医薬品情報
| 総称名 |
ビルテプソ |
| 一般名 |
ビルトラルセン |
| 欧文一般名 |
Viltolarsen |
| 製剤名 |
ビルトラルセン静注 |
| 薬効分類名 |
デュシェンヌ型筋ジストロフィー治療剤 |
| 薬効分類番号 |
1900 |
| ATCコード |
M09AX12 |
| KEGG DRUG |
|
| JAPIC |
添付文書(PDF)
|
この情報は
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添付文書情報2021年11月 改訂(第4版)
| 販売名 |
欧文商標名 |
製造会社 |
YJコード |
薬価 |
規制区分 |
|
ビルテプソ点滴静注250mg
|
Viltepso Injection |
日本新薬 |
1900400A1025 |
91136円/瓶 |
処方箋医薬品注), 条件付き早期承認品目 |
2. 禁忌
4. 効能または効果
5. 効能または効果に関連する注意
5.1 遺伝子検査により、エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失(エクソン43-52、45-52、47-52、48-52、49-52、50-52、52欠失等)が確認されている患者に投与すること。また、臨床試験に組み入れられた患者のジストロフィン遺伝子の変異型について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[
17.1.1、
17.1.2参照]
5.2 永続的な人工呼吸が導入された患者及び歩行不能後期の患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、残存している運動機能等を考慮し、投与の可否を判断すること。投与を行った場合は患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断すること。効果が認められない場合には投与を中止すること。[
17.1.1、
17.1.2参照]
5.3 正常なX染色体を有する女性ジストロフィン異常症患者に本剤を投与した場合、正常なジストロフィン発現を低下させるおそれがあるため、このような患者には投与しないこと。
5.4 女性を対象とした臨床試験は実施していない。
6. 用法及び用量
通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。
8. 重要な基本的注意
8.1 本剤の投与は、本剤に関する十分な知識及びデュシェンヌ型筋ジストロフィーの診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。在宅投与を行う場合には、これらの医師との連携のもとで行うこと。
8.2 本剤投与によりβ2ミクログロブリン増加及びNAG増加が認められ、非臨床試験においても腎臓への影響が認められているため、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行うこと。[
9.2、
15.2.1参照]
8.3 rasH2マウスにおいて尿管の移行上皮癌が報告されているため、投与開始に先立ち、患者又はその家族に尿管における腫瘍発生のリスクを十分に説明するとともに、本剤投与中は定期的に尿沈渣、尿細胞診、腎尿路系の超音波検査を実施し、臨床的に問題となる異常が認められた場合には、投与を中止すること。また、痛みや閉塞など、尿路に何らかの自覚症状が認められた場合には、直ちに医師の診察を受けるよう患者又はその家族に指導すること。これらの症状が認められた場合には、泌尿器科医と連携して適切な対応を行うこと。[
15.2.2参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.2 腎機能障害患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胚・胎児発生に関する試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物における乳汁移行試験は実施していない。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は4歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
11. 副作用
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 5%以上 | 5%未満 |
| 循環器 | BNP増加、駆出率減少 | |
| 消化器 | | 腹痛、下痢 |
| 皮膚 | 蕁麻疹 | 湿疹、発疹、毛髪変色 |
| 腎臓 | NAG増加 | β2ミクログロブリン増加 |
| その他 | 発熱、インターロイキン濃度増加 | 注射部位紅斑、注射部位漏出 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
ピロガロールレッド法による尿蛋白検査で偽陽性を示すため、投与前か投与後24時間以降に測定すること(尿中に排泄される本剤との交差反応による)。
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤の混和には生理食塩液を用い、100mLになるように調製を行うこと。ただし、希釈前の本剤の投与液量が100mLを超える場合には、生理食塩液を混和する必要はない。
14.1.2 本剤のバイアルは1回使い切りである。残液をその後の投与に使用しないこと。
14.1.3 取扱い時にはゴム手袋、防護メガネ等の着用が望ましい。眼や皮膚に薬液が付着した場合は直ちに多量の水で十分に洗浄し、医師の診断を受けるなど適切な処置を行うこと。
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は、独立したラインにより投与するものとし、生理食塩液以外の輸液や他の注射液等と同一ラインで投与しないこと。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 マウス及びサルを用いた非臨床安全性試験において、高用量の本剤を投与した際に尿素窒素やクレアチニンの血清中濃度増加等の腎機能パラメータを含む腎臓への影響が認められている
