医療用医薬品 : リブタヨ

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医薬品情報


総称名 リブタヨ
一般名 セミプリマブ(遺伝子組換え)
欧文一般名 Cemiplimab(Genetical Recombination)
製剤名 セミプリマブ(遺伝子組換え)製剤
薬効分類名 抗悪性腫瘍剤
ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体
薬効分類番号 4291
ATCコード L01FF06
KEGG DRUG
D11108 セミプリマブ
KEGG DGROUP
DG02938 免疫チェックポイント阻害薬
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
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添付文書情報2026年2月 改訂(第10版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
リブタヨ点滴静注350mg Libtayo I.V.Infusion リジェネロン・ジャパン 4291466A1024 450437円/瓶 生物由来製品, 劇薬, 処方箋医薬品

1. 警告

1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2 間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.29.1.211.1.1参照]

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

○がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌
○切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

5. 効能または効果に関連する注意

<がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌>
5.1 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
5.3 本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.4 臨床試験に組み入れられた患者のEGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子又はROS1融合遺伝子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.2-17.1.4参照]
5.5 本剤を単独で投与する場合には、PD-L1発現率について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PD-L1の発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
17.1.217.1.3参照]
5.6 他の抗悪性腫瘍剤との併用投与の有効性は、PD-L1発現率により異なる傾向が示唆されている。PD-L1発現率について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤を含む併用療法の必要性について慎重に判断すること。[17.1.4参照]

6. 用法及び用量

通常、成人には、セミプリマブ(遺伝子組換え)として、1回350mgを3週間間隔で30分間かけて点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

<がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌>
7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
7.2 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。[17.1.217.1.4参照]
<効能共通>
7.3 本剤投与により副作用が発現した場合には、下表を参考に、本剤の休薬等を考慮すること。
副作用程度注)処置
間質性肺疾患Grade 2の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
Grade 3以上又は再発性のGrade 2の場合本剤を中止する。
大腸炎・下痢Grade 2又は3の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
Grade 4又は再発性のGrade 3の場合本剤を中止する。
肝機能障害・AST又はALTが基準値上限の3〜5倍まで増加した場合
・総ビリルビンが基準値上限の1.5〜3倍まで増加した場合
Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
・AST又はALTが基準値上限の5倍超まで増加した場合
・総ビリルビンが基準値上限の3倍超まで増加した場合
本剤を中止する。
甲状腺機能低下症
甲状腺機能亢進症
甲状腺炎
Grade 3以上の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
副腎機能不全Grade 2以上の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
下垂体炎Grade 2以上の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
1型糖尿病Grade 3以上の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
皮膚障害・1週間以上続くGrade 2の場合
・Grade 3の場合
・Stevens-Johnson症候群(SJS)又は中毒性表皮壊死融解症(TEN)が疑われる場合
Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
・Grade 4の場合
・SJS又はTENが確認された場合
本剤を中止する。
腎機能障害血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの1.5〜3倍まで増加した場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。
血清クレアチニンが基準値上限又はベースラインの3倍超まで増加した場合本剤を中止する。
Infusion reactionGrade 1又は2の場合本剤の投与を中断又は投与速度を50%減速する。
Grade 3以上の場合本剤を中止する。
上記以外の副作用Grade 2又は3の場合Grade 1以下に回復するまで本剤を休薬する。12週間を超える休薬後もGrade 1以下まで回復しない場合には、本剤を中止する。
Grade 4又は再発性のGrade 3の場合本剤を中止する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。
8.2 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。[1.29.1.211.1.1参照]
8.3 肝不全、肝機能障害、肝炎があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]
8.4 甲状腺機能障害、下垂体機能障害及び副腎機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に内分泌機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4、ACTH、血中コルチゾール等の測定)を実施すること。また、必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。[11.1.3-11.1.5参照]
8.5 1型糖尿病があらわれることがあるので、口渇、悪心、嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。[11.1.6参照]
8.6 腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.7参照]
8.7 筋炎、横紋筋融解症があらわれることがあるので、筋力低下、筋肉痛、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行うこと。[11.1.8参照]
8.8 重症筋無力症があらわれることがあるので、筋力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害等の観察を十分に行うこと。[11.1.9参照]
8.9 心筋炎、心膜炎があらわれることがあるので、胸痛、CK上昇、心電図異常等の観察を十分に行うこと。[11.1.10参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者
自己免疫疾患が増悪するおそれがある。
9.1.2 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。[1.28.211.1.1参照]
9.1.3 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者
本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応又は移植片対宿主病が発現するおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤の投与中及び本剤投与後一定期間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠マウスに抗PD-1抗体又は抗PD-L1抗体を投与すると、胎児に対する免疫寛容が妨害され、流産率が増加することが報告されている。また、ヒトIgGは母体から胎児へ移行することが知られている。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患(0.1%、0.3%)[1.28.29.1.2参照]
11.1.2 肝不全、肝機能障害、肝炎
肝不全(頻度不明、頻度不明)、AST増加(4.6%、13.5%)、ALT増加(4.6%、11.9%)、γ-GTP増加(1.0%、0.8%)、血中Al-P増加(2.7%、3.9%)、血中ビリルビン増加(0.6%、1.4%)を伴う肝機能障害、肝炎(3.2%、3.3%)があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.3 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(6.6%、7.2%)、甲状腺機能亢進症(3.5%、4.7%)、甲状腺炎(0.6%、0.6%)等の甲状腺機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.4 下垂体機能障害
下垂体炎(0.1%、頻度不明)、下垂体機能低下症(0.1%、頻度不明)等の下垂体機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.5 副腎機能障害
副腎機能不全(0.1%、1.1%)等の副腎機能障害があらわれることがある。[8.4参照]
11.1.6 1型糖尿病
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(0.3%、0.3%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至るおそれがある。1型糖尿病が疑われた場合には、本剤の投与を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.5参照]
11.1.7 腎障害
急性腎障害(1.1%、1.4%)、尿細管間質性腎炎(頻度不明、0.6%)等の腎障害があらわれることがある。[8.6参照]
11.1.8 筋炎(0.3%、頻度不明)、横紋筋融解症(頻度不明、頻度不明)[8.7参照]
11.1.9 重症筋無力症(0.1%、頻度不明)
重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。[8.8参照]
11.1.10 心筋炎(0.3%、頻度不明)、心膜炎(0.3%、0.6%)[8.9参照]
11.1.11 Infusion reaction(5.2%、1.9%)
Infusion reactionが認められた場合には、本剤の投与中止等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
11.1.12 大腸炎(1.5%、1.4%)、重度の下痢(0.4%、1.4%)
持続する下痢、腹痛、血便等の症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと。
11.1.13 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明、頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明、頻度不明)、多形紅斑(0.3%、1.1%)
11.1.14 類天疱瘡(頻度不明、頻度不明)
水疱、びらん等が認められた場合には、皮膚科医と相談すること。
11.1.15 神経障害
末梢性ニューロパチー(1.1%、22.4%)、ギラン・バレー症候群(頻度不明、頻度不明)等の神経障害があらわれることがある。
11.1.16 脳炎(0.1%、0.3%)、髄膜炎(頻度不明、頻度不明)
11.1.17 静脈血栓塞栓症
深部静脈血栓症(0.1%、頻度不明)、肺塞栓症(0.1%、0.3%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。
11.1.18 免疫性血小板減少症(頻度不明、頻度不明)
注)「重大な副作用」の発現頻度は、単独投与時、併用投与時の順に記載した。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(単独投与)
 10%以上1〜10%未満1%未満頻度不明
感染症および寄生虫症 肺炎、上気道感染、尿路感染  
血液およびリンパ系障害貧血(18.0%) 血小板減少症 
免疫系障害   シェーグレン症候群
神経系障害 頭痛  
血管障害  高血圧 
代謝および栄養障害食欲減退   
呼吸器、胸郭および縦隔障害 呼吸困難、肺臓炎、咳嗽  
胃腸障害悪心、便秘腹痛、嘔吐、口内炎 胃炎
皮膚および皮下組織障害発疹(19.0%)そう痒症 光線角化症
筋骨格系および結合組織障害筋骨格痛(26.9%) 関節炎筋力低下、リウマチ性多発筋痛
腎および尿路障害 腎炎  
眼障害   ぶどう膜炎
一般・全身障害および投与部位の状態疲労(20.0%)、発熱浮腫  
臨床検査 血中クレアチニン増加血中甲状腺刺激ホルモン増加、トランスアミナーゼ上昇血中甲状腺刺激ホルモン減少
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
(併用投与)
 10%以上1〜10%未満1%未満頻度不明
血液およびリンパ系障害貧血(43.4%)、血小板減少症、好中球減少症   
代謝および栄養障害食欲減退(18.8%)、高血糖(15.5%)低アルブミン血症  
精神障害不眠症   
呼吸器、胸郭および縦隔障害呼吸困難肺臓炎  
胃腸障害悪心(25.7%)、便秘(18.5%)、嘔吐   
皮膚および皮下組織障害発疹(19.1%)、脱毛症(34.8%)そう痒症  
筋骨格系および結合組織障害筋骨格痛(29.6%)関節炎  
腎および尿路障害 腎炎  
一般・全身障害および投与部位の状態疲労(22.9%)   
臨床検査体重減少血中クレアチニン増加、血中甲状腺刺激ホルモン減少、血中甲状腺刺激ホルモン増加  

