医療用医薬品 : イドビンソ

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医薬品情報


総称名 イドビンソ
一般名 ドラビリン
イスラトラビル水和物
欧文一般名 Doravirine
Islatravir Hydrate
製剤名 ドラビリン・イスラトラビル水和物配合錠
薬効分類名 抗ウイルス化学療法剤
薬効分類番号 6250
KEGG DRUG
D13246 ドラビリン・イスラトラビル
JAPIC 添付文書(PDF)
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添付文書情報2026年4月 改訂(第2版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
イドビンソ配合錠 IDVYNSO Combination Tablets MSD 6250121F1026 6610.5円/錠 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
2.1 カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、エンザルタミド、アパルタミド、リファンピシン、ミトタン、セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort:セント・ジョーンズ・ワート)含有食品、ラミブジン、エムトリシタビンを投与中の患者[10.1参照]
2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

HIV-1感染症

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 本剤は、ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前3ヵ月間以上ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ドラビリン又はイスラトラビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療成人患者に使用すること。[18.3.118.3.218.4参照]
5.2 本剤による治療にあたっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。
5.3 本剤はドラビリン及びイスラトラビル水和物の固定用量を含有する配合剤であるので、ドラビリンの用量調節が必要な患者には個別のドラビリン製剤(ピフェルトロ錠)を用いること。[7.27.3参照]

6. 用法及び用量

通常、成人には、1回1錠(ドラビリンとして100mg及びイスラトラビルとして0.25mgを含有)を1日1回経口投与する。本剤は食事の有無にかかわらず投与できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤は1日1回、できるだけ同じ時刻に服用すること。予定時刻に服用できなかった場合は、予定時刻から12時間以内であればその時点で1回分を服用し、その後は通常の服薬スケジュールに戻ること。予定時刻から12時間を超えた場合は、その回は服用せず、次の予定時刻に1回分を服用すること。1度に2回分を服用しないこと。
7.2 本剤とリファブチンを併用して服用する場合は、本剤服用後約12時間の間隔を空けてドラビリン単剤100mg 1錠を服用すること。なお、リファブチンの併用を中止した場合は、ドラビリン単剤の服用も中止すること。[5.37.310.216.7.2参照]
7.3 本剤はHIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬と併用しないこと。ただし、ドラビリンを追加投与する必要がある場合を除く。[5.37.2参照]

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
・本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
・本剤の長期投与による影響については、現在のところ不明であること。
・本剤の抗ウイルス効果を最大にするために、担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
・本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。[10.110.2参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者又は末期腎不全の患者(eGFR<30mL/min/1.73m2
本剤の投与は推奨しない。イスラトラビルの血中濃度が上昇するおそれがある。透析中の患者を対象とした試験は実施していない。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者
本剤の投与は推奨しない。イスラトラビルの血中濃度が減少するおそれがある。重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害者を対象とした試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物の生殖発生毒性試験において、臨床推奨用量の8倍(ドラビリン)及び532倍(イスラトラビル)以上の曝露量で本剤の成分を個別に投与した際に発生への影響は認められなかった。
ドラビリン(100mg)/イスラトラビル(0.25mg又は0.75mg)を投与した臨床試験において15例の妊娠が報告されているが、妊娠合併症及び先天的異常の傾向はなかった。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。HIV母児感染の可能性がある。ラットにおいて、妊娠6日から授乳14日までの経口投与後(450mg/kg/日)にドラビリンは乳汁中に移行し、乳汁中濃度は母体血漿中濃度(授乳14日の投与2時間後)の約1.3倍であった。ラットにおいて、妊娠6日から授乳10日までの経口投与後(10mg/kg/日)にイスラトラビルは乳児の血漿中に検出され、乳児血漿中濃度は母体血漿中濃度(授乳10日の投与1時間後及び3時間後)のそれぞれ0.1%及び1.5%であった。本剤又は各成分のヒト乳汁中への移行、乳汁産生への影響及び乳児への影響は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

