赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合の本剤投与開始の目安は、保存期慢性腎臓病患者及び腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。
6.1 保存期慢性腎臓病患者
赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合
通常、成人にはダプロデュスタットとして1回2mg又は4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。
赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合
通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。
6.2 透析患者
通常、成人にはダプロデュスタットとして1回4mgを開始用量とし、1日1回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1日1回24mgまでとする。
7.1 赤血球造血刺激因子製剤で未治療の保存期慢性腎臓病患者の開始用量
投与開始時のヘモグロビン濃度に応じて、以下の用量で投与を開始すること。
| ヘモグロビン濃度 | 本剤開始用量(1日1回) |
| 9.0g/dL未満 | 4mg |
| 9.0g/dL以上 | 2mg |
7.2 投与量調節
投与量調節が必要な場合には、下表を参考に1段階ずつ増量又は減量を行うこと。
また、休薬した場合には、休薬前より少なくとも1段階低い用量で投与を再開すること。なお、用量調節を行った場合には、少なくとも4週間は同一用量を維持することとするが、ヘモグロビン濃度が急激に(4週以内に2.0g/dLを超える)上昇した場合には、速やかに減量又は休薬すること。[
8.3参照]
| 段階 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 本剤投与量 | 1mg | 2mg | 4mg | 6mg | 8mg | 12mg | 18mg | 24mg |
8.1 本剤投与開始後は、ヘモグロビン濃度が目標範囲で安定するまでは、2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。
8.2 本剤投与中は、ヘモグロビン濃度等を4週に1回程度確認し、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験においてヘモグロビンの目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある
1)2)3)。
8.3 ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超える等、急激に上昇した場合は速やかに減量または休薬する等、適切な処置を行うこと。[
7.2参照]
8.4 血液透析患者及び腹膜透析患者において、赤血球造血刺激因子製剤の投与量が高い患者では、本剤への切替え後にヘモグロビン濃度が低下する傾向が認められていることから、本剤への切替えの必要性を十分検討すること。本剤へ切り替えた場合は、切替え後のヘモグロビン濃度の低下に注意すること。
8.5 本剤投与により血圧が上昇するおそれがあるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。[
9.1.2参照]
8.6 造血には鉄が必要であることから、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者
本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。[1.、
11.1参照]
9.1.2 高血圧症を合併する患者
9.1.3 悪性腫瘍を合併する患者
本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、悪性腫瘍が増悪するおそれがある。
9.1.4 増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者
本剤投与により血管新生が亢進する可能性があることから、網膜出血があらわれるおそれがある。
9.1.5 心不全又はその既往歴のある患者
心不全が増悪又は再発するおそれがある。海外臨床試験の事後解析において、心不全又はその既往歴を有する患者を対象としたサブグループ解析を実施した結果、心不全による入院の初回発現割合は、透析期慢性腎臓病患者を対象とした試験で本剤群17.6%(47/267例)、赤血球造血刺激因子製剤群12.6%(32/254例)、ハザード比1.52(95%信頼区間:0.97,2.38)、保存期慢性腎臓病患者を対象とした試験で本剤群20.4%(54/265例)、赤血球造血刺激因子製剤群13.4%(34/254例)、ハザード比1.37(95%信頼区間:0.89,2.11)であり、両試験ともに本剤群で高い傾向が認められた
4)。
9.3 肝機能障害患者
本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。本剤6mgを軽度及び中等度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:A及びB)に単回投与した時、本剤のCmax及びAUC
0-∞が上昇した。重度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:C)を対象とした臨床試験は実施していない。[