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製前の注意
14.1.1 バイアルは振盪しないこと。
14.1.2 調製前に、粒子状物質や変色の有無を目視により確認すること。本剤は、無色〜微黄色で澄明又は乳白光を呈する液で半透明〜白色の微粒子を認めることがある。液が濁っている場合、あるいは半透明〜白色以外の微粒子が認められる場合には廃棄すること。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 必要量7mL(350mg)をバイアルから抜き取り、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液の点滴バッグに注入し、最終濃度を1〜20mg/mLとする。
14.2.2 点滴バッグをゆっくり反転させて混和し、激しく撹拌しないこと。
14.2.3 希釈液は凍結させないこと。
14.2.4 本剤は保存料を含まない。希釈液は速やかに使用すること。希釈液をすぐに使用せず保管する場合には、希釈から投与終了までの時間を、25℃以下で8時間以内又は2〜8℃で24時間以内とすること。希釈液を冷所保存した場合には、投与前に点滴バッグを常温に戻すこと。
14.2.5 他剤との混注はしないこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 本剤の投与にあたっては0.2〜5μmのインラインフィルターを使用すること。
14.3.2 同一の点滴ラインを使用して他の薬剤を併用同時投与しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人の進行固形癌患者に、本剤350mgを3週間間隔で静脈内投与したときの初回投与後の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)
図1:350mgを3週間間隔で静脈内投与したときの初回投与後の血清中濃度推移(7例、平均値±標準偏差)
表1:350mgを3週間間隔で静脈内投与したときの初回投与後の薬物動態パラメータ
例数Ctrough(mg/L)例数Cmax(mg/L)例数AUC3w(mg・day/L)
641.0±6.917157±21.961345±99.7
16.1.2 反復投与
化学療法歴のある進行又は再発の子宮頸癌患者295例(日本人患者28例を含む)に、本剤350mgを3週間間隔で静脈内投与したときの血清中濃度は下表のとおりであった(1サイクル:6週間)2)
表2:350mgを3週間間隔で静脈内投与したときの血清中濃度
初回投与後(サイクル1、1日目)定常状態(サイクル4、1日目)
例数Cmax(mg/L)例数Ctrough(mg/L)例数Cmax(mg/L)
284134±58.711365.6±30.0112186±60.8