相互作用序文
ドラビリンは主にCYP3A4で代謝される。イスラトラビルは主にアデノシンデアミナーゼで代謝される。イスラトラビルはデオキシシチジンキナーゼにより細胞内でリン酸化される。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP3A4
薬物代謝酵素用語
アデノシンデアミナーゼ
薬物代謝酵素用語
デオキシシチジンキナーゼ
10.1 併用禁忌
カルバマゼピン(テグレトール)
フェノバルビタール(フェノバール)
フェニトイン(アレビアチン)
ホスフェニトイン(ホストイン)
エンザルタミド(イクスタンジ)
アパルタミド(アーリーダ)
リファンピシン(リファジン)
ミトタン(オペプリム)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
2.18.116.7.2参照]
本剤の血漿中ドラビリン濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。これらの薬剤及び食品の強力なCYP3A4誘導作用により、ドラビリンの代謝が促進されると予測される。
ラミブジン(エピビル)
エムトリシタビン(デシコビ)
2.18.116.7.2参照]
本剤のイスラトラビルの活性体であるイスラトラビル三リン酸の細胞内濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。これらデオキシシチジンキナーゼの基質である薬剤との競合により、細胞内でのイスラトラビルのリン酸化が抑制される。
10.2 併用注意
リファブチン
7.28.116.7.2参照]
本剤の血漿中ドラビリン濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。リファブチンのCYP3A4誘導作用により、ドラビリンの代謝が促進される。
ヌクレオシド系代謝拮抗剤
クラドリビン
クロファラビン
シタラビン
フルダラビン
ゲムシタビン
8.116.7.2参照]
本剤のイスラトラビルの活性体であるイスラトラビル三リン酸の細胞内濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがあるため、本剤との併用は推奨しない。デオキシシチジンキナーゼの基質である薬剤との競合により、細胞内でのイスラトラビルのリン酸化が抑制されると予測される。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 1%以上3%未満1%未満頻度不明注1)
精神障害 不眠症、異常な夢 
神経系障害頭痛、浮動性めまい  
胃腸障害下痢、腹部膨満鼓腸、悪心、腹痛 
皮膚および皮下組織障害 そう痒症、発疹 
一般・全身障害および投与部位の状態疲労  
臨床検査  肝酵素上昇