16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤は胎児に移行する可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットの授乳期に本剤を経口投与した時、生後10日の出生児血漿中に本剤が認められたことから、本剤は乳汁に移行する可能性がある。
9.7 小児等
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血栓塞栓症(0.8%)
脳梗塞(0.3%)、肺塞栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.3%)、深部静脈血栓症(0.3%)、バスキュラーアクセス血栓症(シャント閉塞等)(頻度不明)等の血栓塞栓症があらわれることがある。[1.、
9.1.1参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
| | 1%未満 | 頻度不明 |
| 眼 | 網膜出血 | |
| 過敏症 | 過敏症(発疹、皮膚炎、蕁麻疹) | |
| 循環器 | 高血圧 | |
| 消化器 | 腹痛 | 便秘 |
| 全身症状 | | 末梢性浮腫 |
国内及び海外の臨床試験において、総コレステロールが本剤投与開始後52週時点で5〜8%減少した
5)6)7)8)。
13.1 症状
本剤500mg注)を単回投与した時に、頭痛や胃腸障害(悪心、腹痛等)が認められた。本剤の過量投与によりヘモグロビン濃度が必要以上に増加するおそれがある。
注)本剤の承認された最高用量は、1日1回24mgである。
13.2 処置
本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は高い蛋白結合率を有するため、血液透析により除去できる可能性は低い。[
16.3.2参照]
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
(1)単回投与
健康成人(12例)に本剤4mgを空腹時又は食後に単回経口投与した時のダプロデュスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった
9)。
図1 健康成人に本剤4mg単回経口投与時の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差、12例)
表1 健康成人に本剤4mg単回経口投与時の薬物動態パラメータ
| | Cmax(ng/mL) | tmax(hr) | AUC0-∞(hr・ng/mL) | t1/2(hr) |
| 空腹時 | 76.2(63.3,91.7) | 1.75(1.00,4.00) | 156.5(138.7,176.7) | 3.24(3.08,3.41) |
| 食後 | 67.8(57.4,80.2) | 2.75(1.00,3.00) | 143.1(127.8,160.3) | 3.22(3.02,3.42) |
また、健康成人に本剤10〜100mg
注)を単回経口投与した時のダプロデュスタットの薬物動態は、概ね線形であった
10)。
(2)反復投与
健康成人(4例)に本剤15〜100mg
注)を1日1回反復経口投与した時の14日目のダプロデュスタットの薬物動態パラメータは表2のとおりであった(外国人データ)。
表2 健康成人に本剤反復経口投与時の薬物動態パラメータ
| 用量 | Cmax(ng/mL) | tmax(hr) | AUC0-24(hr・ng/mL) |
| 15mg | 198(176,220) | 1.00(1.00,3.00) | 384(311,460) |
| 50mg | 462(272,684) | 1.25(1.00,2.50) | 1020(531,1596) |
| 75mg | 1061(571,1623) | 1.26(1.02,4.00) | 2754(1938,3652) |
| 100mg | 856(752,964) | 3.25(1.00,4.00) | 2592(2107,3108) |
また、本剤1日1回の反復経口投与によりダプロデュスタットの薬物動態は変化しなかった(外国人データ)。[
16.2.1参照]
16.1.2 腎性貧血を有する慢性腎臓病患者
国内第III相試験において、腎性貧血を有する慢性腎臓病患者に本剤1〜24mgを経口投与した時、投与後1〜4時間に最高血漿中濃度に達した。腎性貧血を有する慢性腎臓病患者における曝露量(母集団薬物動態解析による推定値)は表3のとおりであった。
表3 国内第III相試験における腎性貧血を有する慢性腎臓病患者の用量標準化した曝露量(母集団薬物動態解析による推定値)
| | 用量(mg) | データ数 | AUC(hr・ng/mL/mg) | Cmax(ng/mL/mg) |
保存期 慢性腎臓病患者 | 1-24 | 270 | 38.7(37.0,40.4) | 12.5(11.9,13.2) |
| 血液透析患者 | 1-18 | 297 | 42.3(40.3,44.3) | 11.1(10.3,12.1) |
| 腹膜透析患者 | 1-18 | 99 | 26.6(24.6,28.6) | 8.09(7.45,8.79) |
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人に本剤4mgを慢性腎臓病の食事療法基準食の食後に経口投与した時、AUC
0-∞及びCmaxは、空腹時投与に比べてそれぞれ9及び11%減少した
9)。[
16.1.1参照]
16.2.2 生物学的利用率
本剤6mg経口投与後の絶対的バイオアベイラビリティは65%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
ダプロデュスタットの液剤静脈内投与注)後の分布容積は14.3Lであった(外国人データ)。