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
<がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸癌>
17.1.1 国際共同第III相試験(R2810-ONC-1676試験)
化学療法歴注1)のある進行又は再発の子宮頸癌患者注2)608例(日本人患者56例を含む)を対象に、本剤350mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性を、治験担当医師が選択した化学療法注3)(ペメトレキセドナトリウム水和物、ノギテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩水和物、ゲムシタビン塩酸塩、ビノレルビン酒石酸塩)と比較することを目的とした無作為化非盲検比較試験が実施された。主要評価項目である全生存期間(OS)の中間解析の結果は、表3及び図2のとおりであり、化学療法群と比較して本剤群で統計学的に有意な延長を示した。本剤が投与された300例(日本人29例を含む)中、170例(56.7%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、疲労32例(10.7%)、悪心28例(9.3%)、無力症、貧血及び食欲減退各22例(7.3%)、下痢20例(6.7%)、甲状腺機能低下症18例(6.0%)、嘔吐及び関節痛各17例(5.7%)、そう痒症及び発疹各15例(5.0%)であった3)
注1)ベバシズマブ(遺伝子組換え)による治療歴の有無にかかわらず、進行又は再発の子宮頸癌に対して白金系抗悪性腫瘍剤を含む1つ以上の化学療法歴のある患者が組み入れられた。
注2)扁平上皮癌及び腺癌(腺扁平上皮癌を含む)患者が組み入れられた。
注3)ペメトレキセドナトリウム水和物、ゲムシタビン塩酸塩、ビノレルビン酒石酸塩は、本邦において子宮頸癌の効能又は効果では承認されていない。
表3:有効性成績(R2810-ONC-1676試験)
 本剤群
(304例)
化学療法群
(304例)
全生存期間注4)
イベント数(%)184(60.5)211(69.4)
中央値[月](95%信頼区間)12.0(10.3,13.5)8.5(7.5,9.6)
ハザード比注5)(95%信頼区間)0.685(0.560,0.838)
p値(片側)注6)0.00011
図2:OSのKaplan-Meier曲線(R2810-ONC-1676試験)
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
17.1.2 国内第I相試験(R2810-ONC-1622試験パート2コホートA及びC)
[1]化学療法歴のないPD-L1陽性注7)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(コホートA:60例)及び[2]化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者(コホートC:50例)注8)を対象に、それぞれ[1]本剤350mg 3週間間隔投与及び[2]本剤350mg 3週間間隔投与と化学療法注9)との併用投与の安全性等を検討することを目的とした非盲検非対照試験が実施された。副次評価項目の一つであるRECIST ver.1.1に基づく中央判定による奏効率[90%信頼区間](%)は、それぞれ[1]60.0[48.6,71.4]注10)及び[2]42.0[30.5,53.5]であった。
コホートAにおいて、本剤が投与された60例中55例(91.7%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、注入に伴う反応31.7%(19例)、そう痒症23.3%(14例)、肺臓炎20%(12例)、発疹16.7%(10例)、甲状腺機能低下症15.0%(9例)、倦怠感11.7%(7例)、皮膚乾燥、下痢及び嘔気各10.0%(6例)であった。コホートCにおいて、本剤と化学療法との併用が行われた50例中50例(100%)に副作用が認められた。主な副作用(15%以上)は、貧血20例(40.0%)、便秘15例(30.0%)、食欲減退、悪心及び好中球数減少各13例(26.0%)、脱毛症11例(22.0%)、倦怠感10例(20.0%)、血小板数減少9例(18.0%)、関節痛及び末梢感覚ニューロパチー各8例(16.0%)であった4)。[5.45.57.2参照]
注7)腫瘍細胞の50%以上にPD-L1が発現していることが確認された患者が組み入れられた。
注8)EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子又はROS1融合遺伝子陽性の患者は対象外とされた。
注9)治験担当医師により、以下のいずれかが選択された。
・白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)とパクリタキセルを3週間間隔で4回静脈内投与
・白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)とペメトレキセドナトリウムを3週間間隔で4回静脈内投与した後、ペメトレキセドナトリウムを3週間間隔で静脈内投与
注10)中央検査でPD-L1発現率が50%以上であることが確認されなかった10例を除く50例が有効性解析対象とされた。
17.1.3 海外第III相試験(R2810-ONC-1624試験)
化学療法歴のないPD-L1陽性注11)の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者注12)710例を対象に、本剤350mg 3週間間隔投与の有効性及び安全性を、治験担当医師が選択した化学療法(白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)と、パクリタキセル、ゲムシタビン塩酸塩又はペメトレキセドナトリウムとの併用)と比較することを目的とした無作為化非盲検比較試験が実施された。主要評価項目の一つであるOSの中間解析の結果は、表4及び図3のとおりであった。
本剤が投与された355例中、204例(57.5%)に副作用が認められた。主な副作用(5%以上)は、そう痒症及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加各22例(6.2%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加21例(5.9%)、甲状腺機能低下症20例(5.6%)、発疹、食欲減退及び貧血各18例(5.1%)であった5)。[5.45.5参照]
注11)腫瘍細胞の50%以上にPD-L1が発現していることが確認された患者が組み入れられた。
注12)EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子又はROS1融合遺伝子陽性の患者は対象外とされた。
表4:有効性成績(R2810-ONC-1624試験)
 本剤群
(356例)
化学療法群
(354例)
全生存期間注13)
イベント数(%)108(30.3)141(39.8)
中央値[月](95%信頼区間)22.1(17.7,NE)14.3(11.7,19.2)
ハザード比注14)(95%信頼区間)0.676(0.525,0.870)注15)
p値(両側)注16)0.0022注17)
図3:OSのKaplan-Meier曲線(R2810-ONC-1624試験)
17.1.4 海外第III相試験(R2810-ONC-16113試験パート2)
化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者注18)466例を対象に、本剤350mg 3週間間隔投与と化学療法注19)との併用の有効性及び安全性を、プラセボと化学療法注19)との併用と比較することを目的とした無作為化二重盲検比較試験が実施された。主要評価項目であるOSの中間解析の結果は、表5及び図4のとおりであり、プラセボと化学療法との併用群と比較して本剤と化学療法との併用群で統計学的に有意な延長を示した。
本剤と化学療法との併用が行われた312例中、275例(88.1%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、貧血127例(40.7%)、脱毛症114例(36.5%)、嘔気71例(22.8%)、好中球減少症及びアラニンアミノトランスフェラーゼ増加45例(14.4%)、食欲減退42例(13.5%)、血小板減少症及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加各39例(12.5%)、嘔吐及び高血糖症各33例(10.6%)であった6)。[5.45.67.2参照]
注18)EGFR遺伝子変異、ALK融合遺伝子又はROS1融合遺伝子陽性の患者は対象外とされた。
注19)治験担当医師により、以下のいずれかが選択された。
・白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)とパクリタキセルを3週間間隔で4回静脈内投与
・白金系抗悪性腫瘍剤(カルボプラチン又はシスプラチン)とペメトレキセドナトリウムを3週間間隔で4回静脈内投与した後、ペメトレキセドナトリウムを3週間間隔で静脈内投与
表5:有効性成績(R2810-ONC-16113試験パート2)
 本剤と化学療法との併用群
(312例)
プラセボと化学療法との併用群
(154例)
全生存期間注20)
イベント数(%)132(42.3)82(53.2)
中央値[月](95%信頼区間)21.9(15.5,NE)13.0(11.9,16.1)
ハザード比注21)(95%信頼区間)0.706(0.534,0.933)注22)
p値(両側)注23)0.0140
図4:OSのKaplan-Meier曲線(R2810-ONC-16113試験パート2)
PD-L1発現率(腫瘍細胞全体におけるPD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合)別のOSの探索的解析結果は表6のとおりであった。
表6:有効性成績(R2810-ONC-16113試験パート2、PD-L1発現状況別)注24)
PD-L1発現投与群例数注25)中央値[月](95%信頼区間)ハザード比注26)(95%信頼区間)
1%未満本剤と化学療法との併用群9512.8(9.6,16.5)1.006(0.633,1.600)
プラセボと化学療法との併用群4414.2(9.1,18.0)
1%以上50%未満本剤と化学療法との併用群11421.9(15.9,NE)0.518(0.323,0.830)
プラセボと化学療法との併用群6112.1(8.3,NE)
50%以上本剤と化学療法との併用群10317.9(15.3,NE)0.613(0.367,1.024)
プラセボと化学療法との併用群4913.8(9.3,NE)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
セミプリマブは、ヒトPD-1に対する抗体であり、PD-1とそのリガンド(PD-L1及びPD-L2)との結合を阻害することにより、がん抗原特異的なT細胞の増殖、活性化及び腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を亢進し、腫瘍増殖を抑制すると考えられる7)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. セミプリマブ(遺伝子組換え)