1)。[
8.2参照]
15.2.2 rasH2マウスを用いた26週間反復静脈内投与がん原性試験(50、150及び500mg/kg/週)において、50及び150mg/kg/週投与群のそれぞれ1及び2例で剖検により尿管に腫瘤又は肥大が認められ、病理組織学的検査において尿管に移行上皮癌が認められた
2)。[
8.3参照]
16. 薬物動態
16.1 血中濃度
日本人デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者16例に、ビルトラルセン40
注)及び80mg/kg(各8例)を1時間かけて静脈内投与したときのビルトラルセンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
また、初回投与時と24週時で、いずれの薬物動態パラメータにも有意な差は認められなかった
3)。
ビルトラルセン40及び80mg/kgを1時間かけて静脈内投与したときのビルトラルセンの血漿中濃度推移(上段:初回投与時 下段:24週時)
ビルトラルセン40及び80mg/kgを1時間かけて静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
| 投与群 | | Cmax(μg/mL) | tmax(hr) | t1/2(hr) | AUC0-∞(μg・hr/mL) |
| 40mg/kg | 初回 | 147±34.5 | 0.75[0.50,1.00] | 2.43±0.527 | 235±60.1 |
| 24週時 | 165±79 | 1.00[0.50,1.00] | 2.00±0.700 | 241±93.2 |
| 80mg/kg | 初回 | 321±74.8 | 1.00[0.50,1.00] | 2.49±0.163 | 491±125 |
| 24週時 | 329±91 | 1.00[0.50,1.00] | 2.45±0.0799 | 508±111 |
16.3 分布
14C-ビルトラルセンの血清タンパクに対する結合率は、39.4〜40.3%であった
4)(
in vitro)。
16.4 代謝
ビルトラルセンは、血清、肝由来試料(ミクロソーム及びS9)、DNase I及びPDE1により代謝を受けなかった
5)(
in vitro)。
16.5 排泄
日本人デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者8例にビルトラルセン80mg/kgを1時間かけて静脈内投与したとき、投与後24時間までに尿中へ未変化体として92.0〜93.1%が排泄された
3)。
16.7 薬物相互作用
ビルトラルセンはCYP3A4及びUGT1A1に対して弱い阻害作用を示した(Ki値はそれぞれ1.09及び0.642mmol/L)
6)7)(
in vitro)。また、ビルトラルセンはOATP1B1、OATP1B3、OAT3及びBCRPに対して弱い阻害作用を示した(IC
50値はそれぞれ0.485、0.448、0.176及び1.97mmol/L)
8)(
in vitro)。
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。」である。
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相試験
5歳以上13歳未満のデュシェンヌ型筋ジストロフィー男児患者に本剤40mg/kg
注)(8例)又は80mg/kg(8例)を週1回24週間静脈内投与した。投与開始12週後又は24週後における筋生検によるジストロフィン発現(ウェスタンブロット法)は次表のとおりであった。なお、試験に組み入れられた患者のジストロフィン遺伝子のエクソン欠失部位は、45-52欠失(6例)、48-52欠失(3例)、49-52欠失(2例)、50-52欠失(2例)及び52欠失(3例)であった。また、試験に組み入れられた患者のうち、歩行不能であった患者は3例であった。
投与12週後及び24週後におけるジストロフィンの発現の本剤投与前からの変化量
| 投与群 | 評価時期 | 例数 | ジストロフィン発現(平均値(標準偏差))a) |
| 40mg/kg | 12週後 | 4 | −1.205(3.262) |
| 24週後 | 4 | 1.458(1.587) |
| 80mg/kg | 12週後 | 4 | 0.755(1.024) |
| 24週後 | 4 | 4.814(3.113) |
副作用は40mg/kg群で37.5%(3/8例)、80mg/kg群で75.0%(6/8例)認められた。主な副作用は、脳性ナトリウム利尿ペプチド増加、駆出率減少、蕁麻疹、N-アセチル-β-D-グルコサミニダーゼ増加、発熱、インターロイキン濃度増加(各2例)であった
3)。[
5.1、
5.2参照]
17.1.2 海外第II相試験
歩行可能な4歳以上10歳未満のデュシェンヌ型筋ジストロフィーの男児患者に本剤40mg/kg(8例)又は80mg/kg(8例)を週1回20週間又は24週間静脈内投与した。投与開始24週後(うち3例は最初の4週間はプラセボを投与しているため20週後)における筋生検によるジストロフィン発現(ウェスタンブロット法)は次表のとおりであった。なお、試験に組み入れられた患者のジストロフィン遺伝子のエクソン欠失部位は、45-52欠失(7例)、47-52欠失(1例)、48-52欠失(3例)、49-52欠失(3例)及び50-52欠失(2例)であった。
投与24週後におけるジストロフィンの発現の本剤投与前からの変化量
| 投与群 | 評価時期 | 例数 | ジストロフィン発現(平均値(標準偏差))a) |
| 40mg/kg | 24週後 | 8 | 5.4(2.40) |
| 80mg/kg | 24週後 | 8 | 5.3(4.48) |
