医療用医薬品 : エトカマ

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医薬品情報


総称名 エトカマ
一般名 カミゼストラント
欧文一般名 Camizestrant
製剤名 カミゼストラント錠
薬効分類名 抗エストロゲン剤
抗悪性腫瘍剤
薬効分類番号 4291
KEGG DRUG
D12049 カミゼストラント
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年6月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
エトカマ錠75mg ETCAMAH tablets 75mg アストラゼネカ 42910J6F1020 劇薬, 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認され疾患進行が認められないホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌

5. 効能または効果に関連する注意

5.1 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
5.2 臨床試験に組み入れられた患者の内分泌療法歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
5.3 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、内分泌療法中にESR1遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いることとし、検査の実施時期について「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、国内外の診療ガイドライン等の最新の情報を参考にすること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.1参照]

6. 用法及び用量

CDK4/6阻害剤との併用において、通常、成人にはカミゼストラントとして75mgを1日1回経口投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

7.1 閉経前乳癌及び男性に対しては、LH-RHアゴニスト投与下で使用すること。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、休薬・中止すること。
副作用に対する休薬及び中止基準
副作用程度注)処置
徐脈Grade2以上・症状が回復するまで本剤を休薬する。
・3週間以内に症状が回復しない場合は、本剤の投与の中止を検討する。
眼障害(光視症、霧視等)Grade2以上・症状が回復するまで本剤を休薬する。
・3週間以内に症状が回復しない場合は、眼科医による診察を実施し、本剤の投与の中止を検討する。
上記以外の副作用Grade3以上・Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。
・3週間以内にGrade1以下に回復しない場合又はGrade3以上の副作用が再発した場合は、本剤の投与の中止を検討する。

8. 重要な基本的注意

本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後4週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)に妊娠期から授乳期まで投与した際、臨床曝露量(AUC)の約0.003倍に相当する用量で、妊娠期間の延長、難産、出生児数の減少、死産児数の増加、出生児生存率及び体重の低下等が認められた。[9.4.1、9.4.2、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、乳児が乳汁を介して摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

相互作用序文
本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はCYP2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP3A、BCRP及びOATP1B1を阻害する。[16.4参照]
薬物代謝酵素用語
CYP3A
薬物代謝酵素用語
CYP2B6
薬物代謝酵素用語
CYP2C9
薬物代謝酵素用語
CYP2C19
薬物代謝酵素用語
BCRP
薬物代謝酵素用語
OATP1B1
10.2 併用注意
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール等
[16.7.1、16.7.3参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ
(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[16.7.3参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、摂取しないよう注意すること。これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C9の基質となる薬剤
フェニトイン
セレコキシブ等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP2C9を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
ワルファリン
[16.7.3参照]
ワルファリンの作用が増強されるおそれがあるので、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等の血液凝固能の変動に十分注意すること。本剤がCYP2C9を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP2B6の基質となる薬剤
ケタミン
ネビラピン
メサドン等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP2B6を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
シクロホスファミド
[16.7.3参照]
シクロホスファミドの有効性が減弱するおそれがある。本剤がCYP2B6を阻害することにより、シクロホスファミドの代謝活性化が阻害され、シクロホスファミドの活性代謝物の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C19の基質となる薬剤
オメプラゾール
ランソプラゾール
ジアゼパム等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP2C19を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム
シンバスタチン
フェンタニル等
[16.7.2参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
ロスバスタチン
サラゾスルファピリジン
シンバスタチン等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
OATP1B1の基質となる薬剤
アトルバスタチン
プラバスタチン
ロスバスタチン等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がOATP1B1を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
シプロフロキサシン
オンダンセトロン
イミプラミン
メサドン等
QT間隔延長作用を増強するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがある。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 10%以上1%〜10%未満1%未満
眼障害光視症
(19.4%)
霧視、硝子体浮遊物、ドライアイ、視力障害 
心臓障害 徐脈 
血管障害  深部静脈血栓症
臨床検査 ALT増加、AST増加、心電図QT延長 

