(1)腎性貧血を有する保存期慢性腎臓病患者299例(安全性解析対象集団:本剤149例、エポエチンベータペゴル150例、有効性解析対象集団:本剤108例、エポエチンベータペゴル109例)を対象に、赤血球造血刺激因子製剤(以下、ESA)を使用していない患者には、ベースラインのヘモグロビン濃度に応じて本剤2mg又は4mg、ESAを使用中の患者には本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した。また、実薬対照としてエポエチンベータペゴルを設定した
6)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度において、群間差の推定値(本剤群−エポエチンベータペゴル群)の95%信頼区間の下限は事前に設定した非劣性マージン(−1.0g/dL)を上回ったことから、本剤のエポエチンベータペゴルに対する非劣性が示された。
表1 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL)(保存期慢性腎臓病患者、ITT集団)
| | 本剤(108例) | エポエチンベータペゴル(109例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 11.97[11.84,12.09] | 11.86[11.74,11.99] |
| 群間差[95%信頼区間] | 0.10[−0.07,0.28] |
平均ヘモグロビン濃度の解析には、投与群、ベースラインのヘモグロビン濃度、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインのヘモグロビン濃度と時点の交互作用を含んだ反復測定の混合効果モデルを用いた。
表2 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL):前治療としての赤血球造血刺激因子製剤使用の有無別(保存期慢性腎臓病患者、ITT集団)
| | 赤血球造血刺激因子製剤 非使用者 | 赤血球造血刺激因子製剤 使用者 |
| 本剤(50例) | エポエチンベータペゴル(50例) | 本剤(58例) | エポエチンベータペゴル(59例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 11.90[11.75,12.04] | 11.66[11.50,11.83] | 12.00[11.82,12.19] | 12.01[11.84,12.19] |
平均ヘモグロビン濃度の解析には、投与群、ベースラインのヘモグロビン濃度、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインのヘモグロビン濃度と時点の交互作用を含んだ反復測定の混合効果モデルを用いた。
治療期間中の副作用発現頻度は6%(9/149例)であり、その内訳はヘモグロビン増加、血圧上昇、好酸球数増加、高血圧、腹部膨満、上腹部痛、胃食道逆流性疾患、網膜出血及び脳梗塞がそれぞれ1%未満(1/149例)であった。
(2)腎性貧血を有する腹膜透析患者56例(ESA非使用者3例、ESA使用者53例、安全性解析対象集団:56例、有効性解析対象集団:55例)を対象に、本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した
7)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)の平均ヘモグロビン濃度は12.09g/dL(95%信頼区間:11.96〜12.21g/dL)であり、目標範囲内(11.0〜13.0g/dL)であった。
治療期間中の副作用発現頻度は14%(8/56例)であり、その内訳は悪心が4%(2/56例)、下痢、咳嗽、肺塞栓症、肺高血圧症、網膜出血、肝機能異常、ヘモグロビン減少、ざ瘡様皮膚炎及び深部静脈血栓症がそれぞれ2%(1/56例)であった。
ESAを使用中の腎性貧血を有する血液透析患者271例(安全性解析対象集団:本剤136例、ダルベポエチンアルファ135例、有効性解析対象集団:本剤133例、ダルベポエチンアルファ134例)を対象に、本剤4mgより開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)を維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回52週間経口投与した。また、実薬対照としてダルベポエチンアルファを設定した
12)。
その結果、有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度において、群間差の推定値(本剤群−ダルベポエチンアルファ群)の95%信頼区間の下限は事前に設定した非劣性マージン(−1.0g/dL)を上回ったことから、本剤のダルベポエチンアルファに対する非劣性が示された。
表3 有効性主要評価期間(投与40〜52週)における平均ヘモグロビン濃度(g/dL)(血液透析患者、ITT集団)
| | 本剤(133例) | ダルベポエチンアルファ(134例) |
| 平均値[95%信頼区間] | 10.89[10.77,11.01] | 10.83[10.71,10.95] |
| 群間差[95%信頼区間] | 0.06[−0.11,0.23] |
平均ヘモグロビン濃度の解析には、投与群、ベースラインのヘモグロビン濃度、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインのヘモグロビン濃度と時点の交互作用を含んだ反復測定の混合効果モデルを用いた。
治療期間中の副作用発現頻度は6%(8/136例)であり、その内訳は前房隅角血管新生、網膜出血、黄斑浮腫、網膜静脈閉塞、異常感、異物感、好酸球数増加、貧血、腹部不快感、嘔吐、食欲減退及び高血圧がそれぞれ1%未満(1/136例)であった。
ESAを使用していない腎性貧血を有する血液透析患者28例(安全性解析対象集団及び有効性解析対象集団:28例)を対象に、本剤4mgから開始し、ヘモグロビン濃度が目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)に到達・維持するようヘモグロビン濃度に応じて用量を1〜24mgの間で調整し、1日1回24週間経口投与した
13)。
その結果、投与4週時のベースラインからの平均ヘモグロビン濃度の変化量は0.79g/dLであった。投与24週時の平均ヘモグロビン濃度は11.12g/dLであり、目標範囲内(10.0〜12.0g/dL)であった。
治療期間中の副作用発現頻度は7%(2/28例)であり、その内訳は血中コレステロール減少及び紅斑がそれぞれ4%(1/28例)であった。