医療用医薬品 : スキリージ

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医薬品情報


総称名 スキリージ
一般名 リサンキズマブ(遺伝子組換え)
欧文一般名 Risankizumab(Genetical Recombination)
製剤名 点滴静注用リサンキズマブ(遺伝子組換え)製剤
薬効分類名 ヒト化抗ヒトIL-23p19モノクローナル抗体製剤
薬効分類番号 3999
ATCコード L04AC18
KEGG DRUG
D11052 リサンキズマブ
KEGG DGROUP
DG02019 インターロイキン阻害薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2022年9月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
スキリージ点滴静注600mg Skyrizi Intravenous infusion アッヴィ 3999450A1025 190369円/瓶 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品注)

1. 警告

1.1 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される患者のみに使用すること。本剤は感染症のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核を活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること。[2.12.28.18.28.59.1.19.1.211.1.115.1.2参照]
1.2 重篤な感染症
ウイルス及び細菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。[2.18.19.1.111.1.1参照]
1.3 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分勘案すること。[5.参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.11.28.111.1.1参照]
2.2 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある。][1.18.29.1.2参照]
2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

中等症から重症の活動期クローン病の寛解導入療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

5. 効能または効果に関連する注意

過去の治療において、栄養療法、他の薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリン等)等による適切な治療を行っても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に投与すること。[1.3参照]

6. 用法及び用量

通常、成人にはリサンキズマブ(遺伝子組換え)として、600mgを4週間隔で3回(初回、4週、8週)点滴静注する。なお、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤による維持療法開始16週以降に効果が減弱した場合、1200mgを単回点滴静注することができる。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 維持療法については、3回目投与の4週後から、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤の投与を開始すること(維持療法における用法及び用量は、リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤の添付文書を参照すること)。
7.2 リサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与用製剤による維持療法中に効果が減弱した場合の1200mg単回投与については、その必要性を慎重に検討すること。また、以下の点に注意すること。
・1200mg単回投与を行った8週後からリサンキズマブ(遺伝子組換え)の皮下投与製剤の投与を再開すること。
・1200mgの再投与を行う場合は、前回の1200mg投与から16週以上の間隔をあけること。
・1200mgの投与を3回以上行った場合の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していないため、漫然と繰り返さないこと。
7.3 本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため、本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や増悪に注意すること。感染症の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。[1.11.22.19.1.111.1.1参照]
8.2 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者を指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと。[1.12.29.1.2参照]
8.3 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.4 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.5 臨床試験において皮膚及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること。[1.115.1.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症(重篤な感染症を除く)の患者又は感染症が疑われる患者
感染症が悪化するおそれがある。[1.11.28.111.1.1参照]
9.1.2 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者
結核症の発現に十分に注意すること。
(1)結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある。[1.12.28.2参照]
(2)結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。以下のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること。[1.12.28.2参照]
・胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者
・結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者
・インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、既感染が強く疑われる患者
・結核患者との濃厚接触歴を有する患者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はカニクイザルにおいて胎児への移行が報告されているが、胎児・出生児に毒性及び催奇形性は認められていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒトにおける乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な感染症(頻度不明)
重篤な感染症(敗血症、骨髄炎、腎盂腎炎、細菌性髄膜炎等)があらわれることがある。重篤な感染症が発症した場合には、感染症が消失するまで本剤を投与しないこと。[1.11.22.18.19.1.1参照]
11.1.2 重篤な過敏症(0.3%)
アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上1〜5%未満1%未満頻度不明
感染症及び寄生虫症上気道感染白癬感染
毛包炎
神経系障害頭痛
全身障害及び投与局所様態疲労注射部位反応(紅斑、腫脹、そう痒感、疼痛、出血、硬結等)

