SMN2遺伝子のコピー数が2であり、生後6ヵ月齢以前に発症した、生後1週間超7ヵ月齢以下の乳児型脊髄性筋萎縮症患者75例(日本人は組み入れられなかった)、及び生後6ヵ月齢より後に発症した、2〜9歳の乳児型以外の脊髄性筋萎縮症患者24例(
SMN2遺伝子のコピー数は2コピーが1例、3コピーが22例、4コピーが1例)(日本人は組み入れられなかった)を対象に、1回50mgの本剤を初回及び15日目に投与した後、1回28mgの本剤を135及び279日目に維持投与する(シャム処置が29、64及び183日目に実施されている)(50/28mg群)、又は1回12mgの本剤を初回、15、29、64日目に投与した後、1回12mgの本剤を183及び279日目に維持投与する
注1)(シャム処置が135日目に実施されている)(12/12mg群)二重盲検並行群間比較試験を実施した。
注1)乳児型の脊髄性筋萎縮症、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測される脊髄性筋萎縮症に対する本剤12mgの承認された用法・用量とは異なる(日齢に応じた用量調節を行っていない)。乳児型以外の脊髄性筋萎縮症に対する本剤12mgの承認された用法・用量とは異なる(投与間隔が異なる。日齢に応じた用量調節を行っていない)。
SM203試験パートB主要評価項目は、乳児型脊髄性筋萎縮症患者における183日目のChildren's Hospital of Philadelphia Infant Test of Neuromuscular Disorders(CHOP INTEND)スコアのベースラインからの変化量とされ、主要解析として、SM203試験パートBの50/28mg群と外部対照であるマッチングした乳児型脊髄性筋萎縮症患者を対象とした本剤の国際共同第III相試験(CS3B試験)のシャム処置群[
17.1.2参照]との間で主要評価項目の順位スコアの結果を比較することが事前に規定された。主要評価項目の結果は表17-1のとおりであり、主要解析においてSM203試験パートBの50/28mg群とマッチングしたCS3B試験のシャム処置群との間に統計学的な有意差が認められた(P<0.0001、Joint Rank検定
注4),注5))。なお、SM203試験パートBの50/28mg群と12/12mg群との間には臨床的に意味のある差を検出するための標本サイズは確保されておらず、統計学的な検定に基づく群間比較は計画されていない。
表17-1 乳児型脊髄性筋萎縮症患者における183日目のCHOP INTENDスコアのベースラインからの変化量、及び死亡例を考慮した順位スコア(SM203試験パートB ITT集団及びCS3B試験マッチングシャム処置集団)
| | CHOP INTENDスコア | 死亡例注4) | 順位スコア注2),注5) | 順位スコアの群間差[95%信頼区間]注5) | p値注5),注6) |
| ベースライン | 183日目 | 変化量注2),注3) |
| SM203試験 | 12/12mg群 | 19.9±9.63(25) | 41.6±11.32(12) | ‐注7) | 6(24) | ‐注7) | / | / |
| 50/28mg群 | 20.9±10.23(50) | 37.2±12.26(40) | 15.1±1.37 | 7(14) | 42.9±2.17 | 26.1[17.94,34.17] | <0.0001 |
| CS3B試験 | シャム処置群 | 23.6±5.84(20) | 12.6±7.88(11) | −11.1±2.47 | 9(45) | 16.9±3.47 |
注2)最小二乗平均値±標準誤差
注3)欠測値は多重補完法により代入し、CHOP INTENDスコアの変化量を応答変数、薬剤群を固定効果、スクリーニング時の罹患期間及びベースライン時のCHOP INTENDスコアを共変量としたANCOVAモデルにより算出。
注4)治験薬投与開始183日目までの死亡例数(割合(%))
注5)順位スコアは、死亡以外の理由によるCHOP INTENDスコアの変化量の欠測値は多重補完法により代入し、ベースラインから183日目までのCHOP INTENDスコアの変化量が大きい被験者により大きいスコアを与え、その後に死亡した被験者について死亡の発生が初回投与に近い被験者により小さいスコアを与えた。順位スコアを応答変数、薬剤群を固定効果、スクリーニング時の罹患期間及びベースライン時のCHOP INTENDスコア(順位変換)を共変量としたANCOVAモデルにより算出。
注6)有意水準は両側5%。
注7)参照群である12/12mg群では解析は実施されていない。183日目のCHOP INTENDスコアの評価を行った12例におけるベースラインから183日目までのCHOP INTENDスコアの変化量の平均値±標準偏差は16.5±10.63であった。
