医療用医薬品 : エルロチニブ |
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総称名 | エルロチニブ |
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一般名 | エルロチニブ塩酸塩 |
欧文一般名 | Erlotinib Hydrochloride |
製剤名 | エルロチニブ塩酸塩錠 |
薬効分類名 | 抗悪性腫瘍剤 上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤 |
薬効分類番号 | 4291 |
ATCコード | L01EB02 |
KEGG DRUG |
D04023
エルロチニブ塩酸塩
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KEGG DGROUP |
DG03162
EGFR阻害薬
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JAPIC | 添付文書(PDF) |
販売名 | 欧文商標名 | 製造会社 | YJコード | 薬価 | 規制区分 |
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エルロチニブ錠25mg「NK」 (後発品) | Erlotinib Tablets 25mg「NK」 | 日本化薬 | 4291016F1039 | 471.7円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
エルロチニブ錠100mg「NK」 (後発品) | Erlotinib Tablets 100mg「NK」 | 日本化薬 | 4291016F2035 | 1580.4円/錠 | 劇薬, 処方箋医薬品注) |
副作用 | Grade注1) | 休薬基準注2) | 投与再開時の用量注3)注4) |
間質性肺疾患 | Gradeは問わない | 疑われる症状が発現した場合には、直ちに休薬、その後CT検査を含めた適切な検査を実施し、医学的に間質性肺疾患と判断した場合には投与中止 | 医学的に間質性肺疾患と判断されなかった場合には、同一用量で投与再開 |
角膜炎 | 2 | 2週間以上継続する場合はGrade 1以下になるまで休薬 | 同一用量で再開。ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能。 |
3 | Grade 1以下になるまで休薬 | 50mgで再開 | |
下痢 | 2 | その症状が忍容できない場合はGrade 1以下に回復するまで休薬 | 同一用量で再開。ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能。 |
3 | Grade 1以下になるまで休薬 | 50mgで再開 | |
発疹(ざ瘡/ざ瘡様) | 2 | その症状が忍容できない場合はGrade 1以下に回復するまで休薬 | 同一用量で再開。ただし、主治医判断で50mgに減量して再開可能。 |
3 | Grade 1以下になるまで休薬。ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能。 | 50mgで再開 | |
AST又はALT | 3 | Grade 2以下になるまで休薬 | 50mgで再開 |
上記以外の非血液毒性 | 2 | 4週間以上継続した場合はGrade 1以下になるまで休薬。ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能。 | 50mgで再開 |
3 | Grade 1以下になるまで休薬。ただし、主治医が継続投与可能と判断した場合は同一用量で投与可能。 | 50mgで再開 | |
全ての非血液毒性注5) | 4 | 投与の中止 | − |
血液毒性 | 4 | Grade 2以下になるまで休薬 | 同一用量で再開 |
CYP3A4阻害剤 ケトコナゾール イトラコナゾール クラリスロマイシン テリスロマイシン インジナビル ネルフィナビル リトナビル サキナビル 等 グレープフルーツジュース | ケトコナゾールと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(中央値)が86%、Cmax(中央値)が69%上昇した。 | CYP3A4阻害剤との併用により、エルロチニブの代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
CYP3A4誘導剤 リファンピシン フェニトイン カルバマゼピン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 等 | リファンピシンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(中央値)が69%低下した。 | CYP3A4誘導剤等との併用により、エルロチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
