(1)国内第I/II相試験(JO19380試験)
未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者を対象に、カペシタビン・オキサリプラチン療法(XELOX療法)と本剤1回7.5mg/kg併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)による第I/II相試験を実施した。奏効率は71.9%(PR41/57例)であった。無増悪生存期間の中央値は336.0日(95%信頼区間:293-380日)であった。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
副作用発現率は、XELOX療法+本剤群で100%(58/58例)であった。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパシー93.1%(54/58例)、食欲不振89.7%(52/58例)、疲労82.8%(48/58例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群77.6%(45/58例)、悪心74.1%(43/58例)であった。
(2)国内安全性確認試験(JO18158試験)
進行・再発結腸・直腸癌を対象に、オキサリプラチン・フルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(FOLFOX 4療法)と本剤の併用投与による安全性確認試験を、未治療例
注2)には本剤5mg/kg、既治療例
注3)には10mg/kgの用量(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与に先立ち本剤を投与)により実施した。奏効率は未治療例79.4%(PR27/34例)で、既治療例で47.8%(PR11/23例)で、全例でSD以上であった(主治医評価)。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
注2)未治療例:初発進行病巣又は再発巣(術後補助療法終了後6カ月以上経過して確認されたもの)に対する化学療法を受けていない患者
注3)既治療例:先行化学療法において病勢進行・再発の認められた患者
副作用発現率は、本剤5mg/kg群で100%(38/38例)、本剤10mg/kg群で100%(26/26例)であった。主な副作用は、本剤5mg/kg群で食欲不振97.4%(37/38例)、好中球数減少92.1%(35/38例)、悪心86.8%(33/38例)、白血球数減少78.9%(30/38例)、下痢73.7%(28/38例)であり、本剤10mg/kg群で白血球数減少100%(26/26例)、好中球数減少96.2%(25/26例)、食欲不振88.5%(23/26例)、悪心84.6%(22/26例)、血小板数減少80.8%(21/26例)であった。
(3)国内第I相試験(JO18157試験)
既治療又は未治療の進行・再発結腸・直腸癌患者18例を対象としたフルオロウラシル・レボホリナートカルシウム療法(5-FU/l-LV療法)と本剤の併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了直後に本剤を投与)による第I相試験を実施した。奏効率は16.7%(PR3/18例)で、5mg/kgでは6例全例がSD、10mg/kgでは6例中2例がPR、4例がSDであった。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
副作用発現率は、5-FU/l-LV療法+本剤5mg/kg群で100%(6/6例)、5-FU/l-LV療法+本剤10mg/kg群で100%(6/6例)であった。主な副作用は、5-FU/l-LV療法+本剤5mg/kg群で好中球数減少66.7%(4/6例)、白血球数減少66.7%(4/6例)、血小板数減少66.7%(4/6例)、口内炎66.7%(4/6例)であり、5-FU/l-LV療法+本剤10mg/kg群で食欲不振83.3%(5/6例)、悪心66.7%(4/6例)、鼻出血66.7%(4/6例)、高血圧66.7%(4/6例)であった。
(4)海外第III相無作為化比較試験(NO16966試験)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者において、オキサリプラチン・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(FOLFOX 4療法)又はXELOX療法に本剤又はプラセボを投与する2×2要因の二重盲検比較試験を実施した。本剤の用量は、FOLFOX 4療法との併用では5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)、XELOX療法との併用では7.5mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与に先立ち本剤を投与)とした。その結果、主要解析において、本剤併用群ではこれらのFOLFOX 4療法又はXELOX療法の化学療法のみを受けた場合に比べ、有意な無増悪生存期間の延長が認められた。副次的解析のFOLFOX 4療法+本剤群とFOLFOX 4療法+プラセボ群の比較では有意な差は認められなかったが、XELOX療法+本剤群とXELOX療法+プラセボ群の比較では有意な無増悪生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目である生存期間については、化学療法に本剤を併用することにより延長傾向が認められた。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
