17.1.1 国際共同第3相試験(EFC14335)
レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤を含む2レジメン以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注1)307例(日本人患者13例を含む)を対象に、ポマリドミド
注2)及びデキサメタゾン
注3)の併用療法(Pd療法)とPd療法に本剤
注4)を上乗せしたIsaPd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaPd群では11.5ヵ月(95%信頼区間:8.9〜13.9)、Pd群では6.5ヵ月(95%信頼区間:4.5〜8.3)であり、IsaPd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.44〜0.81、p=0.001[層別log-rank検定]、2018年10月11日データカットオフ)
6)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
IsaPd群152例中138例(90.8%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少66例(43.4%)、Infusion reaction57例(37.5%)、上気道感染30例(19.7%)、肺炎23例(15.1%)、下痢17例(11.2%)、血小板減少17例(11.2%)、発熱性好中球減少16例(10.5%)、気管支炎13例(8.6%)、悪心10例(6.6%)、呼吸困難8例(5.3%)、嘔吐6例(3.9%)、貧血5例(3.3%)等であった。[5.、
7.1参照]
注1)レナリドミド及びプロテアソーム阻害剤による治療が無効となった患者(治療中又は投与終了後60日以内に進行した患者、部分奏効以上の効果が認められた場合は治療中止後6ヵ月に進行した患者、許容できない毒性が発現した患者)を選択した。なお、抗CD38モノクローナル抗体に対して難治性の患者は除外した。
注2)ポマリドミドの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回4mgを21日間連日経口投与した後、7日間休薬した。
注3)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
注4)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。
17.1.2 国際共同第3相試験(EFC15246)
1〜3レジメンの前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注5)302例(日本人患者19例を含む)を対象に、カルフィルゾミブ
注6)及びデキサメタゾン
注7)の併用療法(Cd療法)とCd療法に本剤
注8)を上乗せしたIsaCd療法を比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値は、IsaCd群では到達せず、Cd群では19.2ヵ月(95%信頼区間:15.8〜推定不能)であり、IsaCd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.53、99%信頼区間:0.32〜0.89、p=0.0013[層別log-rank検定]、2020年2月7日データカットオフ)
7)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
IsaCd群177例中153例(86.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction79例(44.6%)、高血圧42例(23.7%)、疲労38例(21.5%)、不眠症36例(20.3%)、呼吸困難33例(18.6%)、下痢24例(13.6%)、肺炎21例(11.9%)、上気道感染20例(11.3%)、気管支炎15例(8.5%)、嘔吐10例(5.6%)、好中球減少9例(5.1%)、咳嗽5例(2.8%)、血小板減少5例(2.8%)、貧血4例(2.3%)、背部痛2例(1.1%)等であった。[5.、
7.1参照]
注5)抗CD38モノクローナル抗体による前治療歴を有する場合には、当該治療中又は最終投与後60日以内に疾患進行がない患者、少なくとも最小奏効を達成した患者を選択した。
注6)カルフィルゾミブの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、最初のサイクルは1日1回20mg/m2を1、2日目に投与、56mg/m2を8、9、15、16日目に静脈内投与した。2サイクル以降は1日1回56mg/m2を1、2、8、9、15、16日目に静脈内投与した。
注7)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回20mgを1、2、8、9、15、16、22、23日目に静脈内投与又は経口投与した。
注8)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。
17.1.3 海外第1/2相試験(TED10893)
第2相パートのステージ2において、再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注9)164例を対象に、本剤
注10)及びデキサメタゾン
注11)併用療法、並びに本剤単独療法
注10)の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験を実施した。
主要評価項目である奏効率
注12)は、本剤及びデキサメタゾン併用群では43.6%(95%信頼区間:30.3〜57.7%)(24/55例)、本剤単独群では23.9%(95%信頼区間:16.2〜33.0%)(26/109例)であった(2019年1月21日データカットオフ)
8)。
本剤及びデキサメタゾン併用群55例中41例(74.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction22例(40.0%)、不眠症12例(21.8%)、呼吸困難6例(10.9%)、咳嗽6例(10.9%)、悪心6例(10.9%)、消化不良4例(7.3%)、肺炎3例(5.5%)、高血糖3例(5.5%)、頭痛3例(5.5%)、咽喉刺激感3例(5.5%)、嘔吐3例(5.5%)等であった。
