医療用医薬品 : ミラクリッド

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医薬品情報


総称名 ミラクリッド
一般名 ウリナスタチン
欧文一般名 Ulinastatin
製剤名 ウリナスタチン
薬効分類名 多価・酵素阻害剤
薬効分類番号 3999
ATCコード B02AB05
KEGG DRUG
D05183 ウリナスタチン
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2021年4月 改訂(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ミラクリッド注射液5万単位 MIRACLID Injection 50,000 units 持田製薬 3999405A2077 824円/管 生物由来製品, 処方箋医薬品注)
ミラクリッド注射液10万単位 MIRACLID Injection 100,000 units 持田製薬 3999405A3073 1436円/管 生物由来製品, 処方箋医薬品注)

1. 警告

本剤の投与は緊急時に十分対応できる医療施設において、患者の状態を観察しながら行うこと。

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
ウリナスタチン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

急性膵炎(外傷性、術後及びERCP後の急性膵炎を含む)
慢性再発性膵炎の急性増悪期
○急性循環不全(出血性ショック、細菌性ショック、外傷性ショック、熱傷性ショック)

5. 効能または効果に関連する注意

<急性循環不全>
以下の点に十分留意すること。
・本剤の投与は一般的なショックの治療法(輸液療法、酸素吸入、外科的処置、抗菌剤等)に代わるものではない。
・ショック症状が改善すれば、投与を中止すること。

6. 用法及び用量

<急性膵炎、慢性再発性膵炎の急性増悪期>
通常、成人には初期投与量として1回25,000〜50,000単位を500mLの輸液で希釈し、1回当たり1〜2時間かけて1日1〜3回点滴静注する。以後は症状の消退に応じて減量する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
<急性循環不全>
通常、成人には1回100,000単位を500mLの輸液で希釈し、1回当たり1〜2時間かけて1日1〜3回点滴静注するか、又は、1回100,000単位を1日1〜3回緩徐に静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

8. 重要な基本的注意

白血球減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 薬物過敏症又はその既往歴のある患者
9.1.2 過敏性素因患者
9.1.3 過去にウリナスタチン製剤の投与を受けた患者
過敏症があらわれることがある。[11.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行を示唆する結果が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシーショック(頻度不明)
血圧降下、頻脈、胸内苦悶、呼吸困難、皮膚の潮紅、蕁麻疹等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.3参照]
11.1.2 白血球減少(頻度不明)[8.参照]
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%未満注)頻度不明
血液 白血球減少、好酸球増多
肝臓 AST・ALTの上昇等
過敏症 発疹、そう痒感
消化器 悪心・嘔吐、下痢等
注射部位血管痛発赤、そう痒感
その他 発熱