NO16966試験の有効性(優越性検定)に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間注4) | 生存期間注5) |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
化学療法注6)+プラセボ群 (n=701) | 8.02 | 0.83 P=0.0023 | 19.91 | 0.89 P=0.0769 |
化学療法注6)+アバスチン群 (n=699) | 9.36 | 21.22 |
XELOX療法+プラセボ群 (n=350) | 7.39 | 0.77 P=0.0026 | 19.19 | 0.84 P=0.0698 |
XELOX療法+アバスチン群 (n=350) | 9.26 | 21.36 |
FOLFOX 4療法+プラセボ群 (n=351) | 8.57 | 0.89 P=0.1871 | 20.34 | 0.94 P=0.4937 |
FOLFOX 4療法+アバスチン群 (n=349) | 9.40 | 21.16 |
副作用発現率は、FOLFOX 4療法+本剤群で98.2%(335/341例)、XELOX療法+本剤群で98.9%(349/353例)であった。主な副作用は、FOLFOX 4療法+本剤群で悪心62%(213/341例)、下痢60%(205/341例)、好中球減少症55%(188/341例)、口内炎40%(137/341例)、錯感覚39%(133/341例)、嘔吐37%(127/341例)、疲労37%(127/341例)、鼻出血29%(99/341例)、無力症26%(90/341例)、食欲不振26%(88/341例)であり、XELOX療法+本剤群で悪心64%(226/353例)、下痢62%(220/353例)、嘔吐44%(157/353例)、手掌・足底発赤知覚不全症候群39%(139/353例)、錯感覚37%(131/353例)、疲労36%(127/353例)、口内炎29%(101/353例)、食欲不振28%(100/353例)、無力症21%(73/353例)、末梢性ニューロパシー20%(69/353例)、好中球減少症20%(69/353例)であった。
(5)海外第III相無作為化比較試験(E3200試験)
イリノテカン塩酸塩水和物及びフルオロウラシルの治療が無効となった進行又は転移性の結腸・直腸癌患者を対象に、FOLFOX 4療法群を対照とし、FOLFOX 4療法に本剤10mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤に先立ち本剤を投与)を併用したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群においては、FOLFOX 4療法群に比べ有意な生存期間の延長が認められた。また、副次的評価項目についても、無増悪生存期間の延長と高い奏効率が認められた。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
E3200試験の有効性に関する成績
投与群 | 奏効率 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
%(有効例) | P値 | 中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
FOLFOX 4療法群 (n=292) | 8.6(25) | P<0.0001 | 4.5 | 0.518 P<0.0001 | 10.8 | 0.751 P=0.0012 |
FOLFOX 4療法+アバスチン群 (n=293) | 22.2(65) | 7.5 | 13.0 |
Grade3以上(血液毒性についてはGrade4以上)の副作用発現率は、FOLFOX 4療法+本剤群で76.3%(219/287例)であった。FOLFOX 4療法群との発現率の差が2%以上であった主な副作用は、疲労18.5%(53/287例)、下痢17.8%(51/287例)、神経障害−感覚性16.4%(47/287例)、悪心10.8%(31/287例)、嘔吐10.1%(29/287例)、脱水8.7%(25/287例)、高血圧6.3%(18/287例)、腹痛5.9%(17/287例)、呼吸困難5.9%(17/287例)、神経障害−その他5.2%(15/287例)であった
13)。
(6)海外第III相二重盲検無作為化比較試験(AVF2107g試験)
未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、イリノテカン塩酸塩水和物・フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(IFL療法)を対照群とし、IFL療法に本剤5mg/kg(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)又はプラセボを併用投与した。その結果、本剤併用群ではIFL療法単独に比べ有意な生存期間及び無増悪生存期間の延長が認められた