塩酸シプロフロキサシン | 塩酸シプロフロキサシンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が39%、Cmax(幾何平均値)が17%上昇した。 | CYP1A2及びCYP3A4を阻害する薬剤との併用により、エルロチニブの代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性がある。 |
プロトンポンプ阻害剤 オメプラゾール 等 | オメプラゾールと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が46%低下した。 | 持続的な胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
H2受容体拮抗剤 ラニチジン 等 | ラニチジンと本剤を併用すると、エルロチニブのAUC(幾何平均値)が33%低下した。 | 胃内pHの上昇により、本剤の溶解度が低下し吸収が低下する可能性がある。 |
抗凝血薬 ワルファリン 等 | INR増加や胃腸出血等があらわれたとの報告がある。本剤とワルファリンを併用中の患者では、定期的に血液凝固能検査(プロトロンビン時間又はINR等)を行うこと。 | 機序不明 |
タバコ(喫煙) | 喫煙によりエルロチニブのAUC(平均値)が64%低下した。 | 喫煙によるCYP1A2の誘導により、エルロチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
5%以上 | 1%以上5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
皮膚注3) | ざ瘡様皮疹等の発疹(61.6%)、皮膚乾燥・皮膚亀裂(9.3%)、爪囲炎等の爪の障害(8.8%) | そう痒症、紅斑 | 皮膚剥脱、脱毛、皮膚潰瘍、皮下出血、皮膚色素沈着、皮膚血管炎(IgA血管炎等)、光線過敏症 | 男性型多毛症 |
眼注4) | 結膜炎 | 眼乾燥、角膜炎、眼瞼炎、睫毛/眉毛の異常、眼そう痒症、角膜びらん、眼脂、霧視、流涙増加、ぶどう膜炎 | ||
肝臓 | ビリルビン上昇、ALT上昇、AST上昇 | Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇 | ||
腎臓 | クレアチニン上昇、BUN上昇、血尿、尿沈渣異常 | |||
血液 | 貧血 | 血小板減少、白血球増加、白血球減少、好中球減少、リンパ球減少、好中球増加、INR上昇 | ||
消化器 | 下痢(22.8%)、口内炎(9.6%)、食欲不振(7.0%) | 悪心、嘔吐、口唇炎、腹痛、便秘 | 胃炎、口内乾燥、消化不良、腸炎、アミラーゼ増加、食道炎 | |
呼吸器 | 鼻出血、呼吸困難、咳嗽、喀血、口腔咽頭痛 | |||
精神神経系 | 味覚異常 | 不眠症、頭痛、浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、意識障害 | ||
その他 | 感染症(皮膚感染、肺感染、上気道感染等)、倦怠感、発熱、疲労 | 電解質異常、体重減少、血中アルブミン減少、CRP上昇、浮腫、血圧上昇、筋肉痛、筋痙縮・筋痙攣、血糖値上昇、総蛋白減少、脱水、血栓・塞栓 |
5%以上 | 1%以上5%未満 | 1%未満 | 頻度不明 | |
皮膚注3) | ざ瘡様皮疹等の発疹(65.3%)、爪囲炎等の爪の障害(11.6%)、皮膚乾燥・皮膚亀裂(10.8%)、そう痒症(8.5%)、脱毛(5.9%) | 手足症候群、皮膚色素沈着、皮膚剥脱 | 紅斑 | 男性型多毛症、光線過敏症、皮膚血管炎(IgA血管炎等) |
眼注4) | 角膜炎、結膜炎、眼乾燥、眼脂、霧視、眼瞼炎、睫毛/眉毛の異常 | ぶどう膜炎 | ||
肝臓 | ALT上昇(9.3%)、AST上昇(8.4%) | γ-GTP上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇 | ||
腎臓 | 血尿、尿中蛋白陽性、クレアチニン上昇、BUN上昇 | |||
血液 | 血小板減少(17.8%)、白血球減少(17.2%)、貧血(17.0%)、好中球減少(16.2%) | リンパ球減少、血小板増加、単球減少、好酸球減少 | 白血球増加 | |
消化器 | 食欲不振(20.9%)、下痢(20.9%)、口内炎(14.1%)、悪心(13.5%)、便秘(6.6%)、嘔吐(5.8%) | 血中アミラーゼ増加、口唇炎、腹痛 | 腹部膨満、口内乾燥、食道炎、腸炎、胃炎、消化不良 | |
呼吸器 | 鼻出血、咳嗽 | 呼吸困難 | ||
精神神経系 | 味覚異常(8.2%) | 不眠症 | 浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、うつ病、頭痛 | |
その他 | 疲労(11.7%)、発熱(8.1%)、血中アルブミン減少(5.6%)、倦怠感(5.5%)、体重減少(5.4%)、感染症(皮膚感染、肺感染、上気道感染等)(5.1%) | 電解質異常、CRP上昇、総蛋白減少、血糖値上昇、浮腫、血圧上昇 | KL-6増加、血中コレステロール減少、悪寒 |
