医療用医薬品 : クレマスチン

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医薬品情報


総称名 クレマスチン
一般名 クレマスチンフマル酸塩
欧文一般名 Clemastine Fumarate
製剤名 クレマスチンフマル酸塩ドライシロップ
薬効分類名 持続性抗ヒスタミン剤
薬効分類番号 4419
ATCコード D04AA14 R06AA04
KEGG DRUG
D00666 クレマスチンフマル酸塩
KEGG DGROUP
DG01482 ヒスタミンH1受容体拮抗薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年2月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
クレマスチンドライシロップ0.1%「あゆみ」 (後発品) Clemastine dry syrup 0.1%[AYUMI] あゆみ製薬 4419008R1128 7.4円/g 劇薬

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
2.3 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[抗コリン作用により排尿障害が悪化するおそれがある。]
2.4 狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞のある患者[抗コリン作用により消化管運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]

4. 効能または効果

○アレルギー性皮膚疾患(蕁麻疹、湿疹、皮膚炎、そう痒症)
アレルギー性鼻炎
○感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽

6. 用法及び用量

通常、成人はクレマスチンとして2mg(クレマスチンドライシロップ0.1%「あゆみ」として2g)を1日量とし、2回に分け、用時溶解して経口投与する。年齢、症状により、適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう十分注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させることがある。
9.1.2 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。母乳中へ移行することが報告されている。[9.7参照]
9.7 小児等
乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。[9.611.1.1参照]
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
中枢神経抑制剤
鎮静剤
催眠剤等
アルコール
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。いずれも中枢神経抑制作用を有するため。
抗コリン剤
アトロピン等
MAO阻害剤
抗コリン作用が増強されることがあるので、減量するなど慎重に投与すること。作用を増強させるため。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣(頻度不明)、興奮(頻度不明)
乳児、幼児では特に注意すること。[9.7参照]
11.1.2 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 0.1%〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹
精神神経系眠気頭重、けん怠感浮動性めまい
消化器悪心・嘔吐、食欲不振、下痢口渇
肝臓AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇

13. 過量投与

13.1 症状
中枢神経抑制、興奮、口渇、瞳孔散大、潮紅、胃腸症状等

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
幼小児の手の届かない所に保管すること。

16. 薬物動態

16.8 その他
クレマスチンドライシロップ0.1%「あゆみ」は日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたクレマスチンフマル酸塩ドライシロップの溶出挙動に適合していることが確認されている1)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
H1受容体を介するヒスタミンによるアレルギー性反応(毛細血管の拡張と透過性亢進、気管支平滑筋の収縮、知覚神経終末刺激によるそう痒など)を抑制する2)
18.2 薬理作用
18.2.1 クレマスチンは、ヒスタミンによるモルモット回腸の収縮を抑制し(in vitro)、ヒスタミンによる喘息誘発(モルモット)及び低血圧(ネコ)を抑制する。この作用は、いずれもクロルフェニラミンより強い3)
18.2.2 健康成人において、ヒスタミン及びCompound 48/80の皮内投与による紅斑及び丘斑誘起に対するクレマスチンの抑制効果は投与後1.5時間であらわれ、11.5時間にわたり持続する4)
18.2.3 抗ヒスタミン作用を示す用量では、鎮静作用(サル)3)5)、抗コリン作用(モルモット回腸、in vitro3)、抗セロトニン作用(ラット子宮、in vitro3)及び抗アドレナリン作用(イヌ)3)5)は弱い。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. クレマスチンフマル酸塩

一般的名称 クレマスチンフマル酸塩
一般的名称(欧名) Clemastine Fumarate
化学名 (2R)-2-{2-[(1R)-1-(4-Chlorophenyl)-1-phenylethoxy]ethyl}-1-methylpyrrolidine monofumarate
分子式 C21H26ClNO・C4H4O4
分子量 459.96
融点 176〜180℃(分解)
物理化学的性状 白色の結晶性の粉末で、においはない。メタノール又は酢酸(100)にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
KEGG DRUG D00666

22. 包装

100g[瓶、バラ]
500g[瓶、バラ]
0.5g×1,200包[分包]
1.0g×1,200包[分包]

23. 主要文献

  1. あゆみ製薬(株) 社内資料 溶出試験
  2. 日本薬局方解説書編集委員会編:第十八改正日本薬局方解説書, C-1700〜1704, (2021), (廣川書店)
  3. Weidmann,H.et al., Boll.Chim.Farm., 106 (7), 467-496, (1967) »PubMed
  4. Kerp,L.et al., Med.Welt., 51, 2794-2798, (1966)
  5. Romer,D.et al., Med.Welt., 51, 2791-2794, (1966) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
あゆみ製薬株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座四丁目12番15号
電話:0120-137-413
製品情報問い合わせ先
あゆみ製薬株式会社
〒104-0061 東京都中央区銀座四丁目12番15号
電話:0120-137-413

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
あゆみ製薬株式会社
東京都中央区銀座四丁目12番15号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/08/20 版