医療用医薬品 : ニューモバックス

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医薬品情報


総称名 ニューモバックス
薬効分類名 細菌ワクチン類
薬効分類番号 6311
ATCコード J07AL01
KEGG DRUG
D08776 肺炎球菌ワクチン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2024年8月 改訂(第4版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ニューモバックスNPシリンジ PNEUMOVAX NP Syringes MSD 6311400G1021 4735円/筒 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品

2. 禁忌

予防接種を受けることが適当でない者
2.1 2歳未満の者では、含有される莢膜型抗原の一部に対して十分応答しないことが知られており、また本剤の安全性も確立していないので投与しないこと。[18.1参照]
2.2 明らかな発熱を呈している者
2.3 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者
2.4 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者
2.5 上記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者

4. 効能または効果

2歳以上で肺炎球菌による重篤疾患に罹患する危険が高い次のような個人及び患者

○脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防
1)鎌状赤血球疾患、あるいはその他の原因で脾機能不全である患者
2)心・呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏等の基礎疾患のある患者
3)高齢者
4)免疫抑制作用を有する治療が予定されている者で治療開始まで少なくとも14日以上の余裕のある患者

6. 用法及び用量

1回0.5mLを筋肉内又は皮下に注射する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる。[14.1.1参照]

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.4 過去5年以内に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者では、本剤の接種により注射部位の疼痛、紅斑、硬結等の副反応が、初回接種よりも頻度が高く、程度が強く発現すると報告されている1)2)。本剤の再接種を行う場合には、再接種の必要性を慎重に考慮した上で、前回接種から十分な間隔を確保して行うこと。[9.1.7参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 接種要注意者
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判定を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者[9.29.3参照]
9.1.2 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者
9.1.3 過去に痙攣の既往のある者
9.1.4 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者
9.1.5 本剤の成分に対してアレルギーを呈するおそれのある者
9.1.6 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
9.1.7 過去に、多価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンを接種されたことのある者[8.4参照]
9.2 腎機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.3 肝機能障害を有する者
接種要注意者である。[9.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。[9.1.6参照]
9.8 高齢者
接種にあたっては、予診等を十分に行い、被接種者の健康状態を観察すること。一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.2 併用注意
免疫抑制剤等本剤の効果が得られないおそれがある。免疫抑制的な作用を持つ製剤の投与を受けている者、特に長期あるいは大量投与を受けている者は免疫機能が低下していることがある。

11. 副作用

11.1 重大な副反応
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー様反応(頻度不明)
呼吸困難、血管浮腫、蕁麻疹、発汗等があらわれることがある。
11.1.2 血小板減少(頻度不明)
小康期にある特発性血小板減少性紫斑病患者において血小板減少の再燃がみられたことが報告されている。
11.1.3 知覚異常、ギランバレー症候群等の急性神経根障害(頻度不明)
11.1.4 蜂巣炎・蜂巣炎様反応、注射部位壊死、注射部位潰瘍(頻度不明)
本剤接種後、主として注射部位を中心とした蜂巣炎・蜂巣炎様反応(発赤、腫脹、疼痛、発熱等)があらわれ、壊死や潰瘍に至ることがある。
11.2 その他の副反応
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
 5%以上注)1〜5%未満注)1%未満注)頻度不明
全身症状 倦怠感、違和感、悪寒、発熱ほてり無力症
筋・骨格系 筋肉痛 関節痛、関節炎、CK上昇
局所症状
(注射部位)
疼痛、熱感、腫脹、発赤硬結そう痒感可動性の低下
精神神経系 頭痛 感覚異常、熱性痙攣、浮動性めまい
呼吸器  咽頭炎、鼻炎 
消化器  悪心嘔吐、食欲減退
血液   リンパ節症・リンパ節炎、白血球数増加
皮膚  皮疹蕁麻疹、多形紅斑
その他 ALT上昇腋窩痛血清病、血清C-反応性蛋白(CRP)上昇