16.3.2 血漿蛋白結合率
In vitroでの本剤(0.2〜10μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は約99%であり、主にアルブミンと結合した。[
13.2参照]
16.4 代謝
In vitroにおいて、本剤は主にCYP2C8で代謝され、CYP3A4でもわずかに代謝される。
健康成人にダプロデュスタット放射標識体静脈内
注)又は経口投与後の血漿中循環総放射能の約40%がダプロデュスタットであり、残りの60%は代謝物であった(外国人データ)。[
10.、
10.2、
16.7.2参照]
16.5 排泄
ダプロデュスタット放射標識体経口投与後、放射能の大部分は糞中に排泄され(73.6%)、薬物関連物質の腎排泄(21.4%)は副次的な消失経路であった(外国人データ)。
本剤経口投与後のダプロデュスタットの平均尿中排泄率は、投与量の0.05%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
中等度〜重度の腎機能低下者(中等度:eGFR 30〜59mL/分/1.73m2、重度:eGFR 15〜29mL/分/1.73m2)に本剤50mg又は150mg注)を単回経口投与した時のダプロデュスタットのAUC0-∞は腎機能正常者(eGFR 90mL/分/1.73m2以上)と概ね同様であった(外国人データ)。また、本剤5mgを反復経口投与した時の主要代謝物のAUCは、腎機能正常者に比べて、腎機能低下者(eGFR ≦59mL/分/1.73m2、血液透析患者を含む)で約2〜6倍増加した(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
本剤6mgを軽度及び中等度の肝機能低下者(Child-Pugh分類:A及びB)に単回経口投与した時、ダプロデュスタットのCmaxはそれぞれ1.01倍及び1.98倍、AUC
0-∞はそれぞれ1.46倍及び2.00倍増加した。また、主要代謝物のCmaxはそれぞれ1.34〜1.79倍及び1.04〜1.28倍、AUC
0-∞はそれぞれ1.46〜1.94倍及び1.31〜1.65倍増加した(外国人データ)。[
9.3参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro
In vitroにおいて、本剤はCYP2C8を阻害した。また、本剤はBCRPの基質であり、OATP1B1及び1B3を阻害した。
16.7.2 CYP2C8阻害剤
(1)健康成人に強いCYP2C8阻害作用を有するゲムフィブロジル(600mg、1日2回)投与後の定常状態時に、本剤100mg
注)を単回経口併用投与した時、ダプロデュスタットのAUC
0-∞及びCmaxは18.6及び3.9倍増加した
11)(外国人データ)。
(2)健康成人に本剤25mg
注)とCYP2C8阻害作用を有するトリメトプリム(200mg、1日2回)を経口併用投与した時、ダプロデュスタットのAUC
0-∞及びCmaxは1.48及び1.28倍増加した
12)(外国人データ)。
臨床試験において、クロピドグレルを併用投与していた腎性貧血を有する慢性腎臓病患者のダプロデュスタットのAUC
0-∞は、クロピドグレル非併用例に比べて1.75〜2.65倍であった(母集団薬物動態解析)が、クロピドグレル併用例と非併用例で投与4週時のヘモグロビン変化量の分布は重なっており、クロピドグレルの併用有無による投与初期のヘモグロビン変化への影響はみられなかった。[
10.2、
16.4参照]
16.7.3 CYP2C8誘導剤
本剤とCYP2C8誘導剤の相互作用を評価した試験の成績は得られていない。[
10.2参照]
16.7.4 その他の薬剤
健康成人に本剤25又は100mg
注)をピオグリタゾン(CYP2C8基質)15mg及びロスバスタチン(OATP1B1/1B3基質)10mgと経口併用投与した時、ダプロデュスタットはピオグリタゾン又はロスバスタチンの曝露量に影響を及ぼさなかった
12)(外国人データ)。
経口鉄剤及びリン吸着剤は本剤の薬物動態に対して影響を与えなかった。
注)本剤の承認された用法は1日1回経口投与であり、最高用量は1日1回24mgである。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(201753試験)
(1)
腎性貧血を有する保存期慢性腎臓病患者299例(安全性解析対象集団:本剤149例、エポエチンベータペゴル150例、有効性解析対象集団:本剤108例、エポエチンベータペゴル109例)を対象に、赤血球造血刺激因子製剤(以下、ESA)を使用していない患者には、ベースラインのヘモグロビン濃度に応じて本剤2mg又は4mg、ESAを使用中の患者には本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した。また、実薬対照としてエポエチンベータペゴルを設定した
7)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度において、群間差の推定値(本剤群−エポエチンベータペゴル群)の95%信頼区間の下限は事前に設定した非劣性マージン(−1.0g/dL)を上回ったことから、本剤のエポエチンベータペゴルに対する非劣性が示された。
表1 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL)(保存期慢性腎臓病患者、ITT集団)
| | 本剤(108例) | エポエチンベータペゴル(109例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 11.97[11.84,12.09] | 11.86[11.74,11.99] |