14)。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
AVF2107g試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
IFL療法+プラセボ群 (n=411) | 6.28 | 0.577 P<0.0001 | 15.80 | 0.714 P<0.0001 |
IFL療法+アバスチン群 (n=402) | 10.58 | 20.37 |
有害事象発現率は、IFL療法+本剤群で96.7%(379/392例)であった。主な有害事象は、下痢74.7%(293/392例)、白血球減少症44.4%(174/392例)、無力症32.4%(127/392例)、悪心29.8%(117/392例)、蛋白尿28.8%(113/392例)、腹痛26.5%(104/392例)、高血圧24.5%(96/392例)、嘔吐21.7%(85/392例)、疼痛19.4%(76/392例)、食欲不振15.8%(62/392例)であった。
(7)海外第II相二重盲検無作為化比較試験(AVF2192g試験)
イリノテカン塩酸塩水和物の治療に不適と考えられる未治療の転移性結腸・直腸癌患者を対象に、フルオロウラシル・ホリナートカルシウム療法(5-FU/LV療法)を対照群とし、5-FU/LV療法に本剤5mg/kgを併用投与(14日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。その結果、本剤併用群では、5-FU/LV療法単独に比べ有意な無増悪生存期間の延長が認められた
15)。[
5.2、
7.1、
7.4、
7.5参照]
AVF2192g試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
5-FU/LV療法+プラセボ群 (n=105) | 5.52 | 0.496 P=0.0002 | 13.24 | 0.766 P=0.0942 |
5-FU/LV療法+アバスチン群 (n=104) | 9.17 | 16.56 |
有害事象発現率は、5-FU/LV療法+本剤群で100%(100/100例)であった。主な有害事象は、下痢84.0%(84/100例)、無力症76.0%(76/100例)、悪心65.0%(65/100例)、腹痛47.0%(47/100例)、食欲不振43.0%(43/100例)、嘔吐40.0%(40/100例)、蛋白尿38.0%(38/100例)、疼痛33.0%(33/100例)、高血圧32.0%(32/100例)、便秘26.0%(26/100例)、貧血26.0%(26/100例)であった。
未治療の転移性結腸・直腸癌を対象とした5-FU/LV療法に本剤を併用した、上記試験を含む3試験の併合解析が行われ、本剤併用群において、対照群に比し生存期間、無増悪生存期間に有意な延長が認められたとの報告がある
16)。
(1)国内第II相試験(JO19907試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に、他剤投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。CP療法は両群とも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な無増悪生存期間の延長及び奏効率の改善が認められた。[
5.2、
7.1、
7.6参照]
JO19907試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 奏効率 |
中央値(月) | ハザード比 | % | P値 |
CP療法単独群 (n=58) | 5.9 | 0.61 P=0.0090 | 31.0 | P=0.0013 |
CP療法+アバスチン群 (n=117) | 6.9 | 60.7 |
副作用発現率は、CP療法+本剤群で100%(125/125例)であった。主な副作用は、好中球数減少96.8%(121/125例)、脱毛症95.2%(119/125例)、白血球数減少94.4%(118/125例)、末梢性ニューロパシー88.0%(110/125例)、ヘモグロビン減少84.0%(105/125例)であった。
(2)海外第II/III相無作為化比較試験(E4599試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤併用群では、CP療法に比べ有意な生存期間の延長が認められた
17)。[
5.2、
7.1、
7.6参照]
E4599試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
CP療法単独群 (n=433) | 4.5 | 0.66 P<0.001 | 10.3 | 0.79 P=0.003 |
CP療法+アバスチン15mg/kg群 (n=417) | 6.2 | 12.3 |
Grade3以上の副作用発現率は、本剤15mg/kg+CP療法群で69.1%(295/427例)であった。主なGrade3以上の副作用は、好中球数減少25.8%(110/427例)、疲労14.5%(62/427例)、呼吸困難9.6%(41/427例)、末梢性感覚ニューロパシー9.1%(39/427例)、高血圧6.3%(27/427例)、感染5.4%(23/427例)、悪心4.9%(21/427例)、食欲不振4.9%(21/427例)、脱水4.7%(20/427例)、嘔吐4.4%(19/427例)であった。