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に、未承認用量のドラビリン(DOR)/イスラトラビル(ISL)(100mg/0.75mg)を投与した臨床試験(017試験及び018試験)において、48週時までにベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合は、対照群と比較してDOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群で高値であった。一方、ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症患者に本剤[DOR/ISL(100mg/0.25mg)]を投与した臨床試験(051試験及び052試験)において、48週時までにベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合は、本剤群と対照群で同程度であった。各臨床試験における、ベースラインから総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数が減少した治験参加者の割合を表に示す。[17.1.117.1.2参照]
表 48週時までに総リンパ球数及びCD4陽性T細胞数がベースラインから減少した治験参加者の割合
臨床検査パラメータ総リンパ球数CD4陽性T細胞数
試験投与群例数30%超の減少例数30%超の減少
017試験DOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群29718.5%3139.3%
対照群注1)3027.3%3114.2%
018試験DOR/ISL(100mg/0.75mg)切替え群30313.2%3016.0%
対照群注2)2983.7%2981.7%
051試験本剤(100mg/0.25mg)群3414.1%3434.4%
対照群注1)1754.6%1762.8%
052試験本剤(100mg/0.25mg)群3135.4%3154.4%
対照群注2)1595.0%1615.0%
注)承認された用量はドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mgである。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
健康治験参加者24例に本剤(ドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mg)を空腹時単回経口投与した際のドラビリン及びイスラトラビルの血漿中薬物動態パラメータを表1に、平均血漿中濃度推移を下図に示す。(外国人データ)
表1 単回経口投与後の薬物動態パラメータ
薬物動態パラメータAUC0-infCmaxC24htmax(h)t1/2(h)
ドラビリン100mg42.6(28.3)μmol・h/L1.83(26.4)μmol/L650(36.4)nmol/L4.00[1.00,4.11]15.5(26.1)
イスラトラビル0.25mg23.8(30.0)nmol・h/L6.02(44.2)nmol/L0.118(20.3)nmol/L0.78[0.34,2.04]26.6(51.3)
図 単回経口投与後の平均血漿中濃度推移
各24例、定量下限:ドラビリン2.35nmol/L、イスラトラビル0.0682nmol/L(破線)
ドラビリン及びイスラトラビルの薬物動態は、健康治験参加者とHIV感染症患者の間で類似している。1日1回投与では、ドラビリンは投与2日目までに概して定常状態に達し、AUC0-24hの累積係数は1.2〜1.4であった。イスラトラビルは投与7日目までに概して定常状態に達し、AUC0-24hの累積係数は約1.8であった(外国人データ)。母集団薬物動態解析に基づき推定した、HIV-1感染症患者にドラビリン100mgを1日1回投与した際、及びイスラトラビル0.25mgを1日1回投与した際の定常状態でのドラビリン及びイスラトラビルの薬物動態パラメータを表2に示す(ドラビリンは外国人データ)。
表2 反復経口投与後の定常状態における薬物動態パラメータ
母集団薬物動態パラメータ例数AUC0-24hCmaxC24h
ドラビリン100mg 1日1回投与73037.8(29)μmol・h/L2.26(19)μmol/L930(63)nmol/L
イスラトラビル0.25mg 1日1回投与4431.9(12.2)nmol・h/L3.47(4.5)nmol/L0.797(17.6)nmol/L
16.2 吸収
16.2.1 バイオアベイラビリティ
100mg錠のドラビリンの絶対バイオアベイラビリティは約64%であった。イスラトラビルの絶対バイオアベイラビリティは不明である。(外国人データ)
16.2.2 食事の影響
高脂肪食を摂取した健康治験参加者に本剤を単回投与したところ、ドラビリンのAUC及びCmaxはそれぞれ17%及び18%上昇した。イスラトラビルのAUC及びCmaxはそれぞれ13%上昇及び20%減少した。(外国人データ)
16.3 分布
ドラビリン
ドラビリンの分布容積は60.5Lであった(外国人データ)。ドラビリンはヒト血漿蛋白に76%結合した(In vitroデータ)。
イスラトラビル
イスラトラビルの見かけの分布容積は264Lであった(外国人データ)。イスラトラビルはヒト血漿蛋白に3%結合した(In vitroデータ)。
16.4 代謝
ドラビリン
ドラビリンは主に酸化代謝により消失し、主としてCYP3A4によって代謝された。(In vitroデータ)[10.参照]
イスラトラビル