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 本剤の調製は、無菌的操作で行うこと。
14.1.2 本剤を、5%ブドウ糖液(日局生理食塩液は用いないこと)を含んだ点滴バッグ又はガラス瓶に加え、総液量が100mL、250mL又は500mLとなるよう希釈すること(本剤600mgを点滴静注する場合の最終薬物濃度:約1.2〜6mg/mL、本剤1200mgを点滴静注する場合の最終薬物濃度:約2.4〜12mg/mL)。なお、5%ブドウ糖液以外の溶液との配合に関するデータはない。
14.1.3 希釈液は投与時まで25℃以下で静置すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 混濁、変色又は大きな粒子がある場合は、使用しないこと。半透明〜白色の製品由来の微粒子を含むことがある。
14.2.2 本剤600mgの希釈液を1時間以上又は本剤1200mgの希釈液を2時間以上かけて投与すること(1時間当たり600mgの投与速度を超えないこと)。希釈後は8時間以内に投与完了すること。
14.2.3 他の薬剤と同じ静注ラインで同時注入はしないこと。
14.2.4 本剤のバイアルは1回使い切りである。未使用残液については適切に廃棄すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 海外及び国際共同臨床試験においてクローン病患者に導入療法(本剤600mgを投与0、4及び8週時に静脈内投与)後に維持療法(リサンキズマブシリンジ360mgを投与12週時、以降は8週間ごとに皮下投与)を行った場合、64週間の曝露期間でそれぞれ2/58例(3.4%)及び0/58例(0%)の患者に投与に起因する抗リサンキズマブ抗体及び中和抗体が認められた。
日本人尋常性乾癬、膿疱性乾癬又は乾癬性紅皮症患者にリサンキズマブシリンジ75mg又は150mgを0週目、4週目及びそれ以降12週毎に52週まで皮下投与したところ、それぞれ15/67例(22.4%)及び31/100例(31.0%)の患者に抗リサンキズマブ抗体が認められ、10/67例(14.9%)及び12/100例(12.0%)の患者に中和抗体が認められた。海外及び国際共同臨床試験において尋常性乾癬患者を対象として、リサンキズマブシリンジ150mgを0週目、4週目及びそれ以降12週毎に52週まで皮下投与したところ、263/1079例(24.4%)の患者に抗リサンキズマブ抗体が認められ、150/1079例(13.9%)の患者に中和抗体が認められた。
15.1.2 クローン病患者を対象とした国際共同臨床試験(M16-000試験 Sub-study1)の結果、リサンキズマブ皮下投与群では、悪性腫瘍の100人年あたりの発現被験者数は0.6例/100人年(360mg皮下投与群1例)であった。[1.1参照]
乾癬患者を対象とした国内二重盲検比較試験及び海外二重盲検比較試験併合解析の結果(延べ例数:1672例、総曝露期間:1758.5人年)、リサンキズマブ投与群において、悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、0.6/100人年(発現割合:0.5%、9/1672例)であった。併合解析での悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率は、一般の乾癬患者で報告されている発現率(1.42/100人年、95%信頼区間:1.35,1.49)と同程度であった1)。非黒色腫皮膚癌の発現率は、0.9/100人年(発現割合:0.7%、12/1672例)であった。一般の乾癬患者で報告されている非黒色腫皮膚癌の発現率は1.80/100人年(95%信頼区間:1.73,1.88)であった1)。[1.18.5参照]

