠3mg「サンド」
100錠(PTP)
1000錠(PTP)
ブロマゼパム錠5mg「サンド」
100錠(PTP)
1000錠(PTP)
2000錠(バラ)
本剤は、厚生労働省告示第97号(平成20年3月19日付)により投与期間に上限が設けられており、1回30日分を限度とします。
1. | Patrick M.J., Lancet, 7749, 542, (1972) |
2. | 福島和昭他, 麻酔, 31, 512, (1982) »PubMed |
3. | ブロマゼパム錠1mg「サンド」の生物学的同等性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
4. | ブロマゼパム錠1mg「サンド」の溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
5. | ブロマゼパム錠2mg「サンド」の溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
6. | ブロマゼパム錠3mg「サンド」の溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
7. | ブロマゼパム錠5mg「サンド」の溶出試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
8. | 住吉好雄他, 産科と婦人科, 47, 1286, (1980) |
9. | 播口之朗他, 新薬と臨床, 30, 1039, (1981) |
10. | 服部陽兒他, 薬理と治療, 11, 4841, (1983) |
11. | 矢野浩司他, 新薬と臨床, 31, 1803, (1982) |
12. | 川崎博己他, 久留米医誌, 41, 695, (1978) |
13. | 五味田裕他, 久留米医誌, 41, 683, (1978) |
14. | ブロマゼパム錠1mg「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
15. | ブロマゼパム錠2mg「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
16. | ブロマゼパム錠3mg「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
17. | ブロマゼパム錠5mg「サンド」の安定性試験に関する資料(サンド株式会社社内資料) |
改訂履歴 |
2019年12月 作成 |
文献請求先 |
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。 |
業態及び業者名等 |
製造販売 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2023/05/24 版 |