イスラトラビルは主にアデノシンデアミナーゼによってデオキシイノシン体(代謝物M4:4'-エチニル-2-フルオロ-2'-デオキシイノシン)に代謝された。イスラトラビルは、末梢血単核細胞へ取り込まれた後、細胞内でイスラトラビル一リン酸、続いてイスラトラビル二リン酸、最終的にイスラトラビル三リン酸に逐次的にリン酸化された。リン酸化の律速段階であるイスラトラビルからイスラトラビル一リン酸へのリン酸化はデオキシシチジンキナーゼによって触媒される。(In vitroデータ)[10.参照]
16.5 排泄
ドラビリン
健康治験参加者にドラビリンを経口投与した際、投与量の約6%が未変化体として尿中に排泄された。(外国人データ)
イスラトラビル
健康治験参加者に[14C]標識イスラトラビルを経口投与した際、投与量の91.4%(主に代謝物M4)が尿中に、6.3%が糞中に排泄された。尿中に排泄された未変化体は投与量の32%であった。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
ドラビリン
重度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:<30mL/min/1.73m2)8例を腎機能正常治験参加者8例と比較した試験において、単回投与時のドラビリンのAUCは重度腎機能障害を有する治験参加者の方が43%高かった。母集団薬物動態解析では、定常状態におけるドラビリンのAUCは、軽度及び中等度腎機能障害者(eGFR:≧60〜<90mL/min/1.73m2及び≧30〜<60mL/min/1.73m2)では腎機能正常者よりそれぞれ5%及び20%高いと予測された。透析中の参加者を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.2.1参照]
イスラトラビル
重度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:<30mL/min/1.73m2)6例を腎機能正常治験参加者6例と比較した試験において、単回投与時のイスラトラビルのAUCは重度腎機能障害を有する治験参加者で約2倍であった。母集団薬物動態解析では、定常状態におけるイスラトラビルのAUCは、軽度及び中等度腎機能障害を有する治験参加者(eGFR:≧60〜<90mL/min/1.73m2及び≧30〜<60mL/min/1.73m2)では腎機能正常治験参加者よりそれぞれ15%及び31%高いと予測された。透析中の参加者を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害
ドラビリン
中等度肝機能障害を有する治験参加者(Child-Pugh分類B)8例を肝機能正常治験参加者8例と比較した試験において、単回投与時のドラビリンのAUCの幾何平均比(中等度肝機能障害/肝機能正常)は0.99であった。重度肝機能障害を有する参加者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.1参照]
イスラトラビル
中等度肝機能障害を有する治験参加者(Child-Pugh分類B)6例を肝機能正常治験参加者6例と比較した試験において、中等度肝機能障害を有する治験参加者における単回投与時のイスラトラビルのAUCは、肝機能正常治験参加者より25%低かった。重度肝機能障害を有する参加者(Child-Pugh分類C)を対象とした試験は実施していない。(外国人データ)[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 非臨床薬物相互作用試験
ドラビリン
ドラビリンはP-gpの基質であり、OATP1B1、OATP1B3、BCRP、P-gp、OAT1、OAT3、OCT2、MATE1及びMATE2Kに対し阻害作用を示した(IC50値はそれぞれ39、31、51、>300、>75、16、67、>50及び>50μM)。(In vitroデータ)
イスラトラビル
イスラトラビルはBCRPの基質である。イスラトラビルの代謝物M4はBCRP、OAT3及びMATE2Kの基質である。(In vitroデータ)
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験の結果を表3〜表6に示す。(外国人データ)[7.210.110.2参照]
表3 併用薬がドラビリンの薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬の1回用量及び用法ドラビリンの1回用量及び用法例数ドラビリンの血漿中薬物動態パラメータの幾何平均比(併用時/非併用時)
[90%信頼区間]
(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24h
抗真菌薬
ケトコナゾール400mg
QD反復
100mg
単回
103.06
[2.85,3.29]
1.25
[1.05,1.49]
2.75
[2.54,2.98]
抗抗酸菌薬
リファンピシン600mg
単回
100mg
単回
110.91
[0.78,1.06]
1.40
[1.21,1.63]
0.90
[0.80,1.01]
600mg
QD反復
100mg
単回
100.12
[0.10,0.15]
0.43
[0.35,0.52]
0.03
[0.02,0.04]
リファブチン300mg
QD反復
100mg
単回
120.50
[0.45,0.55]
0.99
[0.85,1.15]
0.32
[0.28,0.35]
300mg
QD反復
100mg
BID反復
151.03
[0.94,1.14]††
0.97
[0.87,1.08]††
0.98
[0.88,1.10]††
