医療用医薬品 : ドパコール

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医薬品情報


総称名 ドパコール
一般名 レボドパ
カルビドパ水和物
欧文一般名 Levodopa
Carbidopa Hydrate
製剤名 レボドパ・カルビドパ水和物錠
薬効分類名 パーキンソニズム治療剤
薬効分類番号 1169
ATCコード N04BA02
KEGG DRUG
D00253 レボドパ・カルビドパ水和物
KEGG DGROUP
DG01967 抗パーキンソン病薬
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2025年1月 改訂(第3版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ドパコール配合錠L50 (後発品) DOPACOL TABLETS L50 ダイト 1169101F3033 6.1円/錠 処方箋医薬品注)
ドパコール配合錠L100 (後発品) DOPACOL TABLETS L100 ダイト 1169101F1170 8.1円/錠 処方箋医薬品注)
ドパコール配合錠L250 (後発品) DOPACOL TABLETS L250 ダイト 1169101F2070 29.8円/錠 処方箋医薬品注)

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 閉塞隅角緑内障の患者[眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

パーキンソン病パーキンソン症候群

6. 用法及び用量

レボドパ未服用患者
通常成人に対し、レボドパ量として1回100〜125mg、1日100〜300mg経口投与よりはじめ、毎日又は隔日にレボドパ量として100〜125mg宛増量し、最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200〜250mg、1日3回)とする。
なお、症状により適宜増減するが、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。
レボドパ既服用患者
通常成人に対し、レボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、レボドパ1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分けて経口投与する。以後、症状により適宜増減して最適投与量を定め維持量(標準維持量はレボドパ量として1回200〜250mg、1日3回)とするが、レボドパ量として1日1500mgを超えないこととする。

7. 用法及び用量に関連する注意

ドパコール配合錠L50
7.1 レボドパ未服用患者
レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
レボドパ50mg・カルビドパ水和物5.4mg1回2錠、1日2〜6錠よりはじめ、毎日又は隔日に2錠宛増量し、最適量を定め維持量(標準;1回4〜5錠、1日3回)とする。症状により適宜増減するが、1日30錠を超えないこと。
7.2 レボドパ既服用患者
既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
レボドパ50mg・カルビドパ水和物5.4mgレボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量(標準;1回4〜5錠、1日3回)とする。1日30錠を超えないこと。
ドパコール配合錠L100
7.1 レボドパ未服用患者
レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
レボドパ100mg・カルビドパ水和物10.8mg1回1錠、1日1〜3錠よりはじめ、毎日又は隔日に1錠宛増量し、最適量を定め維持量(標準;1回2錠、1日3回)とする。症状により適宜増減するが、1日15錠を超えないこと。
7.2 レボドパ既服用患者
既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
レボドパ100mg・カルビドパ水和物10.8mgレボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量(標準;1回2錠、1日3回)とする。1日15錠を超えないこと。
ドパコール配合錠L250
7.1 レボドパ未服用患者
レボドパ単味製剤の投与を受けていない患者に対して本剤を投与する場合には少量から開始し、観察を十分に行い、慎重に維持量まで増量すること。
レボドパ250mg・カルビドパ水和物27mg1回1/2錠、1日1/2錠〜1錠よりはじめ、毎日又は隔日に1/2錠宛増量し、最適量を定め維持量(標準;1回1錠、1日3回)とする。症状により適宜増減するが、1日6錠を超えないこと。
7.2 レボドパ既服用患者
既にレボドパ単味製剤の投与を受けている患者に対して本剤を投与する場合には、レボドパの服用後少なくとも8時間の間隔をおいてから本剤を投与すること。ただし、その他の抗パーキンソン剤の投与を中止する必要はない。
レボドパ250mg・カルビドパ水和物27mgレボドパ単味製剤の服用後、少なくとも8時間の間隔をおいてから、1日維持量の約1/5量に相当するレボドパ量を目安として初回量をきめ、1日3回に分割投与する。以後、症状により適宜増減して最適量を定め維持量(標準;1回1錠、1日3回)とする。1日6錠を超えないこと。