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 反復投与毒性試験において、ラット及びイヌに子宮萎縮、卵巣嚢胞(臨床曝露量未満に相当する用量)、精細管変性・萎縮(臨床曝露量の約2倍)等が認められ、ラットでは卵巣顆粒膜細胞過形成(臨床曝露量未満に相当する用量)、イヌでは卵巣顆粒膜細胞腫、精巣間質細胞(ライディッヒ細胞)過形成(臨床曝露量の約3倍)が認められた。また、ラットでは卵巣顆粒膜細胞腫(臨床曝露量の約58倍)、イヌでは精巣間質細胞(ライディッヒ細胞)腺腫(臨床曝露量の約13倍)及び卵巣性索間質過形成(臨床曝露量の約50倍)が認められた。
15.2.2 受胎能及び初期胚発生に関する試験において、雌ラットでは、臨床曝露量未満に相当する用量で性周期の乱れ、交尾徴候増加、妊娠率低下及び初期胚生存率の低下が認められたが、1カ月間の休薬により回復性が認められた。反復投与毒性試験において、雄ラットでは、精子細胞・精子数の減少(臨床曝露量の約2倍)、交尾率低下、異常精子率の増加(臨床曝露量の約7倍)、精子運動性及び妊娠率の低下(臨床曝露量の約26倍)が認められた。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人女性乳癌患者(7例)に本剤75mgを1日1回反復経口投与したときの1日目及び15日目におけるカミゼストラントの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった1)。
図 日本人女性乳癌患者(7例)に本剤75mgを1日1回反復経口投与したときの1日目及び15日目における血漿中カミゼストラント濃度推移(平均値±標準偏差)
<1日目>
<15日目>
表 日本人女性乳癌患者(7例)に本剤75mgを1日1回反復経口投与したときの1日目及び15日目におけるカミゼストラントの薬物動態パラメータ(幾何平均値[幾何変動係数])
 Cmax(ng/mL)tmax(h)aAUC(0-8h)(ng×h/mL)AUC(0-∞)(ng×h/mL)t1/2(h)b
1日目56.5(26.2)3.62(1.42,10.2)264.7(36.1)655.0(17.6)c11.9±3.8c
15日目86.8(22.4)5.72(1.92,7.47)459.6(20.9)d−−
16.2 吸収
16.2.1 絶対バイオアベイラビリティ
閉経後女性健康成人(6例)に本剤75mgを単回経口投与したときの絶対バイオアベイラビリティは43%であった2)(外国人データ)。
16.2.2 食事の影響
閉経後女性健康成人(15例)に本剤75mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪・高カロリー食後投与におけるカミゼストラントのCmax及びAUC(0-∞)の幾何平均値の比は、それぞれ1.062及び1.098であった2)(外国人データ)。
16.3 分布
カミゼストラントのヒト血漿蛋白結合率は75.3%であった。カミゼストラントの血液/血漿中濃度比は0.99であった3)(in vitro)。
16.4 代謝
カミゼストラントは主にCYP3A及びUGT1A4により代謝され、複数の酸化反応に加えて、直接的なN-グルクロン酸抱合を受ける4)(in vitro)。閉経後女性健康成人(6例)に[14C]-カミゼストラント75mgを単回経口投与したとき、血漿中には主にN-グルクロン酸抱合体、酸化代謝物のN-グルクロン酸抱合体、カミゼストラントが検出された(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ20.1%、11.2%及び13.6%)5)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
閉経後女性健康成人(6例)に[14C]-カミゼストラント75mgを単回経口投与したとき、投与216時間後までの放射能の尿中排泄率及び432時間後までの放射能の糞中排泄率はそれぞれ16.8%及び65.1%であった。投与216時間後までの未変化体の尿中排泄率は4.8%であった6)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害
本剤75mgを単回経口投与したとき、肝機能正常者(8例)に対する、中等度肝機能障害者(Child-Pugh分類B、8例)及び重度肝機能障害者(Child-Pugh分類C、6例)のカミゼストラントのAUC(0-∞)の幾何平均値の比は、それぞれ2.4及び3.8であった7)(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 カルバマゼピン
閉経後女性健康成人(20例)にカルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)100mgを1〜3日目に、200mgを4〜6日目に、300mgを7〜12日目に1日2回経口投与し、10日目に本剤75mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するカルバマゼピン併用投与時のカミゼストラントのCmax及びAUC(0-∞)の幾何平均値の比は、それぞれ0.41及び0.30であった8)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 ミダゾラム
閉経後女性健康成人(23例)に本剤75mgを1日1回6日間反復経口投与し、6日目にミダゾラム(CYP3A基質)1mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUC(0-∞)の幾何平均値の比は、それぞれ1.50及び1.99であった8)(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション9)
生理学的薬物動態モデルによるシミュレーションにより、フェノバルビタール100mgを1日1回15日間反復経口投与した後に本剤75mgを単回経口投与したとき並びに本剤75mgを1日1回8日間反復経口投与した後にS-ワルファリン10mg、オメプラゾール20mg、bupropion(本邦未承認)150mg、ロスバスタチン20mg又はプラバスタチン20mgを単回投与したときの薬物相互作用を推定した。
(1)本剤単独投与時に対するフェノバルビタール(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のカミゼストラントのCmax及びAUC(0-∞)の比はそれぞれ0.58及び0.43と推定された。[10.2参照]
(2)S-ワルファリン(CYP2C9基質)、オメプラゾール(CYP2C19基質)、bupropion(CYP2B6基質)、ロスバスタチン(BCRP基質)又はプラバスタチン(OATP1B1基質)単独投与時と比較して本剤併用投与時にS-ワルファリン、オメプラゾール、bupropion、ロスバスタチン又はプラバスタチンの曝露量が上昇する可能性が示唆された。[10.2参照]
16.7.4 その他
(1)閉経後女性健康成人(14例)にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日目は1日2回、2〜6日目は1日1回で反復経口投与し、4日目に本剤75mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のカミゼストラントのCmax及びAUC(0-∞)の幾何平均値の比は、それぞれ1.37及び1.90であった10)(外国人データ)。
(2)イヌにアトロピン100μg/kgを1及び9日目に静脈内投与し、カミゼストラント10mg/kgを4〜9日目に反復経口投与したとき、カミゼストラントとの併用によりアトロピンの曝露量が増加した11)。
(3)カミゼストラントはP-gpの基質である12)(in vitro)。