抗HIV薬
イスラトラビル2.25mg
QD反復
100mg
QD反復
91.13
[1.01,1.28]
1.11
[0.99,1.25]
1.12
[0.95,1.32]
抗HCV薬
エルバスビル・グラゾプレビル50/200mg
QD反復
100mg
QD反復
121.56
[1.45,1.68]
1.41
[1.25,1.58]
1.61
[1.45,1.79]
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg
単回
100mg
単回
141.15
[1.07,1.24]
1.11
[0.97,1.27]
1.24
[1.13,1.36]
制酸薬
水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム1600/1600mg
単回
100mg
単回
141.01
[0.92,1.11]
0.86
[0.74,1.01]
1.03
[0.94,1.12]
パントプラゾール40mg
QD反復
100mg
単回
130.83
[0.76,0.91]
0.88
[0.76,1.01]
0.84
[0.77,0.92]
オピオイド系鎮痛薬
メサドン20〜200mg
QD反復
100mg
QD反復
140.74
[0.61,0.90]
0.76
[0.63,0.91]
0.80
[0.63,1.03]
表4 ドラビリンが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬の1回用量及び用法ドラビリンの1回用量及び用法例数併用薬の血漿中薬物動態パラメータの幾何平均比(併用時/非併用時)
[90%信頼区間]
(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24h
CYP3A4基質
ミダゾラム2mg
単回
120mg
QD反復
70.82
[0.70,0.97]
1.02
[0.81,1.28]
抗HIV薬
イスラトラビル2.25mg
QD反復
100mg
QD反復
91.06
[1.01,1.12]
1.08
[0.91,1.27]
抗HCV薬
エルバスビル・グラゾプレビル50/200mg
QD反復
100mg
QD反復
12エルバスビル
0.96
[0.90,1.02]
0.96
[0.91,1.01]
0.96
[0.89,1.04]
グラゾプレビル
1.07
[0.94,1.23]
1.22
[1.01,1.47]
0.90
[0.83,0.96]
レジパスビル・ソホスブビル90/400mg
単回
100mg
単回
14レジパスビル
0.92
[0.80,1.06]
0.91
[0.80,1.02]
ソホスブビル
1.04
[0.91,1.18]
0.89
[0.79,1.00]
GS-331007(ソホスブビル代謝物)
1.03
[0.98,1.09]
1.03
[0.97,1.09]
経口避妊薬
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル0.03/0.15mg
単回
100mg
QD反復
19エチニルエストラジオール
0.98
[0.94,1.03]
0.83
[0.80,0.87]
レボノルゲストレル
1.21
[1.14,1.28]
0.96
[0.88,1.05]
スタチン薬
アトルバスタチン20mg
単回
100mg
QD反復
140.98
[0.90,1.06]
0.67
[0.52,0.85]
糖尿病治療薬
メトホルミン1000mg
単回
100mg
QD反復
140.94
[0.88,1.00]
0.94
[0.86,1.03]
オピオイド系鎮痛薬
メサドン20〜200mg
QD反復
100mg
QD反復
14R-メサドン
0.95
[0.90,1.01]
0.98
[0.93,1.03]
0.95
[0.88,1.03]
S-メサドン
0.98
[0.90,1.06]
0.97
[0.91,1.04]
0.97
[0.86,1.10]
表5 併用薬がイスラトラビルの薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬の1回用量及び用法イスラトラビルの1回用量及び用法例数イスラトラビルの血漿中薬物動態パラメータの幾何平均比(併用時/非併用時)
[90%信頼区間]
(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24h
抗HIV薬
ドラビリン100mg
QD反復
2.25mg
QD反復
91.06
[1.01,1.12]
1.08
[0.91,1.27]
ラミブジン300mg
QD反復
2mg
単回
200.13
[0.12,0.15]
0.24
[0.20,0.27]
0.22
[0.18,0.26]
制酸薬
パントプラゾール††40mg
QD反復
0.75mg
単回
61.05
[0.94,1.16]
0.99
[0.72,1.35]
表6 イスラトラビルが併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬の1回用量及び用法イスラトラビルの1回用量及び用法例数併用薬の血漿中薬物動態パラメータの幾何平均比(併用時/非併用時)
[90%信頼区間]
(影響なし=1.00)
AUCCmaxC24h
抗HIV薬
ドラビリン100mg
QD反復
2.25mg
QD反復
91.13
[1.01,1.28]
1.11
[0.99,1.25]
1.12
[0.95,1.32]
経口避妊薬
エチニルエストラジオール・レボノルゲストレル0.03/0.15mg
単回
20mg
QW反復
14エチニルエストラジオール
1.05