注)本剤の承認された用法・用量は「通常、ビルトラルセンとして80mg/kgを週1回、1時間かけて静脈内投与する。」である。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
ビルトラルセンはデュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因遺伝子であるジストロフィンのエクソン53を標的とするアンチセンス核酸であり、ジストロフィンmRNA前駆体のエクソン53に結合し、エクソン53をスキッピングすることでアミノ酸読み取り枠を回復させ、機能的なジストロフィンタンパク質を発現させることにより、デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対する作用を示すと考えられている。
18.2 エクソン53スキッピング活性
エクソン45-52又はエクソン48-52を欠失したデュシェンヌ型筋ジストロフィー患者由来線維芽細胞から分化させた筋管細胞において、ジストロフィンmRNA前駆体のエクソン53スキッピング作用及びジストロフィンタンパク質の発現増加が認められた
10)11)。
19. 有効成分に関する理化学的知見
19.1. ビルトラルセン
| 一般的名称 |
ビルトラルセン |
| 一般的名称(欧名) |
Viltolarsen |
| 化学名 |
all-P-ambo-[2',3'-Azanediyl-P,2',3'-trideoxy-P-(dimethylamino)-2',3'-seco](2'-N→5')(CCTCCGGTTC TGAAGGTGTT C) |
| 分子式 |
C244H381N113O88P20 |
| 分子量 |
6924.82 |
| 物理化学的性状 |
本品は白色の粉末である。 本品は水、生理食塩液及びジメチルスルホキシドに溶けやすく、エタノール(99.5)、1-オクタノール、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム及びシクロヘキサンにほとんど溶けない。 |
| KEGG DRUG |
D11528
|
20. 取扱い上の注意
21. 承認条件
21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、再審査期間中は、全症例を対象とした使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
21.3 本剤の有効性及び安全性の確認を目的とした臨床試験及び国内レジストリを用いた調査を実施し、終了後速やかに試験成績及び解析結果を提出すること。
22. 包装
23. 主要文献
-
非臨床安全性試験(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.6.6.3)
-
がん原性試験(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.4.4.8)
-
国内第I/II相試験(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.6.2)
-
血清タンパク結合に関する検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.2.2)
-
代謝に関する検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.2.2)
-
CYP阻害作用に関する検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.2.2)
-
UGT阻害作用に関する検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.2.2)
-
薬物トランスポーター阻害作用に関する検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.2.2)
-
海外第II相試験(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.7.6.1)
-
エクソン45-52欠損DMD患者由来線維芽細胞を用いた検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.6.2.2.1)
-
エクソン48-52欠損DMD患者由来線維芽細胞を用いた検討(承認年月日:2020年3月25日、CTD 2.6.2.2.2)
24. 文献請求先及び問い合わせ先
文献請求先
日本新薬株式会社
製品情報担当
〒601-8550
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061
製品情報問い合わせ先
日本新薬株式会社
製品情報担当
〒601-8550
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
電話:フリーダイヤル 0120-321-372
075-321-9064
FAX:075-321-9061
25. 保険給付上の注意
25.1 本製剤の効能又は効果に関連する注意に、「遺伝子検査により、エクソン53スキッピングにより治療可能なジストロフィン遺伝子の欠失(エクソン43-52、45-52、47-52、48-52、49-52、50-52、52欠失等)が確認されている患者に投与すること。」と記載されているので、遺伝子欠失を確認した検査の実施年月日を診療報酬明細書に記載すること。
なお、当該検査を実施した月のみ実施年月日を記載すること。ただし、本剤の初回投与に当たっては、必ず実施年月日を記載すること。
25.2 本製剤の効能又は効果に関連する注意に、「正常なX染色体を有する女性ジストロフィン異常症患者に本剤を投与した場合、正常なジストロフィン発現を低下させるおそれがあるため、このような患者には投与しないこと。」と記載されているので、使用に当たっては十分留意すること。
26. 製造販売業者等
26.1 製造販売元
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14