HER2陽性(IHC法3+又はISH法陽性)の周術期の乳癌患者
注1)500例(国内41例を含む)を対象に、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤(P+T IV)と化学療法
注2)併用治療を対照群として、本剤を3週間間隔で化学療法
注2)と併用投与した。術後薬物療法期には、本剤を3週間間隔で14回投与し合計18回となるように大腿に皮下投与又はP+T IVを3週間間隔で14回投与し合計18回となるように静脈内投与した。本剤は、ペルツズマブ、トラスツズマブ及びボルヒアルロニダーゼ アルファとして、初回はそれぞれ1200mg、600mg及び30000U、2回目以降はそれぞれ600mg、600mg及び20000Uを投与した。ホルモン受容体陽性(エストロゲン受容体又はプロゲステロン受容体が陽性)の患者では、術後薬物療法期に標準的な内分泌療法を併用することとされた。主要評価項目であるサイクル8投与前のペルツズマブ血清中トラフ濃度の幾何平均値の比は1.22(90%信頼区間:1.14,1.31)、副次評価項目であるサイクル8投与前のトラスツズマブ血清中トラフ濃度の幾何平均値の比は1.33(90%信頼区間;1.24,1.43)であり、共に信頼区間の下限が非劣性マージンである0.8を上回り、本剤群の対照群に対する非劣性が示された
3)。副次評価項目であるサイクル8の術前薬物療法後のpCR率は対照群で59.5%、本剤群で59.7%であり、pCR率の差は0.15%(90%信頼区間:-7.28,7.59)であった
4)。[
7.2参照]
本剤が投与された248例(日本人20例を含む)において、副作用が164例(66.1%)に認められた。主な副作用は、下痢76例(30.6%)、注射部位反応32例(12.9%)、疲労14例(5.6%)等であった。
注1)術前薬物療法施行前の時点において、TNM分類(AJCC第8版)による臨床病期II〜IIICの患者が対象とされた。
注2)術前薬物療法期において、以下の2つのいずれかを選択することとした。
1つは2週間を1サイクルとして、dose-dense AC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2[各地域のガイドラインに従い、必要に応じて顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)支持療法を追加])を4サイクル投与した後、パクリタキセル80mg/m2注3)併用下で本剤を3週間間隔で皮下投与、又はP+T IVを3週間間隔で静脈内投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した。
もう1つは3週間を1サイクルとして、AC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を4サイクル投与した後、ドセタキセル75mg/m2注4)併用下で本剤を3週間間隔で皮下投与、又はP+T IVを3週間間隔で静脈内投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして4サイクル投与した。
注3)国内において承認されている用量は210mg/m2(A法、少なくとも3週間休薬)又は100mg/m2(B法、週1回投与を6週連続し、少なくとも2週間休薬)である。
注4)初回投与における忍容性が確認できれば100mg/m2に増量可能。国内において承認されているドセタキセルの乳癌における用量は60mg/m2(ただし、75mg/m2まで増量可能)である。
転移・再発乳癌に対する前治療歴のないHER2陽性(IHC法3+又はFISH法陽性)転移・再発乳癌患者808例(国内53例を含む)を対象に、プラセボ+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(プラセボ+T+D群)とペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+T+D群)を比較する第III相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又はペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。有害事象又はその他の理由によるドセタキセル中止後はペルツズマブ及びトラスツズマブは同一の用法及び用量で病勢進行まで投与継続した。ドセタキセルは75mg/m
2を3週間間隔で投与した
注4)。ペルツズマブ及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。主要評価項目である独立判定機関による無増悪生存期間において、プラセボ+T+D群に比べてP+T+D群で有意な延長が認められた
5)。[
7.2参照]
また、安全性についてはドセタキセル、トラスツズマブ及びペルツズマブが併用投与された407例(日本人26例を含む)において、副作用が396例(97.3%)に認められた。主な副作用は、下痢236例(58.0%)、脱毛症232例(57.0%)、倦怠感212例(52.1%)、好中球減少症207例(50.9%)、悪心149例(36.6%)、爪の異常145例(35.6%)、ニューロパチー126例(31.0%)、発疹125例(30.7%)等であった。