[0.98,1.11]
1.02
[0.97,1.08]
レボノルゲストレル
1.13
[1.06,1.20]
0.97
[0.88,1.06]
スタチン薬/糖尿病治療薬
アトルバスタチン・メトホルミン20/1000mg
単回
60mg
単回
14アトルバスタチン
1.04
[1.00,1.10]
0.86
[0.72,1.04]
1.01
[0.93,1.10]
メトホルミン
0.87
[0.79,0.96]
0.80
[0.70,0.91]
1.13
[1.00,1.26]
オピオイド系鎮痛薬
メサドン20〜200mg
QD反復
60mg
単回
13R-メサドン
1.03
[1.00,1.07]
1.02
[0.96,1.09]
1.06
[1.03,1.10]
S-メサドン
1.03
[0.99,1.07]
1.01
[0.94,1.09]
1.08
[1.04,1.13]
注)承認された用量はドラビリン100mg/イスラトラビル0.25mgである。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(051試験)
051試験は、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)が3ヵ月間以上得られており、ウイルス学的失敗の経験がないHIV-1感染症成人患者を対象に、ARTの継続投与レジメンからDOR/ISL(100mg/0.25mg)1日1回へ切り替えた際の有効性及び安全性を評価する無作為化、非盲検、実薬対照試験である。活動性のB型肝炎ウイルス(HBV)に感染している(HBs抗原陽性又はHBV DNA陽性)治験参加者は本試験から除外した。治験参加者553例(日本人13例を含む)は、2:1の比でDOR/ISL切替え群(368例)又はベースラインART継続群(185例)に無作為に割り付けられた(ベースラインARTレジメンにより層別化)。
有効性の主要評価である48週時の結果は表1のとおりであり、DOR/ISL切替え群のベースラインART継続群に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:4%)。
48週時点で、本剤を投与した366例中44例(12.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢12例(3.3%)、疲労及び浮動性めまい各7例(1.9%)、腹部膨満及び頭痛各6例(1.6%)であった。48週時点のCD4陽性T細胞数のベースラインからの変化量の平均値は、DOR/ISL切替え群で5.4cells/mm3、ベースラインART継続群で18.2cells/mm3であり、両群で同程度であった。[15.1参照]
表1 有効性の結果(051試験、48週時、FAS)
 DOR/ISL切替え群ベースラインART継続群
主要評価項目:HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の参加者の割合(FDA Snapshot法)1.4%(5/366例)4.9%(9/185例)
群間差(95%CI−3.58%(−7.81,−0.77)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満の参加者の割合(FDA Snapshot法)95.6%(350/366例)91.9%(170/185例)
ウイルス学的データがない参加者の割合3.0%(11/366例)3.2%(6/185例)
17.1.2 国際共同第III相試験(052試験)
052試験は、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)が3ヵ月間以上得られており、ウイルス学的失敗の経験がないHIV-1感染症成人患者を対象に、BIC/FTC/TAFの継続投与レジメンからDOR/ISL(100mg/0.25mg)1日1回へ切り替えた際の有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、実薬対照試験である。活動性のHBVに感染している(HBs抗原陽性又はHBV DNA陽性)治験参加者は本試験から除外した。治験参加者514例(日本人17例を含む)は、2:1の比でDOR/ISL切替え(1日1回)群(343例)又はBIC/FTC/TAF継続群(171例)に無作為に割り付けられた。
有効性の主要評価である48週時の結果は表2のとおりであり、DOR/ISL切替え群のBIC/FTC/TAF継続群に対する非劣性が検証された(非劣性マージン:4%)。
48週時点で、本剤を投与した342例中35例(10.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、下痢5例(1.5%)であった。48週時点のCD4陽性T細胞数のベースラインからの変化量の平均値は、DOR/ISL切替え群で30.4cells/mm3、BIC/FTC/TAF継続群で28.2cells/mm3であり、両群で同程度であった。[15.1参照]
表2 有効性の結果(052試験、48週時、FAS)
 DOR/ISL切替え群BIC/FTC/TAF継続群
主要評価項目:HIV-1 RNA量が50copies/mL以上の参加者の割合(FDA Snapshot法)1.5%(5/342例)0.6%(1/171例)
群間差(95%CI0.88%(−1.86,2.90)
HIV-1 RNA量が50copies/mL未満の参加者の割合(FDA Snapshot法)91.5%(313/342例)94.2%(161/171例)
ウイルス学的データがない参加者の割合7.0%(24/342例)5.3%(9/171例)