(3)海外第III相二重盲検無作為化比較試験(BO17704試験)
未治療の扁平上皮癌を除く進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、シスプラチン・ゲムシタビン塩酸塩療法(GC療法、ゲムシタビン塩酸塩は国内未承認用法・用量を使用)を対照群とし、GC療法に本剤7.5mg/kg
注7)(未承認)又は15mg/kgを併用投与(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。GC療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はGC療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行まで継続した。その結果、本剤7.5mg/kg及び15mg/kg併用群の両群で、GC療法に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。[
5.2、
7.1、
7.6参照]
BO17704試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
GC療法+プラセボ群 (n=347) | 6.1 | 0.82 P=0.0301 | 13.1 | 1.03 P=0.7613 |
GC療法+アバスチン15mg/kg群 (n=351) | 6.5 | 13.4 |
GC療法+アバスチン7.5mg/kg群 (n=345) | 6.7 | 0.75 P=0.0082 | 13.6 | 0.93 P=0.4203 |
注7)本剤の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対する承認用量は1回15mg/kgである。
副作用発現率は、本剤7.5mg/kg注7)+GC療法群で95.5%(315/330例)、本剤15mg/kg+GC療法群で95.4%(314/329例)であった。主な副作用は、本剤7.5mg/kg注7)+GC療法群で悪心54.8%(181/330例)、好中球減少症48.5%(160/330例)、嘔吐47.0%(155/330例)、血小板減少症37.0%(122/330例)、貧血33.3%(110/330例)、疲労27.9%(92/330例)、食欲不振24.5%(81/330例)、鼻出血23.9%(79/330例)、便秘20.9%(69/330例)、高血圧20.9%(69/330例)であり、本剤15mg/kg+GC療法群で悪心55.6%(183/329例)、好中球減少症45.9%(151/329例)、嘔吐45.3%(149/329例)、血小板減少症34.3%(113/329例)、疲労30.7%(101/329例)、貧血30.4%(100/329例)、鼻出血28.9%(95/329例)、高血圧28.9%(95/329例)、食欲不振27.4%(90/329例)、脱毛症21.3%(70/329例)であった。
(4)海外第II相無作為化比較試験(AVF0757g試験)
未治療の進行・再発の非小細胞肺癌患者を対象に、CP療法を対照群とし、CP療法に本剤7.5mg/kg
注7)(未承認)又は15mg/kgを併用(21日を1サイクルとし、第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤の投与はCP療法の中止又は終了後も同一用法・用量で病勢進行又は18サイクルまで継続した。扁平上皮癌患者を除いて解析した結果、本剤15mg/kg併用群では、CP療法に比べTime to disease progression(TTP)の有意な延長及び奏効率の改善が認められた。[
5.2、
7.1、
7.6参照]
AVF0757g試験の有効性に関する成績
投与群 | TTP | 奏効率 |
中央値(月) | ハザード比 | % | P値 |
CP療法単独群 (n=25) | 4.0 | − | 12.0 | − |
CP療法+アバスチン15mg/kg群 (n=32) | 7.4 | 0.41 P=0.0028 | 31.3 | P=0.0857 |
CP療法+アバスチン7.5mg/kg群 (n=22) | 4.3 | 0.85 P=0.5963 | 31.8 | P=0.0976 |
副作用発現率は、本剤7.5mg/kg注7)+CP療法群で81.8%(18/22例)、本剤15mg/kg+CP療法群で90.3%(28/31例)であった。主な副作用は、本剤7.5mg/kg注7)+CP療法群で鼻出血36.4%(8/22例)、発疹31.8%(7/22例)、疲労27.3%(6/22例)、好中球減少症22.7%(5/22例)、関節痛22.7%(5/22例)、悪心13.6%(3/22例)、喀血13.6%(3/22例)、下痢9.1%(2/22例)、口内炎9.1%(2/22例)、呼吸困難9.1%(2/22例)、脱毛症9.1%(2/22例)であり、本剤15mg/kg+CP療法群で疲労41.9%(13/31例)、鼻出血35.5%(11/31例)、下痢29.0%(9/31例)、関節痛22.6%(7/31例)、悪心19.4%(6/31例)、口内炎19.4%(6/31例)、無力症19.4%(6/31例)、脱毛症19.4%(6/31例)、好中球減少症16.1%(5/31例)、頭痛16.1%(5/31例)、発疹16.1%(5/31例)であった。