独立判定機関評価による無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
全生存期間のKaplan-Meier曲線
日本人部分集団における独立判定機関評価による無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線
日本人部分集団における全生存期間のKaplan-Meier曲線
HER2陽性(IHC法3+又はFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術後患者([1]TNM分類でT0を除くリンパ節転移を有する患者、[2]原発巣の腫瘍径が1cm超でリンパ節転移を有しない患者、及び[3](i)組織学的/核グレードがGrade3、(ii)HR陰性、(iii)35歳未満のうち、少なくとも1つを満たす原発巣の腫瘍径が0.5cm超で1cm以下のリンパ節転移を有しない患者)4804例(国内302例を含む)を対象に、術後薬物療法としてプラセボ+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法
注5)(プラセボ群)とペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法
注5)(ペルツズマブ群)を比較する第III相二重盲検無作為化比較試験を実施した。プラセボ又はペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ペルツズマブ及びトラスツズマブの投与が予定された投与から遅れた場合、前回投与日から6週間未満のときには維持投与量を投与し、6週間以上のときには改めて初回投与量を投与し、次回以降は維持投与量を3週間間隔で投与した。ペルツズマブ及びトラスツズマブは1年間投与した。主要評価項目である乳癌以外の続発性原発癌をイベントとして含まない浸潤性疾患のない生存期間(IDFS)において、プラセボ群に比べてペルツズマブ群で有意な延長が認められた。リンパ節転移陽性及び陰性の部分集団におけるハザード比の推定値は、それぞれ0.77(95%信頼区間:0.62,0.96)及び1.13(95%信頼区間:0.68,1.86)であった
6)。[
5.2、
7.2参照]
また、安全性については、ペルツズマブ及びトラスツズマブが投与された2364例(日本人147例を含む)において、副作用が1538例(65.1%)に認められた。主な副作用は、下痢780例(33.0%)、発疹346例(14.6%)、疲労280例(11.8%)、悪心206例(8.7%)、筋骨格痛166例(7.0%)、爪の障害165例(7.0%)、好中球減少症157例(6.6%)、口内炎141例(6.0%)等であった。
注5)アントラサイクリン系薬剤を含む場合は、3週間を1サイクルとして、FEC療法(5-FU500〜600mg/m2、エピルビシン90〜120mg/m2注6)、シクロホスファミド500〜600mg/m2)、FAC療法(5-FU500〜600mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2、シクロホスファミド500〜600mg/m2)、EC療法(エピルビシン90〜120mg/m2注6))、シクロホスファミド500〜600mg/m2)又はAC療法(ドキソルビシン60mg/m2、シクロホスファミド500〜600mg/m2)のいずれかを3〜4サイクル投与した後、ペルツズマブ(又はプラセボ)+タキサン系薬剤(ドセタキセル75mg/m2注4)又はパクリタキセル80mg/m2注3))+トラスツズマブを逐次投与した。ドセタキセルは3週間を1サイクルとして3〜4サイクル投与した。パクリタキセルは1週間間隔で12週間投与した注3)。アントラサイクリン系薬剤を含まない場合は、3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ(又はプラセボ)+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量(最大900mg/bodyまで注7))を6サイクル同時併用投与した。
注6)国内において承認されている用量は100mg/m2である。
注7)国内において承認されている用量は300〜400mg/m2である。
APHINITY試験の有効性に関する成績
| | ペルツズマブ群 | プラセボ群 |
| IDFS注8) |
| イベント発現例数(発現率) | 171(7.1%) | 210(8.7%) |
| 3年IDFS[95%信頼区間] | 94.1%[93.1-95.0] | 93.2%[92.2-94.3] |
| ハザード比[95%信頼区間] | 0.81[0.66-1.00] |
| P値注9) | 0.0446 |
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)417例を対象に、術前薬物療法としてトラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(T+D群)、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+T+D群)、ペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤(P+T群)