本剤単独群109例中67例(61.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction44例(40.4%)、呼吸困難14例(12.8%)、咳嗽12例(11.0%)、悪心11例(10.1%)、疲労8例(7.3%)、頭痛8例(7.3%)、嘔吐7例(6.4%)等であった。[5.、
7.1参照]
注9)プロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬を含む3レジメン以上の前治療歴を有する、又はプロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬のいずれに対しても難治性である患者を選択した。なお、抗CD38モノクローナル抗体による前治療歴を有する患者は除外した。
注10)本剤の用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回20mg/kgを、最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。
注11)デキサメタゾンの用法及び用量:28日間を1サイクルとし、1日1回40mg(75歳以上の患者では20mg)を1、8、15及び22日目に静脈内又は経口投与した。
注12)奏効率は、独立効果判定委員会によって評価された最良総合効果が部分奏効以上である患者の割合とした。
17.1.4 国内第1/2相試験(TED14095)
日本人の再発又は難治性の多発性骨髄腫患者
注13)36例を対象に、本剤単独療法
注14)の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験を実施した。
本剤20mg/kgが投与された33例において、主要評価項目である奏効率
注15)は、36.4%(95%信頼区間:20.4〜54.9%)であった(2019年12月10日データカットオフ)
9)。
本剤20mg/kgが投与された33例中19例(57.6%)に副作用が認められた。主な副作用は、Infusion reaction13例(39.4%)、肺炎2例(6.1%)、背部痛2例(6.1%)、血小板減少2例(6.1%)、白血球減少2例(6.1%)等であった。[5.参照]
注13)プロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬を含む3レジメン以上の前治療歴を有する、又はプロテアソーム阻害剤及び免疫調節薬のいずれに対しても難治性である患者を選定した。なお、抗CD38モノクローナル抗体による前治療歴を有する患者は除外した。
注14)28日間を1サイクルとし、第1相パートでは1日1回10又は20mg/kgを、第2相パートでは1日1回20mg/kgを、それぞれ最初のサイクルは1週間間隔で4回(1、8、15、及び22日目)、2サイクル以降は2週間間隔で2回(1、15日目)静脈内投与した。なお、本剤の承認用量は20mg/kg(単独療法)である。
注15)奏効率は、独立効果判定委員会によって評価された最良総合効果が部分奏効以上である患者の割合とした。
17.1.5 国際共同第3相試験(EFC12522)
自家造血幹細胞移植が適応とならない
注16)未治療の多発性骨髄腫患者446例(日本人患者25例を含む)を対象に、ボルテゾミブ
注17)、レナリドミド
注18)、及びデキサメタゾン
注19)の併用療法(BLd療法)とBLd療法に本剤
注20)を上乗したIsaBLd療法を、それぞれ2:3の割合で割付け、比較するランダム化非盲検国際共同第3相試験を実施した。
主要評価項目である無増悪生存期間の中央値はIsaBLd群では到達せず、BLd群では54.34ヵ月(95%信頼区間:45.207〜推定不能)であり、IsaBLd群で統計学的に有意な延長が示された(ハザード比:0.596、98.5154%信頼区間:0.406〜0.876、p=0.0005[層別log-rank検定]、2023年9月26日データカットオフ)
10)。
無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
IsaBLd群263例中257例(97.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパチー142例(54.0%)、下痢96例(36.5%)、好中球減少症80例(30.4%)、疲労65例(24.7%)、便秘62例(23.6%)、Infusion reaction61例(23.2%)、白内障55例(20.9%)、不眠症44例(16.7%)、無力症38例(14.4%)、肺炎37例(14.1%)、血小板減少症36例(13.7%)、末梢性浮腫36例(13.7%)、上気道感染33例(12.5%)、気管支炎21例(8.0%)、貧血12例(4.6%)、背部痛4例(1.5%)、COVID-19感染1例(0.4%)等であった。[5.、
7.1参照]
注16)65歳以上の大量化学療法不適応の患者、又は65歳未満であるが造血幹細胞移植併用大量化学療法の忍容性に悪影響を及ぼす可能性の高い重大な併存疾患を有する患者を選択した。
注17)ボルテゾミブの用法及び用量:寛解導入期間(1〜4サイクル)では42日間を1サイクルとし、1日1回1.3mg/m2を、各サイクルの1、4、8、11、22、25、29、32日目に皮下投与した。
注18)レナリドミドの用法及び用量:寛解導入期間(1〜4サイクル)では42日間を1サイクルとし、1日1回25mg(クレアチニンクリアランスが30mL/min以上60mL/min未満の患者は10mg)を、1〜14日目及び22〜35日目に経口投与した。継続投与期間(5サイクル以降)では28日間を1サイクルとし、1日1回25mg(クレアチニンクリアランスが30mL/min以上60mL/min未満の患者は10mg)を1〜21日目に経口投与した。
注19)デキサメタゾンの用法及び用量:寛解導入期間(1〜4サイクル)では42日間を1サイクルとし、1日1回20mgを、1、2、4、5、8、9、11、12、15、22、23、25、26、29、30、32、33日目(75歳以上の患者は第1、4、8、11、15、22、25、29、32日目)に静脈内投与又は経口投与した。継続投与期間(5サイクル以降)では28日間を1サイクルとし、1日1回20mgを1、8、15、22日目に静脈内投与又は経口投与した。
注20)本剤の用法及び用量:寛解導入期間(1〜4サイクル)では42日間を1サイクルとし、1日1回10mg/kgを、最初のサイクルは5回(1、8、15、22、29日目)、2〜4サイクルは2週間間隔(1、15、29日目)静脈内投与した。継続投与期間(5サイクル以降)では28日間を1サイクルとし、5〜17サイクルは1日1回10mg/kgを2週間間隔(1、15日目)、18サイクル以降は1日1回10mg/kgを4週間間隔(1日目)で静脈内投与した。