14. 適用上の注意

14.1 薬剤接種時の注意
14.1.1 接種時
(1)接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いること。
(2)冷蔵庫から取り出し室温になってから使用すること。
(3)本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと。[7.1参照]
(4)針を時計回りにシリンジにねじ込み、しっかり固定して、用法・用量に従い全量を投与すること。
(5)注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
(6)本剤は1人1回限りの使用とすること。
14.1.2 接種部位
(1)通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。
(2)筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
・神経走行部位に接種しないこと。
・注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 本剤は、含有する莢膜型以外の型の肺炎球菌による感染に対しては予防効果がない。
15.1.2 頭蓋骨骨底骨折あるいは脳脊髄液の外部疎通に起因する肺炎球菌の感染の予防には効果がないと考えられる。
15.1.3 肺炎球菌の感染の著しいおそれのある者に対してペニシリン等の抗生物質の予防投与が行われている場合は、本剤の接種後も抗生物質の投与を中止しないことが望ましい。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
国内2施設で総計130例について実施された臨床試験の概要は次のとおりである。65名の成人に本剤を接種し、23種類すべての莢膜型に対する接種前及び接種後の抗体価をELISA法で測定した。
接種後の幾何平均抗体価は接種前の2.3〜15.3倍(中央値8.6倍)の上昇を示し、2倍以上の抗体反応を示した率は各型別に51.6〜96.9%(中央値92.2%)であった。
承認時において本剤の予防効果を検証した試験は実施されていない。
65例中49例(75.4%)96件の副反応が認められた。その主なものは注射部位疼痛47件(72.3%)、注射部位発赤17件(26.2%)、注射部位腫脹15件(23.1%)、頭痛4件(6.2%)、腋窩痛3件(4.6%)、注射部位そう痒感2件(3.1%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
肺炎球菌は、その莢膜によって体内での食菌作用から保護されており、肺炎球菌莢膜の構成成分であるポリサッカライド(多糖体)に対する抗体が菌体莢膜と結合すると、食菌作用が著しく増強され、菌は貪食される。
本剤は抗原として23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドを含む肺炎球菌ワクチンであり、本剤を接種することにより23種類の肺炎球菌莢膜血清型ポリサッカライドに対する抗体価が上昇し、感染防御能を増強すると考えられる3)
一般に、莢膜血清型特異的防御抗体レベルの上昇は、ワクチン接種後第3週までに生じる4)
細菌莢膜血清型ポリサッカライドは、主にT細胞非依存性メカニズムによって抗体を誘発する。そのため、ほとんどの肺炎球菌莢膜血清型に対する抗体応答は、免疫系が未熟な2歳未満の幼児では一般に乏しいか又は不安定である4)。23価肺炎球菌ワクチンを用いた臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された。また、12価、14価及び23価の肺炎球菌ワクチンを2歳以上の小児及び成人に投与した臨床試験により、これらの莢膜血清型に対する免疫原性が示された1)5)6)7)。[2.1参照]

20. 取扱い上の注意

外箱開封後は遮光して保存すること。

22. 包装

シリンジ 0.5mL 1本

23. 主要文献

  1. Borgono JM,et al., Proc Soc Exp Biol Med., 157, 148-54, (1978) »PubMed
  2. Musher DM,et al., J Infect Dis., 201, 516-24, (2010) »PubMed
  3. Austrian R., The role of immunological factors in infectious,allergic and autoimmune processes., 79-89, (1976), (New York,Raven Press.)
  4. CDC:MMWR., 46 (RR-8), (1997)
  5. Smit P,et al., JAMA., 238, 2613-6, (1977) »PubMed
  6. Hilleman MR,et al., Bull WHO., 56, 371-5, (1978) »PubMed
  7. Weibel RE,et al., Proc Soc Exp Biol Med., 156, 144-50, (1977) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
電話:医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961
製品情報問い合わせ先
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
電話:医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961

25. 保険給付上の注意

本剤は「2歳以上の脾摘患者における肺炎球菌による感染症の発症予防」の目的で使用した場合、又はスチムリマブ(遺伝子組換え)、ペグセタコプラン若しくはイプタコパン塩酸塩水和物投与患者に保険給付が限定される。

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
MSD株式会社
東京都千代田区九段北1-13-12

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/01/22 版