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人(各群6例)にリサンキズマブ18、90若しくは300mgを単回皮下投与したとき又は200〜1800mgを静脈内投与したときのリサンキズマブの血漿中濃度は、いずれも用量に比例して増加した2)3)
健康成人にリサンキズマブ200mg〜1800mgを単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移
健康成人にリサンキズマブ200mg〜1800mgを単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
 200mg600mg1200mg1800mg
Cmax(μg/mL)60.1(14)225(8)363(15)693(16)
t1/2(day)31.2(7.38)30.7(2.56)32.7(14.2)28.2(5.70)
AUC(μg・day/mL)998(12)3620(9)7020(28)11200(15)
16.1.2 反復投与
クローン病患者に導入用量の本剤600mgを投与0、4、8週時に静脈内投与し、引き続き維持用量のリサンキズマブ360mgを投与12週時、以降は8週間ごとに皮下投与したとき、導入療法期(投与8-12週時)のCmax及びCtroughの最大値の中央値は各々156及び38.8μg/mLであり、維持療法期(投与40-48週時)の定常状態Cmax及びCtroughの中央値は各々28.0及び8.13μg/mLであった4)(日本人及び外国人併合データ)。
16.1.3 母集団薬物動態解析
母集団薬物動態解析より、体重70kgの患者に対するリサンキズマブの全身クリアランス(CL)、定常状態分布容積(Vss)及び終末相消失半減期(t1/2)はそれぞれ0.296L/day、7.68L及び21日であった4)(日本人及び外国人併合データ)。
16.7 薬物相互作用
尋常性乾癬患者にリサンキズマブシリンジ150mgを反復投与したところ、カフェイン(CYP1A2)、ワルファリン(CYP2C9)、オメプラゾール(CYP2C19)、メトプロロール(CYP2D6)及びミダゾラム(CYP3A)の曝露量は併用前後で同程度であった5)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<クローン病>
17.1.1 国際共同第III相臨床試験(M16-006試験)
中等症から重症の活動性クローン病患者を対象とし、プラセボ、リサンキズマブ600mg又は1200mgを0週、4週及び8週に静脈内投与した導入療法試験を実施した。生物製剤(インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、ナタリズマブ、ベドリズマブ又はウステキヌマブ)の治療で効果不十分又は不耐容の患者及び既存治療(アミノサリチル酸製剤、コルチコステロイド又は免疫調節剤)で効果不十分又は不耐容の患者を対象とした。12週時の臨床的寛解注1)及び内視鏡的改善注2)が得られた被験者の割合を下表に示す。
投与12週時の臨床的寛解及び内視鏡的改善を達成した被験者の割合について、いずれもリサンキズマブ600mg群のプラセボ群に対する統計学的有意差が示され、優越性が検証された(P<0.001)6)
 プラセボリサンキズマブ600mg
全体集団
臨床的寛解注1)21.7%
(38/175例)
43.5%§
(146/336例)
内視鏡的改善注2)12.0%
(21/175例)
40.3%§
(135/336例)
日本人集団
臨床的寛解注1)18.8%
(3/16例)
67.9%
(19/28例)
内視鏡的改善注2)6.3%
(1/16例)
35.7%
(10/28例)
注1):平均1日排便回数が2.8回以下でベースラインより悪化していない、かつ平均1日腹痛スコアが1以下でベースラインより悪化していない。
注2):中央判定の評価者によるスコア判定で粘膜炎症の内視鏡的所見(Simple Endoscopic Score for Crohn's Disease[SES-CD])がベースラインから50%超減少(病変が回腸に限局している被験者でベースラインのSES-CDが4の場合、ベースラインからの減少が2以上)。
本試験ではリサンキズマブ600mgを投与された安全性評価対象373例中84例(22.5%)に副作用が認められた。主な副作用は、リサンキズマブ600mg群では疲労が373例中12例(3.2%)上気道感染が373例中11例(2.9%)、頭痛が373例中8例(2.1%)等であった。また、リサンキズマブ600mgの最終投与から7週間後に一過性の急激な肝機能検査値異常を発現した症例が1例認められた。
17.1.2 国際共同第III相臨床試験(M16-000試験Sub-study1)
中等症から重症の活動性クローン病患者を対象としたリサンキズマブの導入療法試験から移行した被験者を対象とし、プラセボ、リサンキズマブ180mg又は360mgを8週ごとに皮下投与した維持療法試験を実施した。導入療法試験でリサンキズマブ静脈内投与により臨床的改善注3)が得られた被験者における、本試験52週時の臨床的寛解注4)及び内視鏡的改善注5)が得られた被験者の割合を下表に示す。
投与52週時の臨床的寛解及び内視鏡的改善を達成した被験者の割合について、いずれもリサンキズマブ360mg群のプラセボ群に対する統計学的有意差が示され、優越性が検証された(P≦0.01)7)
 プラセボリサンキズマブ360mg
全体集団
臨床的寛解注4)39.6%
(65/164例)
51.8%§
(73/141例)
内視鏡的改善注5)22.0%
(36/164例)
46.5%§§
(66/141例)
日本人集団
臨床的寛解注4)50.0%
(7/14例)
60.0%
(6/10例)
内視鏡的改善注5)35.7%
(5/14例)
50.0%
(5/10例)
注3):平均1日排便回数が30%以上減少及び/又は平均1日腹痛スコアが30%以上減少、かついずれもベースラインより悪化していない。
注4):平均1日排便回数が2.8回以下でベースラインより悪化していない、かつ平均1日腹痛スコアが1以下でベースラインより悪化していない。
注5):中央判定の評価者によるスコア判定で粘膜炎症の内視鏡的所見(Simple Endoscopic Score for Crohn's Disease[SES-CD])がベースラインから50%超減少(病変が回腸に限局している被験者でベースラインのSES-CDが4の場合、ベースラインからの減少が2以上)
本試験ではリサンキズマブ360mgを投与された安全性評価対象163例中43例(26.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、リサンキズマブ360mg群では上気道感染が163例中9例(5.5%)、注射部位反応が163例中7例(4.3%)、関節痛が163例中4例(2.5%)等であった。
非盲検下でのレスキュー治療
投与16週時以降、症状の活動性の亢進及び客観的な炎症マーカーの確認に基づき、効果の減弱が認められた被験者は、非盲検下でのリサンキズマブによるレスキュー治療(1200mgを静脈内投与した後、360mgを8週ごとに皮下投与)を行った。
360mg投与群でレスキュー治療を受けた被験者の投与52週時の臨床的寛解注2)及び内視鏡的改善注3)を達成した被験者の割合は、20.0%(6/30例)及び34.5%(10/29例)であった。また、投与52週時に臨床的改善注1)が得られた割合は56.7%(17/30例)であった。
リサンキズマブ360mg投与群で、リサンキズマブ1200mg静脈内投与によるレスキュー治療を受けた被験者33例中1例(3.0%)に副作用が認められた(インフルエンザ、そう痒症)。リサンキズマブ1200mgを静脈内投与後、360mgを8週ごとに皮下投与された被験者28例中6例(21.4%)に副作用が認められた。主な副作用は、注射部位紅斑が28例中2例(7.1%)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
リサンキズマブは、インターロイキン(IL)-23に対するヒト化IgG1モノクローナル抗体であり、IL-23のp19サブユニットに結合し、IL-23の作用を中和する8)9)10)
18.2 in vitro中和作用
18.2.1 ヒトびまん性大細胞型リンパ腫由来ヒトBリンパ芽球細胞株において、リサンキズマブはSTAT3のIL-23依存的リン酸化を阻害した9)
18.2.2 マウス脾細胞において、リサンキズマブはヒトIL-23刺激によるIL-17の産生誘導を抑制した9)
18.3 in vivo中和作用
ヒトIL-23により誘導されるマウス耳介炎症モデルにおいて、リサンキズマブは耳介の腫脹及び耳組織中のIL-17及びIL-22の産生を抑制した10)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. リサンキズマブ(遺伝子組換え)