注10)、ペルツズマブ点滴静注製剤+ドセタキセル(P+D群)
注10)を比較する第II相非盲検無作為化4群比較試験を実施した。ペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。ドセタキセルは75mg/m
2注4)を3週間間隔で投与した。いずれの薬剤も3週間を1サイクルとして、術前薬物療法として4サイクル投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である病理学的完全奏効(pCR)率において、T+D群に比べてP+T+D群で有意に高かった。[
7.2参照]
また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はT+D群で104/107例(97.2%)、P+T+D群で102/107例(95.3%)であった。主な副作用は、脱毛症(T+D群:65.4%、P+T+D群:63.6%、以下同順)、好中球減少症(62.6%、50.5%)、下痢(26.2%、43.0%)、悪心(31.8%、34.6%)、疲労(26.2%、18.7%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はT+D群で90/103例(87.4%)、P+T+D群で85/102例(83.3%)であった。主な副作用は、悪心(T+D群:42.7%、P+T+D群:45.1%、以下同順)、好中球減少症(39.8%、37.3%)等であった
7)。
注10)ペルツズマブ点滴静注製剤の承認された用法及び用量は、トラスツズマブ(遺伝子組換え)と他の抗悪性腫瘍剤との併用投与である。
NEOSPHERE試験の有効性に関する成績
| | T+D群 n=107 | P+T+D群 n=107 | P+T群 n=107 | P+D群 n=96 |
| pCR[95%信頼区間] | 29.0%[20.6-38.5] | 45.8%[36.1-55.7] | 16.8%[10.3-25.3] | 24.0%[15.8-33.7] |
| P値注11) | ‐ | 0.0141(vs.T+D群) | 0.0198(vs.T+D群) | 0.0030(vs.P+T+D群) |
HER2陽性(IHC法3+又はIHC法2+かつFISH/CISH法陽性)の早期乳癌の術前患者(原発巣の腫瘍径が2cm超で遠隔転移を有しない患者)225例を対象に、術前薬物療法としてペルツズマブ点滴静注製剤+トラスツズマブ点滴静注製剤+化学療法
注12)を比較する第II相非盲検無作為化3群(A群、B群、C群)比較試験を実施した。ペルツズマブは初回投与量840mg、2回目以降、維持投与量420mgを3週間間隔で、トラスツズマブは初回投与量8mg/kg(体重)、2回目以降、維持投与量6mg/kgを3週間間隔で投与した。トラスツズマブは術前薬物療法と術後薬物療法を合わせて1年間投与した。主要評価項目である術前薬物療法における忍容性に問題は認められなかった。副次評価項目であるpCR率は、A群が61.6%、B群が57.3%、C群が66.2%であった。[
7.2参照]
また、安全性については、術前薬物療法期間の副作用はA群72/72例(100.0%)、B群71/75例(94.7%)、C群76/76例(100.0%)であった。主な副作用は、下痢(A群:61.1%、B群:57.3%、C群:67.1%、以下同順)、脱毛症(48.6%、52.0%、53.9%)、悪心(52.8%、52.0%、44.7%)、好中球減少症(51.4%、46.7%、48.7%)、嘔吐(40.3%、33.3%、38.2%)、疲労(33.3%、33.3%、38.2%)、貧血(18.1%、8.0%、35.5%)、血小板減少症(6.9%、1.3%、30.3%)等であった。術後薬物療法期間の副作用はA群30/68例(44.1%)、B群30/65例(46.2%)及びC群21/67例(31.3%)であった。主な副作用は、関節痛(A群:5.9%、B群:3.1%、C群:4.5%、以下同順)、下痢(7.4%、3.1%、4.5%)等であった
8)。
注12)
A群:3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ+トラスツズマブ+FEC療法(5-FU500mg/m2、エピルビシン100mg/m2、シクロホスファミド600mg/m2)を3サイクル投与した後、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)を3サイクル投与した。
B群:3週間を1サイクルとして、FEC療法を3サイクル投与した後、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)を3サイクル投与した。
C群:3週間を1サイクルとして、ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル75mg/m2注4)+カルボプラチンAUC 6mg・min/mL相当量を6サイクル投与した。