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康成人男性にウリナスタチン(凍結乾燥製剤)30万単位/10mLを静脈内投与注)すると、血中濃度は3時間までほぼ直線的に低下し、消失半減期は約40分であった1)
16.5 排泄
健康成人男性にウリナスタチン(凍結乾燥製剤)30万単位/10mLを静脈内投与注)すると、投与後6時間までに投与量の約24%が尿中に排泄された。
注)本剤の承認された1回用量は、静脈内投与の場合、10万単位までである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<急性膵炎、慢性再発性膵炎の急性増悪期>
17.1.1 国内第II相及び第III相試験
ウリナスタチン(凍結乾燥製剤)は急性膵炎及び慢性再発性膵炎の急性増悪期の患者における上腹部痛、悪心・嘔吐、圧痛、抵抗、腫瘤、腹膜炎症状、ショック症状などの自他覚症状を改善し、白血球数、アミラーゼ、AST、ALTなどの臨床検査値の異常値を改善した1)2)3)4)5)6)。急性膵炎及び慢性再発性膵炎の急性増悪期に対する有効率は83.9%(183/218例)であった。
<急性循環不全>
17.1.2 国内第II相試験
急性循環不全に対する有効率は82.5%(47/57例)で、ショック患者における収縮期血圧、脈拍数、Base Excess、尿量、意識状態などの異常を改善した。また、ウリナスタチン投与群において副作用は認められなかった7)
17.1.3 国内第III相試験
ショック患者を対象としたアプロチニン(60万単位/日×3日)とウリナスタチン(凍結乾燥製剤)(30万単位/日×3日)との二重盲検試験において、ウリナスタチンの有用率は71.7%(43/60例)で、アプロチニンに比し有意に優っていた(p<0.01)。また、ウリナスタチン投与群において副作用は認められなかった8)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ウリナスタチンは、トリプシン、α-キモトリプシン、エラスターゼなどの蛋白分解酵素、ヒアルロニダーゼ、リパーゼなどの糖・脂質分解酵素を阻害する9)
18.2 膵酵素に対する阻害作用
ウリナスタチンは、トリプシンあるいはフォスフォリパーゼA2刺激によりイヌ膵切片から遊離する種々の膵酵素を阻害する10)11)in vitro)。
18.3 実験的急性膵炎に対する作用
18.3.1 トリプシン含有タウロコール酸ナトリウム水溶液を主膵管に注入してトリプシン膵炎を惹起させたイヌ及びラットにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した10)
18.3.2 フォスフォリパーゼA2含有タウロコール酸ナトリウム水溶液を主膵管に注入してフォスフォリパーゼA2膵炎を惹起させたイヌにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した11)
18.3.3 十二指腸ループを作製して、十二指腸液逆流膵炎を惹起させたラットにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した11)
18.4 実験的ショックに対する作用
18.4.1 熱傷性ショックのマウスにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した12)
18.4.2 外傷性ショックのラットにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した12)
18.4.3 エンドトキシンショックのマウスにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存率は有意に上昇した12)
18.4.4 出血性ショックのラットにウリナスタチンを静脈内投与したところ、生存時間は有意に延長した13)
18.5 ライソゾームに対する作用
18.5.1 In vitroの実験で、ウリナスタチンは分離したラット肝ライソゾーム膜を安定化させた13)
18.5.2 出血性ショックのラットにウリナスタチンを静脈内投与したところ、ライソゾームの空胞化、膜破壊及び膜破壊による酸性フォスファターゼの放出が抑制されたことからライソゾーム膜安定化作用が示唆された13)
18.6 体外循環時の血中酵素に対する作用
ウリナスタチンは、先天性及び後天性心疾患患者における体外循環時のAST及びライソゾーム酵素(cathepsin-D、β-glucuronidase)活性の上昇を有意に抑制した14)
18.7 心筋抑制因子(MDF)産生抑制作用
ウリナスタチンは、ショックにより惹起されるMDFの産生を有意に抑制した13)(ラット)。
18.8 ショック時の循環動態に対する作用
出血性ショックのイヌ及びエンドトキシンショックのイヌにウリナスタチンを静脈内投与したところ、低下した平均動脈血圧、心係数、大動脈血流量、腎血流量等は増加した15)16)17)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ウリナスタチン

一般的名称 ウリナスタチン
一般的名称(欧名) Ulinastatin
分子量 約67,000
物理化学的性状 淡褐色〜褐色の澄明な液である。
KEGG DRUG D05183

22. 包装

<ミラクリッド注射液5万単位>
アンプル
1mL×10管、1mL×30管
<ミラクリッド注射液10万単位>
アンプル
2mL×10管

23. 主要文献

  1. 竹内節夫 他, 臨床と研究, 62 (2), 278-282, (1985)
  2. 本庄一夫 他, 臨床と研究, 61 (6), 227-232, (1984)
  3. 佐藤寿雄 他, 臨床と研究, 61 (7), 233-238, (1984)
  4. 平山亮夫 他, 新薬と臨床, 33 (1), 23-32, (1984)
  5. 安部宗顕 他, 診断と治療, 72 (12), 170-173, (1984)
  6. 本間達二 他, 基礎と臨床, 17 (12), 259-263, (1983)
  7. 玉熊正悦 他, 救急医学, 8 (5), 619-624, (1984)
  8. 山村秀夫 他, 医学のあゆみ, 129 (10), 730-738, (1984)
  9. 第十七改正日本薬局方解説書, C-762-768, (2016), (廣川書店)
  10. 大西治夫 他, 日薬理誌, 81 (3), 235-244, (1983) »DOI
  11. Ohnishi,H.et al., Dig.Dis.Sci., 29 (1), 26-32, (1984) »PubMed
  12. Ohnishi, H.et al., Jpn.J.Pharmacol., 39 (2), 137-144, (1985) »DOI
  13. 小田利通 他, 麻酔, 33 (2), 137-142, (1984) »PubMed
  14. 小川 龍 他, 臨床麻酔, 8 (4), 435-439, (1984)
  15. 矢尾光憲 他, 麻酔, 31 (12), 1325-1332, (1982) »PubMed
  16. 石原弘規 他, エンドトキシンの基礎と臨床 第4回 エンドトキシン臨床研究会記録, 213-218, (1983), (羊土社)
  17. 宮原 孝, 麻酔, 32 (8), 943-955, (1983) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955
製品情報問い合わせ先
持田製薬株式会社 くすり相談窓口
〒160-8515 東京都新宿区四谷1丁目7番地
電話:03-5229-3906
0120-189-522
FAX:03-5229-3955

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
持田製薬株式会社
東京都新宿区四谷1丁目7番地

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/12/17 版