一般的名称 セミプリマブ(遺伝子組換え)
一般的名称(欧名) Cemiplimab(Genetical Recombination)
分子量 約147,000
理化学知見その他 セミプリマブは、遺伝子組換え抗ヒトPD-1モノクローナル抗体で、ヒトIgG4に由来し、H鎖の225番目のアミノ酸残基がProに置換されている。セミプリマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。セミプリマブは、444個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約147,000)である。
KEGG DRUG D11108

20. 取扱い上の注意

20.1 凍結を避けること。
20.2 外箱開封後は遮光して保存すること。

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

1バイアル(7mL)

23. 主要文献

  1. 社内資料:国内第I相試験(R2810-ONC-1622試験)[2022年12月23日承認、CTD2.7.2.2]
  2. 社内資料:国際共同第III相試験(R2810-ONC-1676試験)[2022年12月23日承認、CTD2.7.2.2]
  3. 社内資料:国際共同第III相試験(R2810-ONC-1676試験)[2022年12月23日承認、CTD2.7.3.2,CTD2.7.4.2]
  4. 社内資料:国内第I相試験(R2810-ONC-1622試験パート2コホートA及びC)[2025年9月19日承認、CTD2.7.3.2,CTD2.7.4.2]
  5. 社内資料:海外第III相試験(R2810-ONC-1624試験)[2025年9月19日承認、CTD2.7.3.2,CTD2.7.4.2]
  6. 社内資料:海外第III相試験(R2810-ONC-16113試験パート2)[2025年9月19日承認、CTD2.7.3.2,CTD2.7.4.2]
  7. 社内資料:非臨床薬効薬理試験[2022年12月23日承認、CTD2.6.2.1]

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
リジェネロン・ジャパン株式会社 メディカルインフォメーション
〒105-5518 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号
電話:フリーダイヤル 0120-123-887 受付時間 9:00-17:00(土日祝日・弊社休業日を除く)
製品情報問い合わせ先
リジェネロン・ジャパン株式会社 メディカルインフォメーション
〒105-5518 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号
電話:フリーダイヤル 0120-123-887 受付時間 9:00-17:00(土日祝日・弊社休業日を除く)

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
リジェネロン・ジャパン株式会社
〒105-5518 東京都港区虎ノ門二丁目6番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版