| 群間差[95%信頼区間] | 0.10[−0.07,0.28] |
表2 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL):前治療としての赤血球造血刺激因子製剤使用の有無別(保存期慢性腎臓病患者、ITT集団)
| | 赤血球造血刺激因子製剤 非使用者 | 赤血球造血刺激因子製剤 使用者 |
| 本剤(50例) | エポエチンベータペゴル(50例) | 本剤(58例) | エポエチンベータペゴル(59例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 11.90[11.75,12.04] | 11.66[11.50,11.83] | 12.00[11.82,12.19] | 12.01[11.84,12.19] |
治療期間中の副作用発現頻度は6%(9/149例)であり、その内訳はヘモグロビン増加、血圧上昇、好酸球数増加、高血圧、腹部膨満、上腹部痛、胃食道逆流性疾患、網膜出血及び脳梗塞がそれぞれ1%未満(1/149例)であった。
(2)腎性貧血を有する腹膜透析患者56例(ESA非使用者3例、ESA使用者53例、安全性解析対象集団:56例、有効性解析対象集団:55例)を対象に、本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した
8)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)の平均ヘモグロビン濃度は12.09g/dL(95%信頼区間:11.96〜12.21g/dL)であり、目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)であった。
治療期間中の副作用発現頻度は14%(8/56例)であり、その内訳は悪心が4%(2/56例)、下痢、咳嗽、肺塞栓症、肺高血圧症、網膜出血、肝機能異常、ヘモグロビン減少、ざ瘡様皮膚炎及び深部静脈血栓症がそれぞれ2%(1/56例)であった。
17.1.2 国内第III相試験(201754試験)
ESAを使用中の腎性貧血を有する血液透析患者271例(安全性解析対象集団:本剤136例、ダルベポエチンアルファ135例、有効性解析対象集団:本剤133例、ダルベポエチンアルファ134例)を対象に、本剤4mgより開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)を維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した。また、実薬対照としてダルベポエチンアルファを設定した
13)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度において、群間差の推定値(本剤群−ダルベポエチンアルファ群)の95%信頼区間の下限は事前に設定した非劣性マージン(−1.0g/dL)を上回ったことから、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が示された。
表3 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL)(血液透析患者、ITT集団)
| | 本剤(133例) | ダルベポエチンアルファ(134例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 10.89[10.77,11.01] | 10.83[10.71,10.95] |
| 群間差[95%信頼区間] | 0.06[−0.11,0.23] |
治療期間中の副作用発現頻度は6%(8/136例)であり、その内訳は前房隅角血管新生、網膜出血、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞、異常感、異物感、好酸球数増加、貧血、腹部不快感、嘔吐、食欲減退及び高血圧がそれぞれ1%未満(1/136例)であった。
17.1.3 国内第III相試験(204716試験)
ESAを使用していない腎性貧血を有する血液透析患者28例(安全性解析対象集団及び有効性解析対象集団:28例)を対象に、本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回24週間経口投与した
14)。
その結果、投与4週時のベースラインからの平均ヘモグロビン濃度の変化量は0.79g/dLであった。投与24週時の平均ヘモグロビン濃度は11.12g/dLであり、目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)であった。
治療期間中の副作用発現頻度は7%(2/28例)であり、その内訳は血中コレステロール減少及び紅斑がそれぞれ4%(1/28例)であった。
18.1 作用機序
ダプロデュスタットはHIFプロリン水酸化酵素(PHD1〜PHD3)を阻害することにより、転写因子であるHIFαを安定化させる
15)。その結果、HIF応答性であるエリスロポエチン遺伝子の転写を促進させることによって赤血球産生を誘導すると考えられる。
18.2 造血作用
ダプロデュスタットは正常マウスへの単回経口投与により、血漿中エリスロポエチン濃度を一過性に上昇させた。また、正常マウスへの反復経口投与により、ヘモグロビン濃度、赤血球数及び網状赤血球数を上昇させた
15)。
18.3 鉄代謝に対する作用
国内試験において腎性貧血を有する保存期慢性腎臓病患者、血液透析患者、及び腹膜透析患者に本剤を52週間経口投与した時、フェリチン及びトランスフェリン飽和度(TSAT)が低下し、総鉄結合能(TIBC)が上昇した。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。