通常、小児には1日量0.06g/kg(ケトチフェンとして0.06mg/kg)を2回、朝食後及び就寝前に分け、用時溶解して経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
年齢別の標準投与量は、通常、下記の用量を1日量とし、1日2回、朝食後及び就寝前に分け、経口投与する。
年齢 | 1日用量 |
6ケ月以上3歳未満 | 0.8g(ケトチフェンとして0.8mg) |
3歳以上7歳未満 | 1.2g(ケトチフェンとして1.2mg) |
7歳以上 | 2.0g(ケトチフェンとして2.0mg) |
ただし、1歳未満の乳児に使用する場合には体重、症状などを考慮して適宜投与量を決めること。
<効能共通>
8.1 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
<気管支喘息>
8.2 本剤はすでに起こっている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、このことを患者に十分説明しておく必要がある。
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかんを除く痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
9.1.2 長期ステロイド療法を受けている患者
本剤投与によりステロイドの減量をはかる場合は十分な管理下で徐々に行うこと。
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
乳児、幼児に投与する場合には、観察を十分に行い慎重に投与すること。痙攣、興奮等の中枢神経症状があらわれることがある。[
11.1参照]
11.1 重大な副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
11.1.1 痙攣、興奮(頻度不明)
11.1.2 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、ALP、LDH、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなどの適切な処置を行うこと。
| 0.1%〜5%未満 | 0.1%未満 | 頻度不明 |
泌尿器 | − | − | 頻尿、排尿痛、血尿、残尿感等の膀胱炎様症状 |
過敏症 | − | 発疹、蕁麻疹 | 浮腫、多形紅斑 |
精神神経系 | 眠気 | めまい、ふらつき、けん怠感、口渇 | 一過性の意識消失、頭痛、味覚異常、しびれ感、易刺激性、不眠、神経過敏、鎮静 |
消化器 | − | 悪心、下痢、嘔吐、便秘 | 腹痛、胃部不快感、食欲不振、口内炎 |
肝臓 | − | AST、ALT、ALPの上昇 | LDH、γ-GTPの上昇 |
その他 | − | 体重増加 | ほてり、鼻出血、動悸、月経異常 |
本剤は、アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3〜5日前より本剤の投与を中止することが望ましい
1)。
16.1 血中濃度
16.1.1 ケトチフェンシロップ(ケトチフェンとして2mg
注))を経口投与した場合、2.8時間で最高血中濃度に達し、血中消失半減期は6.7時間である
3)。
16.1.2 生物学的同等性試験
ケトチフェンDS小児用0.1%「ツルハラ」とザジテンドライシロップ0.1%をクロスオーバー法により、ケトチフェンとして2mg
注)を健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中総ケトチフェン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された
4)。
| 判定パラメータ | 参考パラメータ |
AUC0-24(ng・hr/mL) | Cmax(ng/mL) | Tmax(hr) | t1/2(hr) |
ケトチフェンDS小児用0.1%「ツルハラ」 | 70.3±2.4 | 8.6±0.3 | 2.1±0.1 | 4.5±0.4 |
ザジテンドライシロップ0.1% | 74.0±2.0 | 9.2±0.2 | 2.1±0.1 | 5.3±0.6 |
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
16.4 代謝
主要代謝物はグルクロン酸抱合体で、その他N-酸化体、脱メチル化体ができる
3)5)(外国人データ)。
16.5 排泄
経口投与後120時間までの尿中排泄率は71%、糞中排泄率は26%である
3)。
注):本剤の承認された一回用量はケトチフェンとして、6歳以上3歳未満0.4mg、3歳以上7歳未満0.6mg、7歳以上1.0mgである。