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ドラビリン
ドラビリンは、ピリジノン型の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害することにより、HIV-1の複製を阻害する。ドラビリンは、ヒト細胞DNAポリメラーゼα、β及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγを阻害しない1)
イスラトラビル
イスラトラビルは、デオキシアデノシン型のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)である。イスラトラビルは、細胞内のキナーゼを介して薬理活性を有するイスラトラビル三リン酸(ISL-TP)にリン酸化される。新生ウイルスDNAに取り込まれたISL-TPは、即時型のチェーンターミネーターとして逆転写酵素のトランスロケーションを阻害する。トランスロケーションが生じた場合、1つのヌクレオチドの付加を伴いウイルスDNAの構造的変化が起こり、遅延型のチェーンターミネーターとして作用する。ISL-TPは、ヒト細胞DNAポリメラーゼβ及びミトコンドリアDNAポリメラーゼγを阻害しない。ISL-TPのヒト細胞DNAポリメラーゼαに対するIC50値は29.6μmol/Lであった。
18.2 In vitro抗ウイルス作用
ドラビリン+イスラトラビル
培養細胞を用いた試験系において、ドラビリンとイスラトラビルの併用による抗ウイルス作用に対する拮抗作用は認められなかった。
ドラビリン
GFPレポーター遺伝子導入MT4細胞に野生型HIV-1実験室株を感染させた試験系において、100%正常ヒト血清存在下でのドラビリンのEC50値は12±4.4nmol/Lであった。HIV-1分離株(A、A1、AE、AG、B、BF、C、D、G及びH)に対するドラビリンのEC50値は1.2〜10nmol/Lの範囲であった。
イスラトラビル
初代培養PBMC及び単球由来マクロファージに野生型HIV-1実験室株を感染させた試験系において、イスラトラビルのEC50値はそれぞれ0.21±0.12及び0.03±0.03nmol/Lであった。HIV-1分離株(A、A1、AE、AG、B、BF、C、D、F1、G及びH)に対するイスラトラビルのEC50値は2.4〜6.9nmol/Lの範囲であった。
18.3 薬剤耐性
18.3.1 In vitro試験
ドラビリン
由来及びサブタイプの異なる野生型HIV-1及びNNRTI耐性HIV-1を細胞に感染させ、培養してドラビリン耐性株を選択した結果、HIV-1逆転写酵素のV106A、V106M、V106I、V108I、F227L、F227C、F227V、F227I、H221Y、M230I、L234I、P236L及びY318F変異が認められた。
イスラトラビル
現時点においてイスラトラビルに対する耐性関連変異は特定されていない。由来及びサブタイプの異なる野生型HIV-1を細胞に感染させ、イスラトラビルと培養した結果認められたHIV-1逆転写酵素のM41L、L74I、V90I、A114S、A158T、C162Y、T165A、M184I、M184V、A400T変異(単一又は多重変異)を有するHIV-1に対するイスラトラビルのIC50値は野生型HIV-1と比較して0.6〜64.8倍変化した。[5.118.3.218.4参照]
18.3.2 臨床試験
051試験及び052試験において、DOR/ISL切替え群(708例)のうち、4週間隔で2回連続してHIV-1 RNA量が200copies/mL以上となり薬剤耐性検査を受けた治験参加者3例では、48週時点までの治験薬投与中にDOR又はISL耐性変異は認められなかった。[5.118.3.118.4参照]
051試験及び052試験において、DOR/ISL切替え群の598例から、ベースライン時のプロウイルスDNA耐性データ及び48週時のウイルス学的データが得られた。このうちベースライン時に、NNRTI耐性関連変異注1)が152例(25%)に、M184I/V変異が40例(7%)に認められた。ベースライン時にNNRTI耐性関連変異及びM184I/V変異が認められた治験参加者のそれぞれ97%及び93%が48週時点のウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50copies/mL未満)を維持した。
注1)051試験及び052試験の治験実施計画書に規定した、ドラビリンに対する耐性関連変異が記録されている者は、除外された。
18.4 交差耐性
ドラビリン
K103N、Y181C又はK103N/Y181C変異を有するHIV-1実験室株では、100%正常ヒト血清存在下で評価した結果、ドラビリンに対する感受性が3倍未満に低下した。NNRTI耐性関連変異(K103N、Y181C、G190A及びE138K)を有するHIV-1分離株に対して、ドラビリンは臨床での血漿中濃度に相当する濃度で抑制した。Y188L、K103N/Y188L、V106I/Y188L、V106A/G190A/F227L及びE138K/Y181C/M230L変異を有する臨床分離株では、ドラビリンに対する感受性が100倍を超えて低下した。治療により発現するドラビリン耐性変異は、エファビレンツ、リルピビリン、ネビラピン及びエトラビリンに対して交差耐性をもたらす可能性がある。
イスラトラビル
現時点においてイスラトラビルに対する耐性関連変異は特定されていない。NRTI耐性関連変異を有する臨床分離株を用いてin vitro抗ウイルス作用を評価した結果、M184I又はM184V変異によりイスラトラビルの活性がそれぞれ3.9倍及び5倍低下した。イスラトラビルの活性は、チミジンアナログ変異により1.2〜18倍低下した。また、イスラトラビルの活性は逆転写酵素領域の69位の挿入変異により10倍低下、69位の挿入変異にM184I/V変異も有する場合には21倍低下した。[5.118.3.118.3.2参照]