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(SERENA-6試験)(jRCT2011210033)13)
アロマターゼ阻害剤(AI)とCDK4/6阻害剤との併用投与による一次治療を6カ月以上受けており、ctDNA検査注1)でESR1遺伝子変異が確認された、疾患進行が認められていないエストロゲン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者315例(本剤+CDK4/6阻害剤群注2)157例[日本人11例]、AI+CDK4/6阻害剤群注3)158例[日本人9例])を対象として、本剤及びCDK4/6阻害剤の併用投与と、AI及びCDK4/6阻害剤の継続投与の有効性及び安全性を比較する無作為化二重盲検国際共同第III相試験を実施した。
注1)AIとCDK4/6阻害剤との併用投与開始6カ月以降、2〜3カ月ごとに実施した。
注2)本剤(75mgを1日1回経口投与)、CDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、アベマシクリブ又はribociclib[本邦未承認]を、ESR1遺伝子変異の確認時と同用量で継続した)及びAIのプラセボ(1日1回経口投与)を投与し、疾患進行等が認められるまで投与を継続した。閉経前又は閉経期の女性及び男性には、LH-RHアゴニストを併用投与した。
注3)本剤のプラセボ(1日1回経口投与)、CDK4/6阻害剤(パルボシクリブ、アベマシクリブ又はribociclib[本邦未承認]を、ESR1遺伝子変異の確認時と同用量で継続した)及びAI(アナストロゾール1mg又はレトロゾール2.5mgを1日1回経口投与)を投与し、疾患進行等が認められるまで投与を継続した。閉経前又は閉経期の女性及び男性には、LH-RHアゴニストを併用投与した。
主要評価項目である治験担当医師の評価による無増悪生存期間について、中間解析結果は以下のとおりであった(2024年11月28日データカットオフ)。本剤+CDK4/6阻害剤群でAI+CDK4/6阻害剤群と比較して統計学的に有意な延長が認められた。
表 国際共同第III相試験(SERENA-6試験)における成績
 本剤+CDK4/6阻害剤群AI+CDK4/6阻害剤群
症例数157158
無増悪生存期間中央値(月)(95%信頼区間)16.0(12.7,18.2)9.2(7.2,9.5)
ハザード比注4)(95%信頼区間)0.44(0.31,0.60)注6)
p値注5)<0.00001
図 無増悪生存期間のKaplan-Meier曲線(治験担当医師評価)
安全性解析対象集団では、本剤+CDK4/6阻害剤群の155例(日本人11例を含む)中145例(93.5%)に有害事象が認められた。主な有害事象は、好中球減少症45例(29.0%)、好中球数減少42例(27.1%)、光視症31例(20.0%)、貧血27例(17.4%)、関節痛25例(16.1%)、疲労24例(15.5%)、ドライアイ18例(11.6%)、白血球数減少17例(11.0%)等であった。[5.2、5.3参照]