AUC0-24h(hr・ng/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | ||
50mg/日注4) | 1日目注1) | 3266(54) | 194(44) | 5.0(72) | 14.8(71) |
23日目注1) | 15844(50) | 820(42) | 4.3(114) | 23.6(67) | |
100mg/日 | 1日目注2) | 7705(46) | 571(47) | 6.0(150) | 18.0(62) |
23日目注3) | 14623(48) | 1023(31) | 3.0(67) | 15.6(56) | |
150mg/日 | 1日目注2) | 12845(29) | 958(48) | 6.0(149) | 25.9(36) |
23日目注2) | 42679(48) | 2384(39) | 1.8(22) | 27.2(33) |
判定パラメータ | 参考パラメータ | |||
AUCt(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) | |
エルロチニブ錠25mg「NK」 | 4110±1320 | 329±90 | 2.53±1.06 | 9.54±4.76 |
タルセバ錠25mg | 4190±1310 | 354±87 | 2.80±1.01 | 9.76±5.69 |
項目注1) | JO22903(102例) |
無増悪生存期間中央値 (95%信頼区間) | 11.8ヵ月 (9.7ヵ月-推定不能) |
奏効率注2) | 78.4%(80/102例) |
病勢コントロール率注3) | 95.1%(97/102例) |
奏効期間中央値 (95%信頼区間) | 11.1ヵ月 (9.4ヵ月-推定不能) |
項目注5) | エルロチニブ投与群 | 化学療法群 | HR(ハザード比)注6) [95%信頼区間] | p値 |
無増悪生存期間 (中央値) | 9.4ヵ月 (77例) | 5.2ヵ月 (76例) | 0.42 [0.27-0.64] | <0.0001注7) |
奏効率注2) | 54.5% (42/77例) | 10.5% (8/76例) | − | <0.0001注8) |
ラムシルマブ+エルロチニブ投与群 | プラセボ+エルロチニブ投与群 | |
症例数 | 224 | 225 |
イベント発現例数 | 122 | 158 |
無増悪生存期間中央値(月) (95%信頼区間) | 19.35 (15.38-21.55) | 12.39 (10.97-13.50) |
ハザード比 (95%信頼区間) | 0.591(0.461-0.760) P<0.0001 |
項目 | JO16565(60例) |
奏効率注2) | 28.3%(17/60例) |
病勢コントロール率注3) | 50.0%(30/60例) |
奏効期間中央値 (95%信頼区間) | 278日 (203日-422日) |
無増悪期間中央値 (95%信頼区間) | 77日 (55日-166日) |
項目 | JO18396(46例) |
奏効率注2) | 28.3%(13/46例) |
病勢コントロール率注3) | 47.8%(22/46例) |
奏効期間中央値 (95%信頼区間) | 推定不能 |
無増悪期間中央値 (95%信頼区間) | 75日 (56日-推定不能) |
項目 | エルロチニブ投与群 | プラセボ投与群 | HR(ハザード比)注9) [95%信頼区間] | p値注10) |
全生存期間 (中央値) | 6.67ヵ月 (488例) | 4.70ヵ月 (243例) | 0.73 [0.60-0.87] | 0.001 |
1年生存率 | 31.2% (488例) | 21.5% (243例) | − | − |
無増悪生存期間 (中央値) | 9.71週 (488例) | 8.00週 (243例) | 0.61 [0.51-0.73] | <0.001 |
奏効率注2) | 8.9% (38/427例) | 0.9% (2/211例) | − | − |
奏効期間 (中央値) | 34.3週 (38例) | − | − | − |
項目 | JO20302/JO21097注11) |
全生存期間中央値 (95%信頼区間) | 9.23ヵ月 (8.31ヵ月-10.78ヵ月) |
無増悪生存期間中央値 (95%信頼区間) | 3.48ヵ月 (2.63ヵ月-3.78ヵ月) |
奏効率注2) | 20.3%(13/64例) |
項目 | エルロチニブ+GEM群 | プラセボ+GEM群 | HR(ハザード比)注13) [95%信頼区間] | p値注14) |
全生存期間中央値 | 6.37ヵ月 (285例) | 5.91ヵ月 (284例) | 0.79 [0.66-0.95] | 0.011 |
無増悪生存期間中央値 | 3.75ヵ月 (285例) | 3.55ヵ月 (284例) | 0.77 [0.64-0.92] | 0.004 |
奏効率注2) | 8.6% (23/268例) | 8.0% (21/262例) | − | 0.875 |
[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] | 2025/05/21 版 |