HMG-CoA還元酵素阻害剤で治療を受けている
注1)心血管イベントの発現リスクが高い
注2)高コレステロール血症患者404例(家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体患者を含む)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験
8)において、アトルバスタチン5mg又は20mgとの併用にて、エボロクマブ140mgを2週間に1回又はエボロクマブ420mgを4週間に1回、プラセボを2週間に1回又は4週間に1回投与した結果、投与10週後と12週後のベースラインからの平均LDL-コレステロール変化率の差は表1のとおりであった。
非盲検長期継続投与試験
9)
10)において、エボロクマブ140mgを2週間に1回又はエボロクマブ420mgを4週間に1回投与した結果、1年後のベースラインからのLDL-コレステロール変化率(平均値)は−65〜−70%で推移した。
副作用の発現割合は、エボロクマブ群で1.0%(2/202例)、プラセボ群で4.5%(9/202例)であった。本剤群で発現割合0.5%以上の副作用は、尿中蛋白陽性0.5%(1/202例)、尿中ビリルビン増加0.5%(1/202例)、糖尿病0.5%(1/202例)であった。[
5.2参照]
注1)同一の用法・用量で4週間以上のHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療を受けており、かつLDL-コレステロールが100mg/dL以上の患者
注2)心血管イベントの発現リスクに関する主な選択基準は以下のとおりであった。
以下のいずれかに該当する患者
○冠動脈性疾患の既往
○閉塞性動脈硬化症/末梢動脈疾患
○非心原性脳梗塞の既往
○家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体
○慢性腎疾患
○2型糖尿病
○下記の危険因子のうち3項目以上が認められる患者
・男性で年齢45歳以上、女性で年齢55歳以上
・過去に高血圧との診断、又はスクリーニング時に血圧高値(少なくとも3回の測定において収縮期血圧(SBP)140mmHg超又は拡張期血圧(DBP)90mmHg超)
・空腹時血糖110mg/dL超
・喫煙歴
・第1度近親者に冠動脈疾患の早期発症の病歴のある患者がいる(早期発症とは男性で55歳以下、女性で65歳以下の発症)
・HDL-コレステロール40mg/dL未満
表1 高コレステロール血症患者(家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体患者を含む)を対象とした二重盲検試験の結果
−アトルバスタチン5mg併用−
投与群 | 2週間に1回投与 | 4週間に1回投与 |
プラセボ(n=49) | エボロクマブ140mg(n=50) | プラセボ(n=50) | エボロクマブ420mg(n=50) |
LDL-コレステロール(mg/dL) |
ベースライン | 115.7(75,187) | 121.9(61,352) | 114.0(71,213) | 118.8(71,279) |
10週 | 111.9(75,208) | 31.1(5,192) | 113.1(65,216) | 28.7(1,84) |
12週 | 114.1(74,184) | 30.6(10,147) | 117.7(57,251) | 38.6(9,128) |
12週のベースラインからの変化量及びプラセボ群とエボロクマブ群の差 | −1.5(−42,39) | −92.0(−205,−39) | 3.9(−28,59) | −80.3(−151,−46) |
−90.8(−100.9,−80.7)注)
| −83.6(−92.5,−74.8)注)
|
12週のベースラインからの変化率及びプラセボ群とエボロクマブ群の差(%) | −0.28(−33.3,33.9) | −75.16(−92.8,−38.2) | 2.67(−23.0,37.1) | −67.26(−91.6,−51.1) |
−74.85#(−80.22,−69.47)a,注)
| −69.91#(−74.60,−65.23)a,注)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化量及びプラセボ群とエボロクマブ群の差 | −2.6(−42,30) | −91.1(−195,−44) | 1.0(−43,42) | −85.2(−176,−49) |
−89.3(−98.4,−80.2)注)
| −86.3(−95.1,−77.5)注)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化率及びプラセボ群とエボロクマブ群の差(%) | −1.28(−33.3,26.1) | −75.28(−88.2,−47.1) | 0.80(−34.4,33.0) | −71.62(−90.1,−50.0) |
−73.97#(−78.54,−69.41)a,注)
| −72.89#(−77.22,−68.57)a,注)
|
−アトルバスタチン20mg併用−
投与群 | 2週間に1回投与 | 4週間に1回投与 |
プラセボ(n=52) | エボロクマブ140mg(n=51) | プラセボ(n=51) | エボロクマブ420mg(n=51) |
LDL-コレステロール(mg/dL) |
ベースライン | 90.9(44,184) | 95.8(52,175) | 90.7(48,171) | 98.0(49,185) |
