骨転移を有する進行乳癌患者対象試験(日本が参加した国際共同試験)
10)において、主要評価項目であるSRE(骨関連事象:病的骨折、骨への放射線治療、骨に対する外科的処置又は脊髄圧迫)の初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対するデノスマブの非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。このうち、国内症例は136例(デノスマブ群69例、ゾレドロン酸群67例)であった。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。[
7.2参照]
骨転移を有する進行乳癌患者におけるデノスマブの有効性
| 初回SREの発現 | 初回SRE発現までの期間 |
n/N(%) | 中央値(日) | ハザード比 (95%信頼区間) | p値 |
非劣性検定 | 優越性検定c) |
デノスマブ群a) | 315/1,026(30.7) | NE | 0.82 (0.71,0.95) | <0.0001 | 0.0101 |
ゾレドロン酸群b) | 372/1,020(36.5) | 806 |
副作用発現頻度は、デノスマブ群で32.3%(329/1,020例)であった。主な副作用は、関節痛4.3%、疲労3.7%、低カルシウム血症2.9%、悪心2.7%、下痢2.2%であった。
低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で5.6%(57/1,020例)、ゾレドロン酸群で3.5%(35/1,013例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で0.5%(5/1,020例)、ゾレドロン酸群で0.2%(2/1,013例)であった。
骨転移を有するホルモン不応性(去勢抵抗性)前立腺癌患者対象試験
11)において、主要評価項目であるSREの初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対するデノスマブの非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。[
7.2参照]
骨転移を有するホルモン不応性(去勢抵抗性)前立腺癌患者におけるデノスマブの有効性
| 初回SREの発現 | 初回SRE発現までの期間 |
n/N(%) | 中央値(日) | ハザード比 (95%信頼区間) | p値 |
非劣性検定 | 優越性検定c) |
デノスマブ群a) | 341/950(35.9) | 629 | 0.82 (0.71,0.95) | 0.0002 | 0.0085 |
ゾレドロン酸群b) | 386/951(40.6) | 521 |
副作用発現頻度は、デノスマブ群32.0%(302/943例)であった。主な副作用は、低カルシウム血症7.3%、悪心3.2%、疲労3.1%、食欲減退2.9%、無力症2.2%であった。
低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で12.8%(121/943例)、ゾレドロン酸群で5.8%(55/945例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で2.5%(24/943例)、ゾレドロン酸群で0.7%(7/945例)であった。
多発性骨髄腫又は骨転移を有する進行固形癌(乳癌及び前立腺癌を除く)患者対象試験
12)において、主要評価項目であるSREの初回発現までの期間についてゾレドロン酸に対するデノスマブの非劣性の検証を主目的として検討した結果は次表のとおりであり、非劣性が検証された。なお、全ての患者に対して、治験期間中に高カルシウム血症が認められない限り、毎日少なくとも500mgのカルシウム及び400IUの天然型ビタミンDの補充が強く推奨された。[
7.2参照]
多発性骨髄腫又は骨転移を有する進行固形癌(乳癌及び前立腺癌を除く)患者におけるデノスマブの有効性
| 初回SREの発現 | 初回SRE発現までの期間 |
n/N(%) | 中央値(日) | ハザード比 (95%信頼区間) | p値 |
非劣性検定 | 優越性検定注c) |
デノスマブ群a) | 278/886(31.4) | 625 | 0.84 (0.71,0.98) | 0.0007 | 0.0619 |
ゾレドロン酸群b) | 323/890(36.3) | 496 |
副作用発現頻度は、デノスマブ群22.3%(196/878例)であった。主な副作用は、低カルシウム血症7.2%、悪心1.9%、発熱0.9%であった。
低カルシウム血症の有害事象の発現頻度は、デノスマブ群で10.8%(95/878例)、ゾレドロン酸群で5.8%(51/878例)であり、うち重篤な低カルシウム血症の発現頻度は、デノスマブ群で1.4%(12/878例)、ゾレドロン酸群で0.9%(8/878例)であった。