医療用医薬品 : ブリヌスプリ

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医薬品情報


総称名 ブリヌスプリ
一般名 ブレンソカチブ水和物
欧文一般名 Brensocatib Hydrate
製剤名 ブレンソカチブ水和物錠
薬効分類名 選択的可逆的DPP1阻害薬
好中球性炎症抑制薬
薬効分類番号 2290
KEGG DRUG
D12746 ブレンソカチブ水和物
JAPIC 添付文書(PDF)
この情報は KEGG データベースにより提供されています。
医薬品情報の概要は KEGG DRUG ページをご覧ください。

添付文書情報2026年8月 作成(第1版)


商品情報 3.組成・性状

販売名 欧文商標名 製造会社 YJコード 薬価 規制区分
ブリヌスプリ錠25mg Brinsupri Tablets インスメッド 22900A1F1021 処方箋医薬品

2. 禁忌

次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

4. 効能または効果

非嚢胞性線維症性気管支拡張症

5. 効能または効果に関連する注意

「17.臨床成績」の項の内容を十分に理解した上で、患者の過去の呼吸器疾患の増悪歴、緑膿菌等の定着状況、喀痰等の呼吸器症状等を勘案し、抗菌薬投与を必要とする呼吸器疾患の増悪を繰り返すリスクのある患者に対して投与すること。

6. 用法及び用量

通常、成人及び12歳以上の小児には、ブレンソカチブとして25mgを1日1回経口投与する。

8. 重要な基本的注意

8.1 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
8.2 本剤投与中に歯肉障害・歯周病があらわれることがある。本剤投与中は口腔内を清潔に保つことなどを患者に十分説明し、異常が認められた場合には、歯科を受診するように指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラット及びウサギ胎仔において、臨床曝露量(ヒトの最大推奨臨床用量[25mg/日]を投与した場合のAUC)の20倍及び8倍以上で骨格変異(骨盤帯の移動及び過剰肋骨)の発現率増加が認められ、ラット胎仔において臨床曝露量の61倍で一過性の骨格奇形(肩甲骨の屈曲及び波状の肋骨)が認められた。さらに、動物実験(ラット)において胎盤を通過することが示唆されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中移行が示唆されている。
9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

11.2 その他の副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
 5%以上5%未満頻度不明
皮膚および皮下組織障害過角化発疹、湿疹皮膚乾燥、皮膚病変、皮膚炎、皮膚剥脱、毛孔性角化症、剥脱性発疹、脂漏性角化症、掌蹠角皮症、皮膚肥厚
神経系障害 頭痛 
胃腸障害  歯肉障害、歯周病

