医療用医薬品 : エンハーツ |
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総称名 | エンハーツ |
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一般名 | トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え) |
欧文一般名 | Trastuzumab Deruxtecan(Genetical Recombination) |
製剤名 | トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)注 |
薬効分類名 | 抗悪性腫瘍剤−抗HER2注1)抗体 注1)HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2(ヒト上皮増殖因子受容体2型、別称:c-erbB-2) トポイソメラーゼI阻害剤複合体 |
薬効分類番号 | 4291 |
ATCコード | L01FD04 |
KEGG DRUG |
D11529
トラスツズマブデルクステカン
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KEGG DGROUP |
DG03158
HER2阻害薬
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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エンハーツ点滴静注用100mg | ENHERTU FOR INTRAVENOUS DRIP INFUSION | 第一三共 | 4291452D1029 | 160543円/瓶 | 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品注2) |
効能又は効果 | 化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌 | がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌 |
通常投与量 | 5.4mg/kg | 6.4mg/kg |
一次減量 | 4.4mg/kg | 5.4mg/kg |
二次減量 | 3.2mg/kg | 4.4mg/kg |
中止 | 3.2mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。 | 4.4mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。 |
副作用 | 程度注) | 処置 | |
間質性肺疾患 | Grade 1の場合 | 投与を中止し、原則として再開しない。ただし、すべての所見が消失し、かつ治療上の有益性が危険性を大きく上回ると判断された場合のみ、1用量レベル減量して投与再開することもできる。再発した場合は、投与を中止する。 | |
Grade 2〜4の場合 | 投与を中止する。 | ||
左室駆出率(LVEF)低下 | 40%≦LVEF≦45% | ベースラインからの絶対値の低下<10% | 休薬を考慮する。3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認する。 |
ベースラインからの絶対値の低下≧10%かつ≦20% | 休薬し、3週間以内に再測定を行い、LVEFのベースラインからの絶対値の低下<10%に回復しない場合は、投与を中止する。 | ||
LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20% | 休薬し、3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%が認められた場合は、投与を中止する。 | ||
症候性うっ血性心不全 | 投与を中止する。 | ||
QT間隔延長 | Grade 3の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | 投与を中止する。 | ||
Infusion reaction | Grade 1の場合 | 投与速度を50%減速する。 他の症状が出現しない場合は、次回以降は元の速度で投与する。 | |
Grade 2の場合 | Grade 1以下に回復するまで投与を中断する。再開する場合は投与速度を50%減速する。次回以降も減速した速度で投与する。 | ||
Grade 3又は4の場合 | 投与を中止する。 | ||
好中球数減少 | Grade 3の場合 | Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量で投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。 | ||
発熱性好中球減少症 | 回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。 | ||
貧血 | Grade 3の場合 | Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。 | ||
血小板数減少 | Grade 3の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬する。 7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。 7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。 | ||
総ビリルビン増加 | Grade 2の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬する。 7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。 7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。 | |
Grade 3の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬する。 7日以内に回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。 7日を過ぎてから回復した場合は、投与を中止する。 | ||
Grade 4の場合 | 投与を中止する。 | ||
下痢又は大腸炎 | Grade 3の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬する。 3日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。 3日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | 投与を中止する。 | ||
上記以外の副作用 | Grade 3の場合 | Grade 1以下に回復するまで休薬する。 7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。 7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。 | |
Grade 4の場合 | 投与を中止する。 |
30%以上 | 10〜30%未満 | 10%未満 | |
皮膚 | 脱毛症(35.2%) | 発疹、皮膚色素過剰、そう痒症 | |
精神神経系 | 頭痛、浮動性めまい、嗜眠 | ||
消化器 | 悪心(69.8%)、嘔吐(34.5%) | 下痢、便秘、口内炎、腹痛 | 味覚障害、消化不良、腹部膨満、胃炎、鼓腸 |
肝臓 | AST増加、ALT増加 | 血中ビリルビン増加、血中ALP増加、γ-GTP増加、肝機能異常、トランスアミナーゼ上昇、肝機能検査異常 | |
呼吸器 | 呼吸困難、咳嗽、上気道感染、肺炎 | ||
循環器 | 駆出率減少、心電図QT延長、心不全 | ||
その他 | 疲労(48.2%) | 食欲減退 | 体重減少、筋骨格痛、低カリウム血症、鼻出血、発熱、ドライアイ、末梢性浮腫、脱水、霧視、血中クレアチニン増加 |
Cmax(μg/mL) | Tmax(hr) | AUClast(μg・日/mL) | t1/2(日) | CL(mL/日/kg) | Vss(mL/kg) | |
トラスツズマブ デルクステカン (N=48) | 126(37.7) | 2.00(1.50〜6.85) | 559(178) | 5.52(1.23) | 10.2(3.95) | 68.3(15.5) |
Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | AUClast(ng・日/mL) | t1/2(日) | CL(mL/日/kg) | Vss(mL/kg) | |
カンプトテシン誘導体 (N=48) | 8.22(6.21) | 5.78(1.93〜75.75) | 35.1(24.3) | 5.58a)(1.29) | − | − |
Cmax(μg/mL) | Tmax(hr) | AUClast(μg・日/mL) | t1/2(日) | CL(mL/日/kg) | Vss(mL/kg) | |
トラスツズマブ デルクステカン (N=125) | 127(28.4) | 3.93(0.00〜7.15) | 611(150) | 5.77a)(1.37) | 10.4a)(2.91) | 70.6a)(16.5) |
Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | AUClast(ng・日/mL) | t1/2(日) | CL(mL/日/kg) | Vss(mL/kg) | |
カンプトテシン誘導体 (N=125) | 12.1(4.79) | 6.85(3.75〜7.25) | 46.7(16.3) | 5.50b)(1.11) | − | − |
一般的名称 | トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え) |
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一般的名称(欧名) | Trastuzumab Deruxtecan(Genetical Recombination) |
分子式 | デルクステカン C52H57FN9O13 抗体部分 C6460H9972N1724O2014S44(タンパク質部分、4本鎖) H鎖C2198H3391N585O672S16 L鎖C1032H1599N277O335S6 |
分子量 | デルクステカン 1,035.06 抗体部分 約148,000 トラスツズマブ デルクステカン 約157,000 |
理化学知見その他 | トラスツズマブ デルクステカンは、抗体薬物複合体であり、遺伝子組換えモノクローナル抗体の平均8個のCys残基に、カンプトテシン誘導体とリンカーからなるデルクステカン((3RS)-1-[(10S)-10-ベンジル-1-{[(1S,9S)-9-エチル-5-フルオロ-9-ヒドロキシ-4-メチル-10,13-ジオキソ-2,3,9,10,13,15-ヘキサヒドロ-1H,12H-ベンゾ[de]ピラノ[3',4':6,7]インドリジノ[1,2-b]キノリン-1-イル]アミノ}-1,6,9,12,15,18-ヘキサオキソ-3-オキサ-5,8,11,14,17-ペンタアザトリコサン-23-イル]-2,5-ジオキソピロリジン-3-イル基)が結合している。 抗体部分は、ヒト化モノクローナル抗体で、マウス抗ヒト上皮成長因子受容体2型(HER2)モノクローナル抗体の相補性決定部、ヒトフレームワーク部及びヒトIgG1の定常部からなり、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。タンパク質部分は、450個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質である。 デルクステカン部位の構造式: n=約8 ※抗体部分のCys残基の硫黄原子 |
KEGG DRUG | D11529 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2024/09/18 版 |