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ドラビリン

一般的名称 ドラビリン
一般的名称(欧名) Doravirine
化学名 3-Chloro-5-({1-[(4-methyl-5-oxo-4,5-dihydro-1H-1,2,4-triazol-3-yl)methyl]-2-oxo-4-(trifluoromethyl)-1,2-dihydropyridin-3-yl}oxy)benzonitrile
分子式 C17H11ClF3N5O3
分子量 425.75
物理化学的性状 白色の粉末で、エタノールに極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
理化学知見その他 ドラビリン
KEGG DRUG D10624

19.2. イスラトラビル水和物

一般的名称 イスラトラビル水和物
一般的名称(欧名) Islatravir Hydrate
化学名 2'-Deoxy-4'-C-ethynyl-2-fluoroadenosine monohydrate
分子式 C12H12FN5O3・H2O
分子量 311.27
物理化学的性状 白色〜淡黄色の粉末で、エタノール又はメタノールにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
理化学知見その他 イスラトラビル水和物
KEGG DRUG D11914

20. 取扱い上の注意

湿気を避けるため、瓶のまま密栓して保存し、常時乾燥剤を入れておくこと。

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

30錠[瓶、バラ、乾燥剤入り]

23. 主要文献

  1. Lai MT,et al., Antimicrob Agents Chemother., 58, 1652-63, (2014) »PubMed

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
電話:医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961
製品情報問い合わせ先
MSD株式会社 MSDカスタマーサポートセンター
東京都千代田区九段北1-13-12
電話:医療関係者の方:フリーダイヤル 0120-024-961

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
MSD株式会社
東京都千代田区九段北1-13-12

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/05/20 版