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人及び白人健康成人に本剤10mg、25mg及び40mgを絶食下で単回経口投与したときのブレンソカチブの薬物動態パラメータは以下のとおりであった注)1)
注)本剤の承認された用量は1回25mgである。
 日本人白人
10mg25mg40mg10mg25mg40mg
例数898888
Cmax(ng/mL)64.5(16.8)209(31.0)245(30.1)55.9(26.5)161(38.3)328(38.6)
Tmax(h)1.0(0.75,2.0)1.5(0.75,8.0)1.5(0.8,3.0)1.0(1.0,2.0)1.4(0.5,3.0)1.3(0.5,7.8)
AUC(ng・h/mL)1030(46.8)3390(35.5)4590(45.0)1140(19.6)3210(17.6)5930(12.9)
t1/2(h)18.8(20.6)21.7(19.7)23.2(26.7)25.7(34.3)24.5(16)22.1(26.3)
図1 日本人及び白人健康成人に本剤10mg、25mg及び40mgを単回投与した際のブレンソカチブの血漿中濃度推移
16.1.2 反復投与
日本人及び白人健康成人に本剤10mg、25mg及び40mgを1日1回28日間反復経口投与したときのブレンソカチブの薬物動態パラメータは以下のとおりであった注)1)
注)本剤の承認された用量は1回25mgである。
 日本人白人
10mg25mg40mg10mg25mg40mg
例数887888
Cmax(ng/mL)80.5(22.8)301(34.1)334(30.9)89.5(17.8)265(30.2)467(29.5)
Tmax(h)1.3(0.5,2.0)1.8(0.8,3.0)1.0(0.8,4.0)1.0(0.8,3.0)1.0(0.8,1.5)1.5(0.8,3.0)
AUC(ng・h/mL)1990(49.6)7890(49.3)7110(48.9)2540(25.5)8160(45.5)12200(35.9)
t1/2(h)22.5(21.7)23.3(12.1)21.9(14.3)28.1(21.7)28.7(36.1)23.6(27)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人(9例)及び白人(10例)の健康成人を対象に、高脂肪食摂取後に本剤40mgを単回経口投与したとき、空腹時と比較してCmaxは日本人で17.6%低下及び白人で1%増加し、AUCの低下はいずれも1%未満であった1)
16.3 分布
本剤を経口投与したときの定常状態の分布容積は非嚢胞性線維症性気管支拡張症の成人患者で約126〜138L、12歳以上の小児患者で約71.3〜83.6Lであった。本剤25mgを健康成人に単回投与したときの本剤の血漿蛋白結合率は82.2%であった。In vitro試験において、ブレンソカチブのヒト血漿蛋白結合率は87.2%であった(外国人データ)2)
16.4 代謝
ブレンソカチブは主にCYP3A4/5により代謝される3)。健康成人に14C標識ブレンソカチブ40mgを単回経口投与したとき、血漿中に認められた放射能の16.2%は未変化体であり、血漿中の主要な代謝物はチオシアン酸塩であった。なお、本剤の投与時の血漿中チオシアン酸塩濃度は、正常範囲内(3〜15μg/mL)4)であった(外国人データ)5)
16.5 排泄
健康成人に14C標識ブレンソカチブ40mgを単回経口投与したとき、投与放射能のうち尿中に54.2%、糞中に28.3%が排泄された。また、未変化体は、尿中に22.8%、糞中に2.41%排泄された(外国人データ)5)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
ブレンソカチブ25mgを単回経口投与したとき、腎機能正常被験者に対する軽度の腎機能障害患者(eGFRが60mL/分/1.73m2以上90mL/分/.73m2未満)のブレンソカチブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.033及び0.999であった。腎機能正常被験者に対する中等度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/分/1.73m2以上60mL/分/1.73m2未満)のブレンソカチブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.096及び1.273であった。腎機能正常被験者に対する重度の腎機能障害患者(eGFRが15mL/分/1.73m2以上30mL/分/1.73m2未満)のブレンソカチブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.831及び0.724であった(外国人データ)6)
16.6.2 肝機能障害患者
ブレンソカチブ25mgを単回経口投与したとき、軽度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:5〜6)のブレンソカチブのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者と比較して、それぞれ8%及び16%増加した。中等度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:7〜9)のブレンソカチブのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者と比較して、それぞれ7%及び14%増加した。重度の肝機能障害患者(Child-Pughスコア:10〜12)のブレンソカチブのCmax及びAUCは、肝機能正常被験者と比較して、それぞれ8%及び18%増加した(外国人データ)7)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
(1)トランスポーター
ブレンソカチブはP-gp及びBCRPの基質である。また、ブレンソカチブはBCRP(IC50=39.2μmol/L)、OATP1B1(IC50=49μmol/L)、MATE1(IC50=11.5μmol/L)及びMATE2-K(IC50=15.3μmol/L)に対して阻害作用を示した8)
(2)CYP誘導作用
ブレンソカチブはCYP3A4に対して誘導作用を示した8)
16.7.2 薬物相互作用試験
薬物相互作用試験の結果は以下のとおりであった(外国人データ)9)
併用薬併用薬投与量本剤投与量検討例数最小二乗幾何平均値の比[90%信頼区間]
(本剤との併用時/非併用時)
CmaxAUClastAUC
ベラパミル(CYP3A4及びP-gp阻害薬)240mg1日1回25mg単回151.53[1.36,1.73]1.34[1.23,1.45]1.32[1.22,1.44]
イトラコナゾール(CYP3A4及びP-gp阻害薬)200mg1日1回a25mg単回150.607[0.538,0.683]1.12[1.03,1.22]1.14[1.05,1.23]
クラリスロマイシン(CYP3A及びP-gp阻害薬)500mg1日2回25mg単回221.68[1.50,1.87]1.56[1.46,1.67]1.55[1.45,1.66]
リファンピシン(CYP3A4及びP-gp誘導薬)600mg1日1回25mg単回16b0.846[0.763,0.938]0.671[0.606,0.743]0.670[0.606,0.741]
エソメプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)40mg1日1回25mg単回160.959[0.868,1.06]1.05[1.01,1.08]1.05[1.01,1.09]

