遅発型ポンペ病に対するシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用療法
本剤は2剤併用療法として用いるため、本剤の適用にあたっては、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の電子添文も参照すること。
シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはミグルスタットとして体重40kg以上50kg未満の場合は1回195mg、体重50kg以上の場合は1回260mgを隔週経口投与する。なお、食事の前後2時間は投与を避けること。
7.1 本剤を投与してから1時間後にシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与を開始すること。
7.2 本剤の曝露量は食事の影響を受けるため、食事の前後2時間を避けて投与すること。[
16.2参照]
7.3 本剤の投与後3時間以内にシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与を開始できない場合は、最後に本剤を投与してから24時間以上経過後に改めて本併用療法を開始すること。
7.4 中等度以上の腎機能障害患者においては、本剤の排泄が遅延し全身曝露量が増加するため、腎機能の程度及び体重に応じて、下表を参考に用量を調整すること。末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)に対しては本剤の投与は推奨されない。[
9.2.1、
9.2.2、
18.1、
18.2参照]
| 体重範囲 | 腎機能障害の程度(CLcr:mL/min) |
| 中等度 | 重度 |
| 30以上60未満 | 15以上30未満 |
| 50kg以上 | 195mg | 195mg |
| 40kg以上50kg未満 | 130mg | 130mg |
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 中等度又は重度(クレアチニンクリアランス15mL/min以上60mL/min未満)の腎機能障害患者
腎機能の程度及び体重に応じて、本剤の用量を適宜減量すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[
7.4、
18.1、
18.2参照]
9.2.2 末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)
投与は推奨されない。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるが、本剤の臨床推奨用量は検討されていない。[
7.4、
18.1、
18.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤及びシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の併用投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[
9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験において、ラットに本剤60mg/kg/隔日(臨床曝露量の約30倍に相当)を投与した時に着床前胚損失率の増加が、ウサギにシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)175mg/kg/隔日(臨床曝露量の約111倍に相当)及び本剤25mg/kg/隔日(臨床曝露量の約23倍に相当)を併用投与した時に心血管系奇形が報告されている
1)2)。[
2.2、
9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている
3)。
9.7 小児等
18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績は得られていない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 遅発型ポンペ病を有する成人患者を対象とした二重盲検無作為化国際共同第III相試験
酵素補充療法の治療歴のある及び治療歴のない遅発型ポンペ病患者を対象として、シパグルコシダーゼ アルファ(1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与)と本剤(体重40kg以上50kg未満の場合は1回195mg、体重50kg以上の場合は1回260mgを隔週経口投与)(本併用群)又はアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)とプラセボ(対照群)を52週間投与し、有効性及び安全性を比較した。主要評価項目である6分間歩行距離(以下、「6MWD」)(m)のベースラインから投与52週時までの変化量は表1のとおりであり、本併用の対照に対する優越性は示されなかった。また、副次評価項目である座位努力性肺活量の予測正常値に対する割合(%)のベースラインから投与52週時までの変化量の平均値±標準偏差(評価例数)は、本併用群で−1.14±6.32(74例)、対照群で−3.63±4.70(32例)であった
11)。
表1 ベースラインから投与52週時までの6MWDの変化量
| 評価項目 | 本併用群 (85例) | 対照群a (37例) |
| ベースライン | 357.93±111.84(85例) | 350.95±121.32(37例) |
| 投与52週時 | 376.41±122.93(81例) | 359.70±137.36(36例) |
| 投与52週時の変化量 | 20.56±42.27(81例) | 8.02±40.56(36例) |
対照群との群間差b [95%信頼区間]片側p値b,c | 14.21[−2.60,31.02]p=0.048 |
本併用群での副作用は投与52週時までに30.6%(26/85例)に認められ、主な副作用は頭痛7.1%(6/85例)、下痢5.9%(5/85例)であった
11)。
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
26.1 製造販売元
アミカス・セラピューティクス株式会社
〒100-0005
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