8. 重要な基本的注意

8.1 閉塞隅角緑内障のおそれのある場合は、隅角検査あるいは眼圧検査を行うことが望ましい。
8.2 レボドパ製剤の長期投与により、次のような現象があらわれることがあるので、適切な処置を行うこと。
8.2.1 wearing off(up and down)現象があらわれた場合には、1日用量の範囲内で投与回数を増やす等の処置を行うこと。
8.2.2 on and off現象があらわれた場合には、維持量の漸減又は休薬を行う。症状悪化に際しては、その他の抗パーキンソン剤の併用等の処置を行うこと。
8.3 前兆のない突発的睡眠、傾眠、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。[11.1.4参照]
8.4 セレギリン塩酸塩等(B型モノアミン酸化酵素阻害剤)との併用に際しては、使用前に必ずセレギリン塩酸塩等の電子添文を参照すること。
8.5 レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されている。また、レボドパを投与された患者において、衝動制御障害に加えてレボドパを必要量を超えて求めるドパミン調節障害症候群が報告されている。患者及び家族等にこれらの症状について説明し、これらの症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.6 溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施すること。[11.1.3参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 胃潰瘍、十二指腸潰瘍のある患者又はその既往歴のある患者
症状の悪化があらわれることがある。
9.1.2 糖尿病の患者
血糖値の上昇を誘発し、インスリン必要量を増大させるとの報告がある。
9.1.3 重篤な心・肺疾患、気管支喘息又は内分泌系疾患のある患者
症状が悪化するおそれがある。
9.1.4 慢性開放隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.1.5 自殺傾向など精神症状のある患者
精神症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
副作用の発現が増加するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ウサギ)で催奇形性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。乳汁分泌が抑制されるおそれがある。また、動物実験(ラット)でレボドパの乳汁移行が報告されている。
9.8 高齢者
不安、不眠、幻覚、血圧低下等の副作用があらわれるおそれがある。一般に生理機能が低下していることが多い。

10. 相互作用

10.2 併用注意
レセルピン製剤
テトラベナジン
脳内ドパミンが減少し、本剤の作用が減弱するおそれがある。脳内のドパミンを減少させてパーキンソン症状を悪化させる。
血圧降下剤
メチルドパ水和物、レセルピン、節遮断剤
血圧降下剤の作用を増強することがある。機序は不明であるが、レボドパに血圧降下作用があるためと考えられている。
抗精神病薬
フェノチアジン系薬剤
(クロルプロマジン等)
ブチロフェノン系薬剤
(ハロペリドール等)
その他
(ペロスピロン等)
本剤の作用が減弱することがある。これらの薬剤によりドパミン受容体が遮断される。
他の抗パーキンソン剤
抗コリン剤、アマンタジン塩酸塩、ブロモクリプチンメシル酸塩
精神神経系の副作用が増強することがある。併用によりレボドパの効果増加につながるが、同時に精神神経系の副作用が増強される可能性もある。
NMDA受容体拮抗剤
メマンチン塩酸塩等
本剤の作用を増強するおそれがある。これらの薬剤により、ドパミン遊離が促進する可能性がある。
パパベリン塩酸塩本剤の作用が減弱するおそれがある。パパベリン塩酸塩が線条体にあるドパミンレセプターをブロックする可能性がある。
鉄剤本剤の作用が減弱するおそれがある。キレートを形成し、本剤の吸収が減少するとの報告がある。
イソニアジド本剤の作用が減弱するおそれがある。機序は不明であるが、イソニアジドによりドパ脱炭酸酵素が阻害されると考えられている。
スピラマイシンレボドパの血中濃度が低下し、本剤の作用が減弱するおそれがある。カルビドパの吸収が阻害されることにより、レボドパの血中濃度が低下したとの報告がある。

11. 副作用

11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、ショック状態等があらわれることがあるので、このような場合には、再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと。
11.1.2 錯乱(頻度不明)、幻覚(頻度不明)、抑うつ(頻度不明)
11.1.3 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)[8.6参照]
11.1.4 突発的睡眠(頻度不明)
前兆のない突発的睡眠があらわれることがある。[8.3参照]
11.1.5 閉塞隅角緑内障(頻度不明)
急激な眼圧上昇を伴う閉塞隅角緑内障を起こすことがあるので、霧視、眼痛、充血、頭痛、嘔気等が認められた場合には、投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上1%未満頻度不明
精神神経系不随意運動(31.8%)、不眠、不安・焦燥感、めまい、頭痛、味覚異常、妄想傾眠、倦怠感・脱力感、見当識喪失病的賭博、病的性欲亢進、ドパミン調節障害症候群、歩行障害、興奮、振戦の増強、しびれ感
消化器悪心(11.9%)、嘔吐、食欲不振、口渇、便秘、腹痛、下痢腹部膨満感、腹部不快感、嚥下障害胸やけ、唾液分泌過多、口内炎
泌尿器  排尿異常、尿路感染
血液  顆粒球減少、貧血
過敏症  発疹
循環器 不整脈血圧上昇、起立性低血圧、心悸亢進、血圧低下
  視覚異常
肝臓注)  AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、ALP上昇
腎臓  浮腫、BUN上昇
その他のぼせ感、発汗 筋肉痛、体重減少、痰・口腔内粘膜・汗・尿・便・唾液等の変色(黒色等)、抗DNA抗体の陽性例、クームス試験の陽性例、脱毛、嗄声