10週 | 88.9(45,187) | 25.0(2,65) | 89.0(56,172) | 17.4(0,43) |
12週 | 91.3(50,146) | 26.8(2,91) | 87.4(56,202) | 29.4(9,117) |
12週のベースラインからの変化量及びプラセボ群とエボロクマブ群の差 | 0.0(−38,57) | −69.1(−149,−27) | −2.8(−38,33) | −68.6(−172,−18) |
−69.6(−76.5,−62.6)注)
| −65.5(−73.8,−57.1)注)
|
12週のベースラインからの変化率及びプラセボ群とエボロクマブ群の差(%) | 2.77(−27.7,129.5) | −72.48(−97.1,−32.5) | −1.94(−34.1,43.8) | −69.05(−93.0,−26.0) |
−75.85#(−83.55,−68.15)a,注)
| −66.87#(−72.88,−60.87)a,注)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化量及びプラセボ群とエボロクマブ群の差 | −1.2(−31,47) | −69.3(−149,−18) | −2.4(−36,24) | −74.6(−169,−35) |
−68.7(−75.3,−62.1)注)
| −72.0(‐79.5,−64.6)注)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化率及びプラセボ群とエボロクマブ群の差(%) | 0.96(−26.3,105.7) | −72.55(−96.4,−31.6) | −1.28(−27.1,34.8) | −75.62(−92.6,−47.9) |
−74.41#(−81.21,−67.61)a,注)
| −74.27#(−78.93,−69.60)a,注)
|
a:主要評価項目
#:p<0.001(投与群、層別因子、来院時期、投与群と来院時期の交互作用を固定効果とした反復測定混合効果モデル)
注)プラセボ群とエボロクマブ群との差については最小二乗平均値(95%信頼区間)、それ以外の箇所には平均値(最小値,最大値)を示した。
家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者100例(日本人7例を含む)にエボロクマブ420mgを2週間に1回又は4週間に1回投与(登録時又は登録前8週間以内にアフェレーシスを受けていなかった患者は4週間に1回で投与を開始し、受けていた患者は2週間に1回で投与を開始)した非盲検試験
11)の結果、24週に到達した67例(日本人5例を含む)のLDL-コレステロールはベースラインと比較して23.4±28.8%(平均値±標準偏差、以下同様)低下した。
副作用の発現割合は、18.0%(18/100例)であり、発現割合2%以上の副作用は、注射部位紅斑4.0%(4/100例)、頚動脈内膜中膜肥厚度増加4.0%(4/100例)、注射部位疼痛2.0%(2/100例)、発疹2.0%(2/100例)、蕁麻疹2.0%(2/100例)であった。[
5.2参照]
外国人家族性高コレステロール血症ホモ接合体患者49例にエボロクマブ420mgを4週間に1回投与したプラセボ対照二重盲検比較試験
12)の結果、12週時点のベースラインからのLDL-コレステロールの変化率はエボロクマブ群で−26.1±23.2%及びプラセボ群で6.1±18.3%であった。
副作用の発現割合は、エボロクマブ群で0.0%(0/33例)、プラセボ群で12.5%(2/16例)であり、本剤群で発現した副作用はなかった。[
5.2参照]
HMG-CoA還元酵素阻害剤で治療を受けている
注3)心血管系疾患患者27564例(日本人429例を含む)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験
13)
14)において、最大耐用量のHMG-CoA還元酵素阻害剤
注4)との併用にて、エボロクマブ140mgを2週間に1回若しくはエボロクマブ420mgを4週間に1回、又はプラセボを2週間に1回若しくは4週間に1回26.1カ月間(日本人では25.3カ月間、いずれも中央値)投与した主要評価項目
注5)及び重要な副次評価項目
注6)の結果は表2、図1のとおりであった。エボロクマブ群では、プラセボ群と比較して主要評価項目である心血管イベント発現リスクが有意に低かった(p<0.0001、層別ログランク検定)。
副作用の発現割合は、27525例(日本人428例を含む)中、エボロクマブ群で9.7%(1341/13769例)、プラセボ群で9.0%(1240/13756例)であった。本剤群で発現割合0.4%以上の副作用は、筋肉痛0.9%(123/13769例)、糖尿病0.5%(66/13769例)、下痢0.4%(56/13769例)、疲労0.4%(53/13769例)であった。[
5.2参照]
注3)2週間以上の安定した脂質低下療法の後にLDL-コレステロールが70mg/dL以上又はnon-HDL-コレステロールが100mg/dL以上の患者
注4)アトルバスタチン20mg/日又は同等用量以上:アトルバスタチン20〜80mg/日、シンバスタチン40〜80mg/日、ロスバスタチン5〜40mg/日、ピタバスタチン4mg/日
注5)心血管系疾患に起因する死亡、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈血行再建又は不安定狭心症による入院のいずれかが最初に発生するまでの時間
注6)心血管系疾患に起因する死亡、心筋梗塞又は脳卒中のいずれかが最初に発生するまでの時間
表2 心血管系疾患患者を対象とした二重盲検試験の結果
