中枢神経系症状の改善が必要とされるムコ多糖症II型患者に対して投与を検討すること。
通常、イデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)として、1回30mgを4週間に1回、脳室内投与する。
7.1 イデュルスルファーゼ(遺伝子組換え)が静脈内投与され、忍容性が確認されている患者に投与すること。[
17.1.1参照]
7.2 脳室内圧の変動を防ぐため、あらかじめ投与液と同容量の脳脊髄液(2mL)を採取した後、希釈せずに1分以上かけて投与すること。
7.3 本剤は、脳室内投与の知識、経験がある医師が投与すること。
8.1 医療機器関連の合併症として、脳室炎、髄膜炎を含む感染症、頭蓋内圧の過度な低下又は亢進等の中枢神経系事象、医療機器の不具合等が起こる可能性があるので、以下の点に注意すること。[
9.1.1、
14.3.2-
14.3.3参照]
・医療機器の不具合等に対する適切な対応をとれるよう体制を整えておくこと。
・感染リスクを低減するため、本剤の投与は無菌的操作により行うこと。
・本剤の投与前に、毎回、医療機器の不具合、感染症の兆候の有無を確認するために、植込み部分の皮膚に異常がないか確認すること。
・医療機器関連の合併症が認められた場合は、適切な処置を行うこと。医療機器の不具合等については、該当医療機器の添付文書も参照すること。
8.2 本剤はタンパク質製剤であり、アナフィラキシーショックが起こる可能性が否定できないため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置をとれる準備をしておくこと。[1.、2.、
9.1.2参照]
8.3 IgG抗体産生が予測されるため、定期的にイデュルスルファーゼ ベータ(遺伝子組換え)に対するIgG抗体検査を行うことが望ましい。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 脳室腹腔シャント又は脳室心房シャントを実施中の患者
脳内における本剤の曝露量が減少し、有効性が期待できない。[
8.1参照]
9.1.2 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者[2.、
8.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。母動物の妊娠、胚・胎児及び出生児への影響は検討されていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳への移行に関する試験は実施していない。
9.7 小児等
1歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
14.1 全般的な注意
本剤の詳細な使用方法は、投与ガイドを確認すること。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 開封後は速やかに使用すること。やむを得ず保管する場合は25℃以下で8時間以内に投与すること。
14.2.2 激しく振とうしないこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 本剤の投与は無菌的操作により行うこと。
14.3.2 本剤は外科的に留置した植込み型脳脊髄液リザーバを用いて投与すること(図1)。該当医療機器の添付文書、取扱説明書等を熟読し、これらの注意に適切に対応すること。[
8.1参照]
図1 脳室内投与方法の例
14.3.3 本剤の投与に用いる植込み型脳脊髄液リザーバは、本剤との適合性が確認されたものを用いること。[
8.1参照]
15.1 臨床使用に基づく情報
ムコ多糖症II型はX連鎖劣性遺伝疾患であるが、稀に女性患者の報告がある。臨床試験に女性患者の参加はなく、女性における本剤の安全性は確立していない。
21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
21.2 国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、再審査期間中の全投与症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤の使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集すること。
21.3 本剤の有効性及び安全性の確認を目的とした臨床試験及び使用成績調査について、定期的に試験成績及び解析結果を提出すること。
21.4 本剤の有効性及び安全性に関する追加的に実施された評価に基づき、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。