(1)国内第II相試験(JO19901試験)
HER2陰性で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセルと本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にパクリタキセルを、第1日目、15日目にパクリタキセル投与終了後に本剤を投与)した第II相試験を実施した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。無増悪生存期間の中央値は12.9カ月(95%信頼区間:11.1-18.2カ月)、奏効率は73.5%(CR5/117例、PR81/117例)であった
18)。[
5.5、
7.1、
7.7参照]
副作用発現率は、本剤10mg/kg+パクリタキセルで100%(120/120例)であった。主な副作用は、脱毛症98.3%(118/120例)、白血球数減少85.0%(102/120例)、好中球数減少75.8%(91/120例)、末梢性ニューロパシー75.0%(90/120例)、鼻出血70.8%(85/120例)、尿中蛋白陽性59.2%(71/120例)、爪の障害53.3%(64/120例)、疲労50.8%(61/120例)、食欲不振50.8%(61/120例)、味覚異常48.3%(58/120例)であった
19)。
(2)海外第III相無作為化比較試験(E2100試験)
HER2陰性
注8)で転移・再発乳癌に対する化学療法未治療患者を対象に、パクリタキセル(PTX)療法を対照群とし、PTX療法に本剤10mg/kgを併用(28日を1サイクルとし、第1日目、8日目、15日目にPTXを、第1日目、15日目にPTX投与終了後に本剤を投与)したときの有効性を検討した。有害事象によりいずれかの薬剤を中止した場合、もう一方の薬剤を単剤にて、同一用法・用量で病勢進行まで継続投与可能とした。第1回中間解析(2005年2月9日データカットオフ)の結果に基づき、試験は早期有効中止された。本剤併用群では、PTX療法単独に比べ主要評価項目である無増悪生存期間(独立判定委員会評価)の有意な延長が認められた。一方、副次的評価項目である生存期間については、PTX療法に本剤を併用することによる有意な延長は認められなかった
20)。[
5.4、
5.5、
7.1、
7.7参照]
E2100試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
PTX療法単独群 (n=354) | 5.8 | 0.483 P<0.0001 | 24.8 | 0.869 P=0.1374 |
PTX療法+アバスチン群 (n=368) | 11.3 | 26.5 |
E2100試験の無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
E2100試験の生存期間のKaplan-Meier曲線
注8)E2100試験では、トラスツズマブ(遺伝子組換え)既治療のHER2陽性乳癌患者、及びトラスツズマブ(遺伝子組換え)を含む治療が適応にならないHER2発現不明乳癌患者も登録可能であった。
Grade3以上(血液毒性についてはGrade4以上)の副作用発現率は、本剤+PTX療法群で67.8%(246/363例)であった。主な副作用は、末梢性感覚ニューロパシー24.2%(88/363例)、高血圧15.2%(55/363例)、疲労10.5%(38/363例)、感染9.6%(35/363例)、好中球数減少5.5%(20/363例)、筋力低下4.4%(16/363例)、呼吸困難4.4%(16/363例)、下痢3.9%(14/363例)、嘔吐3.9%(14/363例)、悪心3.9%(14/363例)であった。
(1)国内第II相試験(JO22506試験)
既治療の再発悪性神経膠腫患者(膠芽腫29例、退形成性星細胞腫1例、退形成性乏突起星細胞腫1例)を対象に、本剤10mg/kgの2週間隔投与時の有効性を検討した。再発の膠芽腫患者29例における6カ月無増悪生存率は33.9%、1年生存率は34.5%、奏効率は27.6%であった。無増悪生存期間及び生存期間の中央値はそれぞれ3.3カ月及び10.5カ月であった
21)。[
5.6、
7.1、
7.9参照]
副作用発現率は、96.8%(30/31例)であった。主な副作用は、尿中蛋白陽性41.9%(13/31例)、高血圧32.3%(10/31例)、下痢22.6%(7/31例)、鼻出血22.6%(7/31例)、ALT増加16.1%(5/31例)、好中球数減少16.1%(5/31例)、白血球数減少16.1%(5/31例)、血中Al-P増加12.9%(4/31例)、便秘9.7%(3/31例)、口内炎9.7%(3/31例)であった
22)。
(2)国際共同第III相二重盲検無作為化比較試験(BO21990試験)
初発の膠芽腫患者を対象に、放射線照射とテモゾロミドによる術後補助療法(RT/T療法)に本剤又はプラセボを併用する二重盲検無作為化比較試験を実施した。本剤の用量は、放射線照射とテモゾロミド(1日1回連日投与)の併用期間(6週間)中は、10mg/kg(第1日目から2週間隔、4回投与)とし、テモゾロミドの4週間休薬期間中は本剤も休薬した。その後、テモゾロミドの維持療法期間(28日を1サイクルとし、第1日目から第5日目まで1日1回投与を6サイクルまで実施)中は、本剤10mg/kg(28日を1サイクルとして、第1日目、15日目に投与)を併用投与した。テモゾロミド維持療法終了後は本剤の用量を15mg/kg(21日を1サイクルとし、第1日目に投与)とし、病勢進行まで継続投与した。その結果、本剤併用群では、プラセボ併用群に比べて主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。もう1つの主要評価項目である生存期間には、有意な延長は認められなかった