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

ニトロプルシドナトリウム水和物の検尿テープによる尿検査では、ケトン体反応が偽陽性になる場合がある。

13. 過量投与

13.1 症状
異常な不随意運動、混乱、不眠、まれに嘔気、嘔吐、不整脈等が起こるおそれがある。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 抗パーキンソン剤はフェノチアジン系化合物、レセルピン誘導体等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によってはこのような症状を増悪顕性化させることがある。
15.1.2 悪性黒色腫が発現したとの報告がある。
15.1.3 高蛋白食によりレボドパの吸収が低下するとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 パーキンソン病患者3例にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを経口併用投与した結果、最高血中ドパ濃度(投与後1〜2時間値)はレボドパ250mg単独投与に比べ3〜4倍の高値を示し、投与5時間後もなお高濃度が維持されていた。一方、レボドパの主要代謝物であるドパミンの血中濃度は低下し、尿中ホモバニリン酸(HVA)の排泄量は減少した1)
16.1.2 生物学的同等性試験
<ドパコール配合錠L100>
ドパコール配合錠L100とメネシット配合錠100を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(レボドパ100mg及びカルビドパ無水物として10mg)を健康成人男性に絶食時単回経口投与して血清中レボドパ及びカルビドパ無水物濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(Cmax、AUC)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された2)
レボドパの平均血清中濃度時間的推移
カルビドパ無水物の平均血清中濃度時間的推移
成分製剤名判定パラメータ参考パラメータ
Cmax(ng/mL)AUC(ng・hr/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
レボドパドパコール配合錠L100423.8±117.51196.8±265.71.6±0.81.8±0.4
メネシット配合錠100430.9±116.71225.9±291.71.4±0.51.9±0.3
カルピドパ無水物ドパコール配合錠L10058.8±16.5296.8±66.72.4±0.52.9±0.7
メネシット配合錠10059.6±16.7297.3±69.62.2±0.43.1±1.0
血清中濃度並びにCmax、AUC等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.3.1 髄液中濃度
パーキンソン病患者3例にレボドパ250mgとカルビドパ25mgを経口併用投与したときの髄液中ドパミン濃度は4倍用量のレボドパ単独投与と同程度の最高濃度を示し、より持続性を示した3)
16.3.2 ラットにおける乳汁移行性
ラットに14C標識カルビドパ20mg/kgを静脈内投与したとき、投与2時間後において血漿中放射能濃度の約8%が乳汁中に認められた4)
16.3.3 カルビドパの血漿中蛋白結合率
ヒト血漿におけるカルビドパ1μg/mLの血漿蛋白結合率は36±1.6%であった4)in vitro)。
16.4 代謝
代謝経路としては、カルビドパ水和物との併用によりレボドパの脱炭酸反応が抑制されるため、COMTによる3-O-メチルドパを経てホモバニリン酸(HVA)となる系が主と考えられた5)in vitro)。
16.8 その他
<ドパコール配合錠L50>
ドパコール配合錠L50は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、ドパコール配合錠L100を標準製剤としたとき、溶出挙動に基づき生物学的に同等とみなされた6)
<ドパコール配合錠L250>
ドパコール配合錠L250は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン」に基づき、ドパコール配合錠L100を標準製剤としたとき、溶出挙動に基づき生物学的に同等とみなされた7)

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検比較試験
117例のパーキンソン病及びパーキンソン症候群患者を対象とし、レボドパ・カルビドパ水和物とレボドパとの比較対照試験が行われた結果、レボドパの用量を1/5に減量してあるにも拘らず、最終全般改善度、概括安全度、有用度のいずれも、対照薬に比べ有意にまさっており、レボドパ・カルビドパ水和物の有用性が確認された8)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
18.1.1 レボドパは、パーキンソン病の病態生理に重要な関連を有するといわれるドパミンの前駆物質で、血液・脳関門を通過し脳内に取りこまれ、そこでドパミンに転換されて生理作用を発揮し、パーキンソン病及びパーキンソン症候群に効果をもたらすとされている9)10)11)
18.1.2 カルビドパ水和物は、レボドパ脱炭酸酵素の阻害剤で、それ自体は血液・脳関門を通過せず、脳内へ移行しないため、これをレボドパとともに投与すると、レボドパの脳以外での脱炭酸反応を防ぎ、脳への移行を高める。また脳内に取りこまれたレボドパのドパミンへの転換には影響を及ぼさないため、脳内ドパミン量を増加させる11)12)
18.2 レボドパの薬理
18.2.1 γ運動ニューロンに対する作用
ペントバルビタール麻酔したネコを用い、尾状核、中脳網様体、大脳皮質、小脳前葉等を電気刺激することによって引起こされるγ運動ニューロン放電の促進がレボドパの投与によって抑制された13)
18.2.2 薬剤その他処置に伴う無動、筋緊張亢進、振戦に対する作用
正常又は片側性脳損傷サルにα-メチル-チロシンを投与すると振戦及び緊張が誘発されるが、レボドパの投与により短時間内に消失がみられた14)15)