17. 臨床成績

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(INS1007-301試験)10)(jRCT2031210048)
12歳以上の非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者1721例(成人1680例及び12歳以上の小児41例、日本人成人87例を含む)を対象に、本剤を1日1回52週間投与した際の有効性及び安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、国際共同試験を実施した。被験者は、本剤の2つの用量(10mg:583例、25mg:575例)又はプラセボ(563例)のいずれかに無作為に割り付けられた。組み入れられた全ての被験者は胸部CTにより非嚢胞性線維症性気管支拡張症の確定診断を受けており、成人被験者はスクリーニング前12カ月の間に少なくとも2回、12歳以上の小児被験者はスクリーニング前12カ月の間に少なくとも1回の呼吸器疾患増悪を経験していた。主要評価項目は52週間の治療期間にわたる呼吸器疾患増悪の年間発生率であった。呼吸器疾患増悪は[1]咳嗽の増加、[2]喀痰量の増加又は喀痰の粘稠度の変化、[3]膿性痰の増加、[4]息切れの増加及び/又は運動耐容能低下、[5]疲労及び/又は倦怠感、並びに[6]喀血の[1]〜[6]のうち3つ以上の症状が48時間以上続き、医師により全身性の抗菌薬が処方された場合と定義された。
主要評価項目である呼吸器疾患増悪の年間発生率[95%信頼区間]a)は、本剤25mg群で1.04[0.93,1.16]、プラセボ群で1.29[1.16,1.43]であった。プラセボ群と比較した本剤25mg群の発生率の比[95%信頼区間]a)は0.806[0.694,0.936]であり、プラセボ群と比較して本剤25mg群で有意に減少した(調整p値:0.0048)。
a)投与群、スクリーニング時の喀痰培養による緑膿菌の定着状況(陽性/陰性)、過去12カ月間の呼吸器疾患増悪の発現回数(3回未満/以上)、地域(北米/欧州/日本/その他の地域)及び年齢(18歳未満/以上)を共変量とし、リスク期間の対数をオフセットとした負の二項回帰モデル。標準誤差はロバスト推定により算出。
副作用発現頻度は本剤25mg投与群で14.8%(85/574例)であった。主な副作用は、本剤25mg群で過角化2.3%(13/574例)、頭痛1.7%(10/574例)、及び皮膚乾燥1.2%(7/574例)であった。