一般的名称 リサンキズマブ(遺伝子組換え)
一般的名称(欧名) Risankizumab(Genetical Recombination)
分子量 約149,000
理化学知見その他 遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒトインターロイキン-23α(p19)サブユニット抗体の相補性決定部、ヒトフレームワーク部及びヒトIgG1の定常部からなり、H鎖237及び238番目のアミノ酸残基がそれぞれAlaに置換され、C末端のLysは除去されている。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。449個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約149,000)である。
KEGG DRUG D11052

20. 取扱い上の注意

20.1 本剤および希釈液は、激しく振とうしないこと。
20.2 本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
20.3 凍結を避けて保存すること。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

バイアル(10mL)×1本

23. 主要文献

  1. Kimball,A.B.,et al., Br.J.Dermatol., 173, 1183-1190, (2015) »PubMed
  2. 社内資料:健康成人における第I相試験(2019年3月26日承認、CTD2.7.2.2)
  3. 社内資料:健康成人における第I相試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.2)
  4. 社内資料:母集団薬物動態(2022年9月26日承認、CTD2.7.2.3)
  5. 社内資料:CYP基質薬物との相互作用試験(2019年3月26日承認、CTD2.7.2.1)
  6. 社内資料:導入療法試験M16-006試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.3.2、CTD2.7.3.3)
  7. 社内資料:維持療法試験M16-000試験(2022年9月26日承認、CTD2.7.3.2、CTD2.7.3.3)
  8. 社内資料:IL-23に対する結合親和性(2019年3月26日承認、CTD2.6.2.2)
  9. 社内資料:in vitro中和作用(2019年3月26日承認、CTD2.6.2.1)
  10. 社内資料:in vivo中和作用(2019年3月26日承認、CTD2.6.2.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アッヴィ合同会社 くすり相談室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21
電話:フリーダイヤル 0120-587-874
製品情報問い合わせ先
アッヴィ合同会社 くすり相談室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21
電話:フリーダイヤル 0120-587-874

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アッヴィ合同会社
東京都港区芝浦3-1-21

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2024/04/17 版