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. レボドパ

一般的名称 レボドパ
一般的名称(欧名) Levodopa
化学名 3-Hydroxy-L-tyrosine
分子式 C9H11NO4
分子量 197.19
融点 約275℃(分解)
物理化学的性状 白色又は僅かに灰色を帯びた白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
ギ酸に溶けやすく、水に溶けにくく、エタノール(95)にほとんど溶けない。
希塩酸に溶ける。
飽和水溶液のpHは5.0〜6.5である。
旋光度 〔α〕20D−11.5〜−13.0°(乾燥後,2.5g,1mol/L 塩酸試液,50mL,100mm)
理化学知見その他 19.1 レボドパ
KEGG DRUG D00059

19.2. カルビドパ水和物

一般的名称 カルビドパ水和物
一般的名称(欧名) Carbidopa Hydrate
化学名 (2S)-2-(3,4-Dihydroxybenzyl)-2-hydrazinopropanoic acid monohydrate
分子式 C10H14N2O4・H2O
分子量 244.24
融点 約197℃(分解)
物理化学的性状 白色〜帯黄白色の粉末である。
メタノールにやや溶けにくく、水に溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
理化学知見その他 19.2 カルビドパ水和物
KEGG DRUG D00558

20. 取扱い上の注意

アルミピロー包装又はバラ包装開封後は、湿気を避けて遮光して保存すること。

22. 包装

<ドパコール配合錠L50>
100錠[10錠(PTP)×10]
<ドパコール配合錠L100>
100錠[10錠(PTP)×10]
1,000錠[10錠(PTP)×100]
1,000錠[アルミ包装、バラ]
<ドパコール配合錠L250>
100錠[10錠(PTP)×10]

23. 主要文献

  1. 大本堯史 他, 基礎と臨床, 10 (2), 507-517, (1976)
  2. 社内資料:生物学的同等性試験(ドパコール配合錠L100)
  3. Ohmoto,T.et al., Folia Psychiatr.Neurol.Jpn., 29 (1), 1-12, (1975) »PubMed
  4. Vickers,S.et al., Drug Metab.Dispos., 2 (1), 9-22, (1974) »PubMed
  5. Maeda,T.et al., J.Pharm.Dyn., 1, 288-300, (1978)
  6. 社内資料:生物学的同等性試験(ドパコール配合錠L50)
  7. 社内資料:生物学的同等性試験(ドパコール配合錠L250)
  8. 加瀬正夫 他, 医学のあゆみ, 101 (11), 796-813, (1977)
  9. Hornykiewicz,O., Pharmacol.Rev., 18 (2), 925-964, (1966) »PubMed
  10. Cotzias,GC.et al., N.Engl.J.Med., 276 (7), 374-379, (1967) »PubMed
  11. 田中千賀子 他編, NEW薬理学,改訂第7版, 302-303, (2017), (南江堂)
  12. Porter,CC.et al., Biochem.Pharmacol., 11, 1067-1077, (1962) »PubMed
  13. 酒井豊 他, 日本薬理学雑誌, 69 (3), 467-482, (1973) »PubMed
  14. Bedard,P.et al., Can.J.Physiol.Pharmacol., 48 (1), 82-84, (1970) »PubMed
  15. Goldstein,M.et al., Nature., 224 (5217), 382-384, (1969) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室 (9:00〜17:30/土日祝日を除く)
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
電話:06-6964-2763
FAX:06-6964-2706
製品情報問い合わせ先
扶桑薬品工業株式会社 研究開発センター 学術室 (9:00〜17:30/土日祝日を除く)
〒536-8523 大阪市城東区森之宮二丁目3番30号
電話:06-6964-2763
FAX:06-6964-2706

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
ダイト株式会社
富山県富山市八日町326番地
26.2 販売元
扶桑薬品工業株式会社
大阪市城東区森之宮二丁目3番11号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2025/07/23 版