23)。[
5.6、
7.1、
7.8、
7.9参照]
BO21990試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間 | 生存期間 |
中央値(月) | ハザード比 | 中央値(月) | ハザード比 |
RT/T療法+プラセボ群 (n=463)注9) | 6.2 | 0.64 P<0.0001 | 16.7 | 0.88 P=0.0987 |
RT/T療法+アバスチン群 (n=458)注10) | 10.6 | 16.8 |
副作用発現率は、本剤+RT/T療法群で92.7%(430/464例)であった。主な副作用は、悪心39.9%(185/464例)、脱毛症35.1%(163/464例)、疲労33.2%(154/464例)、血小板減少症31.3%(145/464例)、高血圧29.3%(136/464例)、嘔吐23.5%(109/464例)、鼻出血16.4%(76/464例)、食欲減退16.2%(75/464例)、便秘15.5%(72/464例)、好中球減少症13.6%(63/464例)であった
24)。
(1)国際共同第III相二重盲検無作為化比較試験(GOG-0218試験)
化学療法未治療の上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌患者を対象に、カルボプラチン・パクリタキセル療法(CP療法)を対照群(CPP群
注11))とし、CP療法に本剤15mg/kgを併用投与したCPB15群
注12)及び本剤15mg/kgを併用・継続投与したCPB15+群
注13)の3群による有効性を検討した。CP療法はいずれの群でも6サイクルまでとし、本剤又はプラセボは投与開始から病勢進行又は21サイクルまで投与した。その結果、CPB15+群で、CPP群に比べ主要評価項目である無増悪生存期間の有意な延長が認められた。なお、CPB15群では、有意な無増悪生存期間の延長は認められなかった。[
5.8、
7.1、
7.10、
7.11参照]
注11)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後にプラセボを投与し、CP療法の中止又は終了後もプラセボを継続投与した群
注12)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後はプラセボを継続投与した群
注13)21日を1サイクルとし、CP療法の2サイクル目から第1日目に他剤投与終了後に本剤を投与し、CP療法の中止又は終了後も本剤を継続投与した群
GOG-0218試験の有効性に関する成績
投与群 | 無増悪生存期間注14) | 生存期間注15) |
イベント数 | 中央値(月) | ハザード比 | イベント数 | 中央値(月) | ハザード比 |
CPP群 (n=625) | 375 | 10.4 | − | 299 | 40.6 | − |
CPB15群 (n=625) | 356 | 11.8 | 0.84 片側 P=0.0118注16) | 309 | 38.8 | 1.065 片側 P=0.2197 |
CPB15+群 (n=623) | 317 | 14.1 | 0.71 片側 P<0.0001注16) | 270 | 43.8 | 0.879 片側 P=0.0641 |
日本人部分集団における有効性に関する成績注17)
投与群 | 無増悪生存期間注18) |
イベント数 | 中央値(月) | ハザード比[95%信頼区間] |
CPP群(n=20) | 8 | 14.5 | − |
CPB15群(n=12) | 3 | NE注19) | 0.44[0.09、2.20] |
CPB15+群(n=12) | 3 | NE注19) | 0.71[0.14、3.77] |
副作用発現率は、CPB15群で99.2%(602/607例)、CPB15+群で99.7%(606/608例)であった。主な副作用は、CPB15群で好中球数減少94.6%(574/607例)、白血球数減少94.4%(573/607例)、ヘモグロビン減少90.0%(546/607例)、疲労69.7%(423/607例)、血小板数減少69.2%(420/607例)、末梢性感覚ニューロパシー63.1%(383/607例)、脱毛症49.9%(303/607例)、悪心49.4%(300/607例)、便秘41.2%(250/607例)、下痢31.8%(193/607例)であり、CPB15+群で好中球数減少94.7%(576/608例)、白血球数減少94.1%(572/608例)、ヘモグロビン減少90.3%(549/608例)、疲労77.5%(471/608例)、血小板数減少70.4%(428/608例)、末梢性感覚ニューロパシー63.5%(386/608例)、悪心55.1%(335/608例)、脱毛症50.3%(306/608例)、便秘42.9%(261/608例)、関節痛34.2%(208/608例)であった注20)。
注20)カットオフ日:2010年2月5日