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
カミゼストラントは、野生型及び変異型エストロゲン受容体α(ERα)に結合する選択的エストロゲン受容体分解剤(SERD)であり、ERαを分解してER依存性の遺伝子発現を調節することにより、ESR1遺伝子変異陽性の乳癌に対して腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている14)。なお、カミゼストラントは、未成熟ラットで子宮重量増加作用を示さなかったことから、アゴニスト様作用を示さずに乳癌細胞の増殖を抑制すると考えられる15)。
18.2 抗腫瘍作用
18.2.1 in vitro試験
カミゼストラントは、野生型ヒトERαを発現するヒト乳癌由来細胞株(MCF7、CAMA1等)及び変異型(Y537S、D538G等)ヒトERαを発現させたMCF7細胞株に対して、増殖抑制作用を示した14)。
18.2.2 in vivo試験
カミゼストラントは、野生型ヒトERαを発現する乳癌患者由来腫瘍組織片(HBXF079_LTED)を皮下移植したNSG注)マウス、変異型(Y537S又はD538G)ヒトERαを発現する乳癌患者由来腫瘍組織片(ST941又はCTG1211)を皮下移植したヌードマウス等において、腫瘍増殖抑制作用を示した14)。
注)非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスを背景系統とし、インターロイキン2受容体γ鎖が欠損したマウス

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. カミゼストラント

一般的名称 カミゼストラント
一般的名称(欧名) Camizestrant
化学名 N-[1-(3-Fluoropropyl)azetidin-3-yl]-6-[(6S,8R)-8-methyl-7-(2,2,2-trifluoroethyl)-6,7,8,9-tetrahydro-3H-pyrazolo[4,3-f]isoquinolin-6-yl]pyridin-3-amine
分子式 C24H28F4N6
分子量 476.51
物理化学的性状 白色〜褐色の粉末
KEGG DRUG D12049

21. 承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

14錠[7錠(PTP)×2]

23. 主要文献

  1. 社内資料:国内第I相試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2.2)
  2. Sykes A et al., Clin Transl Sci., 19 (2), e70475, (2026), (2026 Feb)
  3. 社内資料:蛋白結合及び血球移行(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.4.1)
  4. 社内資料:代謝に関与する酵素(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.5.2.2)
  5. 社内資料:In vivo代謝(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.5.8)
  6. 社内資料:ヒトADME試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2.10)
  7. 社内資料:肝機能障害者を対象とした試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2.8)
  8. 社内資料:カルバマゼピン及びミダゾラムとの相互作用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2.11)
  9. 社内資料:生理学的薬物速度論モデルによるシミュレーション(2026年6月19日承認、CTD2.7.2.3.4.3)
  10. 社内資料:イトラコナゾールとの相互作用試験(2026年6月19日承認、CTD2.7.6.2.9)
  11. 社内資料:アトロピンとの相互作用(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.8.5)
  12. 社内資料:P-gp基質評価(2026年6月19日承認、CTD2.6.4.7.3)
  13. Bidard FC et al., N Engl J Med., 393 (6), 569-580, (2025)
  14. Lawson M et al., Cancer Res., 83 (23), 3989-4004, (2023)
  15. 社内資料:幼若ラットにおける子宮重量への影響(2026年6月19日承認、CTD2.6.2.2.2.5)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号
電話:0120-189-115
URL:https://www.astrazeneca.co.jp
製品情報問い合わせ先
アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号
電話:0120-189-115
URL:https://www.astrazeneca.co.jp

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
アストラゼネカ株式会社
大阪市北区大深町3番1号

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/10/21 版