| 全体集団 | 日本人集団 |
投与群 | プラセボ(N=13780)n(%) | エボロクマブ(N=13784)n(%) | ハザード比#(95%信頼区間) | プラセボ(N=225)n(%) | エボロクマブ(N=204)n(%) | ハザード比#(95%信頼区間) |
主要評価項目 | 1563(11.34) | 1344(9.75) | 0.85(0.79,0.92) | 28(12.44) | 12(5.88) | 0.47(0.24,0.92) |
重要な副次評価項目 | 1013(7.35) | 816(5.92) | 0.80(0.73,0.88) | 11(4.89) | 6(2.94) | 0.61(0.23,1.65) |
主要評価項目の各構成要素 |
心血管系疾患に起因する死亡 | 240(1.74) | 251(1.82) | 1.05(0.88,1.25) | 1(0.44) | 3(1.47) | 3.27(0.34,31.42) |
致死性、非致死性心筋梗塞 | 639(4.64) | 468(3.40) | 0.73(0.65,0.82) | 6(2.67) | 3(1.47) | 0.57(0.14,2.28) |
致死性、非致死性脳卒中 | 262(1.90) | 207(1.50) | 0.79(0.66,0.95) | 6(2.67) | 2(0.98) | 0.37(0.07,1.83) |
冠動脈血行再建 | 965(7.00) | 759(5.51) | 0.78(0.71,0.86) | 22(9.78) | 9(4.41) | 0.46(0.21,0.99) |
不安定狭心症による入院 | 239(1.73) | 236(1.71) | 0.99(0.82,1.18) | 3(1.33) | 2(0.98) | 0.76(0.13,4.57) |
図1 主要評価項目注5)の累積発生率推定値(全体集団)
筋肉関連の副作用のため有効用量のHMG-CoA還元酵素阻害剤が投与できず
注7)、LDL-コレステロールをコントロールできない日本人高コレステロール血症患者61例(家族性高コレステロール血症へテロ接合体患者6例を含む)を対象としたエゼチミブ対照二重盲検比較試験
15)の二重盲検期において、単独又は有効量以下のHMG-CoA還元酵素阻害剤との併用下で、エボロクマブ140mgを2週間に1回若しくはエボロクマブ420mgを4週間に1回、又はエゼチミブ10mgを1日1回投与した結果、投与10週後と12週後のベースラインからの平均LDL-コレステロール変化率の差は表3のとおりであった。
また、同試験
15)の非盲検期において、エボロクマブ140mgを2週間に1回又はエボロクマブ420mgを4週間に1回投与した結果、同試験
15)開始1年後のベースラインからのLDL-コレステロール変化率(平均値)は約−60%で推移した。
副作用の発現割合は、二重盲検期においては61例中、エボロクマブ群で17.5%(7/40例)、エゼチミブ群で14.3%(3/21例)であった。そのうち2例以上の症例において認められた副作用は、本剤群で注射部位疼痛5.0%(2/40例)であった。また、非盲検期における副作用の発現割合は58例中、12.1%(7/58例)であった。そのうち2例以上の症例において認められた副作用は、肝機能異常3.4%(2/58例)であった。[
5.2参照]
注7)2種類以上のHMG-CoA還元酵素阻害剤の投与を試み、そのうち1種類以上のHMG-CoA還元酵素阻害剤で以下に記載した平均1日量又はそれ以下の用量で、耐え難いミオパチー、すなわち筋肉痛(CK値上昇を伴わない筋肉の疼痛、うずき又は筋力低下)、筋炎(CK値上昇を伴う筋肉症状)又は横紋筋融解症(CK値の顕著な上昇を伴う筋肉症状)のため、HMG-CoA還元酵素阻害剤投与継続が困難であった患者
○アトルバスタチン 10mg
○フルバスタチン 20mg
○プラバスタチン 10mg
○ロスバスタチン 2.5mg
○シンバスタチン 5mg
○ピタバスタチン 1mg
表3 HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない高コレステロール血症患者を対象とした二重盲検試験の結果
投与群 | エゼチミブ(n=21) | エボロクマブ注8)(n=40) |
LDL-コレステロール(mg/dL) |
ベースライン | 181.9(120,364) | 192.8(129,415) |
10週 | 146.4(78,390) | 78.4(25,210) |
12週 | 151.0(76,378) | 79.7(34,239) |
12週のベースラインからの変化量及びエゼチミブ群とエボロクマブ群の差 | −32.8(−66,24) | −114.3(−213,8) |
−79.4#(−96.7,−62.0)注9)
|
12週のベースラインからの変化率及びエゼチミブ群とエボロクマブ群の差(%) | −18.95(−36.4,16.7) | −59.45(−77.8,5.1) |
−40.14#(−48.68,−31.60)a,注9)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化量及びエゼチミブ群とエボロクマブ群の差 | −35.1(−69,20) | −113.9(−209,4) |
−77.6#(−93.9,−61.3)注9)
|
10週と12週の平均値のベースラインからの変化率及びエゼチミブ群とエボロクマブ群の差(%) | −20.26(−35.6,7.3) | −59.79(−79.3,2.2) |
−39.35#(−47.23,−31.48)a,注9)
|