18. 薬効薬理

18.1 作用機序
ブレンソカチブはDPP1の競合的かつ可逆的な選択的阻害薬(IC50:17.1nmol/L)であり、好中球エラスターゼ、カテプシンG、プロテイナーゼ3を含む好中球セリンプロテアーゼの活性を低下させる。DPP1は、骨髄における好中球の成熟中に炎症促進性の好中球セリンプロテアーゼを活性化する。活性化された好中球セリンプロテアーゼは、非嚢胞性線維症性気管支拡張症の病態に関与している。
18.2 喀痰中及び血中の好中球セリンプロテアーゼに対する作用
18歳から85歳までの非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした海外第II相臨床試験11)、及び12歳から85歳までの非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした国際共同第III相臨床試験12)において、ブレンソカチブを1日1回投与したところ、活性型の好中球セリンプロテアーゼ濃度(好中球エラスターゼ、カテプシンG、プロテイナーゼ3を含む)が時間及び曝露量依存的に減少した。当該効果はブレンソカチブ投与開始約4週間後に最大となり、投与終了2〜4週間後に活性型の好中球セリンプロテアーゼ濃度はブレンソカチブ投与開始前の値まで戻った。
18.2.1 喀痰中の好中球セリンプロテアーゼに対する作用
12歳から85歳までの非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした国際共同第III相臨床試験12)において、ブレンソカチブを1日1回投与したところ、喀痰中の活性型の好中球エラスターゼ、カテプシンG、及びプロテイナーゼ3の濃度はそれぞれ平均で35.9%、58.0%、及び46.9%減少した(ブレンソカチブ投与開始4週間後から52週間後までの減少率の中央値の平均値)。
18.2.2 血中の好中球セリンプロテアーゼに対する作用
12歳から85歳までの非嚢胞性線維症性気管支拡張症患者を対象とした国際共同第III相臨床試験12)において、ブレンソカチブを1日1回投与したところ、血中の活性型の好中球エラスターゼ、カテプシンG、及びプロテイナーゼ3の濃度はそれぞれ平均で42.1%、81.7%、及び18.0%減少した(ブレンソカチブ投与開始4週間後から52週間後までの減少率の中央値の平均値)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

19.1. ブレンソカチブ水和物

一般的名称 ブレンソカチブ水和物
一般的名称(欧名) Brensocatib Hydrate
化学名 (2S)-N-{(1S)-1-Cyano-2-[4-(3-methyl-2-oxo-2,3-dihydro-1,3-benzoxazol-5-yl)phenyl]ethyl}-1,4-oxazepane-2-carboxamide monohydrate
分子式 C23H24N4O4・H2O
分子量 438.48
物理化学的性状 白色〜オフホワイトの固体
KEGG DRUG D12746

21. 承認条件

21.1 医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

22. 包装

30錠[10錠(PTP)×3]

23. 主要文献

  1. 社内資料:臨床薬理試験(INS1007-101試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.7.2)/Usansky H,et al.:Clin Pharmacol Drug Dev.2022;11(7):832-842
  2. 社内資料:In vitro試験、臨床薬理試験(INS1007-105試験)、臨床試験(INS1007-201試験、INS1007-301試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.6.4、CTD 2.7.2)
  3. 社内資料:In vitro試験(2026年8月24日承認、CTD 2.6.4)
  4. US Prescribing Information for Sodium Nitroprusside;GRAS Notification Sodium Thiocyanate, (2017)
  5. 社内資料:臨床薬理試験(INS1007-103試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.7.2)
  6. Yeung SA,et al., Br J Clin Pharmacol., 91, 1191-1197, (2025) »PubMed
  7. 社内資料:臨床薬理試験(INS1007-105試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.7.2)
  8. 社内資料:In vitro試験(2026年8月24日承認、CTD 2.6.4)
  9. 社内資料:臨床薬理試験(D6190C00003試験、INS1007-106試験、INS1007-109試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.7.2)
  10. Chalmers JD,et al., N Engl J Med., 392 (16), 1569-1581, (2025), (2025 Apr 24) »PubMed
  11. Cipolla D,et al., Respir Res., 24, 133, (2023), (2023 May 17) »PubMed
  12. 社内資料:臨床試験(INS1007-301試験)(2026年8月24日承認、CTD 2.7.2)

24. 文献請求先及び問い合わせ先

文献請求先
インスメッド合同会社 メディカルインフォメーションセンター
東京都千代田区永田町二丁目10番3号 東急キャピトルタワー13階
電話:0120-118808
製品情報問い合わせ先
インスメッド合同会社 メディカルインフォメーションセンター
東京都千代田区永田町二丁目10番3号 東急キャピトルタワー13階
電話:0120-118808

26. 製造販売業者等

26.1 製造販売元
インスメッド合同会社
東京都千代田区永田町二丁目10番3号 東急キャピトルタワー13階
URL:https://insmed.jp

[ KEGG | KEGG DRUG | KEGG MEDICUS ] 2026/09/16 版