副次評価項目である302日目のCHOP INTENDスコア及びHammersmith Infant Neurological Examination(HINE)第2セクション(HINE-2)の結果は表17-2のとおりであった。死亡又は永続的換気までの期間について、死亡又は永続的換気をイベントとした評価結果は、図1のとおりであった。
表17-2 乳児型脊髄性筋萎縮症患者の302日目のCHOP INTENDスコア又はHINE-2スコアのベースラインからの変化量、及び死亡例を考慮した順位スコア(ITT集団)
| | ベースライン | 302日目 | 変化量注8),注9) | 死亡例注10) | 順位スコア注8),注11) | 順位スコアの群間差[95%信頼区間]注11) |
| CHOP INTENDスコア | 12/12mg群 | 19.9±9.63(25) | 42.1±12.27(13) | 21.6±2.54 | 6(24) | 37.3±4.19 | 1.00[−9.290,11.299] |
| 50/28mg群 | 20.9±10.23(50) | 41.7±13.71(34) | 19.6±1.61 | 10(20) | 38.3±2.89 |
| HINE-2スコア | 12/12mg群 | 1.4±1.29(25) | 6.2±5.92(13) | 5.3±1.05 | 6(24) | 33.9±3.60 | 6.12[−2.693,14.939] |
| 50/18mg群 | 1.4±1.36(50) | 7.7±4.75(34) | 5.9±0.64 | 10(20) | 40.0±2.50 |
注8)最小二乗平均値±標準誤差
注9)欠測値は多重補完法により代入し、各評価項目の変化量を応答変数、薬剤群を固定効果、CHOP INTENDスコア:スクリーニング時の罹患期間及びベースライン時のCHOP INTENDスコア、HINE-2スコア:スクリーニング時の罹患期間、ベースライン時のCHOP INTENDスコア及びベースライン時のHINE-2スコアを共変量としたANCOVAモデルにより算出。
注10)治験薬投与開始302日目までの死亡例数(割合(%))
注11)順位スコアは、死亡以外の理由による各評価項目の変化量の欠測値は多重補完法により代入し、ベースラインから302日目までの各評価項目の変化量が大きい被験者により大きいスコアを与え、その後に死亡した被験者について死亡の発生が初回投与に近い被験者により小さいスコアを与えた。各順位スコアを応答変数、薬剤群を固定効果、CHOP INTENDスコア:スクリーニング時の罹患期間及びベースライン時のCHOP INTENDスコア(順位変換)、HINE-2スコア:スクリーニング時の罹患期間、ベースライン時のCHOP INTENDスコア(順位変換)及びHINE-2スコア(順位変換)を共変量としたANCOVAモデルにより算出。
図1 SM203試験パートBにおける死亡又は永続的換気をイベントとしたKaplan-Meier曲線(ITT集団)
注12)スクリーニング時の罹患期間及びベースライン時のCHOP INTEND合計スコアで調整したCox回帰モデルに基づき推定。
SM203試験パートBの副次評価項目である乳児型以外の脊髄性筋萎縮症患者における302日目のHammersmith Functional Motor Scale-Expanded(HFMSE)スコアのベースラインからの変化量の結果は、表17-3のとおりであった。
表17-3 乳児型以外の脊髄性筋萎縮症患者におけるHFMSEスコアのベースラインからの変化量(ITT集団)
| | ベースライン | 302日目 | 変化量注13),注14) | 群間差[95%信頼区間]注14) |
| 12/12mg群 | 13.8±4.59(8) | 16.1±5.46(7) | 2.6±1.26 | 0.63[−2.5,3.8] |
| 50/28mg群 | 20.3±10.05(16) | 23.9±11.37(15) | 3.3±0.88 |
乳児型脊髄性筋萎縮症患者で、50/28mg群の50例のうち3例(6.0%)、12/12mg群の25例のうち1例(4.0%)に副作用が認められた。認められた副作用は、50/28mg群で貧血(2.0%)、好酸球増加症(2.0%)、発熱(2.0%)、不快気分(2.0%)、湿性咳嗽(2.0%)、紅斑性皮疹(2.0%)であり、12/12mg群で呼吸不全(4.0%)、悪心(4.0%)であった。
乳児型以外の脊髄性筋萎縮症患者で、50/28mg群の16例のうち1例(6.3%)に副作用が認められた。12/12mg群の8例に副作用は認められなかった。50/28mg群で認められた副作用は、発熱(6.3%)であった。[
7.1参照]